キングジム 電子メモパッド ブギーボードBB-2 レポート

以前から気になっていたキングジムの電子メモパッド「Boogie Board BB-2」を手に入れた。電子ペーパーを採用しなめらかな書きごこちで、細い線も太い線も自由自在。そしてボタンを押すと瞬時に画面を消去できるという電子文具である。


当製品を最初に知ったとき、懐かしい思いで一杯になった。それは子供の頃に壊れるまで愛用したお絵かきツールを思い出したからだ。
いまでも存在するのか分からないが、それは近所の駄菓子屋で買ったか、あるいは雑誌の付録だったかは...すでに忘れたが、黒い粘着性の台紙に厚手で透明なフィルムが重なっていた。その上から割り箸などペン状のモノで擦るとフィルムが台紙と接着しその軌跡が白っぽくなり文字や絵を描けた。そしてフィルムを「ベリッ!」と上に持ち上げ、台紙から剥がすと当然なことに描いた文字や絵は一瞬で消えた。

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※キングジム 電子メモパッド ブギーボードBB-2 パッケージ


ただしフィルムには書いた痕が残るし粘着性も次第に弱くなりすぐに使えなくなるわけだが、当時画用紙やわら半紙を買う小遣いはほとんどなかったから、もっぱら新聞の折り込み広告の裏などでお絵かきを楽しんでいた。したがってこの付録だったかのアイテムは子供心に狂喜したものだ。「Boogie Board BB-2」を知ったとき、そんな思いが駆け巡って手に入れたくなった…。

さて、プライベートにしろビジネスにしろ日常多々メモする機会は多い。私などでもiPhoneを片手に「あっ、いまメモするからちょっと待って!」などということは日常茶飯事である。そしてそのメモが溜まってしまったり逆に後で見つからなかったりとして困惑するのもまた日常だ。しかしこうした類のメモをいちいちiPadやiPhoneに…という気はさらさらない(笑)。メモ魔ではあるが、それだから故か紙の方が性に合っているし簡便なのだ…。
ただし「スタイラスで文字やイラストも自由自在」といえば友人知人らは総じて「iPadがあるじゃん!」という。

確かにiPadでも相応のアプリをインストールすれば指やスタイラスペンで同様なことはできるが、スリープを解除するのはともかくアプリのアイコンを探して起動云々ということだけでも煩わしい(笑)。それにiPadは心理的にメモ用紙のように雑な取扱にはブレーキがかかり、どうしてもかまえてしまうことも負担になっている。さらに、長い間マイコンやらパソコンといったデジタルデバイスとそのソフトウェアに関わってきたにしてはどうにもアナログ思考の人間なのは自分でも笑える。

まあ言い訳はこの位にしてBB-2 を簡単にご紹介してみよう...。
このBoogie Boardという製品もいくつかのラインナップがあり、ハイスペックモデルはBluetoothサポートでiOSなどへのデータ転送ができるという。しかし私の場合はそうなればそれこそiPadやiPhoneで事が済んでしまう理屈でもあり、あくまで紙代わりに使うというコンセプトなので大画面モデルという10.5インチLCDのBB-2にした。

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※「Boogie Board BB-2」と付属のスタイラスペン(上)。背面はこんな感じ(下)


BB-2 のサイズだが、(H)269×(D)5.7×(W)175(mm)※[(D)突起部除く最薄部]で重さは約213gだ。確かに紙と言うには少々重いが、iPad mini4のWiFiモデルの重量が298.8gだから苦になる重さではないし、そもそもあちらこちらに持ち運ぶつもりはなくメモバッドよろしく常に机上に置いておくつもりなので問題はない。ただし全体に高級感を求めるのは無理で iPadなどと比較すること自体無意味だろう(笑)。

その10.5インチLCDの画面に付属の専用スタイラスで文字やイラスト、図形などなど…手描きだからして何でも描ける。黒い画面に描いた線はコントラストが強くはないが認識性はよい。また重要なことだがBB-2は単6電池を2本使用するが、本体の電源操作は不要であり、紙と同様書きたいときにいつでも書き始めることができる。

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※背面の電池カバー。上はホルダーに収まったスタイラスペン


線の太さに関しても筆圧で細い線も太い線も自由自在だし書き心地もなめらかで違和感はない。それどころか皮肉なことに書き心地は「Boogie Board BB-2」の方が iPad ProとApple Pencilより良い...。そしてBoogie Board最大の売りだが、ボタンを押すことで瞬時に画面全体を消去でき、繰り返して書き続けることができる。単6アルカリ乾電池2本で5万回消去ができるという。

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※早速スタイラスペンで描いてみた...


ただし画面の一部だけ消すことはできないしページ感覚としては1ページだけだ。またBluetooth版を除いて描いたデータを転送したり保存あるいは読み出しといったことはできない。あくまで紙のメモ用紙同様、書いて不要なら捨てるという感覚だ。

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※中央の丸いボタンが "erase" ボタン


注意する点としてBB-2に描いたものは “erase” ボタンを押すまで消えない。しかしそのままバッグの中に押し込んだり、他の物品を乗せたり、画面を袖で擦ったりすれば何らかの書き痕として画面に残る。ただし指で擦った程度、袖が振れた程度なら無反応だが爪や袖のボタンあるいはファスナーなどが当たれば痕跡が残るし画面に傷を付けないようにする心得としても注意する必要がある。

また不用意に “erase” ボタンを押したりすれば書いたデータは二度と戻らない。この間違って “erase” ボタンを押さないように画面に向かって右側面上に “erase” ボタンをロックするスライドスイッチがあるので活用すべきだ。

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※向かって右サイドに “erase” ボタンをロックする機能がある


ただし、どうしても書いたものを残したい場合、私はBB-2の画面をScanSpap SV600でスキャニングすることにしている。ScanSpap SV600は仕事机の隣に常設しているし電源もほぼONのままなので便利なのである。ただしScanSpap SV600で撮った画像はこの場合、いささかコントラストが低くなるので後でグラフィックツールで調整しておけばクリアに残すことが出来る。

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※書いた結果を残したい場合、私はScanSpap SV600でスキャニングしている


結局メモに書いた事案が終わったら、紙を捨てるようにすべてを消去する。その際にペーパーレスであることは勿論だが、特にオフィスなどでは機密情報の漏洩防止にも役立つに違いない。なお専用のスタイラスペンは本体上部に収納できるので紛失防止に役立つだろう。また上部左右にはストラップホールがあるのでBB-2自体、いつでも手にできるようにストラップなどで吊る下げておくのも良策かも知れない。






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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員