ウェアラブルカメラ HX-A100使用記〜画質応用編

パナソニックのウェアラブルカメラ HX-A100を日々使っている。実際に使ってみれば要望も出てくるし気に入った点より気になる部分が目立って来るものだが、コストパフォーマンスは大変よい製品なのではないか…。今回は画質に関しての考察を中心に応用編として話を進めてみたい。


まだまだすべての機能につき納得の上で使い込むという段階には至っていないが、毎日愛犬との散歩時に使い続けている。勿論雨の日でも防水仕様なので安心して使える。
さて、この種の製品を活用するにあたり1番気になることはなんといってもその画質だろう。前回「撮影編」で実際の動画をいくつかご紹介したので概要は知っていただけたと思うが、HX-A100の設定によりかなり画質に良し悪しが違うことが分かった。

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※キャップに別売アクセサリーのヘッドマウントでHX-A100を使った例


無論HX-A100はイヤーフックなりで顔の横にカメラを装着して使うウェアブルカメラだ。したがって一般的なビデオカメラのように三脚に固定するとかできうる限りカメラを動かさないよう注意しながら撮影するといったこととは反した使い方をする製品である。常に歩くにしても自転車などに固定するにしてもカメラはときに激しく左右上下に振れることになり動画の撮影条件としては厳しいものである点はまず認識しておく必要がある。

HX-A100には電子式ブレ防止機能というのがあるが、揺れが大きな場合はあまり役に立たないようだ。それに後述するようにブレ補正機能をONとOFFでは映像素子の有効画素数に30万画素ほど違いが生じることでもあり、ブレ補正機能を使うかどうかは目的と結果を鑑みて十分に考える必要があると思う。

まずは結論めくが、屋外で天気がよい(十分な明るさのある)風景や場所の撮影ならカメラをなるべく振らないようにすればかなり綺麗な映像が撮れる。手前3メートルほどの距離はしっかりとピントが合い、路面の質感やらもしっかりと出ている。そしてその画質もカメラに近い距離ではそこにある細かな文字も判読できるほどだ。

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※日中の明るい場所なら、近間の文字やすれ違う車のナンバーなども確認できる。ここではペットボトルの文字もきちんと読める【クリックで拡大】


このときお勧めの撮影モード設定としては「通常撮影モード」の際、「1920 × 1080/60p」にして画角モードは「スタンダード」さらに「ブレ補正OFF」にすることだ。
実は先のアーティクル「ウェアラブルカメラ HX-A100使用記~撮影編」の動画映像のうち、最初の「Panasonic ウェアブルカメラ HX-A100 撮影例その1」のみ1920 × 1080/60p」で撮ったもので後はすべて 30p である。

その理由だが、通常撮影モードでは「1920 × 1080」が1番の高画質設定なので迷わず選択すればよい。問題は当該モードには「30p」と「60p」のモードが選択できることだがこれまた迷わず「60p」を選択しよう。くどいようだがHX-A100はどうしてもカメラの動きが伴う撮影になるわけだが、簡単にいえばフレームレートが「60p」による撮影は再生が滑らかで綺麗に見えることになる。さらに画角だが「ワイド」と「スタンダード」があるものの、ワイドの方が有効画素数が多くなるものの撮影した映像は四隅周辺へ行くほど極端に歪む…。

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※1920 × 1080/30pでの撮影例キャプチャ【クリックで拡大】

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※前記とほぼ同じ場所を1920 × 1080/60pで撮影例をキャプチャ。比較していただければ画質の差は歴然だ【クリックで拡大】


勿論 HX-A100のレンズは実際の映像をご覧のとおり、かなり四隅にいくほど広角となるのでスタンダードでも歪むがワイドだとそれが極端となる。
私は動画からまずまずよく撮れているシーンをキャプチャーして1枚の写真としても使いたいのでなるべく歪みはない方がよいのだ。したがって個人的には「ワイド」での撮影は極力しないつもりである。

そして私のようにブレ補正機能をONにしてもあまり効果がないと考える場合は撮影時になるべくカメラを急に振らないよう気を付けるとして(まあ無理だが…)ブレ補正機能はOFFにする。そうすると画角が「スタンダード」の場合に有効画素数が約162万画素となり、補正0Nの場合より31万画素多い画素数で撮影ができる理屈となる。
事実「1920 × 1080/60p」および「スタンダード」、そして「ブレ補正OFF」が1番のお勧めで通常はすべてこの設定で撮影しているが気に入っている。



※「1920 × 1080/60p」「スタンダード」そして「ブレ補正OFF」で撮影した例


あと、撮影機会はそうそうないが、夜の撮影も基本設定は同じだ。ただしHX-A100には「カラーナイトビュー」をONにすると感度があがり、暗い場所でも明るく撮影ができる設定がある。ただし撮影した映像はコマ落としのような結果となるのでこれまた良し悪しだ…。
では「カラーナイトビュー」をONにしないと夜景は撮れないのか…といえば当然ながらケースバイケースということになる。ともあれ実験をしてみようと夜の10時頃に近くの交差点に出て撮影してみた。交差点だからして真っ暗闇ではなく信号は勿論街灯も点いている。しかし夜の商店街といった場所ではないので少し脇道に入れば街灯だけが頼りといった場所である。

結果だが、「カラーナイトビュー」は特別のケースは別にしてもOFFのままで良いと考える。勿論ONにした方が明るく撮影できるわけだが昼間のように写るわけでもなく前記したようにその動画を再生時、かなりブレが続くようでウェアラブルカメラとしての利用には向かない。かえって「カラーナイトビュー」をOFFにしたままの撮影の方がリアルな絵が撮れると思う。無論真っ暗な場所では撮影できないが…。

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※夜間、外での撮影例(キャプチャ)を2つご紹介しておく。共に「カラーナイトビュー」はOFFにしている【クリックで拡大】


なお1920 × 1080/60p のモードで撮影すると動画データは自動的に10分毎の別ファイルとして記録される。例えば約55分の撮影をした場合、記録されるファイルはスタートから順に10分毎のファイルが5つ、そして5分間のファイルが1つとなり、計6つのファイルに分割されることになる。

というわけでHX-A100 の画質は昨今のコンデジで撮った動画と比較すれば貧弱だとしても動き回っている最中の映像としてはまずまず楽しめるものだと考えている。それにデータは画質が良いほどファイル容量も膨大になる。前記した設定で撮った10分間の動画ファイル容量でも2GB強にもなる。したがって1時間フルに撮影すればその記録スペースは12GB必要となり、数日はともかく頻繁に必要なものとそうでないものをセレクトしながら楽しまないとハードディスクのスペースが無駄になる。
私のHX-A100 探求は続く…。





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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員