日本通信株式会社の格安SIM b-mobile S でiPhoneを使う

愛用のiPhone 6s Plusだが、iPhoneが日本上陸してからずっと使ってきたキャリア、ソフトバンクとの契約を止め、初めて格安SIMに挑戦してみることにした。構想というと大げさだがもう一台スマホを持ちたいと考えたこともあってちょうど本体の端末代も払い終わったことを契機に月額経費の削減を考えた次第。問題は幾多ある格安SIMのどれを使うかだ…。


私は現役時代とレベルは違う物の、いまだAppleの業界で仕事をさせていただいている関係上、iPhoneのことはもとよりキャリア各社の動向やそのメリット・デメリットなどに関して基本は知っているつもりだ。ただし格安SIMに関しては理屈の上で理解してはいるもののまだ一度も自身で体験していない。
勘違いやまだまだ知るべき情報があるだろうとまずは「できる格安SIMではじめるiPhone超入門」(インプレス刊)という本を買って一通り目を通してみた(笑)。

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※インプレス刊「できる格安SIMではじめるiPhone超入門」表紙


こうして大局を考えた上でいくつかの候補を選び、自分にとって優先的な機能を考えながら結果、日本通信株式会社の b-mobile S というサービスを使ってみることにした。
ちなみに余計なことだが、日本通信の創業者で代表取締役会長の三田聖二氏はアップルジャパンの社長だった人。そして代表取締役社長の福田尚久氏も同じくアップルジャパンで部長職を務めた方だ。

このb-mobile S というサービスの特長はソフトバンク回線(4G LTEと3Gエリア)を利用すること、そしてSIMロック解除をせずに移行できることに尽きる。
無論現在利用中の電話番号をそのまま引き継ぐことができるから、理論的にはSIMを入れ替えるだけでこれまで使っていたアプリなどをそのまま使えるという理屈になる。

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※申込みの3日後に届いた「b-mobile S 990ジャストフィットSIM+通話5分かけ放題」パッケージ


ただし無論まったく同じというわけではない。
例えば @i.softbank.jp のメルアドは使えなくなるしデザリング、国際ローミングも利用できない。
しかし現在の個人的な利用状況を考えても、そもそもがほとんどWi-Fi環境下で使っていること、通話はあり得るが契約を続けてきた通話定額基本料(スマ放題) 2,700円およびデータ定額mini 2GBの 3,500円を越えることなど一度もなかった。

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※さらば、ソフトバンクSIM


さてそのb-mobile S だが、他の格安SIM同様最初の選択肢は「データ専用SIM」なのか「音声付きSIM」なのかを決めなければならないが、これは躊躇なく「音声付きSIM」にし、さらにオプションの「通話5分かけ放題」を加えた。
「データ専用SIM」だけではメッセージが利用できないからでもある。またアカウント作成などでもSNS認証が必要となるパターンは多いので通話オプションは必要だ。
サービス名としては「b-mobile S 990ジャストフィットSIM+通話5分かけ放題」となる。まあ簡単に言えば、データ料金は使った分だけ支払えば良いというサービスである。

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※新しい SIMロックiPhone用SIMカード。ただしこれ自体はソフトバンク製だ


問題の通話だが、基本だと通話料は20円/30秒だ。しかし「5分間かけ放題」なら無料でダウンロードできる専用アプリを使えば文字通り1通話5分までなら一日何度かけても無料となる。そして5分を超えると通常の半額の10円/30秒となる。
しかし操作はデフォルトの電話アプリとほぼ同じであり、iPhoneにはじめから入っている電話アプリの連絡先がそのまま表示されるため、わざわざ連絡先を移し替える手間も不要。また電話先の相手にはこちらの電話番号がそのまま表示される。なお、かかってきた電話はデフォルトの電話アプリのほうに着信するので、今までと同様に受話すればよい。

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※無料でダウンロードできる専用通話アプリの使い勝手も悪くない


ここ数年、通話をどの程度利用したかを振り返って見るのも興味深い。
私の場合、仕事関係での通話はほとんどない。メールかSNSでほとんどのやりとりができ、どうしても相手の声を聞いてポイントを掴みたいときだけ通話するといった具合だ。また近親者との通話もあり得るがこれまた普段は「連絡がないのは良い知らせ」で電話がかかってくることはない。
ただし僅かだが特定の友人との間で1ヶ月、いや2ヶ月に一度程度か30分とか40分の長電話をすることもある。
ということは5分経過後10円/30秒で60分もの長話をしたところで 1,200円ということになるがこれまで使わなくても2,700円払っていたことを思えば安いものだ。

ということで十分に納得した上で申し込むことにしたが、まずは準備だ。
最初にb-mobileのウェブサイトからMy b-mobileアカウントを登録しておく。その際にメルアドが必要だが、前記したようにこれまで使ってきた @i.softbank.jp のメルアドは使えなくなるので別途メルアドを持っていない場合はGmailなどで新規に用意しておく必要がある。
後は「音声付きSIM」の場合、本人確認書類というのが必要になる。サイトで何を揃えたらよいかを確認しアップロードできるようにデジタルデータとして用意しておく。
それから決済用のクレジットカードも必要だ。というか支払はクレジットカードのみだ。

これらを準備後、もし現在の電話番号をそのまま使いたい場合はソフトバンクに電話してMNP予約番号を取得する必要がある。新規の電話番号でよいならこの手順は不要だ。
ここで現実的な問題として考慮すべきはキャリアの解約料とMNP番号転出手数料がかかること、そしてb-mobile側も初期手数料がかかることだろうか…。これらは条件にもよるが私の場合は月額使用料とは別に約16,000円強ほど必要になった。

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※目出度く格安SIMでセットアップを完了したiPhone 6s Plus


ともあれ後はb-mobileのウェブサイトからオンラインで申込みができる。ただしMNP番号取得後その期限は2週間であり、申込時に7日以上残っている必要があるから、ソフトバンクからメッセージでMNP番号が送られてきたら早めに申し込みをする必要がある。
私の場合だが、申し込んだ2日後にSIMはヤマト運輸の宅急便で出荷された。
SIMを受領したら後はb-mobileのウエブサイトに開設の手順が明記されているのでそれに沿って作業を行えばよい。
難しい点はないと思う。

これで計算上、これまで月額8,000円ほど支払っている金額が通話を5分を超えてかなり使ったとしても 1,490円〜せいぜい2,500円程度に抑えられることになるはずだ。これは大きい…。
もう少し詳細な話しをすると、当サービスはジャストフィットSIMということで設定上限に至るまで使ったデータ量だけ支払えばよいので経済的なのも嬉しい。

従って例えば使いすぎを防止するために5GBを上限にした場合、1GB以内だったら990円、2GB使った月は1,490円、4GB使った月は2,490円の支払いとなる。
無論高速通信利用データ量が上限設定値に達した場合は通信速度が低速になるが上限設定はMy b-mobileよりいつでも設定ができ、もう少し高速通信したいという場合でも対応できる。
そして当然設定上限値以内は速度制限はないのでソフトバンクの4G LTEと3Gエリア回線を使った快適な利用が期待できるわけだ。
したがって私の場合、もしデータ使用量が2GB以内(現実的にほとんどがそうなのだが)なら月額請求額は1,490円プラス通話5分かけ放題オプションの500円(規定時間を越えないとして)、計1,990円ということになる。

勿論正確な評価は一ヶ月以上使い込んで費用を確認しないことには分からないだろうが今のところは快調。メッセージやメールはもとより他のアプリもAppleWatchとのペアリングも通話も問題ない。
なおこれまで使ってきたキャリアであるソフトバンクに解約手続きは必要ない。SIMが切り替わった際にソフトバンクとの契約は解除されるとのことだ。

日本通信 b-mobile S



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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員