アシュトン・カッチャー主演「スティーブ・ジョブズ」〜重箱の隅をつつく(笑)
遅ればせながらアシュトン・カッチャー主演映画「スティーブ・ジョブズ」をDVDで観たが、忘れないうちに簡単な感想を残しておきたい。私がAppleという会社を意識したのが1978年、Apple IIを手にしたのが1982年そしてMacは勿論1984年に購入した。その後1989年から2003年に至るまでMacのソフト開発を仕事にし、デベロッパーとしてリアルにAppleあるいはスティーブ・ジョブズと歩んできたから、どうしても映画と事実とを比べてしまい、この種のエンターテインメントを心から楽しめないのは情けない…。
したがって、アシュトン・カッチャー主演の映画「スティーブ・ジョブズ」もその内容は期待していなかったし、口幅ったいようだが映画に登場するようなエピソードはすでにほとんど承知しているわけで、映画で新しい事実を知るはずもないと考えてしまう。ただし評判というか、話題になっているジョブズの映画を観ていない…知らないというのも情けないからとまずはDVDを買ってみた(笑)。

※アシュトン・カッチャー主演映画「スティーブ・ジョブズ」DVDパッケージ
またジョブズは亡くなったが、スティーブ・ウォズニアックもジョン・スカリーもマイク・マークラなどなども存命中の人たちであり、いくら雰囲気が似た俳優をキャスティングしても粗が見えるだろうし、どれほど映画に没頭できるかが分からないからと最初から腰が引けていた…。
ただひとつ映画を観つつ、興味を持てる事といえば、どれほどこの映画が知られている事実を忠実に映像で再現しているのか、あるいは作り物だということが見え見えなのか…という点だった。実にひねくれた嫌な性分である(笑)。
ともあれ本編128分という約2時間の映画を正面切って観ることにした。以下はその感想である。ということで多少のネタバレをせざるを得ない部分はご容赦願いたい。そして正直映画を楽しむというより粗探しそのものだが、以下そんな話を進めてみる。
この映画の冒頭は2001年10月23日、クパチーノApple本社のタウンホールにおいて開催されたスペシャルイベントでスティーブ・ジョブズにより iPodが発表されたところから始まる。そして映画ではiPodが示されると会場からスタンディングオーベーションを受けるが実際には拍手が湧き起こった程度だったし全体的に出席者たちの反応はいまいちだった…。念のため当時の実映像を仔細に確認すると拍手をしている人たちの多くはApple関係者のように見える(笑)。
Appleのプライベートイベントとしては些か地味な発表だったが、その背景などについては別途「スティーブ・ジョブズによる2001年10月のプライベートイベント『iPod発表』再考」に詳しいので参考にしていただきたい。
無論映画の最初から我々はジョブズのプレゼンテーションを眼のあたりにするわけだが、前屈みに登場したジョブズ(アシュトン・カッチャー)の姿は実際の映像がいまだに脳裏に焼き付いている1人としてはやはり違和感を持たざるを得なかった。
現在でもYouTubeで当時の映像が見られるはずだから、興味のある方は検索してご覧いただきたいが、まず映画のジョブズは頭髪と髭が長すぎる。はっきりいって本物に似ていないのだ。
また映画のジョブズは老いたという意図なのか物静かでどこか元気がないよう演じているように見えるが、実際のスティーブ・ジョブズは元気いっぱいだったしその顔も太り気味だった。ということでこの iPod発表会を描いた映画のシーンにおける後年のジョブズは少々考えすぎ…作りすぎのように思えた。

※2001年10月23日、クパチーノApple本社で iPodを発表するスティーブ・ジョブズ
さて、より細かな点に触れるが(笑)この発表会のとき、スティーブ・ジョブズはステージの上手から登場する。そしてジョブズが iPodをジーンズのポケットから取り出す際、実際は左のポケットから左手で出して見せている。しかし映画では右のポケットから右手で出して見せている。些細なことだが、こんなことも本当なら拘って欲しいのだが(笑)。
些細なことといえば、ステージに上がったときのジョブズは実際だと黒い長袖のシャツの袖を伸ばしたまま登壇し途中でめくり上げるが、映画では最初から腕まくりしている。
…はいはい、「細かすぎるぞ!」という声が多々聞こえる…(笑)。スミマセン…。
それから映画ではホールの客席ががらがらなのが気にかかる。どこか一席毎に空けて来場者を座らせているように見えるがエキストラを雇う予算がなかったのだろうか…。

※実際の客席シーン。最前列にはアップル関係者が陣取り、ジョナサン・アイヴやティム・クックの姿もあった
さらにステージの正面はご承知のようにスクリーンがあり、それにスライドショーを見せながらプレゼンが進行するわけだが、映画では当該シーンの時間が短いためか、終始中央にアップルロゴが掲げられているだけだった。さらに、実際のジョブズはスライドショーのリモコンを持ちながらのプレゼンだったが映画ではリモコンを持ってはいない…。
まあ映画といったエンターテインメントが史実そのものを忠実に再現する必要はないという意見もあるに違いない。確かにそれはそうなのだが、主演のアシュトン・カッチャーにしても歩き方、姿勢、話し方から無論表情まで実際のスティーブ・ジョブズに似せようと努力したというある種の伝記映画なのだから、私が映画監督あるいは脚本家なら可能な限り拘りたい…(笑)。
さて催事のシーンといえばやはりApple IIのお披露目となった1977年開催の第1回WCCF(ウエストコースト・コンピュータフェアー)におけるAppleブースにおいても言いたいことがある。
まずこのとき、Appleは…というかスティーブ・ジョブズはWCCF主催者であるジム・ウォーレンのブース出展要請電話に参加を即答し、会場正面入り口の4つのブース(4小間)を確保したはずなのだ。
これはウォーレン自身が述べていることだが、だとすれば映画のAppleブースはあまりにもチャチすぎるのではないか。またそこに置かれたApple II はパワーランプのデザインから判断する限り、Apple II スタンダードではなくApple II plusに見えてしまう。無論このシーンは時代考証的にApple II スタンダードでなければならないのだ…。
こうした細部の拘りは当時の事情および実機を知らない方たちにとっては雰囲気が分かればどうでもよい事かも知れないし、すでに37年ほど経った昔のマシンたちを忠実に再現用意するのは難しいかも知れない。しかし史実に基づくその拘りが歴史を描く作品にとって命綱であることもまた事実だと思う。
この種のことはApple IIだけではなくWCCF会場をジョブズが歩くのに合わせてカメラが流れる際に登場するコモドール社のPET2001などにも同じことがいえる。
PET2001といえば実際のWCCFではプロトタイプの全体に丸みを帯びたものが展示されていたはずだが、映画では1978年に私自身も手に入れた製品版のPET2001本体が列んでいるだけでなく、後年の製品でフルキーボードを装備した “CBM” シリーズまで写っていたりする(笑)。製品版のPETはやむを得ないとしても “CBM” シリーズを並べるのは時代考証がいい加減すぎる…。
さらにこれまた仕方がないことだとは思うが、一瞬であっても画面に登場するPET2001の筐体やキーボードが、いかにも年代を経た汚れが目立つのは興ざめだ(笑)。コレクターからの借り物だとしても綺麗に掃除するなどの工夫は出来なかったのだろうか…。
そんなあれこれが粗探しをするつもりもなく目につき気になってしまうのだから映画になかなか没頭できない…。
ところで粗探しはこの辺にしておくとして全体的にアシュトン・カッチャーのジョブズは前記した冒頭以外、特に若い時期の姿は違和感がない。さすがに俳優という仕事は凄いなと思わせるリアリティも感じるが、残念なことにスティーブ・ウォズニアックの姿はいただけない(笑)。いやあくまで見栄えの問題だが…。反面マイク・マークラやジョン・スカリーは登場シーンが少ないもののキャスティングの妙がうかがえる。
ただし2時間という限られた中での構成だから仕方がないのだろうが、Appleへの復帰に至る前に数シーンでもよいからNeXTのことやPIXARに関わったことも加えて欲しかった…。Appleを追われ、家族と共に家庭菜園で野菜などを作っているうちにAppleへの復帰のチャンスが回ってくる…というような描写ではあまりにもイージーだろう(笑)。
そういえば映画のコピーで「最低な男が、最高の未来を創った」とある。そして事実古参のAppleユーザーなら知っていると思われるいくつかのエピソードを通じてスティーブ・ジョブズがいかに非常識で我が儘な男であり暴君だったかを描いている。
例えば自分の子供の認知を拒んだこと、アタリ社での衝突、ウォズニアックに頼んで開発したゲームを自分の手柄とする、開発報酬として手にした額をウォズに誤魔化して渡す、ジェフ・ラスキンの追い出し、車を障害者用スペースに止めるなどなど、知られているエピソードが続けて登場する。しかし物足りないのはそうした奇異な言動を繰り返すスティーブ・ジョブズの心の中が見る物に伝わってこないことだ。何かに突き動かされているように突っ走るスティーブ・ジョブズの心情が不明なままでは文字通りただの最低な男で終わってしまう。
映画制作側の立場でよいから、なぜジョブズは最低の男だったのか…人々に嫌われることを承知で自我を通そうとしたのか…を示唆し表現して欲しかったと思うのは酷な注文だろうか…。
作品であるなら制作側の描きたい意図をもっと明確に主張しないと記録映画並で終わってしまう。スティーブ・ジョブズとはどんな男だったのかを知ることができてもそれ以上の感動は得られない。
まあまあ、スティーブ・ジョブズをテーマにした映画やドラマはこれからも多々制作されるに違いない。そうした中で本作品がどのような評価をくだされるのかはもう少し時間が必要なのかも知れないが、やはり実在の人物、それも本人の記憶が鮮明な人物を描く映画はそもそもが難しいとあらためて感じた。
そして以前もどこかで発言したが、いっそのこと実写ではなくPIXARの技術を使い、全編3Dによるジョブズの映画を創ってみてはどうだろうか…。
ともかく本作品は「スティーブ・ジョブズって最近名前を聞くけど、どんな人?」「なにをやった人なの?」という方々向けなのであり、私など古参Appleユーザーを対象とした作品ではないのかも知れない…。
というわけで個人的には本作品を観て感動するとか新しい発見をしたということは残念ながら皆無だった。
したがって、アシュトン・カッチャー主演の映画「スティーブ・ジョブズ」もその内容は期待していなかったし、口幅ったいようだが映画に登場するようなエピソードはすでにほとんど承知しているわけで、映画で新しい事実を知るはずもないと考えてしまう。ただし評判というか、話題になっているジョブズの映画を観ていない…知らないというのも情けないからとまずはDVDを買ってみた(笑)。

※アシュトン・カッチャー主演映画「スティーブ・ジョブズ」DVDパッケージ
またジョブズは亡くなったが、スティーブ・ウォズニアックもジョン・スカリーもマイク・マークラなどなども存命中の人たちであり、いくら雰囲気が似た俳優をキャスティングしても粗が見えるだろうし、どれほど映画に没頭できるかが分からないからと最初から腰が引けていた…。
ただひとつ映画を観つつ、興味を持てる事といえば、どれほどこの映画が知られている事実を忠実に映像で再現しているのか、あるいは作り物だということが見え見えなのか…という点だった。実にひねくれた嫌な性分である(笑)。
ともあれ本編128分という約2時間の映画を正面切って観ることにした。以下はその感想である。ということで多少のネタバレをせざるを得ない部分はご容赦願いたい。そして正直映画を楽しむというより粗探しそのものだが、以下そんな話を進めてみる。
この映画の冒頭は2001年10月23日、クパチーノApple本社のタウンホールにおいて開催されたスペシャルイベントでスティーブ・ジョブズにより iPodが発表されたところから始まる。そして映画ではiPodが示されると会場からスタンディングオーベーションを受けるが実際には拍手が湧き起こった程度だったし全体的に出席者たちの反応はいまいちだった…。念のため当時の実映像を仔細に確認すると拍手をしている人たちの多くはApple関係者のように見える(笑)。
Appleのプライベートイベントとしては些か地味な発表だったが、その背景などについては別途「スティーブ・ジョブズによる2001年10月のプライベートイベント『iPod発表』再考」に詳しいので参考にしていただきたい。
無論映画の最初から我々はジョブズのプレゼンテーションを眼のあたりにするわけだが、前屈みに登場したジョブズ(アシュトン・カッチャー)の姿は実際の映像がいまだに脳裏に焼き付いている1人としてはやはり違和感を持たざるを得なかった。
現在でもYouTubeで当時の映像が見られるはずだから、興味のある方は検索してご覧いただきたいが、まず映画のジョブズは頭髪と髭が長すぎる。はっきりいって本物に似ていないのだ。
また映画のジョブズは老いたという意図なのか物静かでどこか元気がないよう演じているように見えるが、実際のスティーブ・ジョブズは元気いっぱいだったしその顔も太り気味だった。ということでこの iPod発表会を描いた映画のシーンにおける後年のジョブズは少々考えすぎ…作りすぎのように思えた。

※2001年10月23日、クパチーノApple本社で iPodを発表するスティーブ・ジョブズ
さて、より細かな点に触れるが(笑)この発表会のとき、スティーブ・ジョブズはステージの上手から登場する。そしてジョブズが iPodをジーンズのポケットから取り出す際、実際は左のポケットから左手で出して見せている。しかし映画では右のポケットから右手で出して見せている。些細なことだが、こんなことも本当なら拘って欲しいのだが(笑)。
些細なことといえば、ステージに上がったときのジョブズは実際だと黒い長袖のシャツの袖を伸ばしたまま登壇し途中でめくり上げるが、映画では最初から腕まくりしている。
…はいはい、「細かすぎるぞ!」という声が多々聞こえる…(笑)。スミマセン…。
それから映画ではホールの客席ががらがらなのが気にかかる。どこか一席毎に空けて来場者を座らせているように見えるがエキストラを雇う予算がなかったのだろうか…。

※実際の客席シーン。最前列にはアップル関係者が陣取り、ジョナサン・アイヴやティム・クックの姿もあった
さらにステージの正面はご承知のようにスクリーンがあり、それにスライドショーを見せながらプレゼンが進行するわけだが、映画では当該シーンの時間が短いためか、終始中央にアップルロゴが掲げられているだけだった。さらに、実際のジョブズはスライドショーのリモコンを持ちながらのプレゼンだったが映画ではリモコンを持ってはいない…。
まあ映画といったエンターテインメントが史実そのものを忠実に再現する必要はないという意見もあるに違いない。確かにそれはそうなのだが、主演のアシュトン・カッチャーにしても歩き方、姿勢、話し方から無論表情まで実際のスティーブ・ジョブズに似せようと努力したというある種の伝記映画なのだから、私が映画監督あるいは脚本家なら可能な限り拘りたい…(笑)。
さて催事のシーンといえばやはりApple IIのお披露目となった1977年開催の第1回WCCF(ウエストコースト・コンピュータフェアー)におけるAppleブースにおいても言いたいことがある。
まずこのとき、Appleは…というかスティーブ・ジョブズはWCCF主催者であるジム・ウォーレンのブース出展要請電話に参加を即答し、会場正面入り口の4つのブース(4小間)を確保したはずなのだ。
これはウォーレン自身が述べていることだが、だとすれば映画のAppleブースはあまりにもチャチすぎるのではないか。またそこに置かれたApple II はパワーランプのデザインから判断する限り、Apple II スタンダードではなくApple II plusに見えてしまう。無論このシーンは時代考証的にApple II スタンダードでなければならないのだ…。
こうした細部の拘りは当時の事情および実機を知らない方たちにとっては雰囲気が分かればどうでもよい事かも知れないし、すでに37年ほど経った昔のマシンたちを忠実に再現用意するのは難しいかも知れない。しかし史実に基づくその拘りが歴史を描く作品にとって命綱であることもまた事実だと思う。
この種のことはApple IIだけではなくWCCF会場をジョブズが歩くのに合わせてカメラが流れる際に登場するコモドール社のPET2001などにも同じことがいえる。
PET2001といえば実際のWCCFではプロトタイプの全体に丸みを帯びたものが展示されていたはずだが、映画では1978年に私自身も手に入れた製品版のPET2001本体が列んでいるだけでなく、後年の製品でフルキーボードを装備した “CBM” シリーズまで写っていたりする(笑)。製品版のPETはやむを得ないとしても “CBM” シリーズを並べるのは時代考証がいい加減すぎる…。
さらにこれまた仕方がないことだとは思うが、一瞬であっても画面に登場するPET2001の筐体やキーボードが、いかにも年代を経た汚れが目立つのは興ざめだ(笑)。コレクターからの借り物だとしても綺麗に掃除するなどの工夫は出来なかったのだろうか…。
そんなあれこれが粗探しをするつもりもなく目につき気になってしまうのだから映画になかなか没頭できない…。
ところで粗探しはこの辺にしておくとして全体的にアシュトン・カッチャーのジョブズは前記した冒頭以外、特に若い時期の姿は違和感がない。さすがに俳優という仕事は凄いなと思わせるリアリティも感じるが、残念なことにスティーブ・ウォズニアックの姿はいただけない(笑)。いやあくまで見栄えの問題だが…。反面マイク・マークラやジョン・スカリーは登場シーンが少ないもののキャスティングの妙がうかがえる。
ただし2時間という限られた中での構成だから仕方がないのだろうが、Appleへの復帰に至る前に数シーンでもよいからNeXTのことやPIXARに関わったことも加えて欲しかった…。Appleを追われ、家族と共に家庭菜園で野菜などを作っているうちにAppleへの復帰のチャンスが回ってくる…というような描写ではあまりにもイージーだろう(笑)。
そういえば映画のコピーで「最低な男が、最高の未来を創った」とある。そして事実古参のAppleユーザーなら知っていると思われるいくつかのエピソードを通じてスティーブ・ジョブズがいかに非常識で我が儘な男であり暴君だったかを描いている。
例えば自分の子供の認知を拒んだこと、アタリ社での衝突、ウォズニアックに頼んで開発したゲームを自分の手柄とする、開発報酬として手にした額をウォズに誤魔化して渡す、ジェフ・ラスキンの追い出し、車を障害者用スペースに止めるなどなど、知られているエピソードが続けて登場する。しかし物足りないのはそうした奇異な言動を繰り返すスティーブ・ジョブズの心の中が見る物に伝わってこないことだ。何かに突き動かされているように突っ走るスティーブ・ジョブズの心情が不明なままでは文字通りただの最低な男で終わってしまう。
映画制作側の立場でよいから、なぜジョブズは最低の男だったのか…人々に嫌われることを承知で自我を通そうとしたのか…を示唆し表現して欲しかったと思うのは酷な注文だろうか…。
作品であるなら制作側の描きたい意図をもっと明確に主張しないと記録映画並で終わってしまう。スティーブ・ジョブズとはどんな男だったのかを知ることができてもそれ以上の感動は得られない。
まあまあ、スティーブ・ジョブズをテーマにした映画やドラマはこれからも多々制作されるに違いない。そうした中で本作品がどのような評価をくだされるのかはもう少し時間が必要なのかも知れないが、やはり実在の人物、それも本人の記憶が鮮明な人物を描く映画はそもそもが難しいとあらためて感じた。
そして以前もどこかで発言したが、いっそのこと実写ではなくPIXARの技術を使い、全編3Dによるジョブズの映画を創ってみてはどうだろうか…。
ともかく本作品は「スティーブ・ジョブズって最近名前を聞くけど、どんな人?」「なにをやった人なの?」という方々向けなのであり、私など古参Appleユーザーを対象とした作品ではないのかも知れない…。
というわけで個人的には本作品を観て感動するとか新しい発見をしたということは残念ながら皆無だった。
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