Techtool ProによるS.M.A.R.T. 情報確認の顛末
メインマシンの具合を診断しようとTechtool Proの新バージョンを買ったので、あらためてハードディスク自己診断システムのS.M.A.R.T (Self-Monitoring,Analysis and Reporting Technology) を復習してみた。S.M.A.R.T はハードディスクメーカーの連合であるSMART ワーキンググループ(SWG)によって開発され、近年のハードディスクに採用されているものの、OSの標準機能ではないから使うには別途専用ツールが必要となる。
S.M.A.R.Tとはなにか、といえばハードディスクが持っている自己診断システムであり、様々な項目を数値化しハードディスクの状態を視覚化してくれる機能だ。要はハードディスクがまだ安全に使えるか、あるいはそろそろバックアップを取り不測の事態にそなえるべし…等などの判断材料となる。なおATAもしくはSATAドライブのみで利用可能だ。
今回たまたまだったがTechtool Pro 9.5を購入しシステムがインストールしてあるハードディスクを検証したところ、外付Thunderbolt仕様のハードディスクに警告が出た。早速データを別のハードディスクに待避させたがなんと翌日にそのハードディスクはお釈迦となった…。
どうにも話しが出来すぎだが、S.M.A.R.Tによるハードディスクの検証は徐々に劣化していく場合は測定可能だが、突発的なクラッシュに対応できるわけではない。ためにS.M.A.R.Tの確認をやっているから全てが安全というものではないことも承知しておく必要がある。
とはいえクラッシュする前にその前兆がわかる可能性があるとなればやはり定期的に確認は怠らないようにした方が得策だ。

※Techtool Pro 9.5でメインマシンのHDD診断(S.M.A.R.T)を行った結果【クリックで拡大】
ただしS.M.A.R.Tを計測するには専用のツール、ソフトウェアが必要となる。Techtool Proのように各種診断機能のひとつとしてサポートしている製品もあれば、例えばDriveDxといったハードディスク専用の診断ツールもあるし無償で配布しているツールもある。
S.M.A.R.T診断のパラメータは多義に渡るがTechtool Proでは13項目の結果が成功、欠陥、失敗に視覚化される。そしてテスト結果で失敗となった場合は修復できないドライブの故障が切迫していることを意味するという。
特に診断項目で重要なパラメータはTechtool Proの表記で言うなら「05 再配置セクターカウント」「197 代替処理待ち不良セクタカウント」そして「198 回復不可能なセクターカウント」といったあたりらしい。
ちなみにウィキペディアを参考にして少し詳しく書くと「05 再配置セクターカウント」は、代替処置を施させた不良セクタの数を意味し、「197 代替処理待ち不良セクタカウント」は現在異常があり、代替処理を待つセクタの総数。そして「198 回復不可能なセクターカウント」はオフラインスキャン時に発見された回復不可能なセクタの総数で、この値が増加する場合は磁気ディスクの表面に明確な問題があるとされる。
ちなみに私のメインマシンのハードディスクのS.M.A.R.T情報をTechtool Proで計ってみると 197および198パラメータには異常が出ていない。ただし 01 の読み込みエラー発生率のパラメータが計測成功ではあるがしきい値に少し近づいていること、07 のシークエラー発生率がこれまたしきい値に近づいている。これは、磁気ヘッドが目的のデータの在るトラックへ移動しようとして失敗(シークエラー)した割合を示し、ハードディスクの熱、サーボ機構の損傷などによって発生するという。
また何よりも異常が目立つのが 190 の温度の変化だ。このパラメータの値はしきい値を超えて失敗に近くなっている。
私も難しい事はわからないが、これまでの経験上でパソコンの動作が不安定になるとき多くの場合が温度上昇によるものであることは確かだった。
これから本格的な夏を迎え、室温も高くなる季節だからパソコンの内部温度にも影響が出てくるのも事実だ。Techtool Proによるパラメータ 190 の温度上昇がどれほど致命的なのかはイマイチ分からないが、応急処置として内部温度の確認と温度が高くなった場合には強制的に内蔵ファンを回して冷却することをやってみた。
その前にマシンのセンサーとファンが正常に働いているかの基本をTechtool Proでチェックする。もともと温度センサーが温度上昇を感知すれば内蔵ファンの回転速度を上げて冷やす仕組みがあるわけだから、まずはこの一連の仕組みが正常かどうかを確認してみた。
Techtool Proには「センサーテスト」と「ファンテスト」という項目があるのでそれぞれを実行するだけだが幸い両者とも正常だった。


※「センサーテスト」と「ファンテスト」実施中。幸い共に結果は正常だった
さて、ご承知の方も多いはずだが本来自動的にセンサー温度を感知しファンを回すという一連の動作を強制的に行うツールがいくつかある。私は「Macs Fan Control」の最新版を使っているのであらためて確認と設定をやってみた。
このツールは右に一覧表示されるパソコン各部位のセンサー名と現在の温度がリアルタイムに表示されている。申し上げるまでもなくCPUもメモリモジュールも、そしてハードディスクユニットも温度上昇には弱い。
ともかく「Macs Fan Control」は自動による運転の他にそれぞれのセンサー別に「この温度になったら何度に落ちるまでファンを回して冷やせ」という設定ができるし日本語化されているのでなじみやすい。

※「Macs Fan Control」でハードディスクのセンサー温度と強制ファンの関係をセッティング
結果は歴然で、メインマシンはいまのところ安定している。やはりハードディスクは消耗品である限り定期的なS.M.A.R.T情報の確認はパソコンを常用する者にとっては大切なことだが反面過信してはこれまた問題も起こる。
何故ならS.M.A.R.T 情報はハードディスクメーカーによってその情報内容が異なるし計測ツールによってもニュアンスが違う場合もあるし、さらに冒頭で述べたようにハードディスクもS.M.A.R.Tで確認出来るレベルだけではないいきなりのクラッシュもあるからで、やはり基本中の基本はバックアップを常に心がけることに尽きる。
S.M.A.R.Tとはなにか、といえばハードディスクが持っている自己診断システムであり、様々な項目を数値化しハードディスクの状態を視覚化してくれる機能だ。要はハードディスクがまだ安全に使えるか、あるいはそろそろバックアップを取り不測の事態にそなえるべし…等などの判断材料となる。なおATAもしくはSATAドライブのみで利用可能だ。
今回たまたまだったがTechtool Pro 9.5を購入しシステムがインストールしてあるハードディスクを検証したところ、外付Thunderbolt仕様のハードディスクに警告が出た。早速データを別のハードディスクに待避させたがなんと翌日にそのハードディスクはお釈迦となった…。
どうにも話しが出来すぎだが、S.M.A.R.Tによるハードディスクの検証は徐々に劣化していく場合は測定可能だが、突発的なクラッシュに対応できるわけではない。ためにS.M.A.R.Tの確認をやっているから全てが安全というものではないことも承知しておく必要がある。
とはいえクラッシュする前にその前兆がわかる可能性があるとなればやはり定期的に確認は怠らないようにした方が得策だ。

※Techtool Pro 9.5でメインマシンのHDD診断(S.M.A.R.T)を行った結果【クリックで拡大】
ただしS.M.A.R.Tを計測するには専用のツール、ソフトウェアが必要となる。Techtool Proのように各種診断機能のひとつとしてサポートしている製品もあれば、例えばDriveDxといったハードディスク専用の診断ツールもあるし無償で配布しているツールもある。
S.M.A.R.T診断のパラメータは多義に渡るがTechtool Proでは13項目の結果が成功、欠陥、失敗に視覚化される。そしてテスト結果で失敗となった場合は修復できないドライブの故障が切迫していることを意味するという。
特に診断項目で重要なパラメータはTechtool Proの表記で言うなら「05 再配置セクターカウント」「197 代替処理待ち不良セクタカウント」そして「198 回復不可能なセクターカウント」といったあたりらしい。
ちなみにウィキペディアを参考にして少し詳しく書くと「05 再配置セクターカウント」は、代替処置を施させた不良セクタの数を意味し、「197 代替処理待ち不良セクタカウント」は現在異常があり、代替処理を待つセクタの総数。そして「198 回復不可能なセクターカウント」はオフラインスキャン時に発見された回復不可能なセクタの総数で、この値が増加する場合は磁気ディスクの表面に明確な問題があるとされる。
ちなみに私のメインマシンのハードディスクのS.M.A.R.T情報をTechtool Proで計ってみると 197および198パラメータには異常が出ていない。ただし 01 の読み込みエラー発生率のパラメータが計測成功ではあるがしきい値に少し近づいていること、07 のシークエラー発生率がこれまたしきい値に近づいている。これは、磁気ヘッドが目的のデータの在るトラックへ移動しようとして失敗(シークエラー)した割合を示し、ハードディスクの熱、サーボ機構の損傷などによって発生するという。
また何よりも異常が目立つのが 190 の温度の変化だ。このパラメータの値はしきい値を超えて失敗に近くなっている。
私も難しい事はわからないが、これまでの経験上でパソコンの動作が不安定になるとき多くの場合が温度上昇によるものであることは確かだった。
これから本格的な夏を迎え、室温も高くなる季節だからパソコンの内部温度にも影響が出てくるのも事実だ。Techtool Proによるパラメータ 190 の温度上昇がどれほど致命的なのかはイマイチ分からないが、応急処置として内部温度の確認と温度が高くなった場合には強制的に内蔵ファンを回して冷却することをやってみた。
その前にマシンのセンサーとファンが正常に働いているかの基本をTechtool Proでチェックする。もともと温度センサーが温度上昇を感知すれば内蔵ファンの回転速度を上げて冷やす仕組みがあるわけだから、まずはこの一連の仕組みが正常かどうかを確認してみた。
Techtool Proには「センサーテスト」と「ファンテスト」という項目があるのでそれぞれを実行するだけだが幸い両者とも正常だった。


※「センサーテスト」と「ファンテスト」実施中。幸い共に結果は正常だった
さて、ご承知の方も多いはずだが本来自動的にセンサー温度を感知しファンを回すという一連の動作を強制的に行うツールがいくつかある。私は「Macs Fan Control」の最新版を使っているのであらためて確認と設定をやってみた。
このツールは右に一覧表示されるパソコン各部位のセンサー名と現在の温度がリアルタイムに表示されている。申し上げるまでもなくCPUもメモリモジュールも、そしてハードディスクユニットも温度上昇には弱い。
ともかく「Macs Fan Control」は自動による運転の他にそれぞれのセンサー別に「この温度になったら何度に落ちるまでファンを回して冷やせ」という設定ができるし日本語化されているのでなじみやすい。

※「Macs Fan Control」でハードディスクのセンサー温度と強制ファンの関係をセッティング
結果は歴然で、メインマシンはいまのところ安定している。やはりハードディスクは消耗品である限り定期的なS.M.A.R.T情報の確認はパソコンを常用する者にとっては大切なことだが反面過信してはこれまた問題も起こる。
何故ならS.M.A.R.T 情報はハードディスクメーカーによってその情報内容が異なるし計測ツールによってもニュアンスが違う場合もあるし、さらに冒頭で述べたようにハードディスクもS.M.A.R.Tで確認出来るレベルだけではないいきなりのクラッシュもあるからで、やはり基本中の基本はバックアップを常に心がけることに尽きる。
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