Apple「Alice〜Through the Looking Glass」 再び!
Apple純正ゲームとして貴重な存在である「Alice〜Through the Looking Glass」についてこれまで2度記事を書いた。最初は2004年5月だったがその際に使ったパッケージは引越の際にどこかにまぎれて紛失してしまったが今般やっと未開封のパッケージを手に入れる事ができたのである...。
この「Alice〜Through the Looking Glass」については過去に「Apple純正ゲーム「Alice〜Through the Looking Glass」とは」で詳しく触れたのでゲームの内容について重複は避けよう...。
ただし「Alice〜Through the Looking Glass」はAppleの歴史上最初の純正ゲームとしてリリースされた製品で、現在iPodやiPhone用のApple純正ゲームが登場するまで長い間Apple唯一のゲームとして知られていた。
「Alice〜Through the Looking Glass」が貴重なのはそればかりではない。その第一印象は大変美しいパッケージだいうことだ。
当時は今のようにダウンロード販売といった形態はなかったから基本的にどのようなソフトウェアも何らかのパッケージに包まれていたが、そうした中でも「Alice〜Through the Looking Glass」は特別だった。
そして作者がかつてAppleでLisaやMacのFinder、Newton OS開発などに貢献した著名なプログラマ、スティーブ・キャップスであるという点も注目された。
この辺のいきさつについては前記の記事を是非お読みいただきたいが、どうしたタイミングか大切に保存していたはずの「Alice〜Through the Looking Glass」が3年前くらいから見つからなくなってしまったのである。
どうも引越時になにかに紛れて処分してしまったのかも知れないがこの種の紛失で悔やむアイテムがいくつかあるものの、こればかりは自身のだらしなさからきたことなので諦めるしかない(笑)。
ともかく機会があったら再び手に入れたいと考えていたが、今般未開封の「Alice〜Through the Looking Glass」を手にすることが出来たのである。
とはいえ格好をつけるわけではないが、私は未開封そのまま棚に飾る趣味はなく、ソフトウェアは"動かしてなんぼ"の物だと考えているから勿論開封して中身を確かめてみることにした...。

※古書を模したデザインはソフトウェアパッケージとして比類のない美しいものだ
というわけで今回は「Alice〜Through the Looking Glass」のパッケージそのものについて以前より詳しくご紹介したいと思う。
まずパッケージは約130×178×21mmほどの大きさで書籍を模したデザインになっている。
その布貼りと表紙に描かれた中世の木版画のようなデザインがどこか曰わく因縁のある古書のような雰囲気をかもし出している。そしてその下にはこれまた古めかしいフォントで "Through the Looking Glass" および "by Steve Capps" と書かれている。
さらに表示の左上にはアップルロゴがあり裏表紙下にはクレジット表記と共に "1984 Apple Computer 914-0183-A" とあり、1984年製であることがわかる。


※表紙の木版調デザイン拡大図(上)と裏表紙の下部にあるクレジットおよびリリース年代等表記(下)
無論 "Through the Looking Glass" はルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」の原題であり "by Steve Capps" というのは前記したようにこのゲームを作ったプログラマの名である。
さてパッケージとしては表紙が本のように開き、その赤いビロードのようなポケットにこれまた可愛らしいディスクラベルが貼られた3.5インチ・フロッピーディスケットが納まっているという憎い演出である。
表紙の裏には本ゲームの簡単な解説が書かれているが、転写を防ぐためだろう薄い紙が1枚丁寧に挟まれている。



※表紙を開けると表紙裏に簡単な解説がありパッケージ本体には3.5インチフロッピーディスクが収められている
当時何らかのパッケージ形態を備えて販売されていたソフトウェアだったがその多くは紙箱による一般的な形だったものの反面袋のようなものに入っているだけといったとてもラフで簡素なものもあった時代だったからこの「Alice〜Through the Looking Glass」のパッケージは比類のない美しさで当時手にした我々を喜ばしたのである...。
あのアンディ・ハーツフェルドによれば当初は「Alice」という名でリリースするはずだったがすでに他の製品で同名のものがあったため「Through the Looking Glass」となったらしい。また開発者のスティーブ・キャップスお気に入りのバンド、Dead Kennedys のロゴが前記した木版画調デザインの中に隠されているという。
ところで今回の未開封パッケージのシリンクの上には例のピカソデザインのMacintoshと共に "THIS SOFTWARE RUNS ON・MACINTOSH AND LISA" と記された円いシールが貼られている。

※パッケージのシリンク上に貼られていたシール。さすがに変色している
この「Alice〜Through the Looking Glass」はMacintoshと同じ1984年1月24日に発表されたがその後数ヶ月販売がされなかったしAppleが積極的な広告宣伝をしなかった経緯は以前にご紹介した。
この「MacintoshとLIsaで動作する」と明記されている "Lisa" だが、「Through the Looking Glass」は3.5インチ・フロッピーディスクで供給されており無論 Lisa 1でそのまま走るはずはなく1985年1月にLisa 2/10をMacintosh XLと変更し「MacWorks」というエミュレーションプログラムによりMacintosh用のアプリをLisa 2上で動くようにしたその事を意味するに違いない。
だとすれば今回手に入れた "THIS SOFTWARE RUNS ON・MACINTOSH AND LISA" というシール着き未開封パッケージは1985年1月以降に出荷された理窟になる。
ただし、そもそも私がこの「Alice〜Through the Looking Glass」を購入した時期もぼんやりとした記憶をたどれば1985年に入ってからのことだったようである。なぜならこれを入手したイーエスディラボラトリ社刊「APPLEマガジン」の1985年最初の刊 (3月/4月号 Number 1)にはじめて価格10,000円として登場しているからだ。

※「Alice〜Through the Looking Glass」のプライスリストが載った「APPLEマガジン」。ちなみに表紙は筆者が作成
ともかく個人的なことではあるものの、私がなぜこの「Alice〜Through the Looking Glass」のパッケージに拘るかだが、パーソナルコンピュータのアプリケーションパッケージを本当の意味で初めて意識した製品だったからだ。
コンピュータのソフトウェアも予算と手間をかければこのように美しいパッケージができるんだという事を認識させてくれた最初の製品だったわけである。
この「Alice〜Through the Looking Glass」については過去に「Apple純正ゲーム「Alice〜Through the Looking Glass」とは」で詳しく触れたのでゲームの内容について重複は避けよう...。
ただし「Alice〜Through the Looking Glass」はAppleの歴史上最初の純正ゲームとしてリリースされた製品で、現在iPodやiPhone用のApple純正ゲームが登場するまで長い間Apple唯一のゲームとして知られていた。
「Alice〜Through the Looking Glass」が貴重なのはそればかりではない。その第一印象は大変美しいパッケージだいうことだ。
当時は今のようにダウンロード販売といった形態はなかったから基本的にどのようなソフトウェアも何らかのパッケージに包まれていたが、そうした中でも「Alice〜Through the Looking Glass」は特別だった。
そして作者がかつてAppleでLisaやMacのFinder、Newton OS開発などに貢献した著名なプログラマ、スティーブ・キャップスであるという点も注目された。
この辺のいきさつについては前記の記事を是非お読みいただきたいが、どうしたタイミングか大切に保存していたはずの「Alice〜Through the Looking Glass」が3年前くらいから見つからなくなってしまったのである。
どうも引越時になにかに紛れて処分してしまったのかも知れないがこの種の紛失で悔やむアイテムがいくつかあるものの、こればかりは自身のだらしなさからきたことなので諦めるしかない(笑)。
ともかく機会があったら再び手に入れたいと考えていたが、今般未開封の「Alice〜Through the Looking Glass」を手にすることが出来たのである。
とはいえ格好をつけるわけではないが、私は未開封そのまま棚に飾る趣味はなく、ソフトウェアは"動かしてなんぼ"の物だと考えているから勿論開封して中身を確かめてみることにした...。

※古書を模したデザインはソフトウェアパッケージとして比類のない美しいものだ
というわけで今回は「Alice〜Through the Looking Glass」のパッケージそのものについて以前より詳しくご紹介したいと思う。
まずパッケージは約130×178×21mmほどの大きさで書籍を模したデザインになっている。
その布貼りと表紙に描かれた中世の木版画のようなデザインがどこか曰わく因縁のある古書のような雰囲気をかもし出している。そしてその下にはこれまた古めかしいフォントで "Through the Looking Glass" および "by Steve Capps" と書かれている。
さらに表示の左上にはアップルロゴがあり裏表紙下にはクレジット表記と共に "1984 Apple Computer 914-0183-A" とあり、1984年製であることがわかる。


※表紙の木版調デザイン拡大図(上)と裏表紙の下部にあるクレジットおよびリリース年代等表記(下)
無論 "Through the Looking Glass" はルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」の原題であり "by Steve Capps" というのは前記したようにこのゲームを作ったプログラマの名である。
さてパッケージとしては表紙が本のように開き、その赤いビロードのようなポケットにこれまた可愛らしいディスクラベルが貼られた3.5インチ・フロッピーディスケットが納まっているという憎い演出である。
表紙の裏には本ゲームの簡単な解説が書かれているが、転写を防ぐためだろう薄い紙が1枚丁寧に挟まれている。



※表紙を開けると表紙裏に簡単な解説がありパッケージ本体には3.5インチフロッピーディスクが収められている
当時何らかのパッケージ形態を備えて販売されていたソフトウェアだったがその多くは紙箱による一般的な形だったものの反面袋のようなものに入っているだけといったとてもラフで簡素なものもあった時代だったからこの「Alice〜Through the Looking Glass」のパッケージは比類のない美しさで当時手にした我々を喜ばしたのである...。
あのアンディ・ハーツフェルドによれば当初は「Alice」という名でリリースするはずだったがすでに他の製品で同名のものがあったため「Through the Looking Glass」となったらしい。また開発者のスティーブ・キャップスお気に入りのバンド、Dead Kennedys のロゴが前記した木版画調デザインの中に隠されているという。
ところで今回の未開封パッケージのシリンクの上には例のピカソデザインのMacintoshと共に "THIS SOFTWARE RUNS ON・MACINTOSH AND LISA" と記された円いシールが貼られている。

※パッケージのシリンク上に貼られていたシール。さすがに変色している
この「Alice〜Through the Looking Glass」はMacintoshと同じ1984年1月24日に発表されたがその後数ヶ月販売がされなかったしAppleが積極的な広告宣伝をしなかった経緯は以前にご紹介した。
この「MacintoshとLIsaで動作する」と明記されている "Lisa" だが、「Through the Looking Glass」は3.5インチ・フロッピーディスクで供給されており無論 Lisa 1でそのまま走るはずはなく1985年1月にLisa 2/10をMacintosh XLと変更し「MacWorks」というエミュレーションプログラムによりMacintosh用のアプリをLisa 2上で動くようにしたその事を意味するに違いない。
だとすれば今回手に入れた "THIS SOFTWARE RUNS ON・MACINTOSH AND LISA" というシール着き未開封パッケージは1985年1月以降に出荷された理窟になる。
ただし、そもそも私がこの「Alice〜Through the Looking Glass」を購入した時期もぼんやりとした記憶をたどれば1985年に入ってからのことだったようである。なぜならこれを入手したイーエスディラボラトリ社刊「APPLEマガジン」の1985年最初の刊 (3月/4月号 Number 1)にはじめて価格10,000円として登場しているからだ。

※「Alice〜Through the Looking Glass」のプライスリストが載った「APPLEマガジン」。ちなみに表紙は筆者が作成
ともかく個人的なことではあるものの、私がなぜこの「Alice〜Through the Looking Glass」のパッケージに拘るかだが、パーソナルコンピュータのアプリケーションパッケージを本当の意味で初めて意識した製品だったからだ。
コンピュータのソフトウェアも予算と手間をかければこのように美しいパッケージができるんだという事を認識させてくれた最初の製品だったわけである。
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