オールドMacクイズ「これは、なあに?」
昨年末にFaceTimeを使って仕事の打ち合わせをした後、古いMacの話しになった。きっかけは何だったか…忘れたが、私は思いついて手元にあったいくつかのアイテムを会話の相手である30代の方に見せて「これは何でしょう?」というクイズまがいのことをやったら意外と受けた(笑)。それではということでここでもお披露目してみたい…。
当然黎明期からのAppleユーザー、Macユーザーであればご存じのことばかりだろうし、当ブログを端から端までご覧いただいている奇特な方はすでにご存じかもしれない。また知らなかったとしても人生に何の影響もない(笑)。単なるお遊びとしてご存じない方は頭をひねっていただければ…嬉しい。
問題は全4問で「これなあに?」という問いなので「なにをするためのものか」をお答えいただければ良く、製品名までお考えになる必要はない…。無論ご存じの方もいらっしゃるだろうが…。なお回答は後ろにまとめて記載してある。なお厳密に言えば第3問は "Mac" でない...かも知れないが、まあ堅いこと言わずに(笑)早速始めてみよう!
■第1問〜これはなあに?
まずは意地悪して(笑)アイテム単独の写真をご覧いただくことにしよう。無論これはこれ単体で機能するわけではなくMacintoshに取り付けて使うもので樹脂製。

■第2問~これはなあに?
金属製で棒状の片方が90度曲がっている。長さは約25cmほどでその一端には星型六角のドライバーがあり、もう一方の端には直径38mmほどの円盤状になっている。円の板には2mmほどの突起(ガラスエポキシか)が31mmの長さで埋め込まれている。



■第3問~これはなあに?
昔駄菓子屋で電車ごっこセットみたいな一式に入っていたオモチャの切符切りみたいだ。しかしその先端に特別な工夫がなされている。無論その形状からご推察の通り、何かを挟み込むようなことに使うのは明白だと思うが、さてどのような道具なのだろうか…。

■第4問~これはなあに?
さて最後の問題はこれ…。これまた使ったことのない方には当然のことながら知り得ないアイテムだ。写真のものはアップルロゴが入っているいわゆるApple純正品。

【答えと解説】
■第1問の答え
Macintosh本体に付ける"プログラマーズスイッチ" と呼ぶ特殊なスイッチで “インタラプトスイッチ (interrupt switch)” と "Reset" スイッチが一体になっている。インタラプトスイッチを押すことでCPUに割り込みをかける。結果としてOSを含むプログラムは停止し、デバッガ (MacsBugなど)がインストールされている場合ならそれが起動する。II fx以前の機種には別部品として供給された。

※側面下のスリット定位置に取り付ける
具体的な使用としてはMacがシステムエラーに見舞われた際、このインタラプトスイッチを押すことでROMにあるモニタープログラムのプログラマーズモードに入り、データを失わずに復帰させることができる...とされたが、ほとんどの場合は正常に戻すことは難しかった。また "Reset" スイッチは強制的に再起動させるスイッチ。
これをマシンの向かって左側のスリット定位置にセットすると内部基板にあるボタンを押すことができるように設計されていた。
ということで多くのユーザーには無縁のものだったし誤って押してしまうこともあるため一般的には外していたケースが多かった。
■第2問の答え
これは “MacOpener” という製品だが同類のものがいくつか販売されていた。その用途だがMac 128K, 512K, Plusなど、オールインワン型オールドMacの筐体を開けるための専用ツールである。

まず特殊な星型のドライバーで前後2つのケースを留めているネジを外し、続いて円板に付いている板状の突起を合わさったケースの溝に差し込んで少しずつ捻ることで合わさったケースが緩んでくる。このとき、いたづらに適当な道具を使うとMacintoshのケースを傷めてしまうのでこの種の専用工具が必要だった。ただし手慣れたユーザーは適当に削った割り箸を使うという裏技もよく知られていた…。
■第3問の答え
商品名は “Nibble Notch”。5インチのフロッピーディスク専用なのでまずはその5インチフロッピーをApple IIなどで使ったことのない方にはまったく縁の無いアイテムである。
要は標準の5インチフロッピーディスクにはコの字型の切り込みが1箇所ある。これは書き込み防止のためで、ここに専用シールを貼り塞ぐことで書込防止となるが、フロッピーディスケットは当時1枚1,300円ほどしていたわけで、おいそれとは使い捨てにできず、本来は片面の利用を前提にしていたメディアを裏返しにして両面を利用する工夫をした時代があった。

※ “Nibble Notch” と5インチフロッピーディスケット
その際には新たに切り込みを入れないと書き込めない。ハサミやカッターで切り込みを入れる強者もいたが正確な位置でなかったり、内部のフロッピーを傷つけてしまったりとトラブルも生じる。ために正確な位置に正確なサイズの切り込みを入れる切符切りのようなNibble Notchが重宝されたのである。とはいえさすがに愛用していたユーザーは多くなかったに違いない。
詳しくはこちらをご覧下さい。
■第4問の答え
SCSI ターミネータ (SCSI terminator)。
現行のUSBインターフェース以前にハードディスクなど周辺機器を接続するために使われていたインターフェース規格がSCSI (スカジー)インターフェースだった。SCSI は Small Computer System Interfaceの略。
SCSI ターミネータ はSCSIコネクタに接続する信号の反射を防ぐための集合抵抗。普通SCSI 機器には内蔵されておりスイッチで機器番号の指定やON・OFFができるタイプもあった。またSCSI機器をデイジー・チェーン接続する場合には必ず終端にこのSCSI コネクタを接続する必要があった。

※SCSIインターフェースコネクタ例。2つあるのはデイジー・チェーンを可能にするため
いかがだっただろうか…。全問正解されたからといって何の景品も出ないが(笑)、すべてをご存じの方であればAppleに、そしてMacintoshに多大な時間とお金を費やしてこられたご同輩に違いない。また繰り返すが大方の方々は見た事もないというケースがほとんどかも知れない。それがノーマルなユーザーという証しである(笑)。
なにしろ、例えば第1問のアイテムをインターネットでググってみていただきたい。こうしたアイテムが全盛時代には当然インターネットは我々の前には存在しなかったしその製品寿命も短かったから情報が残っている可能性は極端に少ないのである。
お疲れ様でした!
当然黎明期からのAppleユーザー、Macユーザーであればご存じのことばかりだろうし、当ブログを端から端までご覧いただいている奇特な方はすでにご存じかもしれない。また知らなかったとしても人生に何の影響もない(笑)。単なるお遊びとしてご存じない方は頭をひねっていただければ…嬉しい。
問題は全4問で「これなあに?」という問いなので「なにをするためのものか」をお答えいただければ良く、製品名までお考えになる必要はない…。無論ご存じの方もいらっしゃるだろうが…。なお回答は後ろにまとめて記載してある。なお厳密に言えば第3問は "Mac" でない...かも知れないが、まあ堅いこと言わずに(笑)早速始めてみよう!
■第1問〜これはなあに?
まずは意地悪して(笑)アイテム単独の写真をご覧いただくことにしよう。無論これはこれ単体で機能するわけではなくMacintoshに取り付けて使うもので樹脂製。

■第2問~これはなあに?
金属製で棒状の片方が90度曲がっている。長さは約25cmほどでその一端には星型六角のドライバーがあり、もう一方の端には直径38mmほどの円盤状になっている。円の板には2mmほどの突起(ガラスエポキシか)が31mmの長さで埋め込まれている。



■第3問~これはなあに?
昔駄菓子屋で電車ごっこセットみたいな一式に入っていたオモチャの切符切りみたいだ。しかしその先端に特別な工夫がなされている。無論その形状からご推察の通り、何かを挟み込むようなことに使うのは明白だと思うが、さてどのような道具なのだろうか…。

■第4問~これはなあに?
さて最後の問題はこれ…。これまた使ったことのない方には当然のことながら知り得ないアイテムだ。写真のものはアップルロゴが入っているいわゆるApple純正品。

【答えと解説】
■第1問の答え
Macintosh本体に付ける"プログラマーズスイッチ" と呼ぶ特殊なスイッチで “インタラプトスイッチ (interrupt switch)” と "Reset" スイッチが一体になっている。インタラプトスイッチを押すことでCPUに割り込みをかける。結果としてOSを含むプログラムは停止し、デバッガ (MacsBugなど)がインストールされている場合ならそれが起動する。II fx以前の機種には別部品として供給された。

※側面下のスリット定位置に取り付ける
具体的な使用としてはMacがシステムエラーに見舞われた際、このインタラプトスイッチを押すことでROMにあるモニタープログラムのプログラマーズモードに入り、データを失わずに復帰させることができる...とされたが、ほとんどの場合は正常に戻すことは難しかった。また "Reset" スイッチは強制的に再起動させるスイッチ。
これをマシンの向かって左側のスリット定位置にセットすると内部基板にあるボタンを押すことができるように設計されていた。
ということで多くのユーザーには無縁のものだったし誤って押してしまうこともあるため一般的には外していたケースが多かった。
■第2問の答え
これは “MacOpener” という製品だが同類のものがいくつか販売されていた。その用途だがMac 128K, 512K, Plusなど、オールインワン型オールドMacの筐体を開けるための専用ツールである。

まず特殊な星型のドライバーで前後2つのケースを留めているネジを外し、続いて円板に付いている板状の突起を合わさったケースの溝に差し込んで少しずつ捻ることで合わさったケースが緩んでくる。このとき、いたづらに適当な道具を使うとMacintoshのケースを傷めてしまうのでこの種の専用工具が必要だった。ただし手慣れたユーザーは適当に削った割り箸を使うという裏技もよく知られていた…。
■第3問の答え
商品名は “Nibble Notch”。5インチのフロッピーディスク専用なのでまずはその5インチフロッピーをApple IIなどで使ったことのない方にはまったく縁の無いアイテムである。
要は標準の5インチフロッピーディスクにはコの字型の切り込みが1箇所ある。これは書き込み防止のためで、ここに専用シールを貼り塞ぐことで書込防止となるが、フロッピーディスケットは当時1枚1,300円ほどしていたわけで、おいそれとは使い捨てにできず、本来は片面の利用を前提にしていたメディアを裏返しにして両面を利用する工夫をした時代があった。

※ “Nibble Notch” と5インチフロッピーディスケット
その際には新たに切り込みを入れないと書き込めない。ハサミやカッターで切り込みを入れる強者もいたが正確な位置でなかったり、内部のフロッピーを傷つけてしまったりとトラブルも生じる。ために正確な位置に正確なサイズの切り込みを入れる切符切りのようなNibble Notchが重宝されたのである。とはいえさすがに愛用していたユーザーは多くなかったに違いない。
詳しくはこちらをご覧下さい。
■第4問の答え
SCSI ターミネータ (SCSI terminator)。
現行のUSBインターフェース以前にハードディスクなど周辺機器を接続するために使われていたインターフェース規格がSCSI (スカジー)インターフェースだった。SCSI は Small Computer System Interfaceの略。
SCSI ターミネータ はSCSIコネクタに接続する信号の反射を防ぐための集合抵抗。普通SCSI 機器には内蔵されておりスイッチで機器番号の指定やON・OFFができるタイプもあった。またSCSI機器をデイジー・チェーン接続する場合には必ず終端にこのSCSI コネクタを接続する必要があった。

※SCSIインターフェースコネクタ例。2つあるのはデイジー・チェーンを可能にするため
いかがだっただろうか…。全問正解されたからといって何の景品も出ないが(笑)、すべてをご存じの方であればAppleに、そしてMacintoshに多大な時間とお金を費やしてこられたご同輩に違いない。また繰り返すが大方の方々は見た事もないというケースがほとんどかも知れない。それがノーマルなユーザーという証しである(笑)。
なにしろ、例えば第1問のアイテムをインターネットでググってみていただきたい。こうしたアイテムが全盛時代には当然インターネットは我々の前には存在しなかったしその製品寿命も短かったから情報が残っている可能性は極端に少ないのである。
お疲れ様でした!
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