ラテ飼育格闘日記(655)

梅雨の季節に入ったのだから仕方がないが、雨が続くと散歩が思うように出来ず実に困る。ラテが大嫌いなレインコートを着せて出ても頭や尻尾あるいはお尻と足元はびしょ濡れだから後始末にも時間と手間がかかって大変だ。そんな時期ではあるがこの6月10日はラテ13歳の誕生日であった。


保護犬に誕生日など…と思われる方がいるだろうが、まさしく雨の日にとある家屋の軒下で雨宿りしていた子犬の誕生日など分かるはずもないが、根拠がまったくないわけではない。

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※ラテは13歳の誕生日を迎えた


2006年9月に茨城県で保護されたとき、獣医の診断で生後3か月と推定され、それから3か月経った同年12月10日に我が家に迎えることになった。その為、誕生月は6月、誕生日は10日と決めたのだ。

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※女房が立派なバースディーケーキを用意してくれた


痩せていて最初の健康診断のとき、獣医から「少し太らせるようにしましょう」と言われたが、どうやら太らせ過ぎてしまった(笑)。またその表情はキツい感じだったがそれはオトーサンたちはもとより新しい環境に警戒をしていたからに違いない。

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※我が家に来て約2ヶ月ほどのラテ。とても細かった


さて、ここのところNHKテレビ番組でもワンコと人の絆がなぜ強いのかといった事実を解明するような番組がいくつか続いたが、ワンコの飼い主ならワンコの賢さを日々見せつけられているに違いない。
言葉でワンコと語り合うことはできないが、どこか我々の言動のすべて…感情の起伏でさえ見通しているだけでなく己の置かれた立場をも理解しているように思えてならない。

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※ご近所のオカーサン方に愛嬌を振りまく


何故なら何度も同じことをご紹介しているが、2006年11月に横浜の動物病院で里親会という祭事があり飼い犬を求めてオトーサンと女房も初めて出向いたときにラテ(当時の仮の名は違っていたが)と出会った。
それまでワンコを飼ったことがないオトーサンとしては予備知識がほとんどなかったことでもあり、具体的にこうしたワンコが欲しいといった希望もなかった。

どこか「ワンコなんてどれも同じだろう」といった思いを持っていたに違いない。しかしそうした里親会といった場所に参加したのは初めてだったこともあり要領が悪かったのかオトーサンたちがいいなあと思うワンコはあっというまに里親の申込みが殺到して決まっていった。
そんな中に割り込んでは申し訳がないし別のワンコを探そうと漠然と思っていたとき、係の方から「すみませんがこの子のリードを持っていてくれませんか」と頼まれたワンコがラテだった。

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※雨の日の散歩は嫌いだからか、戻ったときに漫画のような笑顔を見せた


見るからに雑種のワンコはなかなか里親希望も出ずに取り残されていったが、オトーサンたちもワンコが決まらず取り残されていった(笑)。
その間の約2時間ほど、生後5か月だというそのワンコはメチャメチャフレンドリーだった。
頼みもしないのにオトーサンたちの顔を舐め、オトーサンのキャップで遊んで唾液まみれにしたが、お腹を触っても耳や尻尾を持っても怒る様子はなかった。またリードを引き他のワンコと走り回ろうということもなく、大人しく一度も吠えることなくオトーサンたちの脇に寄り添い続けた。

後から考えれば生後5ヶ月の幼犬には違いなかったが、この場が己の命を繋ぐために重要な “時” であることを本能で知っていたのではないかと思う。いや、こう言うと犬の擬人化だと否定する声もあるだろうが、同種の経験体験をしたという情報は他にもある。
例えばエリザベス・M・トーマス著/木村博江訳「犬たちの礼節ある社会生活」(草思社刊)に登場する問題行動で捨てられ、保護施設預かりになっていたジャーマン・シェパードに似たワンコの話しは印象的だ。

エリザベスがTV番組で出会ったとき、ケージから出されたそのワンコは嬉しくてたまらないようで笑みを浮かべ、その場に座り込むと後ろ足を開いて腹を見せた。
筆者の表現では「自分を気に入ってもらいたがっていることは、誰の目にも見て取れた。明らかに、できるだけ早く私たちに愛されようと最善をつくしていたのだ。自分にはあまり時間が残されていないのを、知っているかのように」。


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※手を合わせあうラテ・ファミリー


ワンコは番組中も大変フレンドリーだったがプロデューサーがリードを持ってスタジオから連れ出そうとするとき、ワンコは新しい飼い主に引き取られるのだと思ったらしく踊るように飛び跳ね有頂天の様子だったが、すぐにまたケージに戻されるのを察知したとき、まるで明かりが消えたように呻きはじめたという。
その様子を観察していたエリザベスは思わずそのワンコを引き取ることにしたという。そのワンコは己の運命を知り、なんとか命を繋ぎたいと最善の努力をしていたのだ。

ワンコが我々人間と同じ思考を持つとはいえないが、喜怒哀楽は勿論、己が置かれている立場というものを敏感に感じ取っていることは間違いないように思える。
とにかく大げさで無く、オトーサンに対するラテのフレンドリーさというよりサービス精神はその里親会のときが一番だった(笑)。顔を…口元を舐め、体を押しつけ、お腹を出し、ぶつかると痛いほど振る尻尾をオトーサンに向けていた。
絶対にあのときのラテはワンコのくせに猫を被っていたのだ…。

そのラテも13歳になった。ときにしゃくに障ることもあるが、ある意味でとても “人間くさい” ワンコだともいえる。
あと何年オトーサンたちと元気で暮らせるかは分からないが、一日一日を大切にしたいものだ。
「お誕生日おめでとう!ラテ!」


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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。ゆうMUG会員