往年の美女、ヴェロニカ・レイクを思い出す〜そして映画「サリヴァンの旅」
この数年、なるべく映画を観るようにと心がけている。しかし映画館に足を運ぶのではなくiTunesだったりAmazonプライム、あるいはDVDを購入しての話しだ。それも新作より旧作の方が多い。何故ならどうにも古い作品の方が夢があるような気がして楽しいのだ...。
映画に興味を持ったのは高校時代くらいからだったが、高校生が映画館にちょくちょく行けるはずもなく映画のストーリーやキャストといった情報を知るのはもっぱら図書館にあった「映画の友」や「スクリーン」といった雑誌からだったし映画音楽は母がソノシートをブックレットにセットする内職をやっていたので余った1枚を飽きずに安物のプレーヤーにかけて楽しんだ。
「映画の友」や「スクリーン」は今では考えられないほど隅から隅まで熟読した。為に実際の映画を観たつもりになっている作品も多いくらいだった...。

※プレストン・スタージェス監督「サリヴァンの旅」(1941年公開) DVDパッケージ
特に多感な年齢だったこともあり興味の対象は欧米の女優たちの姿だった。世間知らずの男子はこれほど美しい女性が現実に存在するのか…と真面目に思ったりもした(笑)。だから1940年前後からの作品と主演女優の情報には詳しかった。まあ今ではほとんど忘れているが...。

※マネキンの撮影中に「サリヴァンの旅」などに出演したヴェロニカ・レイクを思い出した
そんな少年時代だったから些かブロンドコンプレックスの傾向もあるし、好きな女優の多くはブロンドの髪が印象的だった。それはともかく思い出すままにお気に入りの女優たちを列記するなら、キャサリン・ヘプバーン、マリリン・モンロー、ラナ・ターナー、グレース・ケリー、イングリッド・バーグマン、エリザベス・テイラー、キャンディス・バーゲン、キム・ノバック、エヴァ・ガードナー、オードリー・ヘップバーン、カトリーヌ・ドヌーヴ、ブルック・シールズ、ソフィー・マルソー…。なにか美女全部みたいたが、それ以前に銀幕で活躍していた数人の女優たちのイメージは名を忘れてもいまだに記憶の底に眠っている。
これらに比較して近年の、あるいは現代の若き女優たちの名はほとんど知らないしその動向も気にならないのは私自身の年齢のせいと理想の女性を観る価値観が違っているからだと思う。
ともかく昔、昔に映画雑誌などで見た、あるいは後年DVDなどで観る一昔前のスターたちの姿は輝いていたしその顔も普段は忘れていても記憶に焼き付いているに違いない。
なぜなら先日我ながら思いがけないことから忘却の彼方だった1人の女優の名を思い出した。
別項でご紹介しているとおり、最近仕事をきっかけにお気に入りのヘッドマネキンのボディを造形したが、それにWig(かつら)を付け簡素なシャツとジーンズを着せてみた結果、いやはや自画自賛だがそこいらの映画女優にも劣らない気品と優雅さを備えた女性(マネキン)が出現した…。
ともかくクライアントの依頼に基づきイメージに合うであろう...いや、ベストのイメージを探すために数種のWigを付け替えながら撮影の構図を考えていた。Wigはショートカットのものやロング、あるいはブロンドや栗毛あるいは赤毛といった10数種を揃えてあるのでとっかえひっかえしていたが、ロングのWigをかぶせて簡単な調整をしていたとき忘れていた古い記憶が突然甦った。
我が研究所のモデル嬢のロングの髪はたまたまだったが向かって左柄にウェーブがかかり、彼女の右目を覆う形になってしまった。それを見た瞬間その右目にかかる前髪がトレードマークだった古き時代の映画女優を思い出したのだ。

※憧れのヴェロニカ・レイク(笑)
それが1940年代に活躍した妖しい美しさで人気を得たヴェロニカ・レイク(Veronica Lake)である。早速ウェブで検索してみたが、すでに先入観もあったからだろう…我が研究所のモデル嬢はどこかしらヴェロニカ・レイクに似ているように思える(笑)。
彼女が出演した映画で思い出した作品は「サリヴァンの旅」だったのであらためてDVDを買ってみた。なにしろ1941年製作の本作品はiTunesとかAmazonプライムといったところでは見つからないのでDVDを買うしかなかったが勿論モノクロ映画である。
いやはや映画の出来という点でいえば近年の多くの作品には及ぶべくもないし "たわいもない" 作品と言われるかも知れないが実に楽しいのだ。
私にとって映画は基本的に娯楽である。なにも時間と金を使って眉間にシワを寄せたり嫌な思いをする映画など観る必要はないと思っているから「映画はこうありたい」「これが映画なのだ」という思いを新たにした。
個人的な趣味趣向および青春を送った時代背景の違いといってしまえばそれで終わりだが、私が近年制作されたCG満載の映画を面白くないと思うその理由があらためて「サリヴァンの旅」を観てわかったような気がした...。
ストーリーも難しい点はない。ハリウッドで成功を収めてきた映画監督のサリヴァンは映画会社の重役たちが「映画は娯楽」という意見に反して戦争や貧困といった現実社会を反映させた映画を撮るべきだと考え、社会の実態を知り体験したいと浮浪者に変装して旅に出る。そして途中で彼はハリウッドのカフェでブロンドの美女と出会いあれこれあった末に一緒に旅をすることになる...。
それにしてもヒロインとして出演しているヴェロニカ・レイクのなんと美しいことか!念のため確認して見るとこれは彼女が19歳のときの作品だった。小柄な女性だったようだが主人公のサリヴァンと共にホームレスの姿になって旅を続けるその姿はまさしく子供であり天使のようだ。

※「サリヴァンの旅」の一シーン。手前がサリヴァン役のジョエル・マグリーと一緒に旅をすることになった美女、ヴェロニカ・レイク分する男の子
なんだかヴェロニカ・レイクの姿を見ていると私の深層心理の奥深くに埋め込まれた理想の女性象がこのヴェロニカ・レイクだったのかと思える。
ただしウィキペディアによれば本作品の日本公開はずっと後の1994年だったそうだから私がヴェロニカ・レイクの容姿を知ったのはやはりかなり以前の映画雑誌か別の作品だったに違いない。
ともあれ我が研究所のモデル嬢の顔が気に入ったのは近年の美女たちというよりヴェロニカ・レイクのような一昔前の美女たちを彷彿とさせる顔かたちだからなのかも知れない…とも思い当たった。
ちなみにヴェロニカ・レイクは1973年7月、アルコール中毒による肝臓と腎臓の合併症で亡くなった。享年50歳だった。
映画に興味を持ったのは高校時代くらいからだったが、高校生が映画館にちょくちょく行けるはずもなく映画のストーリーやキャストといった情報を知るのはもっぱら図書館にあった「映画の友」や「スクリーン」といった雑誌からだったし映画音楽は母がソノシートをブックレットにセットする内職をやっていたので余った1枚を飽きずに安物のプレーヤーにかけて楽しんだ。
「映画の友」や「スクリーン」は今では考えられないほど隅から隅まで熟読した。為に実際の映画を観たつもりになっている作品も多いくらいだった...。

※プレストン・スタージェス監督「サリヴァンの旅」(1941年公開) DVDパッケージ
特に多感な年齢だったこともあり興味の対象は欧米の女優たちの姿だった。世間知らずの男子はこれほど美しい女性が現実に存在するのか…と真面目に思ったりもした(笑)。だから1940年前後からの作品と主演女優の情報には詳しかった。まあ今ではほとんど忘れているが...。

※マネキンの撮影中に「サリヴァンの旅」などに出演したヴェロニカ・レイクを思い出した
そんな少年時代だったから些かブロンドコンプレックスの傾向もあるし、好きな女優の多くはブロンドの髪が印象的だった。それはともかく思い出すままにお気に入りの女優たちを列記するなら、キャサリン・ヘプバーン、マリリン・モンロー、ラナ・ターナー、グレース・ケリー、イングリッド・バーグマン、エリザベス・テイラー、キャンディス・バーゲン、キム・ノバック、エヴァ・ガードナー、オードリー・ヘップバーン、カトリーヌ・ドヌーヴ、ブルック・シールズ、ソフィー・マルソー…。なにか美女全部みたいたが、それ以前に銀幕で活躍していた数人の女優たちのイメージは名を忘れてもいまだに記憶の底に眠っている。
これらに比較して近年の、あるいは現代の若き女優たちの名はほとんど知らないしその動向も気にならないのは私自身の年齢のせいと理想の女性を観る価値観が違っているからだと思う。
ともかく昔、昔に映画雑誌などで見た、あるいは後年DVDなどで観る一昔前のスターたちの姿は輝いていたしその顔も普段は忘れていても記憶に焼き付いているに違いない。
なぜなら先日我ながら思いがけないことから忘却の彼方だった1人の女優の名を思い出した。
別項でご紹介しているとおり、最近仕事をきっかけにお気に入りのヘッドマネキンのボディを造形したが、それにWig(かつら)を付け簡素なシャツとジーンズを着せてみた結果、いやはや自画自賛だがそこいらの映画女優にも劣らない気品と優雅さを備えた女性(マネキン)が出現した…。
ともかくクライアントの依頼に基づきイメージに合うであろう...いや、ベストのイメージを探すために数種のWigを付け替えながら撮影の構図を考えていた。Wigはショートカットのものやロング、あるいはブロンドや栗毛あるいは赤毛といった10数種を揃えてあるのでとっかえひっかえしていたが、ロングのWigをかぶせて簡単な調整をしていたとき忘れていた古い記憶が突然甦った。
我が研究所のモデル嬢のロングの髪はたまたまだったが向かって左柄にウェーブがかかり、彼女の右目を覆う形になってしまった。それを見た瞬間その右目にかかる前髪がトレードマークだった古き時代の映画女優を思い出したのだ。

※憧れのヴェロニカ・レイク(笑)
それが1940年代に活躍した妖しい美しさで人気を得たヴェロニカ・レイク(Veronica Lake)である。早速ウェブで検索してみたが、すでに先入観もあったからだろう…我が研究所のモデル嬢はどこかしらヴェロニカ・レイクに似ているように思える(笑)。
彼女が出演した映画で思い出した作品は「サリヴァンの旅」だったのであらためてDVDを買ってみた。なにしろ1941年製作の本作品はiTunesとかAmazonプライムといったところでは見つからないのでDVDを買うしかなかったが勿論モノクロ映画である。
いやはや映画の出来という点でいえば近年の多くの作品には及ぶべくもないし "たわいもない" 作品と言われるかも知れないが実に楽しいのだ。
私にとって映画は基本的に娯楽である。なにも時間と金を使って眉間にシワを寄せたり嫌な思いをする映画など観る必要はないと思っているから「映画はこうありたい」「これが映画なのだ」という思いを新たにした。
個人的な趣味趣向および青春を送った時代背景の違いといってしまえばそれで終わりだが、私が近年制作されたCG満載の映画を面白くないと思うその理由があらためて「サリヴァンの旅」を観てわかったような気がした...。
ストーリーも難しい点はない。ハリウッドで成功を収めてきた映画監督のサリヴァンは映画会社の重役たちが「映画は娯楽」という意見に反して戦争や貧困といった現実社会を反映させた映画を撮るべきだと考え、社会の実態を知り体験したいと浮浪者に変装して旅に出る。そして途中で彼はハリウッドのカフェでブロンドの美女と出会いあれこれあった末に一緒に旅をすることになる...。
それにしてもヒロインとして出演しているヴェロニカ・レイクのなんと美しいことか!念のため確認して見るとこれは彼女が19歳のときの作品だった。小柄な女性だったようだが主人公のサリヴァンと共にホームレスの姿になって旅を続けるその姿はまさしく子供であり天使のようだ。

※「サリヴァンの旅」の一シーン。手前がサリヴァン役のジョエル・マグリーと一緒に旅をすることになった美女、ヴェロニカ・レイク分する男の子
なんだかヴェロニカ・レイクの姿を見ていると私の深層心理の奥深くに埋め込まれた理想の女性象がこのヴェロニカ・レイクだったのかと思える。
ただしウィキペディアによれば本作品の日本公開はずっと後の1994年だったそうだから私がヴェロニカ・レイクの容姿を知ったのはやはりかなり以前の映画雑誌か別の作品だったに違いない。
ともあれ我が研究所のモデル嬢の顔が気に入ったのは近年の美女たちというよりヴェロニカ・レイクのような一昔前の美女たちを彷彿とさせる顔かたちだからなのかも知れない…とも思い当たった。
ちなみにヴェロニカ・レイクは1973年7月、アルコール中毒による肝臓と腎臓の合併症で亡くなった。享年50歳だった。
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