ラテ飼育格闘日記(393)
散歩の帰り道、ラテが本格的に歩かない季節になった。勿論、気温が高くなる日中に連れ出すわけではなく朝の散歩であったり、日が陰りだしてからの夕方だったりしても、行きはよいよい帰りが怖い…という散歩が続くとさすがにオトーサンたちのフラストレーションも溜まっていく。
朝の散歩は比較的近所で済ませ、夕方の散歩はラテがその気なら1時間半ほどの散歩を念頭に歩くようにしているオトーサンだが、帰り道となるとラテは途端に歩かなくなる。
例えばある日の朝、ラテはオトーサンたちと喜んで家を飛び出す。上り坂の一本道に出るとラテの「オトーサン、走ろうよ」というアイコンタクトがあるので「よっしゃあ!」とオトーサンもリードを緩めにして走りだすとラテは嬉々とした表情をしながら余裕のギャロップ的な走りで前に後にとついてくる。

※「オトーサン、走ろうよ!」とラテ
勿論最初に息が切れるのはオトーサンの方だが、ラテは余裕のようだ。それでもごく短い間だとしてもオトーサンと一緒に走ったという喜びがその表情に溢れている。
朝の散歩の定番は普通に歩くと約15分ほどで到着する広くて小高い公園だ。そこは車は勿論、自転車やバイクも通らない場所だし天気なら遠くの山々の向こうに富士山が見えるという場所であり、緑も多く時には野鳥が多々飛び交い、どこかでは鶯の鳴き声が響くというなかなか素敵なエリアなのだ。
また時間が合えば、他のワンコたちも散歩に来る場所だから、気が合うとか合わないは別にしてもオトーサンたちは好んでその公園に足を向ける。
ラテも当然あっちにクンクン、こっちにクンクンしながらも喜んでついてくる。問題は目的の小高い公園に着いた後だ…。
そこで一時、朝の新鮮な空気を吸い、興が乗ればラテと追いかけごっこをするが問題はその場をラテはスムーズに離れないことだ。
桜の木の木陰で腹ばいになっているのは確かに気持ちがよいのだろうことはわかる。しかしそこに20分も30分もそのままいるわけにはいかないのだ…。
朝の散歩は朝食前だからオトーサンたちもお腹の虫が鳴り始めるころだし、当然自宅に戻らなければならないわけだがラテはリードをちょいと引いたぐらいでは動こうともしない。とはいってもラテを残して戻れるはずもないから、何とかしてその場を離れようとラテを説得するのだが…(笑)。

※アイ〜ン!?
オトーサンが時に首輪が頭から外れるかもしれないほど強くリードを引いてもラテは「やだぁ…」とばかりに全力で這いつくばる。だからリードを上に持ち上げ、ラテを吊り上げるようにしなければラテは地べたから離れないが、これではまるで首つり状態だからそのまま進めるはずもない。
ラテは多分に、粘ればオトーサンが抱っこしてくれるだろうと考えている節がある。なぜならその場を離れたくないのではなく自力で歩いて帰りたくないだけの話なのだ。オトーサンが根負けして座り込めば喜んで両前足をオトーサンの肩に回すのだ(笑)。
オトーサンだってラテを抱っこするのを嫌っているわけではない。しかし重くてそのまま長い時間抱いて歩きつづけることができないから当然途中で降ろすことになるが、そこからまたラテは同じように抵抗することになる。
そこでオトーサンは考えた。帰りはオカーサンにリードを持ってもらうことをである…。なぜならオカーサンはラテを抱き上げることなどできる筈もないし、近年はやったことがない。そのことはラテも知っているはずなのだ。であるならオカーサンのリードならラテは抱っこを要求せずに仕方なく歩くだろうと考えた。
ただしラテの名誉のためにいうなら、ラテも気温が高いのは弱いし体力的にも辛いのは確かなのだ。なにしろ「オトーサン、アタシだめだあ~」としゃがみ込んだときに撮った顔を見て、オトーサンは思わず爆笑してしまったのである。そこにはまるで “ハラホロヒレハレ…” とばかり疲れて魂が抜けたような可笑しな顔のラテが写っていたからである(笑)。


※見るからにバテた歩き方のラテとその直後に撮ったへんな顔(笑)。魂がどこかに飛んで視線も定まらない感じ
時間がかかることは一緒だが、オカーサンのリードだとラテの諦めもありオトーサンの場合より自力度が高いようだ(笑)。
そんなラテだが先日の夕方は珍しく、以前に通っていた公園方面に足を向けた。そこまでスムーズに歩いても約30分ほどかかるわけで途中で挫折するかと思いつつ歩いていたところ途中で思いもかけないことに遭遇したのである。
なんと生まれて間もないと思われる子猫が一匹、お腹を空かしているのか、あるいは本能なのだろうか…通りすがりの人間の足元に絡みつくようにしているではないか。オトーサンには「連れてって…」と叫んでいるように思えたが大人達も気にはなってもおいそれと抱き上げる気配は無かった。
それに敏感に気づいたのは無論ラテだった。オトーサンは細心の注意を払いながらもラテを子猫に近づけてみたが、どうやらラテは気に入ったようで臭いを嗅いだり時に遊びのポーズをはじめたりする。

※ラテと毛並みの色が同じような子猫だった...
オトーサンもオカーサンもその場に誰もいなかったらお持ち帰りしていたかも知れない…。しかしすぐ子供たちをはじめ数人の大人達が近づき抱き上げたのを見たオトーサンたちは後ろ髪を引かれる思いでその場を離れて散歩を再開した。
正直帰り道にまたその子猫がうろついていたらオトーサンは自宅で飼うつもりでいた。後で聞いたらオカーサンも同じことを考えていたという。
ラテは猫が大好きだから、もしかしたら最良の友達になれるかと勝手な思いが頭をかすめたが、しかし幸いというか残念というか帰りに同じ場所を通ったが子猫の姿はなかった。
とはいえ可愛いとか可哀想だという気持ちだけで命を預かるわけにもいかない…。たった一匹の子猫の話ではあるが素敵な飼い主と巡り会ったことを切に祈るばかりだ。
それはそうと、ラテはこの6月10日で満8歳となった。光陰矢のごとしとはよく言ったものだ。ラテを飼い始め直後、その甘噛みに苦慮していたとき散歩途中で出会ったビーグル犬の飼い主さんに慰められた…。「あっというまに数年が過ぎますよ。その時になるといまの困惑ぶりが懐かしくなるもんです」と。
まさしくその通りです!
【緊急報告】星になったボーちゃん
6月13日の朝、確認したメールの中にオトーサンの心臓が一瞬止まったかのように思える一通のメールがあった。それはラテの友達ワンコであるボーダーコリーのボーちゃんが6月3日に11歳で亡くなったことを飼い主さんが知らせてくださったメールだった…。

※今年4月に撮影したボーちゃんのポートレイト
ボーちゃんは気むずかしくて友達が少ないラテが身体をぶつけ合って遊ぶことができるワンコで、優しく本当に利口なワンコだった。あれだけ大切に可愛がられていた飼い主さんがいかに哀しみ落胆されているかと思うとじっとしていられない気持ちだが、ボーちゃん安らかに...。
朝の散歩は比較的近所で済ませ、夕方の散歩はラテがその気なら1時間半ほどの散歩を念頭に歩くようにしているオトーサンだが、帰り道となるとラテは途端に歩かなくなる。
例えばある日の朝、ラテはオトーサンたちと喜んで家を飛び出す。上り坂の一本道に出るとラテの「オトーサン、走ろうよ」というアイコンタクトがあるので「よっしゃあ!」とオトーサンもリードを緩めにして走りだすとラテは嬉々とした表情をしながら余裕のギャロップ的な走りで前に後にとついてくる。

※「オトーサン、走ろうよ!」とラテ
勿論最初に息が切れるのはオトーサンの方だが、ラテは余裕のようだ。それでもごく短い間だとしてもオトーサンと一緒に走ったという喜びがその表情に溢れている。
朝の散歩の定番は普通に歩くと約15分ほどで到着する広くて小高い公園だ。そこは車は勿論、自転車やバイクも通らない場所だし天気なら遠くの山々の向こうに富士山が見えるという場所であり、緑も多く時には野鳥が多々飛び交い、どこかでは鶯の鳴き声が響くというなかなか素敵なエリアなのだ。
また時間が合えば、他のワンコたちも散歩に来る場所だから、気が合うとか合わないは別にしてもオトーサンたちは好んでその公園に足を向ける。
ラテも当然あっちにクンクン、こっちにクンクンしながらも喜んでついてくる。問題は目的の小高い公園に着いた後だ…。
そこで一時、朝の新鮮な空気を吸い、興が乗ればラテと追いかけごっこをするが問題はその場をラテはスムーズに離れないことだ。
桜の木の木陰で腹ばいになっているのは確かに気持ちがよいのだろうことはわかる。しかしそこに20分も30分もそのままいるわけにはいかないのだ…。
朝の散歩は朝食前だからオトーサンたちもお腹の虫が鳴り始めるころだし、当然自宅に戻らなければならないわけだがラテはリードをちょいと引いたぐらいでは動こうともしない。とはいってもラテを残して戻れるはずもないから、何とかしてその場を離れようとラテを説得するのだが…(笑)。

※アイ〜ン!?
オトーサンが時に首輪が頭から外れるかもしれないほど強くリードを引いてもラテは「やだぁ…」とばかりに全力で這いつくばる。だからリードを上に持ち上げ、ラテを吊り上げるようにしなければラテは地べたから離れないが、これではまるで首つり状態だからそのまま進めるはずもない。
ラテは多分に、粘ればオトーサンが抱っこしてくれるだろうと考えている節がある。なぜならその場を離れたくないのではなく自力で歩いて帰りたくないだけの話なのだ。オトーサンが根負けして座り込めば喜んで両前足をオトーサンの肩に回すのだ(笑)。
オトーサンだってラテを抱っこするのを嫌っているわけではない。しかし重くてそのまま長い時間抱いて歩きつづけることができないから当然途中で降ろすことになるが、そこからまたラテは同じように抵抗することになる。
そこでオトーサンは考えた。帰りはオカーサンにリードを持ってもらうことをである…。なぜならオカーサンはラテを抱き上げることなどできる筈もないし、近年はやったことがない。そのことはラテも知っているはずなのだ。であるならオカーサンのリードならラテは抱っこを要求せずに仕方なく歩くだろうと考えた。
ただしラテの名誉のためにいうなら、ラテも気温が高いのは弱いし体力的にも辛いのは確かなのだ。なにしろ「オトーサン、アタシだめだあ~」としゃがみ込んだときに撮った顔を見て、オトーサンは思わず爆笑してしまったのである。そこにはまるで “ハラホロヒレハレ…” とばかり疲れて魂が抜けたような可笑しな顔のラテが写っていたからである(笑)。


※見るからにバテた歩き方のラテとその直後に撮ったへんな顔(笑)。魂がどこかに飛んで視線も定まらない感じ
時間がかかることは一緒だが、オカーサンのリードだとラテの諦めもありオトーサンの場合より自力度が高いようだ(笑)。
そんなラテだが先日の夕方は珍しく、以前に通っていた公園方面に足を向けた。そこまでスムーズに歩いても約30分ほどかかるわけで途中で挫折するかと思いつつ歩いていたところ途中で思いもかけないことに遭遇したのである。
なんと生まれて間もないと思われる子猫が一匹、お腹を空かしているのか、あるいは本能なのだろうか…通りすがりの人間の足元に絡みつくようにしているではないか。オトーサンには「連れてって…」と叫んでいるように思えたが大人達も気にはなってもおいそれと抱き上げる気配は無かった。
それに敏感に気づいたのは無論ラテだった。オトーサンは細心の注意を払いながらもラテを子猫に近づけてみたが、どうやらラテは気に入ったようで臭いを嗅いだり時に遊びのポーズをはじめたりする。

※ラテと毛並みの色が同じような子猫だった...
オトーサンもオカーサンもその場に誰もいなかったらお持ち帰りしていたかも知れない…。しかしすぐ子供たちをはじめ数人の大人達が近づき抱き上げたのを見たオトーサンたちは後ろ髪を引かれる思いでその場を離れて散歩を再開した。
正直帰り道にまたその子猫がうろついていたらオトーサンは自宅で飼うつもりでいた。後で聞いたらオカーサンも同じことを考えていたという。
ラテは猫が大好きだから、もしかしたら最良の友達になれるかと勝手な思いが頭をかすめたが、しかし幸いというか残念というか帰りに同じ場所を通ったが子猫の姿はなかった。
とはいえ可愛いとか可哀想だという気持ちだけで命を預かるわけにもいかない…。たった一匹の子猫の話ではあるが素敵な飼い主と巡り会ったことを切に祈るばかりだ。
それはそうと、ラテはこの6月10日で満8歳となった。光陰矢のごとしとはよく言ったものだ。ラテを飼い始め直後、その甘噛みに苦慮していたとき散歩途中で出会ったビーグル犬の飼い主さんに慰められた…。「あっというまに数年が過ぎますよ。その時になるといまの困惑ぶりが懐かしくなるもんです」と。
まさしくその通りです!
【緊急報告】星になったボーちゃん
6月13日の朝、確認したメールの中にオトーサンの心臓が一瞬止まったかのように思える一通のメールがあった。それはラテの友達ワンコであるボーダーコリーのボーちゃんが6月3日に11歳で亡くなったことを飼い主さんが知らせてくださったメールだった…。

※今年4月に撮影したボーちゃんのポートレイト
ボーちゃんは気むずかしくて友達が少ないラテが身体をぶつけ合って遊ぶことができるワンコで、優しく本当に利口なワンコだった。あれだけ大切に可愛がられていた飼い主さんがいかに哀しみ落胆されているかと思うとじっとしていられない気持ちだが、ボーちゃん安らかに...。
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