ウィルスの脅威は黎明期のMacにもあったんですよ!
最近MacintoshのCPUがIntelチップを採用したこともあってMac OS Xへのマルウェア攻撃が増えてくるだろうというニュースや話題が多い。これはシェアが増大するからこそターゲットにされるという意味だが間違ってはならない事はマックだって昔からウィルスの脅威はあったのだ...。
「昔からあった!」と威張ることではないが(笑)、一部ではMacintoshは安全だという間違った神話があったり、逆にMacintoshのウィルスは最近登場し始めたといった誤解もあるようなので今回は「マックだって...昔からウィルスあったのだ!」という話をしてみたい。
いま手元に参考として広げてみた資料がある。それは1988年(昭和63年)に当時のイケショップが隔月に発行していた「MacTalk」というユーザーグループ・マガジン誌だが、そこには本職のお医者さんが「Macを恐ろしいウィルスから守る方法」と題して3ページの記事を書かれている。

※1988年(昭和63年)イケショップ発行の「MacTalk」表紙
1988年といえばMacintosh 128Kが登場してから4年目である。だからというわけではないがMacintosh環境にも当然の事ながらウィルスは当時から存在したのだ。ただし現在と違うのは我々の前に通信回線は存在したもののインターネットがなかったためにその感染の多くはフロッピーディスクを媒介にしての感染だった。したがって大切なマスターフロッピーなどをMacに装着する際には書き込み禁止のライトプロテクトを忘れないようONにするという習慣を持っていたものである。
当時はパブリックドメインと称したフリーソフトを満載して販売していたハードディスクからウィルスが感染したり、友人知人たちからもらったディスケットにウィルスが混入していたというケースは結構あったのだ。一部には市販のパッケージから発見されてニュースになったこともあったと記憶している。そして人ごとではなく、私自身も当時のソフトウェア開発会社で使っていたMacintoshが感染したことがあった...。
当時のOSは申し上げるまでもなく現在のMac OS Xとはまったく違うもので、この1988年あたりは漢字Talk2.0をいかにして動かすか...といったことが雑誌のあちらこちらに掲載されていた時期である。
その多くはMacintoshファイルのCODEリソースIDを書き換え、プログラムを壊してしまうケースが多かったと記憶している。
物理的にはResEditといったツールを使い、プログラムの内部をオープンして治すことも可能だったが、これは一般ユーザーができることではない。したがって当時もウィルス対策用のソフトウェアがいくつか存在していた。そして事実Apple Computer社の純正ウィルス感染診断ソフト「Virus Rx」(診断だけで駆逐はできなかった)なども配布されていたのである。
その他の主なウィルス防御あるいは診断/削除ツール名を列記するなら「Vaccine」「VirusDetective」「Ferret」「Interferon」といったツールが存在していたが診断だけで駆逐/削除はできないものなど様々だった。
この中で「VirusDetective」は唯一DA(デスクアクセサリー)であり使い勝手も良かったので随分とお世話になった記憶がある。
今回それらのアイコンをキャプチャするために古いシステムのバックアップを探し回ったが以下のツールは1988年あるいは1989年当時のバージョンである。

これまでMacintoshだから安全という話はあくまでウィンドウズマシンと比較した確率的な話に過ぎず、実際に往時の心あるユーザーたちも前記したツールなどを使いウィルス防御に気を配っていたことを忘れてはならない。
「昔からあった!」と威張ることではないが(笑)、一部ではMacintoshは安全だという間違った神話があったり、逆にMacintoshのウィルスは最近登場し始めたといった誤解もあるようなので今回は「マックだって...昔からウィルスあったのだ!」という話をしてみたい。
いま手元に参考として広げてみた資料がある。それは1988年(昭和63年)に当時のイケショップが隔月に発行していた「MacTalk」というユーザーグループ・マガジン誌だが、そこには本職のお医者さんが「Macを恐ろしいウィルスから守る方法」と題して3ページの記事を書かれている。

※1988年(昭和63年)イケショップ発行の「MacTalk」表紙
1988年といえばMacintosh 128Kが登場してから4年目である。だからというわけではないがMacintosh環境にも当然の事ながらウィルスは当時から存在したのだ。ただし現在と違うのは我々の前に通信回線は存在したもののインターネットがなかったためにその感染の多くはフロッピーディスクを媒介にしての感染だった。したがって大切なマスターフロッピーなどをMacに装着する際には書き込み禁止のライトプロテクトを忘れないようONにするという習慣を持っていたものである。
当時はパブリックドメインと称したフリーソフトを満載して販売していたハードディスクからウィルスが感染したり、友人知人たちからもらったディスケットにウィルスが混入していたというケースは結構あったのだ。一部には市販のパッケージから発見されてニュースになったこともあったと記憶している。そして人ごとではなく、私自身も当時のソフトウェア開発会社で使っていたMacintoshが感染したことがあった...。
当時のOSは申し上げるまでもなく現在のMac OS Xとはまったく違うもので、この1988年あたりは漢字Talk2.0をいかにして動かすか...といったことが雑誌のあちらこちらに掲載されていた時期である。
その多くはMacintoshファイルのCODEリソースIDを書き換え、プログラムを壊してしまうケースが多かったと記憶している。
物理的にはResEditといったツールを使い、プログラムの内部をオープンして治すことも可能だったが、これは一般ユーザーができることではない。したがって当時もウィルス対策用のソフトウェアがいくつか存在していた。そして事実Apple Computer社の純正ウィルス感染診断ソフト「Virus Rx」(診断だけで駆逐はできなかった)なども配布されていたのである。
その他の主なウィルス防御あるいは診断/削除ツール名を列記するなら「Vaccine」「VirusDetective」「Ferret」「Interferon」といったツールが存在していたが診断だけで駆逐/削除はできないものなど様々だった。
この中で「VirusDetective」は唯一DA(デスクアクセサリー)であり使い勝手も良かったので随分とお世話になった記憶がある。
今回それらのアイコンをキャプチャするために古いシステムのバックアップを探し回ったが以下のツールは1988年あるいは1989年当時のバージョンである。

これまでMacintoshだから安全という話はあくまでウィンドウズマシンと比較した確率的な話に過ぎず、実際に往時の心あるユーザーたちも前記したツールなどを使いウィルス防御に気を配っていたことを忘れてはならない。
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