ラテ飼育格闘日記(444)

悲しい知らせがあった…。ラテが公園デビュー以来の友達ワンコ…柴犬のハチちゃんが5月20日天に昇り星となった。飼い主さんがわざわざお知らせくださったので知り得たが、この半年ばかりハチちゃんはガンと闘っていたことを知っていたので僭越ながらずっと気がかりだったのだが…残念!。


昨年、押し迫った頃だったか、夕方の散歩途中に久しぶりに柴犬のハチちゃんと飼い主のオカーサンに出会った。そのときオトーサンはハチちゃんを一目見て異変を感じた…。ハチちゃんはラテより一歳ほど年上の雄のワンコで、もともと “がたい” がしっかりしたワンコだったが、その時のハチちゃんは見るからに激やせしていたのだ。

オトーサンがお聞きするまでもなく飼い主さんからはガンと診断され、すでに転移もあるようなのでこのまま完治は難しいようだが、抗癌剤などの治療を開始したというお話しがあった。
ハチちゃんは友達ワンコといってもラテと遊び回るワンコではなかった。いや、どちらかというと回りのワンコと体をぶつけて遊んだり駆けずり回るというシーンはまったくというほど記憶にない。ただただ唯我独尊…我が道を行くといった感じで臭いをかぎつつ飼い主さんを引き回すというイメージだった。

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※2007年に撮影したカメラ目線のハチちゃん


当時オトーサンもラテと共にけっこう長い時間散歩を続けていたが、ハチちゃんとそのオカーサンの散歩エリアは我々とは比較にならないほど広くハチちゃんは神出鬼没というか、見るからに「飼い主さん大変だなあ」と思うほど元気に歩き回り、時にオカーサンの足に支障が出たという話しもお聞きした。また去勢していないワンコでもあったので時に大好きな雌のワンコを追いかけ回していた記憶も強い。

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※ラテが公園デビューした2007年のスナップ。当時はワンコ仲間が多々一堂に会していた。矢印がハチちゃんでその左、こちらにお尻を向けているのがラテ


面白いのはラテのハチちゃんへの態度だ。ラテが公園デビューした当時からの知り合いだからだろうか、ラテが成犬になってワンコの好き嫌いが激しくなり、それまで一緒に遊んでいたワンコに威嚇するような態度を見せ始めた時期でもハチちゃんにはどこか一目置いている感じで吠えたりもせず、逆にワンコ特有の遊びのポーズをしてハチちゃんを誘うこともあった。ただしハチちゃんはラテと鼻面を合わせたりはするもののラテの遊びに答えることはなかった。

初めてハチちゃんがガンだとお聞きしたそのとき、オトーサンはいつものとおり挨拶代わりに牛肉を乾したラテ用のオヤツのひとかけらをハチちゃんの鼻面に差しだした。その瞬間ハチちゃんは「ガブッ」といった感じでオトーサンの親指に歯を当てた…。しかしそんなことはこれまで8年以上もの間一度もなかったことだったから、見かけはともかく体調的には辛い時期でストレスも溜まっていたのかも知れない。

ハチちゃんに限らないが、知り合いのワンコやその飼い主さんたちと出会えるのも偶然でしかない。特別の場合を除いて友達ワンコたちがどこに住んでいるかは勿論、飼い主さんのお名前も知らずにただただワンコを通じて出会ったときに、お互いが一期一会のつもりで短い一時、雑談をさせていただくお付き合いなのである。したがってその後ハチちゃんの具合がどうなのかは積極的に知り得なかったが、年が明けた今年の1月19日に馴染みの広い公園に行った際に再び出会うことができた。

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※2015年1月19日、クロちゃん(左)とハチちゃん(右)


その日は黒柴のクロちゃんとも久しぶりにお会いしたが、クロちゃんの飼い主さんから先ほどハチちゃんに会ったけれど元気そうだったというお話しがあった。そのとき面白いことに向こうから本人ならぬ本犬のハチちゃんの姿が…。
ハチちゃんはステロイドが効いたようで食欲も出て体重も12kgほどに回復したというお話しの通り、昨年末に出会った時とは違って元気そうに見えた。クロちゃんの飼い主さんと「良かった、良かった」と言い合った…。

その次にハチちゃんと出会ったのは3月27日だった。勿論ガンが完治したわけではないことを承知しているもののオカーサンと散歩をしているその姿はまさしくハチちゃんであり、見る限りでは元気そうに思えたが、健康な時代からずっとその姿を見ているからしてハチちゃんの表情というかその目つきが随分と優しくなったと思えてオトーサンは厳しい現実を思いやった。

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※2015年3月27日、元気そうに思えたが...


オトーサン自身、母親を上口蓋に出来たガンで亡くしているし、高校時代および最初に就職した会社で大の親友となった2人がこれまたガンで若くして亡くなったことを経験しているから、ガンの怖さは勿論その完治が生易しいことではないことも知っている。しかしワンコだから、人間だからという違いは関係なく、できうるものなら奇跡が起きてくれることを願っていた…。

翌月の4月19日、ラテと散歩の帰り道で小学生の女子たちに出会い楽しい一時を過ごしていたとき、向こうからハチちゃんの姿が見えた。このときはご主人と一緒だったが一時歩けなくなったときもあったが、随分と盛り返して元気になり、体重も13 kgほどになったという。事実ご主人が持つリードを力強く引くハチちゃんでもあった。

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※小学生の女子たちに囲まれるハチちゃん。2015年4月19日


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※ラテと鼻面を合わせるハチちゃん。2015年4月19日


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※ラテはハチちゃんというよりオトーサンに向かって遊びのポーズを(笑)。2015年4月19日


それから1ヶ月ほど、残念ながらハチちゃんと会えない期間が続いたし、前記のクロちゃんたちともお会いできなかったからその後の経過が気になるものの知る術がなかった。そして5月29日になってハチちゃんのオカーサンから直接20日に亡くなったことを知らされた。最後は飼い主さんの腕の中で息を引き取ったという…。

ラテにとって幼犬時代から身近に接してきたワンコとして昨年のボーちゃんについでハチちゃんも星になってしまった。こればかりは致し方ないことだが、飼い主さんの大きな愛情に包まれ懸命の看病を受けたハチちゃんは幸せなワンコだったに違いない。

そうそう…こうした「何月何日に出会った」と記せるのはオトーサンが記憶力抜群なわけでもなく無論適当なことを記しているのでもない。それはパナソニックのウェアラブルカメラ HX-A500という製品をラテとの散歩時に顔の横に着けて日々歩いている成果でもある。
動画データなのでその際の映像は勿論、会話や音声もフィードバックできるのでまさしく記録として最適なツールなのだ。無論動画は大容量なのでそのまますべてを保存は無理だが、要所要所のシーンは静止画として残している結果でもあるのだ。
ハチちゃん…安らかに…。


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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員