強力な写真編集ソフト「Smart photo editor」第三回、カラーシミュレーション

写真のフォトレタッチを目的とするソフトウェア「Smart photo editor」紹介の第三回目は、EffectsツールにあるSelect Area機能についてだ。このエフェクトを有効に使うと1枚の写真から多様な色彩の写真が生まれる。何にも増してオペレーションは基本的に簡単なことが素敵だ。


これまで「Smart photo editor」では前景と背景2枚の写真を合成する、あるいは一枚の写真にさまざまなエフェクトを加えて全体の色調を変えることは勿論、雨や雪を降らせたりといった加工ができることをご紹介した。
第三回目の今回は一枚の写真からそれこそ多様なカラーシミュレーションを生む例をSelect Area機能を使ってお見せしたい。

写真合成というと初回でお見せしたように背景を変える...といった使い方が多いが、今回はある意味で至極実用的な機能でもある。
まずここに女性のポートレイトをお見せする。濃い目のイエローのジャケットを着てカラフルなマフラーを巻いている。しかしこの女性のポートレイトで色調を多々変えてみたいという要求は結構ありうるのではないか。

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※まずは女性のポートレイトを例にしてみよう【クリックで拡大】


強引な例かも知れないが、本来はピンク系あるいはグリーン系のジャケットを着せたいと思ったが同じデザインでそうしたバリエーションがなかったり、予算の関係上あるいは時間的制約の中で黄色しか手に入らなかった...ということもありうる。

同じ事はマフラーのカラーリングについてもいえるし、細かなことになるがマフラーやジャケットの色を違えると今度は口紅の色も変えたくなるかも知れない。無論色味だけ変えればよいはずもなく、ジャケットやマフラーあるいは唇の質感は損なってはならない。

そうした際に「Smart photo editor」のSelect Area機能は強い味方となる。
具体的には編修加工する写真を読み込みまずはSelect Areaをクリックする。すると「What area do you want to select?」すなわち「どんな領域を選択しますか?」というウィンドウが出るのでここでは「The Subject」を選んでみるが続いて表示する確認のウィンドウはOKをクリックして先に進む。

SPE_3_02.jpg

※領域選択の種類を聞いてくるがここでは「The Subject」を選んでみる


これで必要なオペレーションをするためのツールが左側に表示する。よく見ればお分かりのとおり、最初に背景を合成する際に使ったインターフェースと同じものが表示する。要はブラシのサイズと効果範囲を決めて編集する場所を塗りつぶすことが必要となる。

まずはジャケットの範囲を処理してみよう。丁寧にジャケット部分のみを塗りつぶすが、細密な部分では写真をズームしてみるのもよい結果を生むだろう。「Smart photo editor」のブラシはサイズおよび効果範囲の組合せを間違えなければ目的の領域を塗りやすいからあまり苦労はしないはずだ。勿論塗り間違えたら修正機能で簡単に元に戻すことが出来るのは合成の時の説明と同様だ。

SPE_3_04.jpg

※ジャケット部位をブラシで塗りつぶしたところ【クリックで拡大】


塗り終わったらツールエリア下の「Confirm Selection And Browse Effexts」ボタンをクリックする。少し待たされるかも知れないがこれでいわゆるジャケット部位のバリエーションが数百種もギャラリーとして表示されるはずだ。

SPE_3_05.jpg

※ジャケット部分のバリエーションがギャラリーとして並ぶ【クリックで拡大】


無論中には役に立たないパターンが上塗りされるような例もあるが、濃い目の黄色だったジャケットが質感はそのままにブルー、オレンジ、赤、黒、グリーン、ピンク、ホワイト、グレー、パープルなどなどといったバリエーションが表示しサムネイル画像での比較もできる。

SPE_3_06.jpg

※ギャラリーから印象的なものをいくつかピックアップした例【クリックで拡大】


勿論そのひとつを選択した後でもカラーはEffect Controlsのスライドバーで微細な色調を可変できるのも素晴らしい。
納得出来たカラーができれば「OK」ボタンで固定するわけだが、同じ要領でマフラーはもとよりモデルの口紅の色までカラーシミュレーションできる。

SPE_3_10.jpg

※マフラーのカラーシミュレーション【クリックで拡大】


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※口紅のカラーを変えてみた例【クリックで拡大】


したがって例えば一枚の写真でカラーが違う服の写真を必要とする場合がよくあるが、実物を多々用意するのではなくSmart photo editorでモデルの姿勢は勿論、当該アイテムの質感を変えずに様々な色合いのバリエーションを持つ写真を簡単に作ることが可能なのだ。
そして最後はオマケだが、同じ要領・理屈でこれまたこんなことも可能だ。

SPE_3_14.jpg

※iPhoneのカラーリングシミュレーション例【クリックで拡大】


SPE_3_15.jpg

※Apple Watchのバンドカラーのシミュレーション例【クリックで拡大】


「Smart photo editor」は操作が容易で奥が深い、実に味わいがあるアプリケーションである。



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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員