ラテ飼育格闘日記(502)

ラテを我が家に迎えた日から毎日といってよいほどラテの写真を撮っている。すでに9年半が過ぎているから数千枚となっているに違いないし2014年9月からはウェアブルカメラを雨の日も雪の日も使ってオトーサンの視線の先を記録してきた。ウェアブルカメラはともかく、我が娘はどういうわけかカメラを向けられるのが嫌なようなのだ…。


文明開化の時代ではあるまいし、写真を撮られることは魂を抜かれてしまうと考えるはずもないが(笑)、実際問題としてラテの表情を近距離からゆっくりと狙うことはほとんどできないといってよい。

なぜならカメラを近距離で向けると必ず顔を背けるからだ。最近はお会いできないでいるが、幼犬時代からの知り合いワンコである柴犬のポン吉くんやコーギー犬のアポロちゃんなどはオトーサンがカメラを向けるとカメラ目線に笑顔を向けてくれた。しかしラテは...特に成犬になるとカメラを嫌うようになった。

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※ラテの笑顔を正面から撮るのはなかなか難しいのだ...


もともとワンコは人間は勿論、他のワンコから近距離で凝視されることを嫌うという。眼を合わしてにらみ合うことは喧嘩を売ることになるからだ。しかしラテは見知らぬ大人はともかく、オトーサンやオカーサンと顔を突き合わしても際だって嫌がることはない。それはオトーサンたちが喧嘩を売る相手ではないことをよく承知しているからだろう。

しかしラテが目の前に向けられるカメラを文字通り写真を撮る機械と認識しているはずもないから、得体の知れない危ない物と考えて顔を背けるのだろうとオトーサンは考えてきた。これは一眼レフを向けてもコンデジを向けても同じだし、デジカメの特定機種だけ反応するわけではなくどんなカメラでも同じである。

したがって当ブログに載せている写真にしてもベストショットの写真を撮ることはなかなかに難しいのだ。「おっと、今回は嫌がらないかな」とシャッターを切ると同時に顔を背けてしまうしオトーサンがそれでもしつこくカメラを向けて追うと顔を背けるだけでなく今度は体の向きを完全に変え、オトーサンの前にはラテの大きなお尻が…ということになる(笑)。

よくよく考えてみるに、この顔を背けるとか体の向きを変えてオトーサンにお尻を向けるという行為はラテにとって危険回避のためというわけではないことも分かってきた。なぜならオトーサンに限らずお尻を向けたり、ときに押しつけてくることは信頼の印と考えて良いワンコの典型的な行動のひとつだからである。例えばあの「ゴルゴ13」なら絶対に人に背や尻を向けないに違いない(笑)。

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※オカーサンと一緒だと笑顔が多い


ワンコも同じであり、お尻を向けたりぶつけてくるのは相手が人でもワンコでも信頼している証拠でもある。お尻を向けていては無防備であり攻撃をかわすのにも支障がでるし反撃も遅くなる。だから敵対する相手には決してお尻を向けたりはしないのがワンコなのだ。

それにしても長い間、デジタルカメラをラテの顔に向けてきたことは事実であり、かといって向けたカメラのレンズで顔を叩いてしまった…というアクシデントはやったことがない。少なくともオトーサンが手に持っているものが危ないものではないということは学習しているはずなのに、それでも顔を背けるラテなのだ…。何故なのかは今もってよく分からない。

さて、そんなラテの新しい一面を知ることになったのは2,3ヶ月毎にお世話になるペット美容室での出来事だった。オカーサンが最初に見つけて教えてくれたのだが、トリミングやシャンプーをお願いすると翌日に「何月何日のお客様」ということで記念の写真が美容室のブログにアップされていることを知ったのである。

最初にそのブログを覗いた時、ラテが作業する台の上に乗り笑顔でカメラ目線だったのに驚いた。オトーサンはこれはたまたまラテが機嫌が良く、かつタイミングがよかった結果だろうと深くは考えなかったものの、次の機会に撮られた写真もその次も真正面を向いて笑顔のラテが載っていたのである。

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※ラテがずっとお世話になっているペット美容室の「PetHouse MIMI」でラテを預ける(上)。そのブログに載っているラテ正面笑顔の写真[MIMIのSTAFFブログより拝借](下)


そういえばiPhoneアプリで「犬カメラ」というのがあった。ワンコにiPhoneを向けてボタンを押すと「ワンワンワン!」とワンコの鳴き声が再生するという代物だが、被写体のワンコが「何事か?」とiPhoneの方を向いた瞬間にシャッターを切るというソフトウェアだった。

勿論オトーサンもそのアプリを購入して使った。ワンコの鳴き声もバリエーションがあり、これならラテも振り向くに違いないと思ったが、実際の撮影場面でラテが振り向いたのは最初の数回だけで、後はやはりそっぽを向かれてしまった(笑)。
その後もラテをこちらに向かせようと、なだめすかして声をかけたりもするが、我が娘はそんな姑息な方法には反応しないのだ。だからペット美容室でのあの写真はどのように撮ったのか不思議でならなかったのである。

とはいえお店に行くたびに聞き忘れてもいたが、先日道端でそのペット美容室の担当女性とすれ違い挨拶を交わした際に聞いてみた…。これこれこういう理由でラテの正面写真を撮るのになかなか苦労しているが、なぜお店で撮られた写真は笑顔で正面なのか…と。
「なにかやり方があるのなら教えてくれませんか」とオトーサンはお聞きしたが、担当の女性は笑いながら何も特別なことはしていないという。オモチャで吊るワンコもいるらしいが、ラテの場合は呼べばあのように写真を撮らせてくれる良い子だと言われた(笑)。

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※散歩途中、遊んだこともないワンコと遊ぼうポーズを交わす


しかしこの違いはなんなのか…何故なのか。要はこれまたラテの「外面の良さ」と考えるしかない。そしてオトーサンたち飼い主なら嫌だと顔を背けても怒られたり叩かれたりするはずもないから安心してやりたい放題だとしても、ペット美容室では顔は笑顔でもラテとしては緊張の連続なのかも知れず、あれはある種の気を遣っている愛想笑いなのかも…。

何しろ美容室の受付で震えながらおしっこしたこともあるし、お店に行くのがいやで途中3度も脱糞してオトーサンを困らせたラテなのだ。先日だっておしっここそしなかったものの受付で「嫌だぁ」とオトーサンに抱きついてきたラテだから、名前を呼ばれれば笑顔の一つもしなければ…と思うのかも知れない(笑)。
まったくミステリアスな娘である…。



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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員