Lisa 2のMacエミュレーションソフト「MacWorks」とは?
iPhone 3G Sの発表やiPhone OS 3.0などの最新情報と渡り合いながら25年も前のマシンであるLisaをオペレーションしているのもなかなか “乙なもの“ である。さてLisaは後にMacintosh XLという名に代わりMacのラインナップとして位置付けられたがその際に標準添付されたのがApple純正Macエミュレーションソフトの「MacWorks」だった。
この「MacWorks」はMacintosh 512Kのエミュレーションソフトである。ちなみに「MacWorks」はその後、「MacWorks Plus」とか「MacWorks Plus II」といったものがリリースされたがそれらはすべてサードパーティーがからんだ製品だった。しかし今回ご紹介する「MacWorks」はApple純正品故に注目なのである。
とはいえ「MacWorks Plus II」がSystem 7.5までに対応できたのに対し「MacWorks」はMacintosh 512Kまでのシステムに限定されるので今となっては実用性は低い...。

※Apple純正のLisa用Mac 512Kエミュレータソフト「MacWorks」パッケージ
そのLisa 2だが、別途専用のアクセラレータなどを装備の上でメモリを増設し本格的なMacintoshとして活用する方法もあるものの、私自身はLisaを本格的にMac化する気持ちはまったくない。あくまでLisaはLisaとして全うさせたいと考えている。
Lisa自身もきっとLisaとして生まれたからにはLisaとして活かして欲しいと思っているに違いない...(笑)。だから「MacWorks」はあくまでエミュレータであり文字通りMacを模倣するだけのツールとして認識しているつもりだ。
それに、Macintoshのソフトウェアを起動活用したいなら幸い私の手元にはMacintosh 128K, 512K, PlusはもとよりMacintosh Portableからシェル型iBookに至るまで様々なMac OSバージョンを使う機種があるから、わざわざLisaをMacとして使う必然性はない...。
では何故「MacWorks」など手に入れたのか。それは「MacWorks」が100% Apple純正ソフトウェアだからである。
Appleの思惑はともかくMacと互換性のないLisaを何とかMacとして生き延びさせようとした「MacWorks」がどのような製品であるかを知りたいという知的好奇心からである。
まあ、そんな理窟は実際の「MacWorks」を目の前にするところりと忘れ、Appleフリークの一人としては実に心がうきうきしてくる。
とにかくこの頃のパッケージはその中身を含めて非常に素敵な物が多く、この「MacWorks」もその構成やデザインに当時のAppleの思想が垣間見れるだけでなく、製品の目的が目的だけに奇妙な部分も際立っていて楽しいのである。
“奇妙”というのは他でもない。このパッケージは紛れもないLisa用のソフトウェアだが、それは最初期Macintosh用ソフトのそれに近いデザインだからだ。パッケージを開けるとそこには「MacWorks」のシステムディスケットと共に懐かしい「MacPaint」と「MacWrite」のフロッピーディスクが入っている。

※「MacWorks」のパッケージ一式
何かMacintoshのパッケージを開けたときの感慨を思い出すようだ...。そしてそれぞれのディスケットと共に「MacWorks」「MacPaint」ならびに「MacWrite」のマニュアルがセットされているが、特に興味深いのは「MacWorks」のマニュアルである。
「MacPaint」および「MacWrite」のマニュアルはMacintosh付属のものとまったく同じだが「MacWorks」はそのユーザーズガイドの表紙が例のピカソ風デザインによるLisaを描いたものである。そしてページを捲れば、最初の数ページは「MacWorks」についての説明があるものの、後はLisaに関して示唆する部分を別にすれば中身は写真を含めてMacintosh 128Kのそれと同じである。
無論「MacWorks」はLisa上でMacをエミュレートするツールだからMacintoshを解説することになるのは当然だが、このLisaとMacを融合させたパッケージはユニークこの上ない存在ではないだろうか...。
さて、前置きが長かったが早速Lisaの電源を入れ「MacWorks」のフロッピーから起動させてみよう。
「MacWorks」が起動し問題なく読み込まれるとフロッピーは吐き出され、画面には「MACWORKS XL 3.0」およびコピーライト表示が出てアプリケーションフロッピーを挿入するよう促す。

※Lisa 2で「MacWorks」を起動したところ
ここで例えば「MacPaint」のフロッピーディスクをドライブに入れるとアプリケーションが読み込まれて起動する。後はオペレーション上Macintoshそのものであり特に変わったことはないが、その画面を見ればすぐにわかるようにLisaとMacとはそのモニタの縦横ピクセル比が違うためご覧のような表示になってしまう。

※Lisa 2上で「MacPaint」が走っている
実用上に問題があるわけではないが、やはりモニタの一部が空いているのでは気になってならない。ただし本格的なMac化を目指すためにLisaの画面をMacintoshのそれに合わせる「Macintosh XL Screen KIt」といったパッケージも用意されていたことも記しておきたい。
まあ、Mac化していないLisa 2上でMacintoshをエミュレートする「MacWorks」の限界はここまでだが、実用云々といったことよりこうしたプロダクトが存在していたその事こそがAppleの歴史を追っている一人としては感慨深いことなのだ。
この「MacWorks」はMacintosh 512Kのエミュレーションソフトである。ちなみに「MacWorks」はその後、「MacWorks Plus」とか「MacWorks Plus II」といったものがリリースされたがそれらはすべてサードパーティーがからんだ製品だった。しかし今回ご紹介する「MacWorks」はApple純正品故に注目なのである。
とはいえ「MacWorks Plus II」がSystem 7.5までに対応できたのに対し「MacWorks」はMacintosh 512Kまでのシステムに限定されるので今となっては実用性は低い...。

※Apple純正のLisa用Mac 512Kエミュレータソフト「MacWorks」パッケージ
そのLisa 2だが、別途専用のアクセラレータなどを装備の上でメモリを増設し本格的なMacintoshとして活用する方法もあるものの、私自身はLisaを本格的にMac化する気持ちはまったくない。あくまでLisaはLisaとして全うさせたいと考えている。
Lisa自身もきっとLisaとして生まれたからにはLisaとして活かして欲しいと思っているに違いない...(笑)。だから「MacWorks」はあくまでエミュレータであり文字通りMacを模倣するだけのツールとして認識しているつもりだ。
それに、Macintoshのソフトウェアを起動活用したいなら幸い私の手元にはMacintosh 128K, 512K, PlusはもとよりMacintosh Portableからシェル型iBookに至るまで様々なMac OSバージョンを使う機種があるから、わざわざLisaをMacとして使う必然性はない...。
では何故「MacWorks」など手に入れたのか。それは「MacWorks」が100% Apple純正ソフトウェアだからである。
Appleの思惑はともかくMacと互換性のないLisaを何とかMacとして生き延びさせようとした「MacWorks」がどのような製品であるかを知りたいという知的好奇心からである。
まあ、そんな理窟は実際の「MacWorks」を目の前にするところりと忘れ、Appleフリークの一人としては実に心がうきうきしてくる。
とにかくこの頃のパッケージはその中身を含めて非常に素敵な物が多く、この「MacWorks」もその構成やデザインに当時のAppleの思想が垣間見れるだけでなく、製品の目的が目的だけに奇妙な部分も際立っていて楽しいのである。
“奇妙”というのは他でもない。このパッケージは紛れもないLisa用のソフトウェアだが、それは最初期Macintosh用ソフトのそれに近いデザインだからだ。パッケージを開けるとそこには「MacWorks」のシステムディスケットと共に懐かしい「MacPaint」と「MacWrite」のフロッピーディスクが入っている。

※「MacWorks」のパッケージ一式
何かMacintoshのパッケージを開けたときの感慨を思い出すようだ...。そしてそれぞれのディスケットと共に「MacWorks」「MacPaint」ならびに「MacWrite」のマニュアルがセットされているが、特に興味深いのは「MacWorks」のマニュアルである。
「MacPaint」および「MacWrite」のマニュアルはMacintosh付属のものとまったく同じだが「MacWorks」はそのユーザーズガイドの表紙が例のピカソ風デザインによるLisaを描いたものである。そしてページを捲れば、最初の数ページは「MacWorks」についての説明があるものの、後はLisaに関して示唆する部分を別にすれば中身は写真を含めてMacintosh 128Kのそれと同じである。
無論「MacWorks」はLisa上でMacをエミュレートするツールだからMacintoshを解説することになるのは当然だが、このLisaとMacを融合させたパッケージはユニークこの上ない存在ではないだろうか...。
さて、前置きが長かったが早速Lisaの電源を入れ「MacWorks」のフロッピーから起動させてみよう。
「MacWorks」が起動し問題なく読み込まれるとフロッピーは吐き出され、画面には「MACWORKS XL 3.0」およびコピーライト表示が出てアプリケーションフロッピーを挿入するよう促す。

※Lisa 2で「MacWorks」を起動したところ
ここで例えば「MacPaint」のフロッピーディスクをドライブに入れるとアプリケーションが読み込まれて起動する。後はオペレーション上Macintoshそのものであり特に変わったことはないが、その画面を見ればすぐにわかるようにLisaとMacとはそのモニタの縦横ピクセル比が違うためご覧のような表示になってしまう。

※Lisa 2上で「MacPaint」が走っている
実用上に問題があるわけではないが、やはりモニタの一部が空いているのでは気になってならない。ただし本格的なMac化を目指すためにLisaの画面をMacintoshのそれに合わせる「Macintosh XL Screen KIt」といったパッケージも用意されていたことも記しておきたい。
まあ、Mac化していないLisa 2上でMacintoshをエミュレートする「MacWorks」の限界はここまでだが、実用云々といったことよりこうしたプロダクトが存在していたその事こそがAppleの歴史を追っている一人としては感慨深いことなのだ。
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