MacDays in GWイベント iWeekのチョットした苦い思い出
これまで様々なイベントに関して思い出などを綴ってきたが、そういえばまだご紹介していなかったイベントがいくつかある。そのうちのひとつが大阪で開催された iWeek である。 iWeekをこれまで取り上げなかったことに特別な理由はないが、そういえば初回時には随分と不安があったことを思い出した。
iWeekというイベントは確か1999年が初回だったはずだ...。私の会社にも出展のお誘いをいただき初回から2001年までの3回大阪に足を運ぶことになった。
iWeekは大阪のユーザグループならびに魚井宏高先生(大阪電機通信大学教授)主導で企画運営されたイベントで、当時のアップルや毎日コミニケーションズのバックアップもあった本格的なイベントだった。
我々の会社は札幌や東京では様々なイベントに参加し知名度も高かったが関西圏にはいまいち弱い部分もあった。だからMacFan Expoなどには無理して参加した経緯もあるが、ブースを構えるイベントはそもそも準備が大変なだけでなく正直採算面では我々のような超マイクロ企業にとって大きな持ち出しでもあったのである。そしてひとつの問題はiWeekはゴールデンウィーク中の開催が売りだったことだ。
私はともかくスタッフには日常多くの負担をかけていることでもあり、最低でも暦通り休暇をとらせてやりたいと常々考えていたから随分と迷った。しかしMac Fan編集部の強いお勧めもあって参加を決めた経緯がある。

※会場エントランスに置かれた第2回開催 iWeek 2000の立て看板
当時、お世話になった方々からはお叱りを受けるかも知れないが、まあ10年以上も昔の話しになったので愚痴を申し上げるのをお許しいただこう...。
なぜなら初回のiWeekには参加企業としてあまり良い印象を受けなかったからだ。それは確かにお客様は予想以上に入ったし関西でなければなかなかお会いできない旧知の方々にもお会いできた。そしてなによりも我々の製品デモを楽しみに待っていて下さった方々が多かったからそれは大変嬉しかったものの現地に入るまでイベント運営そのものに対しては大きな不安と不満を抱いていたのである。
iWeekへの企業参加は安価ながらも一応有料だった。それは簡易的とは言えブースを設営していただくのだから当然だが、問題は運営のあれこれに関して知りたい情報が得られなかったのだ...。
なぜなら展示用の機材や店頭販売するためのソフトウェアパッケージなどを札幌から設営に間に合うように送らなければならない。無論これまで前記したMac Fan ExpoやMacworl Expo/Tokyoに代表する幾多のイベントに参加してきたからそのノウハウは持っていたものの失礼ながらiWeek側の窓口担当者の電話による対応に大きな不安を持ち、結局魚井先生に直接泣きついた記憶がある(笑)。
それは機材など一式を送る送り先はもとよりだが、様々なデータと共に確認しておかなければならないことがある。機材や荷物は余裕を持って会場に送りたいと考えたが、我々が会場に入るまでの間、誰の責任でどのような場所にどんな形で安全保管されるのかという問い合わせひとつにも明快な答えが返って来なかったからだ。


※iWeek 2000のブース。小さなブースに大勢のお客様が立ち寄ってくださった。ソニーのエンターテインメントロボット「AIBO」用のソフトウェアも展示し好評を博した
そのうち「我々はボランティアによる運営なので...」と逃げ口上とも思える言葉が発せられるにいたっては「おいおい、それはないでしょう...」と思った(笑)。勿論Macworld Exoo/Tokyoなどでも出展に際して主催のIDG社との間でケンケンガクガクのやりとりもあったが、それはお互いがビジネスだという前提での話し合いや交渉なので問題点がなんであってもやりやすい。しかしボランティアを盾にされ、こちらの知りたい情報が得られないのでは矛先をどちらに向けたらよいのか困ってしまう。
確かにiWeekはMac Fan ExpoやMacworld Expo/Tokyoのようにプロのイベント企業が取り仕切って運営するものではなくユーザーグループ雄志の方々が文字通りボランティアで企画から運営にいたるまでご苦労されるイベントであることは十分承知しているし、裏方で尽力されている多くのスタッフの方々には本当に頭が下がる。しかし我々ならずとも企業の参加は例え心はボランティアだとしてもその実は決して遊びではないし物見遊山ではないのである。だからたまたま担当者が不案内な人だったのかも知れないし、そもそもがプロでないのだから全てを完璧にこなすのは難しいだろう。ただしそうであれば申し訳ないが出店側の不安を取り除くために「後ほど調べてお知らせします」で済むではないか...。それがボランティアでやっているのでセキュリティなどにも限度があり確約できない...というような物言いをされると何のためのイベントなのかと思ってしまう。
これでは本当の意味で企画から運営まで地道な努力をされてきた仲間の苦労が活かせないではないか...。

※iWeek 2000にて魚井先生と
それに私事ながら我々は少なからず予算をかけ、人材を確保し、展示のための準備はもとよりお客様に楽しんでいただけるように企画を整えなければならないのだ。ましてやそれらを実現するために不可欠の機材にもしものことがあったら...万事休すだし第一楽しみにして下さっているお客様に申し訳ない。それにこちらの都合とはいえ例えばソニーのエンターテインメントロボットのAIBOなども荷物の中に入っていたわけで、万一行方不明にでもなったら代替え品が無いアイテムだからしてよけい心配になったのである。
特に勝手がわからない大阪でのイベント、それも初回のイベントの準備に神経質になっていた私は電話口の担当者の物言いがあまりにアバウトに思えて眉を顰めたのだった。したがって余裕もなかったのか1999年5月1日から4日まで開催されたiWeekの写真はほとんど残っていない(笑)。
しかし実際に現地に行ってみると我々の送った荷物は広い場所に整然と管理されており、あの物言いは何だったのだろうかと考えてしまった。
翌年2000年と2001年のiWeekは勝手もわかったしiWeek側のスタッフの皆さんも対応は適切だったので安心して出展参加することができた。
2回目のiWeekは5月4日から6日の間、大阪OAPプラザで開催されたが心の余裕もあったし私自身ブースとは別にステージで自社製品のデモだけでなくトークショーみたいなことにも参加させていただき自身も楽しむことが出来た。
会場スペースには我々参加企業の他にアップルのブースや立野康一さんのMacintoshコレクションなどの展示もあり来場者は1回目より大幅に増えていたように思う。
まあ、こうしたことを記すと「なんて小うるさい奴だ」と嫌われること必定だと思うが、当時の私は催事ひとつに対してもそれほど真剣に取り組んでいたのである。

※iWeek 2000でステージで自社製品の音声認識機能についてスピーチする筆者
とかく世の中、自分たちのお仲間クラブの活動をボランティアと称している方々も見受けられるが私はそうした意味においてのボランティアという言葉は大嫌いである(笑)。真のボランティア活動にはそれなりの責任と覚悟が必要であり生半可のことでは逆に関係者に迷惑をかけることになるだろう。酷な言い方になるがそもそもボランティアとは誰のためなのか、何のためなのかを忘れてはならない。
そういえば1989年の創業以来、私自身全国を講演やイベントのために飛び回ったがそうしたエバンジェリストの活動は仕事というより実損や心の痛みを伴うまさしくボランティア活動であった。しかし自分的にはボランティアだから云々...ということを言い訳や逃げの盾にした覚えは1度もない。
だから無論のことボランティア活動を否定するものではないが、私にとってiWeekというイベントは多くの人たちが関わる活動におけるボランティアのあり方についてあらためて考えさせられたイベントでもあったのである。
iWeekというイベントは確か1999年が初回だったはずだ...。私の会社にも出展のお誘いをいただき初回から2001年までの3回大阪に足を運ぶことになった。
iWeekは大阪のユーザグループならびに魚井宏高先生(大阪電機通信大学教授)主導で企画運営されたイベントで、当時のアップルや毎日コミニケーションズのバックアップもあった本格的なイベントだった。
我々の会社は札幌や東京では様々なイベントに参加し知名度も高かったが関西圏にはいまいち弱い部分もあった。だからMacFan Expoなどには無理して参加した経緯もあるが、ブースを構えるイベントはそもそも準備が大変なだけでなく正直採算面では我々のような超マイクロ企業にとって大きな持ち出しでもあったのである。そしてひとつの問題はiWeekはゴールデンウィーク中の開催が売りだったことだ。
私はともかくスタッフには日常多くの負担をかけていることでもあり、最低でも暦通り休暇をとらせてやりたいと常々考えていたから随分と迷った。しかしMac Fan編集部の強いお勧めもあって参加を決めた経緯がある。

※会場エントランスに置かれた第2回開催 iWeek 2000の立て看板
当時、お世話になった方々からはお叱りを受けるかも知れないが、まあ10年以上も昔の話しになったので愚痴を申し上げるのをお許しいただこう...。
なぜなら初回のiWeekには参加企業としてあまり良い印象を受けなかったからだ。それは確かにお客様は予想以上に入ったし関西でなければなかなかお会いできない旧知の方々にもお会いできた。そしてなによりも我々の製品デモを楽しみに待っていて下さった方々が多かったからそれは大変嬉しかったものの現地に入るまでイベント運営そのものに対しては大きな不安と不満を抱いていたのである。
iWeekへの企業参加は安価ながらも一応有料だった。それは簡易的とは言えブースを設営していただくのだから当然だが、問題は運営のあれこれに関して知りたい情報が得られなかったのだ...。
なぜなら展示用の機材や店頭販売するためのソフトウェアパッケージなどを札幌から設営に間に合うように送らなければならない。無論これまで前記したMac Fan ExpoやMacworl Expo/Tokyoに代表する幾多のイベントに参加してきたからそのノウハウは持っていたものの失礼ながらiWeek側の窓口担当者の電話による対応に大きな不安を持ち、結局魚井先生に直接泣きついた記憶がある(笑)。
それは機材など一式を送る送り先はもとよりだが、様々なデータと共に確認しておかなければならないことがある。機材や荷物は余裕を持って会場に送りたいと考えたが、我々が会場に入るまでの間、誰の責任でどのような場所にどんな形で安全保管されるのかという問い合わせひとつにも明快な答えが返って来なかったからだ。


※iWeek 2000のブース。小さなブースに大勢のお客様が立ち寄ってくださった。ソニーのエンターテインメントロボット「AIBO」用のソフトウェアも展示し好評を博した
そのうち「我々はボランティアによる運営なので...」と逃げ口上とも思える言葉が発せられるにいたっては「おいおい、それはないでしょう...」と思った(笑)。勿論Macworld Exoo/Tokyoなどでも出展に際して主催のIDG社との間でケンケンガクガクのやりとりもあったが、それはお互いがビジネスだという前提での話し合いや交渉なので問題点がなんであってもやりやすい。しかしボランティアを盾にされ、こちらの知りたい情報が得られないのでは矛先をどちらに向けたらよいのか困ってしまう。
確かにiWeekはMac Fan ExpoやMacworld Expo/Tokyoのようにプロのイベント企業が取り仕切って運営するものではなくユーザーグループ雄志の方々が文字通りボランティアで企画から運営にいたるまでご苦労されるイベントであることは十分承知しているし、裏方で尽力されている多くのスタッフの方々には本当に頭が下がる。しかし我々ならずとも企業の参加は例え心はボランティアだとしてもその実は決して遊びではないし物見遊山ではないのである。だからたまたま担当者が不案内な人だったのかも知れないし、そもそもがプロでないのだから全てを完璧にこなすのは難しいだろう。ただしそうであれば申し訳ないが出店側の不安を取り除くために「後ほど調べてお知らせします」で済むではないか...。それがボランティアでやっているのでセキュリティなどにも限度があり確約できない...というような物言いをされると何のためのイベントなのかと思ってしまう。
これでは本当の意味で企画から運営まで地道な努力をされてきた仲間の苦労が活かせないではないか...。

※iWeek 2000にて魚井先生と
それに私事ながら我々は少なからず予算をかけ、人材を確保し、展示のための準備はもとよりお客様に楽しんでいただけるように企画を整えなければならないのだ。ましてやそれらを実現するために不可欠の機材にもしものことがあったら...万事休すだし第一楽しみにして下さっているお客様に申し訳ない。それにこちらの都合とはいえ例えばソニーのエンターテインメントロボットのAIBOなども荷物の中に入っていたわけで、万一行方不明にでもなったら代替え品が無いアイテムだからしてよけい心配になったのである。
特に勝手がわからない大阪でのイベント、それも初回のイベントの準備に神経質になっていた私は電話口の担当者の物言いがあまりにアバウトに思えて眉を顰めたのだった。したがって余裕もなかったのか1999年5月1日から4日まで開催されたiWeekの写真はほとんど残っていない(笑)。
しかし実際に現地に行ってみると我々の送った荷物は広い場所に整然と管理されており、あの物言いは何だったのだろうかと考えてしまった。
翌年2000年と2001年のiWeekは勝手もわかったしiWeek側のスタッフの皆さんも対応は適切だったので安心して出展参加することができた。
2回目のiWeekは5月4日から6日の間、大阪OAPプラザで開催されたが心の余裕もあったし私自身ブースとは別にステージで自社製品のデモだけでなくトークショーみたいなことにも参加させていただき自身も楽しむことが出来た。
会場スペースには我々参加企業の他にアップルのブースや立野康一さんのMacintoshコレクションなどの展示もあり来場者は1回目より大幅に増えていたように思う。
まあ、こうしたことを記すと「なんて小うるさい奴だ」と嫌われること必定だと思うが、当時の私は催事ひとつに対してもそれほど真剣に取り組んでいたのである。

※iWeek 2000でステージで自社製品の音声認識機能についてスピーチする筆者
とかく世の中、自分たちのお仲間クラブの活動をボランティアと称している方々も見受けられるが私はそうした意味においてのボランティアという言葉は大嫌いである(笑)。真のボランティア活動にはそれなりの責任と覚悟が必要であり生半可のことでは逆に関係者に迷惑をかけることになるだろう。酷な言い方になるがそもそもボランティアとは誰のためなのか、何のためなのかを忘れてはならない。
そういえば1989年の創業以来、私自身全国を講演やイベントのために飛び回ったがそうしたエバンジェリストの活動は仕事というより実損や心の痛みを伴うまさしくボランティア活動であった。しかし自分的にはボランティアだから云々...ということを言い訳や逃げの盾にした覚えは1度もない。
だから無論のことボランティア活動を否定するものではないが、私にとってiWeekというイベントは多くの人たちが関わる活動におけるボランティアのあり方についてあらためて考えさせられたイベントでもあったのである。
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