ラテ飼育格闘日記(443)

ラテの歩きっぷりを観察していると気分により大きな違いがあることがわかる。すれ違う人に「このワンコは老犬かい?」といわれるほどノタノタと歩くかと思うとオトーサンの早歩きに遅れないどころか、先陣を切って進むときもある。その違いは外気温や体調以上にメンタルな問題だという気がする。


先日の夕方、いつものように散歩に出たが住宅街に入ったところで早くもぐずりだした…。座り込んだだけではなく腹ばいになって動こうとしない。
さて、どうしようかとオトーサンが試案していたところ、マンションの掃除をしていた年配の女性が長靴を履いたまま近づいて来た。そして「あらあら、疲れたのかねぇ。いくつなの?」という。オトーサンは「来月で9歳になります」と答えると「まだまだ歩けない歳ではないよね,,,」と一瞬言葉を止め、続けて「太ってるからしんどいのかねぇ」と笑いながら言った。

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※ラテ夏場の歩きっぷりは気温と湿度そして気圧も大いに関係するように思える


それが気に入らなかったのかラテは座り直して「ワンワンワン」と乾いた吠え声を発した。おばさんは「あらら、ゴメンね。悪口じゃあないんだよ。家にもさ、太った犬がいてねぇ」と苦笑いしながら通り過ぎた。まあ、太っているのは間違いない事実だが、事実を他人から指摘されるのは時に気持ちの良いことではない(笑)。

それでもそれが刺激なったのか、ラテはゆっくりと歩き始めた…。しかしその日はやはり興に乗らないのか少々遠回りはしたものの早々に自宅に戻ってしまった。まあ、排泄さえ済めばオトーサンとしては楽なので早めに切り上げられるのは歓迎だが、ラテの体調がよくないとすれば病院に向かわなければならないし心配でもある。

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※ベンチで一休み。お嬢様の端でオトーサンは小さくなっている(笑)


翌日の夕方はゆっくりした歩きだったが確実に「アタシは行くわよ!」といった感じで片道30分ほどもかかる広い公園目指して歩く…。オトーサンの本心は遠くに行くのは良いが帰りがきちんと歩いてくれるのかが心配だ(笑)。ともあれオトーサンとしてはもっと早足で向かいたいから歩調が合わずイライラするが、幼犬時代とは違いラテもシニアの年代に入っていることも間違いなく、無理させずに歩こうと思って気持ちを切り換える。

とはいってもラテは好奇心は旺盛だ。すれ違う人を値踏みするかのように見上げながら歩く。特に子供たちが向こうから歩いてくると声をかけてもらいたいのだろう…そちらに寄っていくのだから笑ってしまう。しかし見も知らずのワンコに声をかけてくれる人もそうそういないわけで、ラテは通り過ぎた子供たちを振り返りため息をついている(笑)。

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※目脂が酷いときがあるので、気がついたらすぐに取ってあげるように心がけてい


馴染みの広い公園に着いたが、こちらも収穫はなかった。知り合いのワンコもいなかったし15分ほど待って嫌がるラテを引っ張りながら公園を後にすることに…。何しろ戻るにもこの調子なら30分以上もかかるので、オトーサンにも都合というものがあるのだ。
しばらく歩けばいきなり地べたに伏せてしまう。こうなるとリードを強く引いたところで20kgの重しを引きずる…それも滑り止めのある奴を引きずることになるわけで歩きたくないものを歩かせるのは難しい。対処方法としては引っ張るのではなくリードを真上に上げるとよいことは経験でわかっている。

リードを真上に引くと言うことは引きずるのではなくラテを地べたから引きはがす…持ち上げることになる。オトーサンだってまだまだ20kg程度のものを片手で持ち上げるくらいの腕力は持っているが、これは全体重が喉にかかることになる理屈でラテの首をあからさまに締めることになる。したがって「ぐいっ」という程度はともかくラテが抵抗しても長くはできないし…やりたくはない。

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※オトーサン、ちょっと休もうよ...と座り込むラテ


ラテもラテで「ゲェッ…」とやっているにもかかわらず頑なに抵抗するのだから困る。要は気温の高さが直接関係するとしてもラテにとって嬉しい刺激がないことを含めてメンタルな部分も大きいことは分かっているが、これまた常にハイの状態にオトーサンができる筈もないから難しい。
その広い公園からの帰り道、5分ほど歩いてベンチで一休みし、またまた 7,8分 歩いて自動販売機でのあるところでオトーサンと共に水を飲み…とそれなりに休みを入れながら歩く。このままではテンションは上がらないな…とオトーサンも諦めモードで歩いていたとき商店街の歩道右側にいた男子と眼が合った。

初対面の男子だが、ラテを連れていたからだろう…。軽く会釈をしてくれたのでオトーサンも会釈を返したが、ラテもその様子を観察していたのだろう…その瞬間「えっ、アタシに用事ですか?」とでもいうように尻尾をお尻ごとブルンブルン振ってその男子に近づく。男子もラテが近づくのを両手を少し前に伸ばして期待している様子なのでオトーサンは「犬は大丈夫ですか?」と聞きながらリードを緩める。

男子は「苦手なんですけど可愛いから…」とラテを撫でてくれながらも腰が引けている(笑)。その上、ラテは喜びの余り「ウォーン」と吠えたために男子はビビったのか手を離した…。
家族なのか友達なのか、横にいた女子が「大丈夫だよ」とラテの方に腕を伸ばすとラテも待ってましたとばかりに近づいて女子の顔を舐めようとする。

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※散歩で通る商店街で出会った男子と女子にラテは最高の笑顔で接する


面白いのはラテの行動だ。今回に限らず、可愛がってくれる人が複数その場にいてほぼ均等距離の場合は1人のところにずっといないで複数の人たちを渡り歩き、均等に笑顔を振りまくのだ。慣れているオトーサンが見ても見事な対応で感心せざるを得ない。その愛想の良さは実に見事である!
そのときも女性の膝元で喜んでいるかと思えば2メートルほど離れた男子のところに再度尻尾を振りながら近づくのだから面白い。

オトーサンはお礼を言ってラテを引き離したが、ラテのその後の足取りはそれまでとは違って軽く、オトーサンを喜ばせた。その愛想の良さ、外面の良さの半分でもオトーサンに向けてくれると嬉しいと思いながら。何故ならベンチにオトーサンと座り込むとき、道端に伏せるとき、勿論自宅で寝るときなどなど際…必ずオトーサンにお尻を向ける失礼な娘だからして…(笑)。



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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員