ロマンを感じる...五十音「ミミック」(赤)を持つ喜び
先日我が研究所に大谷和利氏らと共に来訪された和田哲哉氏が運営されているサイト「信頼文具舗」を拝見したとき、一目惚れしてしまったアイテムがあった。それがアセチロイド素材の鉛筆補助軸「五十音 ミミック」(赤)だった。文具好きの人にとってはすでにご存じかも知れないが、ほとんどの方には説明しないと分からないだろう...。
東京の銀座四丁目に「ボールペンと鉛筆の店 五十音」という小さなお店がある。そのサイトを訪問しただけでユニークなお店であることは得心できるに違いない。
とはいっても私自身、近くにある天賞堂とかGUCCIの店舗は知っているが「五十音」の前まで行ったことはないのだが...。
そのお店のオリジナルに「ミミック」と名付けられたアセチロイド素材の鉛筆補助軸があり、一般には店頭でのみ販売されているものだという。しかし来店できない人たちのためにと前記した「信頼文具舗」で取り扱っているためネットで購入できるというわけだ。
さて、もしかしたら「鉛筆補助軸」といってもお若い方はご存じないかも知れない。
この種のものはデザインこそ違うものの、私が子供時代には多々活用していた文具のひとつだった。
その目的をひと言で言うなら、手に持って使えなくなるほど短くなった鉛筆を補助軸に差し込むことで最後までその鉛筆を使いこなそうとする道具である。
当時はエコなどという感覚はなく、単純に鉛筆を最後まで大切に使う、あるいは節約術のひとつだったわけだ。無論当時のものは無骨なものだったが、この「ミミック」の姿はなんと美しいこと!

※独特な雰囲気を持つ「ミミック」(赤)。持つ喜びを感じさせてくれる...
そのデザインは古風な万年筆といった感じだが、そもそも“ミミック”という名は生物学用語で「擬態」すなわち、「あるものの様に似せること」の意味で名付けられたものだそうだ。まさしくお婆ちゃんが女学校のときに使っていた万年筆...といった風情がある。
この「ミミック」はキャップを取り、その軸に芯を削った鉛筆を差し込みアルミの部分(チャック)を回して固定する。したがって形は万年筆だが実際は鉛筆でありそのキャップ...いやギャップが面白い(笑)。

※鉛筆はアルミ製のチャックを回して固定する一般的なものだが感触は素晴らしい
素材はセルロイドと同じく植物繊維から合成されるアセチロイド製で大阪・生野の職人、藤本寛さんの手により、旋盤で1本1本丁寧に作られた軸だそうである。したがって同じ柄のものはその一本しかないという。だからちょっと値は張るが実際に持ってみると自然に笑みがこぼれてくる。
鉛筆そのものより太めの感触が馴染むし、筆圧が強い私でもチャックのアルミ部分に指が当たってもギサギサが心地よいのである。
キャップを閉じた全長は149ミリ、中央付近の軸径は12ミリだがその素材と丁寧に作られた艶からくる感触は手元の筆記具にはまったくない誠に心地よいものだ。
そしてなによりもその赤と白の模様が心を和ませてくれる。
またキャップに付いている金属製のクリップも何ともいえない作りだし、ウェブの写真で見る印象より実物はしっかりしていて存在感がある。
そういえば最近はとみにペンは勿論鉛筆で文字を書かなくなった。無論パソコンのワープロやテキストエディタで文章を入力するのが当たり前になったからだが、以前からいわれているとおり弊害も感じる。
そのひとつは少し複雑な漢字が書けなくなったことだ。読めても書けない...。パソコンの日本語変換システムに頼りすぎた結果である。
さらに私の場合は腱鞘炎の影響もあるのだろうが、ペンを久しく持たないからかペンを握る力が極端に弱くなった。
昔はつけペン、鉛筆やシャープペンシル、万年筆、そして近年はボールペンの使用率が多かったし、いわゆる指に “ペンだこ“ ができるほどだった。しかしいまは宅配便の伝票にボールペンで送り先などを書くだけで手に疲れを感じるしその文字も下手になった(笑)。
自分で言うのも変だが、ペン習字で習ったわけでもないからして特に美しい文字が書けるわけではないが、一時期友人たちの影響もありまずまず読みやすいはっきりした文字が書けていた...。それがいまボールペンを持つと余計な力を入れてしまうと同時に前記したように手の握力が落ちたからか思ったようには書けなくなってしまった...。
私は外出時に文庫本をよく持ち歩き、気になる箇所に線を引いたりメモを書き入れることが多くこれまではボールペンに頼っていた。しかしこれからはこの「ミミック」で鉛筆書きを楽しみながら使いたいと思っている。
無論「ミミック」の書き心地は中に収める鉛筆にも依存する。したがって堅さは2B程度の良質な鉛筆と小さな鉛筆削りも手に入れた。
この鉛筆削りは数百円の安物だがダイアルを合わせることで削り具合が5段階に変えられるというものだ。

※鉛筆は半分に切断して「ミミック」に装着してみた
そう、念のために記せば「ミミック」に鉛筆はついていない。
それにしても...鉛筆削りを手にするなど何十年ぶりだろうか...(笑)。
文具類に凝る方は多いと思うが,本当に気に入ったアイテムを揃え、そして身につけることは大げさでなく生きる喜び...力となる。
■信頼文具舗
東京の銀座四丁目に「ボールペンと鉛筆の店 五十音」という小さなお店がある。そのサイトを訪問しただけでユニークなお店であることは得心できるに違いない。
とはいっても私自身、近くにある天賞堂とかGUCCIの店舗は知っているが「五十音」の前まで行ったことはないのだが...。
そのお店のオリジナルに「ミミック」と名付けられたアセチロイド素材の鉛筆補助軸があり、一般には店頭でのみ販売されているものだという。しかし来店できない人たちのためにと前記した「信頼文具舗」で取り扱っているためネットで購入できるというわけだ。
さて、もしかしたら「鉛筆補助軸」といってもお若い方はご存じないかも知れない。
この種のものはデザインこそ違うものの、私が子供時代には多々活用していた文具のひとつだった。
その目的をひと言で言うなら、手に持って使えなくなるほど短くなった鉛筆を補助軸に差し込むことで最後までその鉛筆を使いこなそうとする道具である。
当時はエコなどという感覚はなく、単純に鉛筆を最後まで大切に使う、あるいは節約術のひとつだったわけだ。無論当時のものは無骨なものだったが、この「ミミック」の姿はなんと美しいこと!

※独特な雰囲気を持つ「ミミック」(赤)。持つ喜びを感じさせてくれる...
そのデザインは古風な万年筆といった感じだが、そもそも“ミミック”という名は生物学用語で「擬態」すなわち、「あるものの様に似せること」の意味で名付けられたものだそうだ。まさしくお婆ちゃんが女学校のときに使っていた万年筆...といった風情がある。
この「ミミック」はキャップを取り、その軸に芯を削った鉛筆を差し込みアルミの部分(チャック)を回して固定する。したがって形は万年筆だが実際は鉛筆でありそのキャップ...いやギャップが面白い(笑)。

※鉛筆はアルミ製のチャックを回して固定する一般的なものだが感触は素晴らしい
素材はセルロイドと同じく植物繊維から合成されるアセチロイド製で大阪・生野の職人、藤本寛さんの手により、旋盤で1本1本丁寧に作られた軸だそうである。したがって同じ柄のものはその一本しかないという。だからちょっと値は張るが実際に持ってみると自然に笑みがこぼれてくる。
鉛筆そのものより太めの感触が馴染むし、筆圧が強い私でもチャックのアルミ部分に指が当たってもギサギサが心地よいのである。
キャップを閉じた全長は149ミリ、中央付近の軸径は12ミリだがその素材と丁寧に作られた艶からくる感触は手元の筆記具にはまったくない誠に心地よいものだ。
そしてなによりもその赤と白の模様が心を和ませてくれる。
またキャップに付いている金属製のクリップも何ともいえない作りだし、ウェブの写真で見る印象より実物はしっかりしていて存在感がある。
そういえば最近はとみにペンは勿論鉛筆で文字を書かなくなった。無論パソコンのワープロやテキストエディタで文章を入力するのが当たり前になったからだが、以前からいわれているとおり弊害も感じる。
そのひとつは少し複雑な漢字が書けなくなったことだ。読めても書けない...。パソコンの日本語変換システムに頼りすぎた結果である。
さらに私の場合は腱鞘炎の影響もあるのだろうが、ペンを久しく持たないからかペンを握る力が極端に弱くなった。
昔はつけペン、鉛筆やシャープペンシル、万年筆、そして近年はボールペンの使用率が多かったし、いわゆる指に “ペンだこ“ ができるほどだった。しかしいまは宅配便の伝票にボールペンで送り先などを書くだけで手に疲れを感じるしその文字も下手になった(笑)。
自分で言うのも変だが、ペン習字で習ったわけでもないからして特に美しい文字が書けるわけではないが、一時期友人たちの影響もありまずまず読みやすいはっきりした文字が書けていた...。それがいまボールペンを持つと余計な力を入れてしまうと同時に前記したように手の握力が落ちたからか思ったようには書けなくなってしまった...。
私は外出時に文庫本をよく持ち歩き、気になる箇所に線を引いたりメモを書き入れることが多くこれまではボールペンに頼っていた。しかしこれからはこの「ミミック」で鉛筆書きを楽しみながら使いたいと思っている。
無論「ミミック」の書き心地は中に収める鉛筆にも依存する。したがって堅さは2B程度の良質な鉛筆と小さな鉛筆削りも手に入れた。
この鉛筆削りは数百円の安物だがダイアルを合わせることで削り具合が5段階に変えられるというものだ。

※鉛筆は半分に切断して「ミミック」に装着してみた
そう、念のために記せば「ミミック」に鉛筆はついていない。
それにしても...鉛筆削りを手にするなど何十年ぶりだろうか...(笑)。
文具類に凝る方は多いと思うが,本当に気に入ったアイテムを揃え、そして身につけることは大げさでなく生きる喜び...力となる。
■信頼文具舗
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