イングリッシュパブ 「シャーロック・ホームズ」でランチを!
先日の日曜日、初めてだと思うがJR 八王子駅に降り立ち、その名も 「シャーロック・ホームズ」という名のお店でランチを頂く機会を得た。お誘いいただいたのは(株)技術少年出版…あのLegacy 8080の生みの親、吉崎武さんである。お陰様で何とも贅沢な時間を過ごしたひとときだった。
八王子に「シャーロック・ホームズ」というパブがあり、ランチやケーキもオーダーできるということはシャーロッキアンの1人として知っていた。
いくつかの情報によれば店のインテリアや調度品は皆本場イギリスからわざわざ取り寄せたという本格的なもので、カウンターやホール内といった店内も本家に見られる雰囲気を見事に再現していると聞いたことがある。
とはいえ私は残念ながら八王子という場所に足を向けたことはなかったし、仕事などで出向く機会も無かったこともあってお店に行ったことはなかった。


※イングリッシュパブ「シャーロック・ホームズ」は雰囲気満載の店舗と内装だった
それに酒が苦手なオジサンとしては仮にもパブと名の付く店には入りにくい...。しかし今般(株)技術少年出版の吉崎さんにランチを誘っていただいたのでこれ幸いと待ち合わせの場所に出向いた。
八王子駅の改札で吉崎さんの姿を見つけたとき閃いたが、長身で痩せ形の吉崎さんはまるでホームズのようだと…。だとすれば今朝さすがに無精髭を剃ってはきたが、私はワトスン役に徹しようか(笑)。
ありがたいことに2階にある禁煙エリアをリザーブしていただいたので気持ちよい時間を過ごすことが出来た。まあホームズといえば、ヘビースモーカーであり、紙巻きタバコだけでなくパイプにも眼の無い人物で、部屋に籠もったまま火事と間違えさせるほどタバコの煙を充満させる男である。したがってその名の付いたお店で禁煙席というのもいささか気がひけるが、タバコ嫌いな1人としては周りにその臭いがするとせっかくの料理がまずくなるのだ。
そういえば、ホームズは生粋の美食家だった。私が楽しみにページを開くホームズ関連の書籍のひとつに「シャーロック・ホームズとお食事を 〜 ベイカー街クックブック」(東京堂出版刊)というハードカバー本がある。翻訳本だが、これはホームズ物語に登場する、あるいは当時一般的に普及していた食べ物や飲み物を料理研究家でシャーロッキアンが忠実に再現しレシピを紹介したものなのだ。ヴィクトリア時代の伝統的なイギリス料理をホームズ物語に即して再現したもので、いわばホームズはどのような料理・食事をとっていたのかを知る資料にもなる。

※東京堂出版刊「シャーロック・ホームズとお食事を 〜 ベイカー街クックブック」
というわけでもしかしたら伝統的なイギリス料理のメニューがずらりと列ぶのかと思ったが、そのフードメニューを見ると特にイギリス料理を意識したものは少ないようだが、グリルとしては ”ホームズハンバーグ” とホームズの冠がついている品があり、オリジナルワインには「事件簿ワイン」というホームズ物語の一シーンが描かれたラベルのワイン、さらにカクテルには “バスカヴィル家の犬” とか “青い紅玉” といったホームズ物語のタイトル名のカクテル、そして無論のこと “シャーロック・ホムズ” という名がついたカクテルなどがありファン必見のお店である。
私はメインディッシュにはカジキマグロの逸品を選び、パンと食後に珈琲をいただくことにした。
吉崎さんとは今年の2月に同社のLegacy8080体験デモルームにお邪魔して以来の再会だが、メールでは度々情報交換させていただいている…。Legacy8080つながり…という点は当然としても吉崎さんとの情報交換はその度毎に新しい刺激をいただけるので実に楽しみなのである。
美味しいランチをいただきながら、Legacy8080の話し、シャーロック・ホームズ物語の話し、iPhone 6 Plusの話し、Apple Watchの話しなどなど話題は尽きないが、終盤になって吉崎さんは期待を裏切らない?特別なアイテムを取り出した。いや取り出したというよりすでにご自身の腕に着けていた…。
それはなんと1984年1月、服部セイコーからリリースされた「リストコンピュータシステム UC-2000」という腕時計型コンピュータだった。勿論それはきちんと時を刻んでいた…。


※リストコンピュータシステム UC-2000とUC-2100(上)。そしてUC-2200(下)
昨今Apple Watchが話題になっているが、コンセプトはまったく違うものの UC-2000はその時代に腕時計型の5×7ドットマトリックス10桁×4行という小さな液晶画面でBASICを走らせるという技を実現していた超小型コンピュータである。
そのUC-2000だけでも珍しいのに、次に出てきたのはUC-2100という外付けキーボードとより大型でサーマルプリンタとROMパックスロットが装備されているUC-2200だった…。さすが近い将来、コンピュータ博物館を実現したいと構想を練っておられる方である。
このリストコンピュータは当時話題となったし後継機種もリリースされたが、やはりというか実用面での問題もあって早々に消えてしまった製品たちなので特に完動品は貴重なのだ…。
ふと我に返り、そろそろ戻らなければならない時間だということに気がついた。そういえばあらためて店内を見回すと、あちらこちらにシャーロック・ホームズのシルエットがあるし1階レジ前にはホームズのトレードマークともいえる鹿撃ち帽(ディアストーカー)が置かれている…と雰囲気満載だが、よくよく考えてみれば店名はともかく同店はイギリスの正統なパブを本場のインテリアや調度品をもって忠実に再現したユニークなお店だ。しかしホームズとワトソンが同居し数多くの事件を解決したベーカー街 221Bの部屋を再現した場所…というわけではない。したがってシャーロッキアンばかりが集う場所ではないわけだし事実ランチ時だったもののお店はほぼ満席だった。

※1階レジ前にはホームズの胸像と共にディアストーカーが飾られていた
そういえば疑問を持った点がひとつある。このお店の看板には店名と共にホームズのシルエットが多々描かれているがもうひとつ、猫も描かれている。それは看板だけでなく例えば同店で出すコーヒーカップ(購入できる)のソーサーにも猫のシルエットがある…。


※同店の看板のひとつにも猫が描かれている(上)。またコーヒーカップにはホームズのシルエット、そしてソーサーには猫のシルエットが...。カップは購入したもの
些細なことだが、シャーロッキアンとして疑問を持ったので帰宅してから「シャーロック・ホームズ大事典」(東京堂出版刊)を開いて調べて見た。
それによれば60件にもなるホームズ物語の事件の中で猫が登場するのは僅か3回だけだという。それも物語の進行上重要な役割ではなく、いわば風景と同じような描写であり扱いだ。

※東京堂出版刊「シャーロック・ホームズ大事典」
対して犬は違う。「バスカヴィル家の犬」とタイトルになった大事件は有名だし「四つのサイン」「白銀号事件」「スリー・クォーターの失踪」そして「ショスコム荘」など多数の事件に犬は登場し、捜査に重要な役割を果たす物語もある。
これは作者のコナン・ドイルが犬好きだったからだろうが、ともあれイングリッシュパブ 「シャーロック・ホームズ」のシンボルの一つとして何故犬ではなく猫にしたのか、シャーロッキアンの1人としては気になるところである。
ともあれその店名は別にしても雰囲気といい料理といい、大変素晴らしく至福のときを過ごさせていただいた。八王子駅で再開を約束して吉崎さんとお別れしたが、またこのお店で語り合いたいものだ…。
■Pub Sherlock Holmes
八王子に「シャーロック・ホームズ」というパブがあり、ランチやケーキもオーダーできるということはシャーロッキアンの1人として知っていた。
いくつかの情報によれば店のインテリアや調度品は皆本場イギリスからわざわざ取り寄せたという本格的なもので、カウンターやホール内といった店内も本家に見られる雰囲気を見事に再現していると聞いたことがある。
とはいえ私は残念ながら八王子という場所に足を向けたことはなかったし、仕事などで出向く機会も無かったこともあってお店に行ったことはなかった。


※イングリッシュパブ「シャーロック・ホームズ」は雰囲気満載の店舗と内装だった
それに酒が苦手なオジサンとしては仮にもパブと名の付く店には入りにくい...。しかし今般(株)技術少年出版の吉崎さんにランチを誘っていただいたのでこれ幸いと待ち合わせの場所に出向いた。
八王子駅の改札で吉崎さんの姿を見つけたとき閃いたが、長身で痩せ形の吉崎さんはまるでホームズのようだと…。だとすれば今朝さすがに無精髭を剃ってはきたが、私はワトスン役に徹しようか(笑)。
ありがたいことに2階にある禁煙エリアをリザーブしていただいたので気持ちよい時間を過ごすことが出来た。まあホームズといえば、ヘビースモーカーであり、紙巻きタバコだけでなくパイプにも眼の無い人物で、部屋に籠もったまま火事と間違えさせるほどタバコの煙を充満させる男である。したがってその名の付いたお店で禁煙席というのもいささか気がひけるが、タバコ嫌いな1人としては周りにその臭いがするとせっかくの料理がまずくなるのだ。
そういえば、ホームズは生粋の美食家だった。私が楽しみにページを開くホームズ関連の書籍のひとつに「シャーロック・ホームズとお食事を 〜 ベイカー街クックブック」(東京堂出版刊)というハードカバー本がある。翻訳本だが、これはホームズ物語に登場する、あるいは当時一般的に普及していた食べ物や飲み物を料理研究家でシャーロッキアンが忠実に再現しレシピを紹介したものなのだ。ヴィクトリア時代の伝統的なイギリス料理をホームズ物語に即して再現したもので、いわばホームズはどのような料理・食事をとっていたのかを知る資料にもなる。

※東京堂出版刊「シャーロック・ホームズとお食事を 〜 ベイカー街クックブック」
というわけでもしかしたら伝統的なイギリス料理のメニューがずらりと列ぶのかと思ったが、そのフードメニューを見ると特にイギリス料理を意識したものは少ないようだが、グリルとしては ”ホームズハンバーグ” とホームズの冠がついている品があり、オリジナルワインには「事件簿ワイン」というホームズ物語の一シーンが描かれたラベルのワイン、さらにカクテルには “バスカヴィル家の犬” とか “青い紅玉” といったホームズ物語のタイトル名のカクテル、そして無論のこと “シャーロック・ホムズ” という名がついたカクテルなどがありファン必見のお店である。
私はメインディッシュにはカジキマグロの逸品を選び、パンと食後に珈琲をいただくことにした。
吉崎さんとは今年の2月に同社のLegacy8080体験デモルームにお邪魔して以来の再会だが、メールでは度々情報交換させていただいている…。Legacy8080つながり…という点は当然としても吉崎さんとの情報交換はその度毎に新しい刺激をいただけるので実に楽しみなのである。
美味しいランチをいただきながら、Legacy8080の話し、シャーロック・ホームズ物語の話し、iPhone 6 Plusの話し、Apple Watchの話しなどなど話題は尽きないが、終盤になって吉崎さんは期待を裏切らない?特別なアイテムを取り出した。いや取り出したというよりすでにご自身の腕に着けていた…。
それはなんと1984年1月、服部セイコーからリリースされた「リストコンピュータシステム UC-2000」という腕時計型コンピュータだった。勿論それはきちんと時を刻んでいた…。


※リストコンピュータシステム UC-2000とUC-2100(上)。そしてUC-2200(下)
昨今Apple Watchが話題になっているが、コンセプトはまったく違うものの UC-2000はその時代に腕時計型の5×7ドットマトリックス10桁×4行という小さな液晶画面でBASICを走らせるという技を実現していた超小型コンピュータである。
そのUC-2000だけでも珍しいのに、次に出てきたのはUC-2100という外付けキーボードとより大型でサーマルプリンタとROMパックスロットが装備されているUC-2200だった…。さすが近い将来、コンピュータ博物館を実現したいと構想を練っておられる方である。
このリストコンピュータは当時話題となったし後継機種もリリースされたが、やはりというか実用面での問題もあって早々に消えてしまった製品たちなので特に完動品は貴重なのだ…。
ふと我に返り、そろそろ戻らなければならない時間だということに気がついた。そういえばあらためて店内を見回すと、あちらこちらにシャーロック・ホームズのシルエットがあるし1階レジ前にはホームズのトレードマークともいえる鹿撃ち帽(ディアストーカー)が置かれている…と雰囲気満載だが、よくよく考えてみれば店名はともかく同店はイギリスの正統なパブを本場のインテリアや調度品をもって忠実に再現したユニークなお店だ。しかしホームズとワトソンが同居し数多くの事件を解決したベーカー街 221Bの部屋を再現した場所…というわけではない。したがってシャーロッキアンばかりが集う場所ではないわけだし事実ランチ時だったもののお店はほぼ満席だった。

※1階レジ前にはホームズの胸像と共にディアストーカーが飾られていた
そういえば疑問を持った点がひとつある。このお店の看板には店名と共にホームズのシルエットが多々描かれているがもうひとつ、猫も描かれている。それは看板だけでなく例えば同店で出すコーヒーカップ(購入できる)のソーサーにも猫のシルエットがある…。


※同店の看板のひとつにも猫が描かれている(上)。またコーヒーカップにはホームズのシルエット、そしてソーサーには猫のシルエットが...。カップは購入したもの
些細なことだが、シャーロッキアンとして疑問を持ったので帰宅してから「シャーロック・ホームズ大事典」(東京堂出版刊)を開いて調べて見た。
それによれば60件にもなるホームズ物語の事件の中で猫が登場するのは僅か3回だけだという。それも物語の進行上重要な役割ではなく、いわば風景と同じような描写であり扱いだ。

※東京堂出版刊「シャーロック・ホームズ大事典」
対して犬は違う。「バスカヴィル家の犬」とタイトルになった大事件は有名だし「四つのサイン」「白銀号事件」「スリー・クォーターの失踪」そして「ショスコム荘」など多数の事件に犬は登場し、捜査に重要な役割を果たす物語もある。
これは作者のコナン・ドイルが犬好きだったからだろうが、ともあれイングリッシュパブ 「シャーロック・ホームズ」のシンボルの一つとして何故犬ではなく猫にしたのか、シャーロッキアンの1人としては気になるところである。
ともあれその店名は別にしても雰囲気といい料理といい、大変素晴らしく至福のときを過ごさせていただいた。八王子駅で再開を約束して吉崎さんとお別れしたが、またこのお店で語り合いたいものだ…。
■Pub Sherlock Holmes
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