CrazyTalk Animator2 Pro 覚書[3]
CrazyTalk Animator2 Pro(CTA2 Pro)によるアニメーションの魅力を少しずつ確認しているが、今回はキャラクター(Actor)のバリエーションの可能性とカスタマイズしたHead(頭)を使ったアニメーションの例を挙げて覚書を続けたい。
今回の覚書はCTA2 ProによるActorすなわちキャラクターをカスタマイズする初歩とアニメーション化のポイントなどについて記しておきたい。
これまでの2回で作例としてスティーブ・ジョブズさんの姿を作りそれを歩かせてみたが、このキャラクターもご覧頂いたケースだけでなく様々な変化というか、バリエーションを期待できることも知っておきたい。
これまでのキャラクターは顔すなわち頭のサイズを含めて身体全体のバランスはアプリの初期値のままで作ってきた。ただしアニメーション化の際に例えばよりコミック色を強くしたいといった場合には体型全体を子供のような小型(CTA2 ProではHobbit)に編集したり、逆にノッポにしたりも可能だ。無論そうしてもBoneとしての骨格の働きは保持しているので扱い易い。
それには Actor Proportion 機能を使う。この機能を使うにはプロポーションを変えるキャラクターをアクティブにし、左のツールパレット一番上にある Charactor Composer アイコンをクリックし、その上で同じくツールパレットに表示される Actor Proportion をクリックする。

※ツールパレット一番上にある Charactor Composer アイコンをクリック
これで当該モードのウィンドウが表示され、そこには 基本形(Default)の他に5種類のプロポーションが用意されている。
例えばそのうちの Hobbit をクリックするとコンポーザーモードにあるキャラクターは即身体のサイズが子供のような体型に変わるはずだ。無論その後、頭のサイズをより大きくする…といったことも自由だ…。


※5種類のプロポーションが選択可能(上)。 Hobbit をクリックした例。左はディフォルトサイズで右が Hobbit サイズ(下)
さてそれらを踏まえて今回はActorの顔を写真などから取ったビジュアルに変えることをやってみたい。
以前の2回で使ったジョブズさんのキャラクターはCTA2 Proに同梱されていたものおよびオプションで購入したコンテンツを使い、あくまで顔の部位をジョブズ似のものへと取り替え、時にカラーを変えてそれらしいキャラクターを作った例だった。勿論こうして作るキャラクターは良い意味で2Dアニメらしい持ち味を出すしてくれるが、CTA2 Pro には好みの写真から顔(頭)を作り、それを既存の頭部と取り替えてキャラクターにする機能が備わっている。
例えばよく似せたとはいえこれまでのキャラクターはあくまで手描き風…マンガ的だ。もっとストレートに絵であり写真であるものを使えば当然のことながら時にインパクトのある表現ができる可能性がある…。
ということで次の課題は写真による顔をCTA2 ProのActorに使ってみることにしよう。

※スティーブ・ジョブズの若かりし頃の顔写真を用意
まずスティーブ・ジョブズの若かりし頃の写真から顔だけを切り抜いたものを用意する。その際は首もない方が良い。またできる限り真正面を向いた写真が好ましい。その顔写真をCTA2 Proで読み込んで処理し、Actorの頭部と入れ替える訳だ…。
では早速CTA2 Proのステージ左にあるツールボックスから Create Face をクリックする。ファイルを読み込むダイアログが表示されるので前もって用意した顔写真を指定し読み込む。
念のために記せば読み込んでから顔の範囲指定や余分な背景を抜き消去することもできるが前記したようにあらかじめ手慣れたグラフィックソフトで処理しておいた方が安全だ。
読込を確認して Next ボタンで次に進む。ここからの手順は1枚の写真が表情豊かに動き、瞬きやウインクをするだけでなく口を開けて喋る動作を可能にするためのものだ。したがって多少の慣れも必要だが可能な限り正確に作業を進めよう。
まず最初のステップは写真の両目の位置と左右の口元位置を指定する。右のサイドバーに要点が表示されるので英文ながら概略はお分かりだと思う。済んだら Next ボタンをクリックする。
Face Fitting Editorでこのウィンドウが1番重要なので心してやってみよう。
要は顔の輪郭、眉毛や両目、鼻の左右のポイント、口を写真に正確な形で表示されているポイントをドラッグしながらパスをコントロールする。これまたサイドバーを見れば要点はお分かりだろうが、必要なら写真を拡大するなり、パスの指定を詳細モードにするなどしてくどいようだが可能な限り写真の各部位に合わせてパスを置く。なお当該ウィンドウ右には指定したポイントが正しく、巧く動作するかを簡便に確認するボタンがあるので幾度か試し、顔の動作が変であれば極力微調整を行う。そして終わったら Next ボタンで次に進む。

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※Face Fitting Editorによる各種設定モード
このFace Orientationウィンドウは顔を上下左右に振った際の中心位置と立体感を指定する。真正面を向いた写真を使っている場合はほとんど修正は必要ないはずだが、サイドバーの Select a face styleが右上の “人間” になっていることを確認し OK ボタンをクリックする。
これで COMPOSER MODE のステージに各種設定を終えた顔が表示されるはずだが、まずはそれをアクティブにして Content Managerの Actorタブの Custom/Head に保存登録しておこう。それには当該タブを開き Content Manager 下にある “+” ボタンをクリックすれば良い。そして登録表示されたコンテンツに名前を付けておけば完璧だ。これでいつでもCTA2 Proを起動し、このヘッド(顔)を呼び出して使うことが出来る。


※作成した頭部(上)をまずはCustom/Head に保存登録しておく(下)
いよいよ以前のキャラクター(Actor)に新たに写真から作ったヘッドを使ってヘッドを入れ替えてみよう。
まずはジョブズさんのキャラクターを呼び出して STAGE MODE のステージに置く。そして先ほど登録した写真のジョブズ頭部をキャラクターの上にドラッグ&ドロップするとヘッド部位が自動的に交換されることになる。ただし少々複雑になるので詳しい説明は避けるが、重要な点を2つ記しておこう。
ひとつは写真のヘッドをこれまでのキャラクターのボディに付属される際にはBoneの位置関係も含めて適切な位置にヘッドを調整することが重要となる。でないとなにかの動作時にヘッド位置が身体から大きくずれてしまうことがあるからだ。


※ヘッドを入れ替えた直後は頭とボディの位置が整っていない(上)。骨格(Bone)を調整して正しい位置に合わせる(下)
さらにZ軸の位置にも注意を払おう。これは前記した登録保存の際に一端ボディを読み込んでその前後位置が離れていないかを確認しておくとよいかも知れない。なぜなら顔の前にボディが出ては困るからだ。
さてさて、本来ならまだまだ微調整や確認が必要な段階だが、今回のオペレーションがどのようなアニメーション効果を発揮するのかを知りたいに違いない。ために少々先走るが写真の Face が付いたニュー・ジョブズさんをアニメ化してみる。
今回は口を開いたとき自然なようにと歯を加えること、そして別途本物のスティーブ・ジョブズの喋っている極短いフレーズを取り出して AIFF (.aif)ファイル化したものを用意し読込んで簡単な動作と共に喋らせてみた。

※口を開けた際に自然なように歯を加える
歯は COMPOSER MODE 時のHeadタブから Content ManagerのTemplateにある Morph Mouth から適当に選べば良い。そしてツールバーの Create Script をクリックして表示する音源ソースを選択するダイアログから Wave File をクリックの上で前記した AIFFデータを読み込む。

※音源ソースを選択するダイアログから Wave File をクリックの上で別途用意した AIFFデータを読み込む
より自然な口元になるためには別途調整が必要だが、顔写真から Actorの 2Dデータを作り、それをアニメーションとして動作させ喋らすことができるのはなかなかに愉快だ。勿論 Bone(骨格)を活かし、ボディもリアルな写真を使って作成することも可能だが、これはこれで2Dのアニメと実写の顔というコントラストが面白い。
※今回作成を試みた顔写真アニメーション例
ここではそうして作った ニュー・ジョブズさんのActorが身体を動かしながら喋り(口の中の歯に注目)、かつウィンクする様子をご覧頂き、この回の締めとしたい。
■CrazyTalk Animator2
今回の覚書はCTA2 ProによるActorすなわちキャラクターをカスタマイズする初歩とアニメーション化のポイントなどについて記しておきたい。
これまでの2回で作例としてスティーブ・ジョブズさんの姿を作りそれを歩かせてみたが、このキャラクターもご覧頂いたケースだけでなく様々な変化というか、バリエーションを期待できることも知っておきたい。
これまでのキャラクターは顔すなわち頭のサイズを含めて身体全体のバランスはアプリの初期値のままで作ってきた。ただしアニメーション化の際に例えばよりコミック色を強くしたいといった場合には体型全体を子供のような小型(CTA2 ProではHobbit)に編集したり、逆にノッポにしたりも可能だ。無論そうしてもBoneとしての骨格の働きは保持しているので扱い易い。
それには Actor Proportion 機能を使う。この機能を使うにはプロポーションを変えるキャラクターをアクティブにし、左のツールパレット一番上にある Charactor Composer アイコンをクリックし、その上で同じくツールパレットに表示される Actor Proportion をクリックする。

※ツールパレット一番上にある Charactor Composer アイコンをクリック
これで当該モードのウィンドウが表示され、そこには 基本形(Default)の他に5種類のプロポーションが用意されている。
例えばそのうちの Hobbit をクリックするとコンポーザーモードにあるキャラクターは即身体のサイズが子供のような体型に変わるはずだ。無論その後、頭のサイズをより大きくする…といったことも自由だ…。


※5種類のプロポーションが選択可能(上)。 Hobbit をクリックした例。左はディフォルトサイズで右が Hobbit サイズ(下)
さてそれらを踏まえて今回はActorの顔を写真などから取ったビジュアルに変えることをやってみたい。
以前の2回で使ったジョブズさんのキャラクターはCTA2 Proに同梱されていたものおよびオプションで購入したコンテンツを使い、あくまで顔の部位をジョブズ似のものへと取り替え、時にカラーを変えてそれらしいキャラクターを作った例だった。勿論こうして作るキャラクターは良い意味で2Dアニメらしい持ち味を出すしてくれるが、CTA2 Pro には好みの写真から顔(頭)を作り、それを既存の頭部と取り替えてキャラクターにする機能が備わっている。
例えばよく似せたとはいえこれまでのキャラクターはあくまで手描き風…マンガ的だ。もっとストレートに絵であり写真であるものを使えば当然のことながら時にインパクトのある表現ができる可能性がある…。
ということで次の課題は写真による顔をCTA2 ProのActorに使ってみることにしよう。

※スティーブ・ジョブズの若かりし頃の顔写真を用意
まずスティーブ・ジョブズの若かりし頃の写真から顔だけを切り抜いたものを用意する。その際は首もない方が良い。またできる限り真正面を向いた写真が好ましい。その顔写真をCTA2 Proで読み込んで処理し、Actorの頭部と入れ替える訳だ…。
では早速CTA2 Proのステージ左にあるツールボックスから Create Face をクリックする。ファイルを読み込むダイアログが表示されるので前もって用意した顔写真を指定し読み込む。
念のために記せば読み込んでから顔の範囲指定や余分な背景を抜き消去することもできるが前記したようにあらかじめ手慣れたグラフィックソフトで処理しておいた方が安全だ。
読込を確認して Next ボタンで次に進む。ここからの手順は1枚の写真が表情豊かに動き、瞬きやウインクをするだけでなく口を開けて喋る動作を可能にするためのものだ。したがって多少の慣れも必要だが可能な限り正確に作業を進めよう。
まず最初のステップは写真の両目の位置と左右の口元位置を指定する。右のサイドバーに要点が表示されるので英文ながら概略はお分かりだと思う。済んだら Next ボタンをクリックする。
Face Fitting Editorでこのウィンドウが1番重要なので心してやってみよう。
要は顔の輪郭、眉毛や両目、鼻の左右のポイント、口を写真に正確な形で表示されているポイントをドラッグしながらパスをコントロールする。これまたサイドバーを見れば要点はお分かりだろうが、必要なら写真を拡大するなり、パスの指定を詳細モードにするなどしてくどいようだが可能な限り写真の各部位に合わせてパスを置く。なお当該ウィンドウ右には指定したポイントが正しく、巧く動作するかを簡便に確認するボタンがあるので幾度か試し、顔の動作が変であれば極力微調整を行う。そして終わったら Next ボタンで次に進む。

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※Face Fitting Editorによる各種設定モード
このFace Orientationウィンドウは顔を上下左右に振った際の中心位置と立体感を指定する。真正面を向いた写真を使っている場合はほとんど修正は必要ないはずだが、サイドバーの Select a face styleが右上の “人間” になっていることを確認し OK ボタンをクリックする。
これで COMPOSER MODE のステージに各種設定を終えた顔が表示されるはずだが、まずはそれをアクティブにして Content Managerの Actorタブの Custom/Head に保存登録しておこう。それには当該タブを開き Content Manager 下にある “+” ボタンをクリックすれば良い。そして登録表示されたコンテンツに名前を付けておけば完璧だ。これでいつでもCTA2 Proを起動し、このヘッド(顔)を呼び出して使うことが出来る。


※作成した頭部(上)をまずはCustom/Head に保存登録しておく(下)
いよいよ以前のキャラクター(Actor)に新たに写真から作ったヘッドを使ってヘッドを入れ替えてみよう。
まずはジョブズさんのキャラクターを呼び出して STAGE MODE のステージに置く。そして先ほど登録した写真のジョブズ頭部をキャラクターの上にドラッグ&ドロップするとヘッド部位が自動的に交換されることになる。ただし少々複雑になるので詳しい説明は避けるが、重要な点を2つ記しておこう。
ひとつは写真のヘッドをこれまでのキャラクターのボディに付属される際にはBoneの位置関係も含めて適切な位置にヘッドを調整することが重要となる。でないとなにかの動作時にヘッド位置が身体から大きくずれてしまうことがあるからだ。


※ヘッドを入れ替えた直後は頭とボディの位置が整っていない(上)。骨格(Bone)を調整して正しい位置に合わせる(下)
さらにZ軸の位置にも注意を払おう。これは前記した登録保存の際に一端ボディを読み込んでその前後位置が離れていないかを確認しておくとよいかも知れない。なぜなら顔の前にボディが出ては困るからだ。
さてさて、本来ならまだまだ微調整や確認が必要な段階だが、今回のオペレーションがどのようなアニメーション効果を発揮するのかを知りたいに違いない。ために少々先走るが写真の Face が付いたニュー・ジョブズさんをアニメ化してみる。
今回は口を開いたとき自然なようにと歯を加えること、そして別途本物のスティーブ・ジョブズの喋っている極短いフレーズを取り出して AIFF (.aif)ファイル化したものを用意し読込んで簡単な動作と共に喋らせてみた。

※口を開けた際に自然なように歯を加える
歯は COMPOSER MODE 時のHeadタブから Content ManagerのTemplateにある Morph Mouth から適当に選べば良い。そしてツールバーの Create Script をクリックして表示する音源ソースを選択するダイアログから Wave File をクリックの上で前記した AIFFデータを読み込む。

※音源ソースを選択するダイアログから Wave File をクリックの上で別途用意した AIFFデータを読み込む
より自然な口元になるためには別途調整が必要だが、顔写真から Actorの 2Dデータを作り、それをアニメーションとして動作させ喋らすことができるのはなかなかに愉快だ。勿論 Bone(骨格)を活かし、ボディもリアルな写真を使って作成することも可能だが、これはこれで2Dのアニメと実写の顔というコントラストが面白い。
※今回作成を試みた顔写真アニメーション例
ここではそうして作った ニュー・ジョブズさんのActorが身体を動かしながら喋り(口の中の歯に注目)、かつウィンクする様子をご覧頂き、この回の締めとしたい。
■CrazyTalk Animator2
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