3.5インチフロッピーディスクの怪
今回はこれまたマイナーなネタである。すでに3.5インチフロッピーディスクといった代物を手にしたことがない方々も多いと聞く。しかしMacの歴史を振り返るまでもなく3.5インチフロッピーディスクはメディアとしてなくてはならない、あるいはMacらしいアイテムだったことは間違いないだろう。
さて先日、オールドMacを数台持っている知人からヘルプのメールがあった。
聞けば古い3.5インチフロッピーを扱っていたところ、そのシャッターが開いたままになってしまったというのだ。中身は大切なデータがあることだし壊したくないので、なにかこのシャッターを安全に閉める方法はないものか…という問いだった。このまま本体に再度挿入すれば磁気面を傷つけやしないかとも心配していた。

※3.5インチフロッピーのシャッターが開いたままになることを再現
知人もオールドMacユーザーを自負している一人だが、これまでそんなことはなかったのでと弁解していたが、そもそも3.5インチフロッピーディスクは本体のスロットに差し込むことは手動でやるが、イジェクトはファインダーから指示するわけでフロッピーは自動で引き出されると共にシャッターは閉じられる。したがってユーザーはその開閉に注意を払う必要はない仕組みなのだ。
さらに例えばフロッピーのシャッターを指で開けたとしても手を離せば閉じる仕組みになっている。
そのフロッピーディスクにしてもご承知のように最初はSigle Slideタイプのものであり "1DD" などと記されていた。
ちなみにこの3.5インチフロッピーディスクはソニーが開発したものだが、倉庫をかき回して知人が体験した同種のフロッピーがあるかどうかを探してみた。
たまたま私は1984年にMacを買い、それで使われていた3.5インチフロッピーディスクに興味を持っていくつか分解して調べたことがあるので覚えていたことがあった。

※共に1DDフロッピー比較。左の方が古いタイプのようだ【クリックで拡大】
さて、結論めくが最初期の3.5インチフロッピーディスクも仕様がひとつではなかったのだ。
私の手元にはたまたま2種類のものが見つかったが共に 1DD仕様でありSingle Sideタイプの最初期のものだが、どちらもソニー製である。
ラベルを貼る表側から見ると当然だがプラスチック製のシェル本体の基本形状には違いはないように思える。ただしこの例では金属製のシャッター窓の形状が明らかに違っていること、ライトプロテクトのノッチの状態が右のものは正面からでもわかるようになっている。
では裏側を見てみよう。これまたシャッター窓の形状が違うこと、そしてライトプロテクトのノッチ部位が右がスライド式なのに対して左は折って書込禁止にするタイプなのだ。ということは左のタイプのフロッピーの方が古い仕様だといえよう。

※書込防止のライトプロテクトのノッチ仕様も違う
1984年当時に使ったであろう1DDタイプのフロッピーを数十枚確認した範囲では一枚しか旧タイプのものは出て来なかった。そしてこの旧タイプのフロッピーこそ、シャッターを手動で開けるとロックされるタイプなのだ。
事実シャッター側の厚みを確認してみると構造が違い、古いタイプのフロッピーは端まで上下のシェルの間に溝があるのがわかる。

※上は左端一杯まで上下シェル間に隙間がある
そしてシャッターをロックする位置に爪があり、シャッター側にも小さな窓が開いている。この小さな窓に爪が引っかかってロックされる仕組みなのだ。


※古いタイプはシェル一部に突起があり、スライドしたシャッタを固定する仕組みを持っている
想像だが、このタイプのフロッピーディスクはMacに3.5インチフロッピーディスクが採用される直前の仕様なのかも知れない。無論このタイプのフロッピーも実際に利用していた訳で問題は記憶していないから同等に活用できていたことになる。
知人には、そのフロッピーディスク、今となっては貴重かもしれないと報告しておいたが、さて肝心のシャッターを閉める方法だ。
それはフロッピーの正面から見たとすれば、左上角、すなわち前記したようにシェル上下に隙間がある部分を指で挟んで少し力を加えれば樹脂製のシェルの爪は凹みロックが外れる。


※隙間のある部位を摘まむとロックが外れる仕組み
フロッピー一枚にも様々な歴史があるものだ…。
さて先日、オールドMacを数台持っている知人からヘルプのメールがあった。
聞けば古い3.5インチフロッピーを扱っていたところ、そのシャッターが開いたままになってしまったというのだ。中身は大切なデータがあることだし壊したくないので、なにかこのシャッターを安全に閉める方法はないものか…という問いだった。このまま本体に再度挿入すれば磁気面を傷つけやしないかとも心配していた。

※3.5インチフロッピーのシャッターが開いたままになることを再現
知人もオールドMacユーザーを自負している一人だが、これまでそんなことはなかったのでと弁解していたが、そもそも3.5インチフロッピーディスクは本体のスロットに差し込むことは手動でやるが、イジェクトはファインダーから指示するわけでフロッピーは自動で引き出されると共にシャッターは閉じられる。したがってユーザーはその開閉に注意を払う必要はない仕組みなのだ。
さらに例えばフロッピーのシャッターを指で開けたとしても手を離せば閉じる仕組みになっている。
そのフロッピーディスクにしてもご承知のように最初はSigle Slideタイプのものであり "1DD" などと記されていた。
ちなみにこの3.5インチフロッピーディスクはソニーが開発したものだが、倉庫をかき回して知人が体験した同種のフロッピーがあるかどうかを探してみた。
たまたま私は1984年にMacを買い、それで使われていた3.5インチフロッピーディスクに興味を持っていくつか分解して調べたことがあるので覚えていたことがあった。

※共に1DDフロッピー比較。左の方が古いタイプのようだ【クリックで拡大】
さて、結論めくが最初期の3.5インチフロッピーディスクも仕様がひとつではなかったのだ。
私の手元にはたまたま2種類のものが見つかったが共に 1DD仕様でありSingle Sideタイプの最初期のものだが、どちらもソニー製である。
ラベルを貼る表側から見ると当然だがプラスチック製のシェル本体の基本形状には違いはないように思える。ただしこの例では金属製のシャッター窓の形状が明らかに違っていること、ライトプロテクトのノッチの状態が右のものは正面からでもわかるようになっている。
では裏側を見てみよう。これまたシャッター窓の形状が違うこと、そしてライトプロテクトのノッチ部位が右がスライド式なのに対して左は折って書込禁止にするタイプなのだ。ということは左のタイプのフロッピーの方が古い仕様だといえよう。

※書込防止のライトプロテクトのノッチ仕様も違う
1984年当時に使ったであろう1DDタイプのフロッピーを数十枚確認した範囲では一枚しか旧タイプのものは出て来なかった。そしてこの旧タイプのフロッピーこそ、シャッターを手動で開けるとロックされるタイプなのだ。
事実シャッター側の厚みを確認してみると構造が違い、古いタイプのフロッピーは端まで上下のシェルの間に溝があるのがわかる。

※上は左端一杯まで上下シェル間に隙間がある
そしてシャッターをロックする位置に爪があり、シャッター側にも小さな窓が開いている。この小さな窓に爪が引っかかってロックされる仕組みなのだ。


※古いタイプはシェル一部に突起があり、スライドしたシャッタを固定する仕組みを持っている
想像だが、このタイプのフロッピーディスクはMacに3.5インチフロッピーディスクが採用される直前の仕様なのかも知れない。無論このタイプのフロッピーも実際に利用していた訳で問題は記憶していないから同等に活用できていたことになる。
知人には、そのフロッピーディスク、今となっては貴重かもしれないと報告しておいたが、さて肝心のシャッターを閉める方法だ。
それはフロッピーの正面から見たとすれば、左上角、すなわち前記したようにシェル上下に隙間がある部分を指で挟んで少し力を加えれば樹脂製のシェルの爪は凹みロックが外れる。


※隙間のある部位を摘まむとロックが外れる仕組み
フロッピー一枚にも様々な歴史があるものだ…。
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