ラテ飼育格闘日記(621)

近郊でワンコを飼っている方が随分と増えたように思う。オトーサンたち自身がワンコを飼うためにこの地に引っ越ししてきたわけだから良い環境であることは間違いない。ワンコ好きのオトーサンにしてみれば様々なワンコに行き会え嬉しいが反面中にはマナーを守らない飼い主もいて悩ましい…。


さて、来月は11月はラテと初めて出会った記念すべき月だが早くも12年が経とうとしている。横浜のとある動物病院で開催された里親会に出向いた際にそこで生後8カ月のラテに出会った。
どこから見ても雑種で(笑)。これといって特長があったわけではないがたまたま係の方に「リードを持っていてくれませんか」と言われたのがラテだった…。

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※気温が低くなりやっと小一時間歩くようになってきた


それでもオトーサンたちは向こうで数人に囲まれているキャバリエに目移りしていたが、気がつくとすでにめぼしいワンコたちは申込み者が重なり抽選といった具合になっていた。しかしオトーサンたち夫婦の間にちょこんと座っているラテは2時間近く経っても売れ残りのようだった。
結局女房の「ワンコらしくていいんじゃあない」という決断でそのラテを貰い受けることにした。それにオトーサンの顔を舐め回してイイコぶりを遺憾なく発揮していたのも好印象だった。
2006年11月12日の日曜日のことだった。

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※夕日がオトーサンとラテの長い影を映し出す


オトーサンはワンコ好きを自負していたが飼うのは初めてだった。早速十数冊のワンコのトレーニングや習性といった類の本を買い込みにわか勉強をしたし、訓練のノウハウを収めたという高価なDVDなども手に入れた。
その結果、ワンコとはどのような生き物なのかといったことについては大いに勉強になったが、ことトレーニングに関することやワンコとのコミュニケーションの取り方といった類のことについては正直あまり役に立たなかった。というよりほとんどの本が通り一遍の解説だけで疑問は膨らむばかり。
さらに実際に散歩に出てリードを持った感想と多々印象が違うのだ。

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※可愛がってくださるファミリーのオカーサンと


ただしどうやら大切な事は飼い主としてのリーダーシップを取ることだという点については納得できたので単に甘やかすだけでなくオトーサンの指示にきちんと従うようにと日々努力することにした。
とはいえラテを警察犬とか盲導犬にするわけではなくペット、家族として一緒に生活することが目的でありいわゆる厳しい訓練といったものの必要性を感じなかったがリーダーシップをとマズルコントロールやリードを引くときの歩き方といったあれこれは勉強しながら毎日実践してきたつもりである。

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※大好きなAちゃんが現れるとこの表情だ(笑)


そうした中で一週間ほど経ったとき、ラテの性格の概要といったものが分かった気がした。
まずは幼犬だったことでもあり好奇心満々であること、その割には臆病であることだ。すれ違う人に興味を持つものの視線を合わせただけで大人には吠えるものの初対面の子供には自ら近づいてお腹を見せる。そして「寂しがり屋の独り好き」というかかまってもらいたい反面、あまりベタベタされるのは好きではないのだ。
とはいえ新米飼い主のオトーサンには結構図々しいところも見せ始めた。

例えば靴紐を直そうとしゃがみ込んだとき、オトーサンの背に両前足を乗せて廻りを見たこと。人混みの中、危ないからとリードを極端に短く持って歩いたのが気にくわなかったようでリードを伸ばすと数回オトーサンの腰を両前足でドーンと蹴りやがった(笑)。
そもそもがラテは誰にでも尻尾を振って愛想良くするワンコではない、あのコンラート・ローレンツ博士の言うところのオオカミ系のワンコに違いないと確信した。それにワンコと一括りにするが我々人間同様に性格がそれぞれ違うことにも気がついた。
本を読んだところでそのすべてがどのようなワンコにもピタリと当てはまるはずもないのだ。

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※小雨降る中の散歩。ガード下でしばし雨宿り


したがってラテはオトーサンを信頼していることは分かっているつもりだが、何ごとにも素直に言うことを聞くとは限らない。幼犬時から自己主張が強いのだ。
ということで何度も書いているが当該日記のタイトルに「格闘」の2文字をつけたのは大げさでも何でもない。日々知恵比べ、力比べ、根競べの連続なのだ。
「この分からず屋め」「根性悪し」「頑固者め」などと日々オトーサンはラテをなじったりするが、ふと考えればラテはオトーサンの鏡でもあることに気づかされる(笑)。




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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員