「はじめての旅先通信2003」に見るネット環境の進歩
コンピュータやインターネットにおけるテクノロジーの進化の早さや凄さは知っていても日々その世界に身を置いていると逆にその有り難みは分からないものだ。先日書棚の整理をしていたときに見つけたソフトバンクパブリッシング刊「はじめての旅先通信2003」を見てこの5,6年の進化のありがたさをあらためて感じた。
「はじめての旅先通信2003」という書籍は私が2004年の春先に女房とオーストラリアへ旅行する際に事前の資料として購入したものだ。
無論アメリカへは1987年から2002年まではほぼ毎年Macworld Expoなどのために出かけていたから旅先でのパソコンによる通信環境のあれこれには苦労をしてきたし必要十分な経験はあった。

※ソフトバンクパブリッシング刊「はじめての旅先通信2003」表紙(2002年10月23日初版発行)
しかし私が頻繁にアメリカに出向いていた時代は一流ホテルでもいわゆるブロードバンド環境を備えていたところはほとんどなく、定宿としていたサンフランシスコのヒルトンホテルのスイートにもそうした設備はなくいわゆるダイヤルアップ接続をするしかなかった。
したがって部屋備え付けの電話機にあるモジュラージャックと持参したPowerBookをつなぎ、ローミングサービスによる接続をしてMacworld Expo会場で知り得た情報を東京の仲間たちに送るという方法をとっていたが、理窟はともかくどういうわけか上手く繋がらないこともあり四苦八苦する場面もあった。
いまでは笑い話だが、セットアップしたはずのローミングによる接続ができずに仕方なく高額な国際電話を使って当時のパソコン通信に入ったりしたこともあった...。
さてオーストラリアのシドニーに滞在することになったがホテルは幸いに超一流のフォー・シーズンズホテルだったし、事前にブロードバンド設備が備わっている部屋があることは分かっていた。しかしこればかりは実際に行ってみないと分からないし万一モデムによる通信を強いられたとなると国によってはモジュラージャックの特性が違ったり高い電圧がかかっている場合もあるらしい。そして知らずに接続するとパソコンのモデムを壊すことがある...などと知人に脅かされたこともあり、できるだけ予備知識を得ておきたいと考えたわけだ。


※宿泊したシドニーのフォーシーズンズ・ホテル(上)と部屋の窓から見えるオペラハウス(下)
いまでも覚えているが、大型の書店でこうした場合に役に立つものはないかと探してみたが結局本書ほど私の目的に特化したものはなかった。
この「はじめての旅先通信2003」はそのタイトルでお分かりの通り、海外にノートパソコンを持参した場合に現地の電源や電圧の違い、モデムの取扱、ローミング設定、アクセスポイント、パソコン自体の設定などなど初めての人にとってはなかなか面倒で難しいことが多いわけだが、それらについて詳細な解説があるのが気に入った。
さらに現地のインターネットカフェを使う場合のノウハウなども載っており、付属のCD-ROMにはホテルの部屋に入ったらまず電源やデータポートの場所を探すというムービーまで収録されていた。
解説の例として掲載されている機種は相変わらずWindows環境だったが、本書は充分にブロードバンドが使えないことを想定した企画であり、ローミングサービスの解説からそれらのサービスを利用するため当時よく使われていたGRICとiPassといったダイヤラーソフトのインストールから使い方に至るまでが解説されている。
本書にはホテル内のLAN設備の使い方紹介もあるが、それは全部で240ページほどの内たった4ページでしかない(笑)。あくまでオマケ程度の内容なのだ。
また巻末には各国の国別情報が掲載されて頼りになりそうなあれこれが載っているものの、肝心のオーストラリアのページを見ると電話回線種類をはじめ国番号や電圧、電源プラグ変換アダプタの型そしてインターネットカフェ情報などが詳細に載っているが「LAN接続の普及状況」という項目には「不明」とある(爆)。
そういえば、いま思い返してみると自宅のネット環境も当時はまだADSL 8Mでインターネットを使っていた時代だったがそれでも私は最先端のつもりだった(笑)。
結局私たちが滞在したフォー・シーズンズホテルの部屋は有料ながらLAN設備が整っており、備え付けのデスクの引き出しにはLANケーブルまで用意されていたから結果としてあれこれと心配する必要はなかった。したがって持参したiBookを100%活かすことができたのは快適だった。


※ホテルの部屋に備えられていたデータポートパネル(上)にiBookを接続してLANが使えた(下)
しかし今からたったの5年ほど前はまだまだこんな状況であり、海外でパソコンをインターネットなどに接続することに大きな不安を抱えていた時代だったのである。
無論現在でも訪問する国の事情はもとより、宿泊する場所もピンキリだろうからまだまだネット接続を思い通りにできるとは限らないが、米国をはじめ名の通ったホテルなどではまずまずLAN環境の設備が整っているからトラブルは少ないと思われる。さらに海外でも国内同様にそのまま使える携帯電話の普及も不案内な海外での不安要素を軽減してくれるに違いない。
そして国内では一時期、一流ホテルよりビジネスホテルなどの方が宿泊客確保のため積極的にLAN環境を整えたこともあり、出張時にネット接続に困ることはほとんどなくなる良い時代となった。
日々、当然のことのように活用しているネット環境だが、今ではライフラインといっても良いほどさまざまな形で頼らざるを得ない状況になっている。
ネット依存が過度になっては弊害もあるのだろうが、個人的にはiPhone 3Gのおかげでどこにいても電話による通話はもとより、メールによる情報のやりとりができるためタイムラグを最小限にすることができるようになったのが一番嬉しい。
今一度、自分のネット環境を再認識すると共にメンテナンスを含めて見直してみるのも良いかも知れない。
「はじめての旅先通信2003」という書籍は私が2004年の春先に女房とオーストラリアへ旅行する際に事前の資料として購入したものだ。
無論アメリカへは1987年から2002年まではほぼ毎年Macworld Expoなどのために出かけていたから旅先でのパソコンによる通信環境のあれこれには苦労をしてきたし必要十分な経験はあった。

※ソフトバンクパブリッシング刊「はじめての旅先通信2003」表紙(2002年10月23日初版発行)
しかし私が頻繁にアメリカに出向いていた時代は一流ホテルでもいわゆるブロードバンド環境を備えていたところはほとんどなく、定宿としていたサンフランシスコのヒルトンホテルのスイートにもそうした設備はなくいわゆるダイヤルアップ接続をするしかなかった。
したがって部屋備え付けの電話機にあるモジュラージャックと持参したPowerBookをつなぎ、ローミングサービスによる接続をしてMacworld Expo会場で知り得た情報を東京の仲間たちに送るという方法をとっていたが、理窟はともかくどういうわけか上手く繋がらないこともあり四苦八苦する場面もあった。
いまでは笑い話だが、セットアップしたはずのローミングによる接続ができずに仕方なく高額な国際電話を使って当時のパソコン通信に入ったりしたこともあった...。
さてオーストラリアのシドニーに滞在することになったがホテルは幸いに超一流のフォー・シーズンズホテルだったし、事前にブロードバンド設備が備わっている部屋があることは分かっていた。しかしこればかりは実際に行ってみないと分からないし万一モデムによる通信を強いられたとなると国によってはモジュラージャックの特性が違ったり高い電圧がかかっている場合もあるらしい。そして知らずに接続するとパソコンのモデムを壊すことがある...などと知人に脅かされたこともあり、できるだけ予備知識を得ておきたいと考えたわけだ。


※宿泊したシドニーのフォーシーズンズ・ホテル(上)と部屋の窓から見えるオペラハウス(下)
いまでも覚えているが、大型の書店でこうした場合に役に立つものはないかと探してみたが結局本書ほど私の目的に特化したものはなかった。
この「はじめての旅先通信2003」はそのタイトルでお分かりの通り、海外にノートパソコンを持参した場合に現地の電源や電圧の違い、モデムの取扱、ローミング設定、アクセスポイント、パソコン自体の設定などなど初めての人にとってはなかなか面倒で難しいことが多いわけだが、それらについて詳細な解説があるのが気に入った。
さらに現地のインターネットカフェを使う場合のノウハウなども載っており、付属のCD-ROMにはホテルの部屋に入ったらまず電源やデータポートの場所を探すというムービーまで収録されていた。
解説の例として掲載されている機種は相変わらずWindows環境だったが、本書は充分にブロードバンドが使えないことを想定した企画であり、ローミングサービスの解説からそれらのサービスを利用するため当時よく使われていたGRICとiPassといったダイヤラーソフトのインストールから使い方に至るまでが解説されている。
本書にはホテル内のLAN設備の使い方紹介もあるが、それは全部で240ページほどの内たった4ページでしかない(笑)。あくまでオマケ程度の内容なのだ。
また巻末には各国の国別情報が掲載されて頼りになりそうなあれこれが載っているものの、肝心のオーストラリアのページを見ると電話回線種類をはじめ国番号や電圧、電源プラグ変換アダプタの型そしてインターネットカフェ情報などが詳細に載っているが「LAN接続の普及状況」という項目には「不明」とある(爆)。
そういえば、いま思い返してみると自宅のネット環境も当時はまだADSL 8Mでインターネットを使っていた時代だったがそれでも私は最先端のつもりだった(笑)。
結局私たちが滞在したフォー・シーズンズホテルの部屋は有料ながらLAN設備が整っており、備え付けのデスクの引き出しにはLANケーブルまで用意されていたから結果としてあれこれと心配する必要はなかった。したがって持参したiBookを100%活かすことができたのは快適だった。


※ホテルの部屋に備えられていたデータポートパネル(上)にiBookを接続してLANが使えた(下)
しかし今からたったの5年ほど前はまだまだこんな状況であり、海外でパソコンをインターネットなどに接続することに大きな不安を抱えていた時代だったのである。
無論現在でも訪問する国の事情はもとより、宿泊する場所もピンキリだろうからまだまだネット接続を思い通りにできるとは限らないが、米国をはじめ名の通ったホテルなどではまずまずLAN環境の設備が整っているからトラブルは少ないと思われる。さらに海外でも国内同様にそのまま使える携帯電話の普及も不案内な海外での不安要素を軽減してくれるに違いない。
そして国内では一時期、一流ホテルよりビジネスホテルなどの方が宿泊客確保のため積極的にLAN環境を整えたこともあり、出張時にネット接続に困ることはほとんどなくなる良い時代となった。
日々、当然のことのように活用しているネット環境だが、今ではライフラインといっても良いほどさまざまな形で頼らざるを得ない状況になっている。
ネット依存が過度になっては弊害もあるのだろうが、個人的にはiPhone 3Gのおかげでどこにいても電話による通話はもとより、メールによる情報のやりとりができるためタイムラグを最小限にすることができるようになったのが一番嬉しい。
今一度、自分のネット環境を再認識すると共にメンテナンスを含めて見直してみるのも良いかも知れない。
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