山口真弘著「ScanSnap 仕事便利帳」を手にして…

別途「ScanSnap S1100 をバード電子の専用スタンドで使う」でレポートしたとおり、Macを置いた同じ机上にScanSnap S1100を設置し活用し始めている。今のところそんなに使用頻度は高くないもののとても便利にしているし使い勝手もよい。ということでこの便利さを再認識しようと「ScanSnap 仕事便利帳~1台を使い尽くす180の活用法」という本を買ってみた。                                                                              

この種のノウハウ本を買うのは本当に久しぶりだ。自炊といわれるような使い方はほとんどしないが、そもそもスキャナといった類の利用歴は大変古く、1985年2月にはMacintosh用のサンダースキャンを、翌年1986年2月にはNEC PC-9801用のIN502というフラットベットスキャナを手にしている。
その後も1986年8月にEPSON GT-3000を1987年2月にはMac用のドキュメントスキャナ MacScanを活用していたし、GT-4000は発売開始と共に入手していた。
また本来はNECのMS-DOSパソコン向けに開発されたGT-4000をMacで使うためのアプリケーションやハンディスキャナ・アプリを自社ブランドで販売していたこともあり、スキャナとかビデオデジタイザといった類の製品や対応ソフトウェアには詳しくならざるを得ず、そうした機器への興味は現在まで綿々と続いている...。

scansnapbook.jpg

※「ScanSnap 仕事便利帳~1台を使い尽くす180の活用法」の表紙および帯


したがって大変僭越な物言いだが、本書「ScanSnap 仕事便利帳~1台を使い尽くす180の活用法」で紹介されている活用法や関連ノウハウについてはそのほとんどは熟知しているつもりだし、スキャナという機器の可能性や利点についてはそれこそ1冊の本を書けるほど理解しているつもりだ。
そんな私にとって本書の魅力はひとつひとつのノウハウがどうのこうの...というよりそれらが小振りの1冊に集約されている利便性にある。それに編集の妙でもあるのだろうが「情報整理」「会議効率化」「人脈作り」「スキルアップ」「まだある!便利技」といったジャンル分けが使い易いし、必要なページにアクセスしやす工夫にも好感が持てる。

私が利用しているS1100にしても取扱説明書などより本書を斜め読みした方がよっぽど面白いし役に立つと思う(笑)。
ただし現実問題としては製品の取扱説明書にはきちんと目を通しておくべきだしドキュメントスキャナに求める機能の有無などはメーカーサイトなどで情報を集めておく必要がある...。

なぜなら本書には各項目毎にiX5000/S1500/S1500M/S1300i/S1100の製品の型番を記し、当該内容をサポートしているかどうかを機種毎に明確にしている。しかし例えば27ページにある「紙のスクラップはもう古い!資料となる新聞・雑誌はスキャン」という内容は確かにS1100でサポートしている機能ではあるものの、それはWindows版に限られた機能でありMac版ドライバーでは未対応なので使えない。
無論冒頭の “Attention” というページに一部の機能はWin版でしか使えないと明記されてはいるが、 難を言えば前記したサポートする機種の明記と共に各項にWin版/Mac版の区別をきちんと明記しておくべきだと思う。
だから、本書を見て「これは便利だ、是非活用したい」と思ってもMac版ではサポートしていないケースもあるわけで、やはり必要だと思う機能については時前に自身の環境でサポートされているかをメーカーサイトや取扱説明書で確認しておくことは重要だろう。

ともあれ本書はすべて読み尽くす必要も無いと思う。必要に応じて必要な箇所を参考にしているうちにドキュメントスキャナとは何ができて何ができないか...長所と短所が見えてくるに違いない。
ということで本書は特にScanSnapを初めて手にするユーザー諸氏には強い味方になってくれるに違いない。
_____________________________________________________________________________

ScanSnap仕事便利帳―1台を使い尽くす180の活用法

2012年12月31日 初版第1刷発行

著 者:山口真弘
編 集:田上理香子 (ソフトバンククリエイティブ学芸書籍編集部)
発行所:ソフトバンククリエイティブ株式会社
コード:ISBN978-4-7973-72410-0 C0055
価 格:1,238円(税別)
_____________________________________________________________________________


関連記事
広告
ブログ内検索
Macの達人 無料公開
[小説]未来を垣間見た男 - スティーブ・ジョブズ公開
オリジナル時代小説「木挽町お鶴御用控」無料公開
オリジナル時代小説「首巻き春貞」一巻から外伝まで全完無料公開
ラテ飼育格闘日記
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

mactechlab

Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員