ソニーのデジカメ新製品「DSC-HX1」ファーストインプレッション

大谷和利さんからの刺激を120% 受けてソニーの高画質技術を結集した新しいデジタルカメラ「サイバーショット DSC-HX1」を手に入れた。ソニーのデジタルカメラを手にするのは何年ぶりだろうか...。私はサイバーショット誕生時の最初期ユーザーでもあったがソニーのデジカメは正直好きでなかったのだ..。

 
最初期のサイバーショットは出来が良くなかった。蒸し返すようだがバッテリーの持ちも非常に悪く私たちは「サイバー“ちょっと”」と揶揄していたほどである(笑)。
それ以上に違和感を持ったのはソニーが独自に開発したメモリスティックだ。
コンパクトフラッシュ、SDカードなどなどさまざまな記録メディアが乱立し始めた中で事実上ソニーだけが採用しているこのメモリスティックなるものは他メーカーの製品に転用できないこともありその「自社が提唱するモノが一番なのだ」とでも言っているようなコンセプトが鼻につき気に入らなかった。
考えても見ていただきたい。もしもそんな調子で富士フィルム、カシオ、リコー、オリンパスなどなど各社が独自の記録メディアを開発されてはユーザーはたまったものではない...。当時はそう考えたのである。したがってこの十数年多くのデジカメを手にしたもののソニーの製品はそれ以来1台も買っていなかった。

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※ソニーのサイバーショット「DSC-HX1」パッケージ


さて今回手にした「 DSC-HX1」は正直そのデザインがあまり好き出てはないもののあくまで機能重視で選んだ結果である。
有効画素数は910万ピクセルでCMOSセンサー「Exmor(エクスモア)」と画像処理エンジン「BIONZ(ビオンズ)」の搭載によって、低ノイズ設計かつ最大画像サイズ(9M)で秒間最大10コマの高速連写を実現。無論光学式手ぶれ補正機能も備えている。
カメラを一振りするだけで、最大224度のパノラマ写真を1秒で撮影できる「スイングパノラマ」機能。最大画像サイズ&メカニカルシャッターで、秒間10コマの高速連写、高速連写した6枚の画像を1枚に合成してノイズを低減する「手持ち夜景モード」、動画撮影機能はCyber-shotでは初めてのフルHD(1440×1080)に対応そして28~560mm相当/F2.8-5.2の20倍ズームレンズなどなど見るべき機能が満載の製品である。

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※「DSC-HX1」はこの種のデザインとしてはコンパクトだ(上)。液晶は3型でチルト可能(下)

 
すでにいくつかのデジタルカメラを所有していることもあり個人的に本機に期待する機能は限られている。無論その第1は「スイングパノラマ」機能、第2は高速連写した6枚の画像を1枚に合成してノイズを低減する「人物ブレ軽減モード」「手持ち夜景モード」そして20倍ズームといったところだ。
特に海外旅行に行くとか、珍しい風景に出会うといったことを期待しているわけではないが、私の住んでいる地域は緑が多く土地の起伏も激しい。春には桜が、秋には燃えるような紅葉、そして夏にはむせるほどの緑に埋め尽くされ様々な野鳥が飛び交い鶯の姿も難なく見られるという土地柄である。その恵まれた風景の真っ只中に愛犬と足を踏み入れる毎日だがその圧倒的なスケール感を含めてパノラマ撮りをしてみたいと考えていたからだ。また緑が深い場所は夕刻にもなれば薄暗くなるものの、だからこその美しさも手軽に残して置きたいと日々デジカメを携帯してきた。
「 DSC-HX1」はどこまでそうした期待に応えてくれるのだろうか...。

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※使用するバッテリーはNP-FH50。記録メディアは取り急ぎテスト用としてMEMORY STICK PRO Duo-Mark2を買ったが、別途MEMORY STICK PRO HG Duoも入手中

 
「 DSC-HX1」はレンズ一体型だが手にすると実際には意外と小ぶりであることが分かる。なお液晶部は3型で前後方向にチルトが可能だ。
本体はブラックでボディの材質は特に高級感はないがネットの写真などで見るよりは存在感がある。またグリップ感も悪くないがジョグダイアルを押し込んでしまったりMENUボタンを押して「あらら...」ということになっている。まだ手に馴染んでいないからだろう。
ともかくバッテリーを充電し、夕刻の散歩に首から提げてみたが持つと小型でも常時携帯するとなればコンパクトデジカメのようにはいかず少々邪魔になる。しかしとにかく数枚の連写と「スイングパノラマ」を撮ってみたがパノラマもシャッターを押した後にカメラを設定にしたがって振れば良いだけだ。これで1秒程度できれいに画像をつなぎ合わせてくれるのだから凄い。ただし難しいことは一切ないが、やはりそこはカメラを移動するスピードをはじめとして多少のコツは習得する必要があるようで数枚は一部の画像が出来ていない形になっていた。

パノラマ撮影は「標準」と「ワイド」が選べ、左右の場合にはそれぞれ最大154度で4912×1080ピクセルと最大224度で7152×1080ピクセルになる。
ともかく「標準」設定でまずまず旨く撮れた1枚を見ると154度全域のパノラマ写真なのに歪みは目立たない...。本来は4912×1080ピクセルでファイルサイズも3.6MBほどあるわけだが事情を知らない人にこの縮小した写真を見せても一般的な写真の上下を取り払い、中央部分だけをトリミングしたように見えるかも知れない。

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※パノラマ例


また夕暮れの風景などを撮った感想としてはフォーカススピードが速くかつなかなかシャープな写真が撮れるようだ。
具体的な使用感については後日にお伝えしたいと思うが、愛犬たちが激しく動き回る姿を収めるにも大いに役立つように思う。
デジタルカメラも一時はその解像度を上げるだけに終始した時期があったし、はたしてデジカメはこの後どのような進化あるいは退化するのだろうかと少々訝しく思ったこともあった。しかしハイビジョン撮影はもとよりだが、メーカー各社が独自のユニークな機能で製品開発を行っている現状はユーザーとして楽しみである。

本機は記録フォーマットにRAWがサポートされていないこともあり、当然のことながら価格も含めてプロ志向の製品ではないがデジタルカメラ本来の「写真を楽しむ」ということを思い出させてくれる製品のような気がする。
また良い意味で意外だったことがある。それが「 DSC-HX1」の操作性の良さ、分かりやすさだ。かなり多機能な製品だからしてさぞかし扱いや操作が複雑なのでは...と思っていたが取扱説明書はたった70ページほどに要領よく説明されているといういたってシンプルなものだった。
まだまだ全ての機能を把握したわけではないが、一通りの機能を取扱説明書と共に確認しているが全体的に操作が分かりやすくて好感が持てた。

ちょっと...ソニー...見直したゾ。


 

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員