3Dプリンター BIQU-Magician との対面
以前から取り組んでみたいと考えていた3Dプリンターをやっと手に入れた。まずは手に負えるものかを試すつもりもあるし、設置面積なども考慮し「BIQU-Magician」というコンシューマー向け製品を選んだ。とはいえスペックを見る限り、最初に取り組む3Dプリンターとしては最適な製品ではないか…。
「3Dプリンター」とは1995年、MITが開発したテクノロジーをZ Corporation社が初めて"3D printing (3DP)"の商標で販売したのが最初だという。
当初この種の造形に “printer” すなわち “印刷機” と呼ぶのに違和感もあったが、金型などから成型するものと違い、ノズル(ヘッド)からインクのように樹脂を出力し、コンピュータ制御で立体成型を実現するものだから確かにプリンターと呼んだ方が適切なのかも知れない。

※「BIQU-Magician」のパッケージ。直径31cm,高さ48cm、重量9Kgほど
BIQU-Magicianもそうだが、最近の製品ではパソコンと接続しなくてもデータを納めたSDカードを3Dプリンター本体に装着すればスタンドアローンでプリントできる機種が増えているようだ。しかし3Dオブジェクトの造形を考えれば文字通りパソコンによる3Dソフトウェアを使うことは避けられない。
その "3D" や “CG” に魅せられ、私は1987年初めて渡米しSIGGRAPHに参加したり、当時NEC PC-9801用の高価な「Personal LINKS」システムを購入して本格的な三次元グラフィックスに手を染めたことを思い出す。
しかし1989年に起業してからは時間がとれずに3D関連には意識的に手を染めないように自制していたが、手前味噌ながら日本でパソコンによる3Dを極めようとした最初の1人であったことは確かなのだ。

※1987年に手に入れた「Personal LINKS」。当時パソコン用3Dシステムとしては最高峰の製品だった
Apple II による最初の3Dソフト「Apple WORLD」(1982年)を皮切りにPC-100用の「3Dマスター」(1984年)、「ソリッドマスター」(1985年)等を経て満足できずに前記したPersonal LINKS(1987年)を手に入れCGの祭典SIGGRAPH '87 にまで行くはめとなった。
また日本で3Dソフトとして知られている「Shade」のMac版が登場する際(1990年)、MACLIFE誌編集部の依頼でその評価記事を最初に書いたし望まれて開発元に出向き、要望やらを申し上げたこともあった。
その後もいちいち書くのも面倒なほどMac版の高価な3Dアプリケーションを多々手に入れたものだ…。
というわけで3Dというテクノロジーには興味以上のものを持っているわけで、それを知っている友人らはずっと「なぜ3Dプリンターを買わないのか」と訝しく思っていたようだ。
理由は単純で、ひとつは安価で使いやすくホビーだとしても実用レベルの製品がなかったことに尽きる。また実際使いこなすには相応な時間を費やするであろうことも知っていただけに、おいそれと手を出せなかったのである。

※本体を作業場所に設置
さて安価な3Dプリンターの中にはユーザーが組立なければならない製品もあるが「BIQU-Magician」は組立完成済みな製品だ。
本体サイズは 220 x 250 x 500mmと縦長なのだが設置面積を取らないのもよい。重さは4kgである。とはいえ完成品であることや付属品も含めたパッケージはかなり大ぶりの円筒形で荷物の総重量重は約9kgもあった。
スペック概要としてだが、最大印刷サイズは Φ100x150mm、2.8インチ・タッチスクリーン装備、32Bitマザーボード、Titan押出機、日本語操作、本語マニュアル付といったところだ。
パッケージを開けてまずは付属品のチェックをする。
日本語マニュアル、250gのフィラメント(白色)、フィラメント用ホルダー、六角レンチ、SDカード、カードリーダー、USBケープル、フィルム熱感センサ、のり、スクレーパー、電源アダプター、遮熱チューブ&ノズル(交換用)だがマニュアルに記してある保証書は同梱されていないがAmazonの評価などを見るとそんなものらしい(笑)。しかし至れり尽くせりといった感じもして好感が持てる。
早速本体を設置することにしたが、組立完成品とはいえ何もせずにそのまま使えるわけではない。

※付属品一覧
ともあれ、マニュアルが些か可笑しな箇所があるものの日本語である点は有りがたい。
セットアップだが、筒状のパッケージにしっかりと納まっているだけでなく、可動部などは保護と固定のためにラッピングされているのは安心感がある。
本体を作業場所に設置し、フィラメントホルダーを上部に取り付け、そこにフィラメント(1.75mm)をセットする。
ちなみにこの場合のフィラメントとは樹脂を細い紐状にしたものであり、これをヘッド部で溶解しつつヘッドから噴射させる理屈。付属のフィラメントは白色だが様々なカラーのものが別売されている。なおフィラメントの材質はPLA樹脂である。

※本体にフィラメントを取り付ける
続いてフィラメントの先端を抽出機に押し込む必要があるが、ここが最初の難関かも知れない。
何故ならスルスルと簡単に入っていかないのだ。要領としては糸を針穴に通すごとく、先端を真っ直ぐな位置で斜めに切り落とすこと。そして抽出機右の歯車を静かに回して…というのがポイントか。
もうひとつマニュアルを見てもそして関連のYouTube動画などを参考にしても分からないことがあった。それはフィラメントを抽出機にどれほどの長さを挿入すればよいのかという点だ。

※フィラメントを抽出機に押し込む。左には電源がある
抽出機はPTFEチューブが繋がっており、フィラメントはその中を通ってノズルまで達することになる理屈だ。3Dプリンタの理屈をよく知らない者にとって疑問となる点ではないだろうか。
結論だがチューブ内に数センチでも入っていればOKのようだ。後は本体のプリント準備の段階でフィラメントをヘッドまで導く手順が待っているからである。

※液晶パネル表示も日本語に変えられる
とにかく初期不良などがないかどうかの確認だけでもやってみたいので早速なにがしかのテストプリントを行ってみるつもりだ。
さてトラブルなくなにがしかの結果が出せるものなのだろうか…。
「3Dプリンター」とは1995年、MITが開発したテクノロジーをZ Corporation社が初めて"3D printing (3DP)"の商標で販売したのが最初だという。
当初この種の造形に “printer” すなわち “印刷機” と呼ぶのに違和感もあったが、金型などから成型するものと違い、ノズル(ヘッド)からインクのように樹脂を出力し、コンピュータ制御で立体成型を実現するものだから確かにプリンターと呼んだ方が適切なのかも知れない。

※「BIQU-Magician」のパッケージ。直径31cm,高さ48cm、重量9Kgほど
BIQU-Magicianもそうだが、最近の製品ではパソコンと接続しなくてもデータを納めたSDカードを3Dプリンター本体に装着すればスタンドアローンでプリントできる機種が増えているようだ。しかし3Dオブジェクトの造形を考えれば文字通りパソコンによる3Dソフトウェアを使うことは避けられない。
その "3D" や “CG” に魅せられ、私は1987年初めて渡米しSIGGRAPHに参加したり、当時NEC PC-9801用の高価な「Personal LINKS」システムを購入して本格的な三次元グラフィックスに手を染めたことを思い出す。
しかし1989年に起業してからは時間がとれずに3D関連には意識的に手を染めないように自制していたが、手前味噌ながら日本でパソコンによる3Dを極めようとした最初の1人であったことは確かなのだ。

※1987年に手に入れた「Personal LINKS」。当時パソコン用3Dシステムとしては最高峰の製品だった
Apple II による最初の3Dソフト「Apple WORLD」(1982年)を皮切りにPC-100用の「3Dマスター」(1984年)、「ソリッドマスター」(1985年)等を経て満足できずに前記したPersonal LINKS(1987年)を手に入れCGの祭典SIGGRAPH '87 にまで行くはめとなった。
また日本で3Dソフトとして知られている「Shade」のMac版が登場する際(1990年)、MACLIFE誌編集部の依頼でその評価記事を最初に書いたし望まれて開発元に出向き、要望やらを申し上げたこともあった。
その後もいちいち書くのも面倒なほどMac版の高価な3Dアプリケーションを多々手に入れたものだ…。
というわけで3Dというテクノロジーには興味以上のものを持っているわけで、それを知っている友人らはずっと「なぜ3Dプリンターを買わないのか」と訝しく思っていたようだ。
理由は単純で、ひとつは安価で使いやすくホビーだとしても実用レベルの製品がなかったことに尽きる。また実際使いこなすには相応な時間を費やするであろうことも知っていただけに、おいそれと手を出せなかったのである。

※本体を作業場所に設置
さて安価な3Dプリンターの中にはユーザーが組立なければならない製品もあるが「BIQU-Magician」は組立完成済みな製品だ。
本体サイズは 220 x 250 x 500mmと縦長なのだが設置面積を取らないのもよい。重さは4kgである。とはいえ完成品であることや付属品も含めたパッケージはかなり大ぶりの円筒形で荷物の総重量重は約9kgもあった。
スペック概要としてだが、最大印刷サイズは Φ100x150mm、2.8インチ・タッチスクリーン装備、32Bitマザーボード、Titan押出機、日本語操作、本語マニュアル付といったところだ。
パッケージを開けてまずは付属品のチェックをする。
日本語マニュアル、250gのフィラメント(白色)、フィラメント用ホルダー、六角レンチ、SDカード、カードリーダー、USBケープル、フィルム熱感センサ、のり、スクレーパー、電源アダプター、遮熱チューブ&ノズル(交換用)だがマニュアルに記してある保証書は同梱されていないがAmazonの評価などを見るとそんなものらしい(笑)。しかし至れり尽くせりといった感じもして好感が持てる。
早速本体を設置することにしたが、組立完成品とはいえ何もせずにそのまま使えるわけではない。

※付属品一覧
ともあれ、マニュアルが些か可笑しな箇所があるものの日本語である点は有りがたい。
セットアップだが、筒状のパッケージにしっかりと納まっているだけでなく、可動部などは保護と固定のためにラッピングされているのは安心感がある。
本体を作業場所に設置し、フィラメントホルダーを上部に取り付け、そこにフィラメント(1.75mm)をセットする。
ちなみにこの場合のフィラメントとは樹脂を細い紐状にしたものであり、これをヘッド部で溶解しつつヘッドから噴射させる理屈。付属のフィラメントは白色だが様々なカラーのものが別売されている。なおフィラメントの材質はPLA樹脂である。

※本体にフィラメントを取り付ける
続いてフィラメントの先端を抽出機に押し込む必要があるが、ここが最初の難関かも知れない。
何故ならスルスルと簡単に入っていかないのだ。要領としては糸を針穴に通すごとく、先端を真っ直ぐな位置で斜めに切り落とすこと。そして抽出機右の歯車を静かに回して…というのがポイントか。
もうひとつマニュアルを見てもそして関連のYouTube動画などを参考にしても分からないことがあった。それはフィラメントを抽出機にどれほどの長さを挿入すればよいのかという点だ。

※フィラメントを抽出機に押し込む。左には電源がある
抽出機はPTFEチューブが繋がっており、フィラメントはその中を通ってノズルまで達することになる理屈だ。3Dプリンタの理屈をよく知らない者にとって疑問となる点ではないだろうか。
結論だがチューブ内に数センチでも入っていればOKのようだ。後は本体のプリント準備の段階でフィラメントをヘッドまで導く手順が待っているからである。

※液晶パネル表示も日本語に変えられる
とにかく初期不良などがないかどうかの確認だけでもやってみたいので早速なにがしかのテストプリントを行ってみるつもりだ。
さてトラブルなくなにがしかの結果が出せるものなのだろうか…。
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