Kindle paperwhite ファーストインプレッション

今更だが Kindle paperwhite を手に入れた。本を読むためだがそれならiPad miniもあるしiPhone 6 plusもある。あらためてKindleを手にする必要はないだろう...という意見もあるに違いない。確かにこれまでそうした理由から手にしたことは1度もなかったが大人の事情もあって俄然興味を抱いた。


活字中毒者の私だが、そのほとんどは紙媒体を読む。長い間コンピュータを相棒にしつつ日々その前に向かう1人として自分でも偏屈かな...と思うが、いわゆるデジタル書籍は性に合わず物理的な書籍が好きなのだ。こうした思いの多くは長い間の習慣によるもので理屈ではないのである。

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※Kindle paperwhiteのパッケージ(上)と本体(下)


そんな私ではあるが本を手放せないとはいえこれ以上物理的な本を増やしたくないことがひとつ...。そして前記したことと矛盾するが視力に問題もあって印刷した活字では読みにくいこともあることなどを理由に今更だが電子書籍を考えてみようかと思った。
しかしそもそも私の好んでいるジャンルの書籍や文庫本あるいは新刊書などの多くは電子化されていないこともあってまだまだ望みどおりにはいかないが、まあ可能なことからやってみようと考えた。

それなら手元にあるiPhoneやiPadで即実行できるわけだが、これまでにもiPadで本を読むという行為を試みたことは幾度とあったがどうにも気に入らないのだ(笑)。
その一番の理由だが、例えばiPadにしても読書専用デバイスではない。インターネットに接続しブラウザであれこれブラウジングできるしTwitterもできればメールやSNSの配信も届く。要は気が散って読書に集中できないのだ。これはiPadのせいではなく使い手の問題だとは認識しているが...。

またiPadやiPhoneのディスプレイは確かにカラー表示は大変綺麗だが、活字だけを追うには反射が気になる。常用しているiPhoneにはノングレアのガラスフィルムを貼ってあるが私にとって決して文字を追うという意味では見やすいとはいえない。
それにiPad miniは手に取り読書するにはやはりサイズが大きいしiPhone 6 plusは縦横比が書籍と大きく違うことが気になってしまう。自然に読書に集中できるデバイスが欲しい…。

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※Kindle paperwhiteと文庫本のサイズ比較(上)。iPad miniとKindleのサイズ比較(下)


ということで Kindle paperwhiteを入手してみた。これは薄さ9.1mm、重さ205gで片手で持っても疲れにくいサイズと重量だ。なによりも電子書籍専用デバイスであり余計な機能は持っていない。そして最大の長所はE InkのCarta電子ペーパー技術を採用した6インチPaperwhiteディスプレイだ。16階調グレースケールでありカラー表示はできないがそれはこの場合欠点にはならない。

事実そのディスプレイ上の表示は実に見やすい。購入時のディフォルト画面などはディスプレイ保護のため印刷したペーパーでも貼ってあるのかと思うほど自然だ。仕組みはよく分からないが、液晶のようにバックライトではなくディスプレイの表面を照らす方式とのこと...。マットなE Inkスクリーンは印刷物を見ているようで目にも良いということが実感としてわかる。
勿論、フォントサイズも変えられるしスワイプしてページをめくることもでき、読書体験として違和感は少ない。

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※そのテキストは紙に印刷されたものに近く大変読みやすい


すでに多くの方が使っていると思うのであらためての詳細なスペックは記さないが、4GBのストレージは一般的なものだと数千冊保存するに十分だというし、購入した電子書籍はAmazonの専用クラウドに保存され、読む際に端末にダウンロードするという仕組みだからまず容量不足は当面考えなくてよいだろう。

そう、 Kindle paperwhite にはWi-Fi 版とWi-Fi +3G版があるが私はWi-Fi 版にした。
Wi-Fi +3G版はWi-Fiが使えない際には無料の3Gが利用できるタイプだが、購入時に価格が5千円ほど高くなる。個人的には外出時にはいわゆるポケットWi-Fiを携帯するので3Gは不要と考えた。

またバッテリーが長持ちするのも実用的だ。とはいっても充電もUSBケーブルで手軽に可能だが、例えばワイヤレス接続オフ、一日30分使用した場合だと数週間利用可能とのことだ。
というわけで今回専用のレザーケースもいっしょに購入した。カバーの開け閉めだけで自動オン・オフが可能だしディスプレイを保護するためだが、これはこれで持っているのも楽しい…。

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※Kindle専用のレザーカバー(上)とKindle本体を装着しカバーを開いた例(下)


早速シャーロック・ホームズ全集や先般芥川賞を取った又吉直樹の「花火」を勢いで買ってみた(笑)。Kindle paperwhiteを手にして数日経ったが、iPadも活用する気のない私ではあるが、kindleは意外と気に入っている自分を面白いと感じている(笑)。とはいえまだろくに使い込んではいないので数冊このkindleで読書体験を済ませた後にまた感想をご報告したいと思っている。


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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員