ラテ飼育格闘日記(417)
気温が低くなり、ラテは絶好調のようでこれまで歩かなかった方面に積極的に行きたがって困っている。その最たる場所はどうやら一年前まで住んでいた旧宅らしく、ラテの進むままに歩くとそちらの方にズンズンと進んでしまう。どうやら旧宅はまだ借り手がなく空いているらしいが、いたずらにラテを連れて行くわけにもいかず、攻防戦が続いている。
ワンコの記憶力は大したものだという。いわゆるエピソード記憶は我々と同等といってもよいかもしれず数日前の出来事だけでなく数年…いや十数年前の出来事も覚えているらしい。
昔、盲導犬の活躍を追ったテレビ番組で老いた盲導犬が役目を終えて一歳まで預かりをしてくれたパピーウォーカーの家庭に10年ぶりに引き取られることになったシーンでオトーサンは号泣したことがある。いや、今でも思い出すだけで涙腺が緩む(笑)。

※見事な紅葉をバックに朝日を浴びてご機嫌なラテ
10年前に育ててくれたパピーウォーカーの家庭で余生を過ごすことになったワンコが車で連れられてくる…。なにしろ10年前のことだからして世話をしてくれた家族の人たちのことも覚えていないだろうと皆が考えていたらしい。車はわざとそのお宅より離れたところで止めてワンコを連れ出すと、ワンコは前方に玄関で待つパピーウォーカー(女性)を見つけて走り出したのだ!
ワンコは覚えていた。一歳になるまで暖かく世話をしてくれた飼い主たちを覚えていて飛びかかるように喜んでいる姿は涙無くして見ていられなかった。

※登校途中の小学生2人に声をかけられ喜ぶラテ。早速女子たちの生足を舐めだした(笑)
それだけではなく自宅に上げると、なんといつもいた場所を覚えていて、そこでくつろぐだけでなく幼犬時代にオモチャとして遊んだ手袋も覚えていてそれにじゃれつく…。盲導犬というワンコにとって過酷なミッションを終え一匹の普通の家庭犬に戻った一瞬だった。
オトーサンは素直に「凄いな!」と思った。そしてワンコと暮らしたいという思いがより大きく膨らんだ…。
ラテの話しに戻るが、生後6ヶ月のとき我が家に来てその旧宅で約7年間過ごしたわけで、ラテにとっては子供時代から大人になる過程を過ごした場所といえる。
「猫は家につき、ワンコは人につく」といえども現在の場所での暮らしがやっと一年たったばかりなのだから、ラテにとっていかに旧宅での記憶が大きく強いかは想像にかたくない。
しかし思い出深いからといっていたずらに旧宅周りを歩いたところでラテにとって益はなく、飼い主の都合による引っ越しの意味など分かるはずもないからしてかえって混乱を招くだけだろうし可哀想だ…。だからオトーサンとしては近隣に行くのはともかく旧宅の前を通ったりましてや近づいたりすることは避けてきたし、これからもその事を守るつもりでいる。

※「オトーサン、こっちへ行っていいよね...」と笑顔のラテ
とはいえ、それはそれとしてラテが旧宅方面に足を向けたがるのを押しとどめるのも意外と大変である。まあ、自宅の周りはともかく日々通っていた遊歩道や広い公園に続く道にはラテにとって懐かしい臭いが多々残っているに違いない。
いつもより丹念にあちらこちらとクンクンしながら歩みが遅いラテを見ていると、この娘の頭にはいまどのようなことが宿っているのかとオトーサンは考えてしまう。
雨の日も雪の日も、そして嵐の日や大地震の日もこの遊歩道をラテと歩いて来た。天敵のように吠え合うワンコや反対に近づきたくて「ク〜ン」と鳴き声をあげる幾多のワンコに出会い、子供たちに頭を撫でられたり近隣のゴミを拾い集めてくれるオジサンには乾いた吠え声を上げてきた。
自宅にいるときの大半も狭い出窓に寝そべって窓の外の遊歩道を通る人やワンコに注目していたラテだから、確かに多くの記憶が宿っている場所なのだ。
だから…もし、散歩の途中でリードが外れたりしてラテと離ればなれになったとすれば、ラテは現在の住居よりこちらの旧宅付近に帰るのではないかと思っているほどだ。そんなとき、人気のない家というのも…あるいはまったく知らない人たちが出入りしているのを見たときラテがどんな思いをするのかと、余計な事まで考えてしまう。

※今日もラテとの散歩は続く...
オトーサンはそんなあれこれを考えつつ、ラテが「こっちへ行っていいよね?」とでも言いたげに嬉しそうにアイコンタクトしながら歩くのを見ながらリードを引いている。しかし反面、オトーサンはラテのことだからと少々考えすぎで、旧宅の前を通ろうが家の中に入れるわけでもないし、ラテが側まで行きたいのであればそれはそれで良いのではないか…という気持ちもどこかにあって複雑なのである。
秋も深まり真っ赤に紅葉した木々が作り出す自然のアーチをくぐりながら、オトーサンは相変わらずラテと一緒に散歩を楽しんでいる。
ワンコの記憶力は大したものだという。いわゆるエピソード記憶は我々と同等といってもよいかもしれず数日前の出来事だけでなく数年…いや十数年前の出来事も覚えているらしい。
昔、盲導犬の活躍を追ったテレビ番組で老いた盲導犬が役目を終えて一歳まで預かりをしてくれたパピーウォーカーの家庭に10年ぶりに引き取られることになったシーンでオトーサンは号泣したことがある。いや、今でも思い出すだけで涙腺が緩む(笑)。

※見事な紅葉をバックに朝日を浴びてご機嫌なラテ
10年前に育ててくれたパピーウォーカーの家庭で余生を過ごすことになったワンコが車で連れられてくる…。なにしろ10年前のことだからして世話をしてくれた家族の人たちのことも覚えていないだろうと皆が考えていたらしい。車はわざとそのお宅より離れたところで止めてワンコを連れ出すと、ワンコは前方に玄関で待つパピーウォーカー(女性)を見つけて走り出したのだ!
ワンコは覚えていた。一歳になるまで暖かく世話をしてくれた飼い主たちを覚えていて飛びかかるように喜んでいる姿は涙無くして見ていられなかった。

※登校途中の小学生2人に声をかけられ喜ぶラテ。早速女子たちの生足を舐めだした(笑)
それだけではなく自宅に上げると、なんといつもいた場所を覚えていて、そこでくつろぐだけでなく幼犬時代にオモチャとして遊んだ手袋も覚えていてそれにじゃれつく…。盲導犬というワンコにとって過酷なミッションを終え一匹の普通の家庭犬に戻った一瞬だった。
オトーサンは素直に「凄いな!」と思った。そしてワンコと暮らしたいという思いがより大きく膨らんだ…。
ラテの話しに戻るが、生後6ヶ月のとき我が家に来てその旧宅で約7年間過ごしたわけで、ラテにとっては子供時代から大人になる過程を過ごした場所といえる。
「猫は家につき、ワンコは人につく」といえども現在の場所での暮らしがやっと一年たったばかりなのだから、ラテにとっていかに旧宅での記憶が大きく強いかは想像にかたくない。
しかし思い出深いからといっていたずらに旧宅周りを歩いたところでラテにとって益はなく、飼い主の都合による引っ越しの意味など分かるはずもないからしてかえって混乱を招くだけだろうし可哀想だ…。だからオトーサンとしては近隣に行くのはともかく旧宅の前を通ったりましてや近づいたりすることは避けてきたし、これからもその事を守るつもりでいる。

※「オトーサン、こっちへ行っていいよね...」と笑顔のラテ
とはいえ、それはそれとしてラテが旧宅方面に足を向けたがるのを押しとどめるのも意外と大変である。まあ、自宅の周りはともかく日々通っていた遊歩道や広い公園に続く道にはラテにとって懐かしい臭いが多々残っているに違いない。
いつもより丹念にあちらこちらとクンクンしながら歩みが遅いラテを見ていると、この娘の頭にはいまどのようなことが宿っているのかとオトーサンは考えてしまう。
雨の日も雪の日も、そして嵐の日や大地震の日もこの遊歩道をラテと歩いて来た。天敵のように吠え合うワンコや反対に近づきたくて「ク〜ン」と鳴き声をあげる幾多のワンコに出会い、子供たちに頭を撫でられたり近隣のゴミを拾い集めてくれるオジサンには乾いた吠え声を上げてきた。
自宅にいるときの大半も狭い出窓に寝そべって窓の外の遊歩道を通る人やワンコに注目していたラテだから、確かに多くの記憶が宿っている場所なのだ。
だから…もし、散歩の途中でリードが外れたりしてラテと離ればなれになったとすれば、ラテは現在の住居よりこちらの旧宅付近に帰るのではないかと思っているほどだ。そんなとき、人気のない家というのも…あるいはまったく知らない人たちが出入りしているのを見たときラテがどんな思いをするのかと、余計な事まで考えてしまう。

※今日もラテとの散歩は続く...
オトーサンはそんなあれこれを考えつつ、ラテが「こっちへ行っていいよね?」とでも言いたげに嬉しそうにアイコンタクトしながら歩くのを見ながらリードを引いている。しかし反面、オトーサンはラテのことだからと少々考えすぎで、旧宅の前を通ろうが家の中に入れるわけでもないし、ラテが側まで行きたいのであればそれはそれで良いのではないか…という気持ちもどこかにあって複雑なのである。
秋も深まり真っ赤に紅葉した木々が作り出す自然のアーチをくぐりながら、オトーサンは相変わらずラテと一緒に散歩を楽しんでいる。
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