AKAIウインドUSBコントローラー「EWI USB」の初歩 11の心得
AKAIのウインドUSBコントローラー「EWI USB」を使い始めた。最近は読書にしても楽器演奏にしても若い時の火を吐くような熱意も根気もないのは難点だが、文字通り音楽を楽しむ術は心得ていると思っている。小学校時代のスペリオパイプ(リコーダー)以来、管楽器は初めてだが、苦しければ止めれば良いのでプレッシャーはない...。
さて「EWI USB」は電子楽器だ。デザインは一見クラリネット風だし、マウスピースを咥えて息を吹き込んで音を出すという点では一般的な管楽器と一緒だ。ただし木管楽器のクラリネットにしても金管楽器のトランペットにしても音を出すこと自体が初心者には難しい。しかし「EWI USB」なら「吹けば音は鳴る」とどこかに紹介されていたこともあってタンギングやベンド、あるいはビブラートといったテクニックを習得する必要はあるにしても演奏は容易というイメージがあった。

※AKAI ウインドUSBコントローラー「EWI USB」
確かに本物のクラリネットと比較すればその通りだというべきなのだろうが、「EWI USB」も心して取り組まないことにはそう易々と音楽になるような音を鳴らすことはできない...。
今回は「EWI USB」の最初の心得といったことを入門者の立場からご紹介してみたいと思う。
1)ソフトウェアの勘所
「EWI USB」は本体に音源を持っていないためパソコンに付属ソフト「ARIA」をインストールしそのアプリケーションで音色や「EWI USB」本体にある各センサーの調整やMIDIコントロールのチェンジアサインを設定するために不可欠のソフトウェアである。ただし取り急ぎは取扱説明書にしたがい、最低の初期設定と音色の設定、そして音量/パン/リバーブの設定程度でよいだろう。後はおいおい勉強しながらなにがどうなっているかを知ることになる。最初から欲を欠くと最優先事項が見えなくなる。自戒を込めて(笑)。

※「EWI USB」に付属するソフト「ARIA。まずまず分かりやすいが奥が深い」
2)情報が不十分?
EWIはまだまだメジャーな楽器ではない。したがってこうした電子楽器やMIDI あるいは管楽器の扱いに慣れている人はともかく、正直付属の取扱説明書だけでは情報不足のように思える。幸いネットで "EWI" で検索すれば先達たちが様々な角度から意見やノウハウを残してくれているので参考にすべきだろう。またいわゆる教則本といえるものは現在の所、宮崎隆睦氏監修・演奏でCD付「EWI MASTER BOOK」(アルソ出版刊)くらいしかないが、できたら手に入れておいたほうが良い。

※宮崎隆睦氏監修・演奏でCD付「EWI MASTER BOOK」(アルソ出版刊)
3)USB接続時の注意
「EWI USB」は前記したようにソフトウェアをインストールしたパソコンと付属のUSBケーブルで繋くことで演奏可能になる。これまた取扱説明書に記されているが、「EWI USB」のUSBポートにUSBケーブルで接続する場合はソフトウェア起動前に行わないと「EWI USB」を認識しないことがある。またパソコン側のUSBポートはUSBハブ経由に繋ぐとこれまた認識しない場合が多い。しかし私の場合、MANHATTANの「MondoHub」という電源付き28ポートハブを愛用しているが、幸いそのハブ経由で利用できた。

※「EWI USB」のUSBポート
そのUSBケーブルを「EWI USB」に接続時には「EWI USB」の金属部に触れないよう注意する。これはケーブル接続時に「EWI USB」のキャリブレーションを行うが、金属部位に触れていると正常にキャリブレーションできないからだという。なお「EWI USB」側のケーブルはケーブルが外れないようケーブルクリップに留めておくこと。
4)なるべく良い音が出る環境を選択しよう
前記「3)USB接続時の注意」にもかかわる問題だが、「EWI USB」は音楽を奏でる楽器であるとすればなるべく良質の音が出せる環境で使いたいものだ。例えば私の場合、日常出番が少ないMacBook Airを「EWI USB」の専用マシンにしようかと考えた。無論物理的に音が遅れるとかマシンパワーが心配といったことは絶無だが、音色にもよるし各パラメーター設定にも関係するもののボリュームを上げるとさすがにMacBook Airのスピーカーが音割れすることがわかった。
それではとメインマシンのiMac 27” に接続して試してみたが、こちらは本格的なデスクトップオーディオを楽しもうとニューフォースのダイレクトデジタルプリメインアンプDDA-100-S経由、イクリプス TD307MK2A スピーカーを使っているだけに音割れがないのは無論のことだが、同じ音色設定でもサウンドの質が大幅に向上することが分かった。
ということでできる限り良い音で「EWI USB」を楽しみたいものだ。
5)保持の仕方
後述のように「EWI USB」は一般的な管楽器と違い、キーはタッチセンサーだ。したがって少しでも触れれば違う音が出たりするからキーから指を完全に離しておく必要がある。そのためにも必ずスリンガー(ネックストラップ)を使い、両手の指を自由に動かせるようにマウスピースの位置が口元になるよう調整しておく。結局EWIは少々大げさにいうならマウスピースを軽く噛んだ歯とスリンガーの支え、そして右手で保持する感じだ。

※「EWI USB」に取り付けた付属のスリンガー
6)息の吹き方
一般的な管楽器は息を吹き入れて音を出すだけでも大変だという。その点「EWI USB」は吹けば音が鳴るといわれるが、「EWI USB」を始めて手にして最初に戸惑うことはマウスピースの咥え方と共に息のコントロールだろう。「EWI USB」は吐く息の圧力を検知し音の強弱や音色の変化を表現するため一般的な管楽器のように拭き入れた息はストレートに管の中に入って通り抜けない。別の言い方をするならマウスピースに強く息を吹いたとしても息が抜けないのですぐ苦しくなってくる。取扱説明書には「マウスピースの先端を軽く咥え,口の両端から息を抜くように吹く」と説明があるが、これがなかなかに難しいがこれをマスターしないと実際問題どうしようもない...。息継ぎのテクニックと共にこればかりは練習あるのみだ。

※「EWI USB」のマウスピース
7)タッチキーの扱い
管楽器を使っていた人もとまどうのが「EWI USB」のキーはタッチセンサー式だということ。ためにキーを物理的に押さえる力はまったく不要だが、反対に触れるだけで反応するから、キーの位置関係を探るために少し触れておく...といったことは出来なくなる。押さない場合は明確に指を離しておかなければならないし、キーに触れる際には同時に隣接のキーに触れないようにしなければならない。

※「EWI USB」のキーはタッチセンサー式なので物理的に押した感じは得られない。反面不用意に触れただけで音程に影響する
8)オクターブ・ローラーの扱い
私自身、息の吹き方と同様に難しいのがこのオクターブ・ローラーの扱いだった。「EWI USB」は5オクターブの音域を使えるがオクターブのスライドはこのローラーに触れているとき、ローラーを上部に転がすように左手の親指を移動するとオクターブ高くなり反対に下側に転がすと低くなる。しかし最初は思うように行かないが、それで普通だと考え、練習を重ねるしかない。要は4つのローラーのうち中2つが基本なのでまずは2つのローラーの間に左手親指を置いておき、例えばオクターブ上げる際にはスライドさせるという感覚よりローラーを上に転がしながら親指を移動することを心がけるとよい。

※このオクターブ・ローラーの習得は演奏に不可欠
9)アース・プレートの扱い
「EWI USB」はオクターブ・ローラーの脇と2箇所のピッチベンド・プレートの間にアース・プレートがあり、そのどちらかに常に触れていなければならない。これは「EWI USB」が電子楽器であるからこそのお約束だから守らなければならないものの、通常右手の親指位置とオクターブ・ローラーに触れる際に同時に触れやすい位置なので難しい事はないだろう。

※アース・プレートには常に触れている必要がある
またこのアース・プレートはその上下にベンドセンサーがあり、無意識にも触れてしまうことで音程がアップダウンしてしまうので要注意だ。
どうしてもベンドが邪魔な場合はソフトウェアの「EWI USB」メニューから「EWI Configuration」を選び、表示するウィンドウの「Pitch Bend Gain」の値を"0" にしておくとよいかも知れない。
10)「EWI USB」の清掃
「EWI USB」は電子楽器とはいえマウスピースに直接口を付けるし唾液もつく。本体外側はそれこそ乾いた布で拭けばほとんど問題ないだろうが、やはり気になるのがマウスピースだ。
一般的に1台の「EWI USB」を複数の人間が使うというケースはないだろうから、自分の楽器だからして日常は一日が終わったらマウスピースを丁寧に拭き掃除すればよいだろう。ただしよく練習する場合には1週間に1度程度はネジで止まっているマウスピース部を外して水洗いした後に十分に乾燥させると良いが、神経質な方は定期的に適合するクリーナーなどで拭くのもお勧めだ。またマウスピース部は歯を軽くにしても当てるわけで当面はともかく予備があると心強い。

※私は数日に1度、このマウスピースクリーナーでマウスピースを清掃している
それから練習時間が長いときほど、すぐにケースへしまい込むのではなくマウスピース部を上にして立て掛けておくとよい。なぜなら少なからずマウスピースから入った唾液は本体内を伝わり、先端にある小さな穴...ブレス排出口まで落ちるからだ。
無論この穴はマウスピースに入った息が抜ける場所なので演奏中も塞いではいけない。
11)USBケーブルを細身に変えてみる
前記「USB接続時の注意」のところでも記したが「EWI USB」はパソコンとUSBケーブルで接続しなければならない。そして付属のUSBケーブルは3メートルの長さがあり、一般的にはパソコンと「EWI USB」の距離を考えても長さは十分に違いない。勿論ステージなどでより距離を取りたい場合には長いケーブルを使えば良いわけだが、私が付属のUSBケーブルを使い始めて少々違和感があったのは長さではなく取り回しのし難さだった。
付属のUSBケーブルはB-TypeのUSBケーブルでパソコンとプリンターあるいはHDDなどを接続するためのケーブルとして知られてきたごく一般的なものだから、普通にパソコンとプリンターといった機器同士を繋ぐには何ら問題はない。しかし「EWI USB」はプレーヤーが首から下げて使い、時には動き回ることもあるだろう。そうしたことを考えるとケーブルの造作がいま少し細くて柔軟なものが欲しいと思うようになった。

※下が同梱のUSBケーブル。上が太さ2.5mmの極細タイプのUSBケーブル(B-Type)だが、取り回しがしやすくなった
確認してみるとケーブルの太さは4.5mmほどある。それではと直径2.5mm極細タイプというB-Type(USB2.0)を買って試してみたところ、取り回しが柔軟になりケーブルが邪魔になるようなことはほとんどなくなった。その変わり引っ張ってしまうと細い分だけ強度が弱いかも知れず、断線といったこともあり得るし細いためにケーブルクリップがあまり役に立たないから、引っ張ると抜けやすくなるかも。この辺は好みの問題もあるが、USBケーブルの取り回しが気になる方はお試しいただきたい。
ということで「EWI USB」入門者が気になった点、そして十分な練習を積んでいくにあたり大切なポイントをご紹介してみた。まあ本当の所、こんな原稿書いている時間があるなら練習また練習すべきなんだけど…(笑)。
さて「EWI USB」は電子楽器だ。デザインは一見クラリネット風だし、マウスピースを咥えて息を吹き込んで音を出すという点では一般的な管楽器と一緒だ。ただし木管楽器のクラリネットにしても金管楽器のトランペットにしても音を出すこと自体が初心者には難しい。しかし「EWI USB」なら「吹けば音は鳴る」とどこかに紹介されていたこともあってタンギングやベンド、あるいはビブラートといったテクニックを習得する必要はあるにしても演奏は容易というイメージがあった。

※AKAI ウインドUSBコントローラー「EWI USB」
確かに本物のクラリネットと比較すればその通りだというべきなのだろうが、「EWI USB」も心して取り組まないことにはそう易々と音楽になるような音を鳴らすことはできない...。
今回は「EWI USB」の最初の心得といったことを入門者の立場からご紹介してみたいと思う。
1)ソフトウェアの勘所
「EWI USB」は本体に音源を持っていないためパソコンに付属ソフト「ARIA」をインストールしそのアプリケーションで音色や「EWI USB」本体にある各センサーの調整やMIDIコントロールのチェンジアサインを設定するために不可欠のソフトウェアである。ただし取り急ぎは取扱説明書にしたがい、最低の初期設定と音色の設定、そして音量/パン/リバーブの設定程度でよいだろう。後はおいおい勉強しながらなにがどうなっているかを知ることになる。最初から欲を欠くと最優先事項が見えなくなる。自戒を込めて(笑)。

※「EWI USB」に付属するソフト「ARIA。まずまず分かりやすいが奥が深い」
2)情報が不十分?
EWIはまだまだメジャーな楽器ではない。したがってこうした電子楽器やMIDI あるいは管楽器の扱いに慣れている人はともかく、正直付属の取扱説明書だけでは情報不足のように思える。幸いネットで "EWI" で検索すれば先達たちが様々な角度から意見やノウハウを残してくれているので参考にすべきだろう。またいわゆる教則本といえるものは現在の所、宮崎隆睦氏監修・演奏でCD付「EWI MASTER BOOK」(アルソ出版刊)くらいしかないが、できたら手に入れておいたほうが良い。

※宮崎隆睦氏監修・演奏でCD付「EWI MASTER BOOK」(アルソ出版刊)
3)USB接続時の注意
「EWI USB」は前記したようにソフトウェアをインストールしたパソコンと付属のUSBケーブルで繋くことで演奏可能になる。これまた取扱説明書に記されているが、「EWI USB」のUSBポートにUSBケーブルで接続する場合はソフトウェア起動前に行わないと「EWI USB」を認識しないことがある。またパソコン側のUSBポートはUSBハブ経由に繋ぐとこれまた認識しない場合が多い。しかし私の場合、MANHATTANの「MondoHub」という電源付き28ポートハブを愛用しているが、幸いそのハブ経由で利用できた。

※「EWI USB」のUSBポート
そのUSBケーブルを「EWI USB」に接続時には「EWI USB」の金属部に触れないよう注意する。これはケーブル接続時に「EWI USB」のキャリブレーションを行うが、金属部位に触れていると正常にキャリブレーションできないからだという。なお「EWI USB」側のケーブルはケーブルが外れないようケーブルクリップに留めておくこと。
4)なるべく良い音が出る環境を選択しよう
前記「3)USB接続時の注意」にもかかわる問題だが、「EWI USB」は音楽を奏でる楽器であるとすればなるべく良質の音が出せる環境で使いたいものだ。例えば私の場合、日常出番が少ないMacBook Airを「EWI USB」の専用マシンにしようかと考えた。無論物理的に音が遅れるとかマシンパワーが心配といったことは絶無だが、音色にもよるし各パラメーター設定にも関係するもののボリュームを上げるとさすがにMacBook Airのスピーカーが音割れすることがわかった。
それではとメインマシンのiMac 27” に接続して試してみたが、こちらは本格的なデスクトップオーディオを楽しもうとニューフォースのダイレクトデジタルプリメインアンプDDA-100-S経由、イクリプス TD307MK2A スピーカーを使っているだけに音割れがないのは無論のことだが、同じ音色設定でもサウンドの質が大幅に向上することが分かった。
ということでできる限り良い音で「EWI USB」を楽しみたいものだ。
5)保持の仕方
後述のように「EWI USB」は一般的な管楽器と違い、キーはタッチセンサーだ。したがって少しでも触れれば違う音が出たりするからキーから指を完全に離しておく必要がある。そのためにも必ずスリンガー(ネックストラップ)を使い、両手の指を自由に動かせるようにマウスピースの位置が口元になるよう調整しておく。結局EWIは少々大げさにいうならマウスピースを軽く噛んだ歯とスリンガーの支え、そして右手で保持する感じだ。

※「EWI USB」に取り付けた付属のスリンガー
6)息の吹き方
一般的な管楽器は息を吹き入れて音を出すだけでも大変だという。その点「EWI USB」は吹けば音が鳴るといわれるが、「EWI USB」を始めて手にして最初に戸惑うことはマウスピースの咥え方と共に息のコントロールだろう。「EWI USB」は吐く息の圧力を検知し音の強弱や音色の変化を表現するため一般的な管楽器のように拭き入れた息はストレートに管の中に入って通り抜けない。別の言い方をするならマウスピースに強く息を吹いたとしても息が抜けないのですぐ苦しくなってくる。取扱説明書には「マウスピースの先端を軽く咥え,口の両端から息を抜くように吹く」と説明があるが、これがなかなかに難しいがこれをマスターしないと実際問題どうしようもない...。息継ぎのテクニックと共にこればかりは練習あるのみだ。

※「EWI USB」のマウスピース
7)タッチキーの扱い
管楽器を使っていた人もとまどうのが「EWI USB」のキーはタッチセンサー式だということ。ためにキーを物理的に押さえる力はまったく不要だが、反対に触れるだけで反応するから、キーの位置関係を探るために少し触れておく...といったことは出来なくなる。押さない場合は明確に指を離しておかなければならないし、キーに触れる際には同時に隣接のキーに触れないようにしなければならない。

※「EWI USB」のキーはタッチセンサー式なので物理的に押した感じは得られない。反面不用意に触れただけで音程に影響する
8)オクターブ・ローラーの扱い
私自身、息の吹き方と同様に難しいのがこのオクターブ・ローラーの扱いだった。「EWI USB」は5オクターブの音域を使えるがオクターブのスライドはこのローラーに触れているとき、ローラーを上部に転がすように左手の親指を移動するとオクターブ高くなり反対に下側に転がすと低くなる。しかし最初は思うように行かないが、それで普通だと考え、練習を重ねるしかない。要は4つのローラーのうち中2つが基本なのでまずは2つのローラーの間に左手親指を置いておき、例えばオクターブ上げる際にはスライドさせるという感覚よりローラーを上に転がしながら親指を移動することを心がけるとよい。

※このオクターブ・ローラーの習得は演奏に不可欠
9)アース・プレートの扱い
「EWI USB」はオクターブ・ローラーの脇と2箇所のピッチベンド・プレートの間にアース・プレートがあり、そのどちらかに常に触れていなければならない。これは「EWI USB」が電子楽器であるからこそのお約束だから守らなければならないものの、通常右手の親指位置とオクターブ・ローラーに触れる際に同時に触れやすい位置なので難しい事はないだろう。

※アース・プレートには常に触れている必要がある
またこのアース・プレートはその上下にベンドセンサーがあり、無意識にも触れてしまうことで音程がアップダウンしてしまうので要注意だ。
どうしてもベンドが邪魔な場合はソフトウェアの「EWI USB」メニューから「EWI Configuration」を選び、表示するウィンドウの「Pitch Bend Gain」の値を"0" にしておくとよいかも知れない。
10)「EWI USB」の清掃
「EWI USB」は電子楽器とはいえマウスピースに直接口を付けるし唾液もつく。本体外側はそれこそ乾いた布で拭けばほとんど問題ないだろうが、やはり気になるのがマウスピースだ。
一般的に1台の「EWI USB」を複数の人間が使うというケースはないだろうから、自分の楽器だからして日常は一日が終わったらマウスピースを丁寧に拭き掃除すればよいだろう。ただしよく練習する場合には1週間に1度程度はネジで止まっているマウスピース部を外して水洗いした後に十分に乾燥させると良いが、神経質な方は定期的に適合するクリーナーなどで拭くのもお勧めだ。またマウスピース部は歯を軽くにしても当てるわけで当面はともかく予備があると心強い。

※私は数日に1度、このマウスピースクリーナーでマウスピースを清掃している
それから練習時間が長いときほど、すぐにケースへしまい込むのではなくマウスピース部を上にして立て掛けておくとよい。なぜなら少なからずマウスピースから入った唾液は本体内を伝わり、先端にある小さな穴...ブレス排出口まで落ちるからだ。
無論この穴はマウスピースに入った息が抜ける場所なので演奏中も塞いではいけない。
11)USBケーブルを細身に変えてみる
前記「USB接続時の注意」のところでも記したが「EWI USB」はパソコンとUSBケーブルで接続しなければならない。そして付属のUSBケーブルは3メートルの長さがあり、一般的にはパソコンと「EWI USB」の距離を考えても長さは十分に違いない。勿論ステージなどでより距離を取りたい場合には長いケーブルを使えば良いわけだが、私が付属のUSBケーブルを使い始めて少々違和感があったのは長さではなく取り回しのし難さだった。
付属のUSBケーブルはB-TypeのUSBケーブルでパソコンとプリンターあるいはHDDなどを接続するためのケーブルとして知られてきたごく一般的なものだから、普通にパソコンとプリンターといった機器同士を繋ぐには何ら問題はない。しかし「EWI USB」はプレーヤーが首から下げて使い、時には動き回ることもあるだろう。そうしたことを考えるとケーブルの造作がいま少し細くて柔軟なものが欲しいと思うようになった。

※下が同梱のUSBケーブル。上が太さ2.5mmの極細タイプのUSBケーブル(B-Type)だが、取り回しがしやすくなった
確認してみるとケーブルの太さは4.5mmほどある。それではと直径2.5mm極細タイプというB-Type(USB2.0)を買って試してみたところ、取り回しが柔軟になりケーブルが邪魔になるようなことはほとんどなくなった。その変わり引っ張ってしまうと細い分だけ強度が弱いかも知れず、断線といったこともあり得るし細いためにケーブルクリップがあまり役に立たないから、引っ張ると抜けやすくなるかも。この辺は好みの問題もあるが、USBケーブルの取り回しが気になる方はお試しいただきたい。
ということで「EWI USB」入門者が気になった点、そして十分な練習を積んでいくにあたり大切なポイントをご紹介してみた。まあ本当の所、こんな原稿書いている時間があるなら練習また練習すべきなんだけど…(笑)。
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