ScandyProによる3D Scanning Tips
iPhone XRとScandyProによる3Dスキャンに苦心しているが、ほとんどのユーザーがなかなか思い通りにいかないと嘆いているようにも思える。
またScandyProに関する日本語の情報が現在のところ極端に少ないことも分かりづらい要因になっているかと思うが、ScandyPro開発元のブログに「3D Scanning Tips」という解説が載っていたので確認して見た。
記述内容はScandyProを上手に使うための初歩中の初歩ということになるが、こうした点に注意をするかしないかでは結果が大きく変わると考える。
ということでScandyProで上手にスキャンするためのチップス部分を私なりに "意訳" してみたのでご紹介しておきたい。
なお原文/全文(英語)は ここ に載っている。

※ScandyProによるスキャン実例。工夫すればなかなかに綺麗なスキャンができる
■ScandyProによる3Dスキャニング Tips
3Dスキャンは、2D写真撮影より厳しい。それは、忍耐と多くの試行錯誤を必要とする。ただし一旦旨く行けば素晴らしい結果が得られ、iPhoneだけで優れた3Dコンテンツを作成でき、3Dプリンターへの活用や3Dデザインプロジェクトをすぐに開始できる。ともかく諦めずイライラしないで挑戦し続けるべき。そして旨く行った結果だけを保存しておこう。
1)iPhoneはゆっくりと動かすことが肝心。ここでは、速度は味方ではない。あまりに速くiPhoneを動かすとセンサーがトラッキングを見失う原因になる。また例えばスキャンしている方向が違う場合(垂直から水平など)は、注意をしないとトラッキングを失い、スキャンを回復できない可能性がある。 万一そんなことが起こったら諦めてやり直すしかない。
2)人物をスキャンするときは、なるべく動かないように依頼することが肝心。特に360度のスキャンには数分かかる場合がある。被験者に目の前の一点に集中してもらい、頭を動かさず静かに保つようお願いしよう。
3)解像度を最小にするとスキャンの品質が向上する。 スライダーを使用して調整するが、デフォルトは最小サイズに設定されるが必要に応じて調整してみよう。
4)特徴の無いモノクロの被写体は、カメラが追跡するのが難しい。そして顔をスキャンする場合、肩をフレーム内に保持すると頭の後ろをスキャンするときトラッキングを維持するのに役立つ(通常頭の後ろは顔よりも視覚的特徴が少ないのでトラッキングを失いやすい)。
5)一部の素材はうまくスキャンできない。 一般的に反射率の高い素材や透明な素材は、現在使用している技術では良い結果にはなり得ない。 例えばそれらの表面にフットパウダーの薄いコーティングをスプレーすると問題の解決に役立つ場合がある。
6)トラッキングを失うことなく完全な 360度スキャンをキャプチャするのが難しい場合、2つの小さなスキャンデータを作成し、別途Netfabb や MeshMixer などのソフトウェアプログラムを使用して手動で合成するとよい。
7)照明は重要。2D写真で使われるハイライトとシャドウを強調するドラマチックな照明は、 3Dスキャンでは適切に機能しない場合がある。通常、最高の3Dスキャン結果を得るには拡散光源から均等に照明された被写体がベスト。多々実験し自分の環境で最適なものを探すことが大切。
※ちなみに筆者はリング照明を使っている。
■Macテクノロジー研究所的アドバイス
できるだけ解像度が高く正確なスキャンができるかは前記したチップスを参考にしご自分で工夫するしか無い。そうした工夫の中でやりやすさと正確さを求める何らかのツールを考えてみるのも解決策のひとつではないだろうか…。
詳しくは別項「iPhone XRとScandyProによる3Dスキャン覚書」をご参照いただきたいが、iPhoneのインカメラをスキャニングに使うため、インカメラを対象物へ向ければ液晶が見えなくなり、そのままでは正確なスキャンは無理。
Macテクノロジー研究所的アドバイスとしてはもし3Dプリンターをお持ちなら鏡を使った「ミラーアダプタ」を作ることをお勧めしたい。要はインカメラの全面に鏡を45度の角度に設置しiPhoneの先端をスキャン対象物に向けると鏡に映ったオブジェクトはその下にあるインカメラで捉えられる理屈。したがって液晶画面を見ながらの操作が可能だ。
勿論、鏡はできるだけ精度の高いものが好ましいが手軽に扱えるのが一番の利点だからと筆者はステンレス製のものを使っている。

※自作の「ミラーアダプタ」を装着したiPhone XR
筆者が試した範囲で一番の方法はScandyProに備わっている2台目のデバイスで映像をモニターする方法だ。ただし例えばスキャンするiPhoneとモニター用のiPhoneの距離や位置関係が離れているとモニターを確認しながらスキャンを実行するのは困難だ。

※筆者のスキャニングはそのほとんどがこの自作グリップによる
ということでMacテクノロジー研究所では2台のiPhoneを同時に使うグリップを自作してみたが非常に使いやすくスキャン精度も向上している。
以上
またScandyProに関する日本語の情報が現在のところ極端に少ないことも分かりづらい要因になっているかと思うが、ScandyPro開発元のブログに「3D Scanning Tips」という解説が載っていたので確認して見た。
記述内容はScandyProを上手に使うための初歩中の初歩ということになるが、こうした点に注意をするかしないかでは結果が大きく変わると考える。
ということでScandyProで上手にスキャンするためのチップス部分を私なりに "意訳" してみたのでご紹介しておきたい。
なお原文/全文(英語)は ここ に載っている。

※ScandyProによるスキャン実例。工夫すればなかなかに綺麗なスキャンができる
■ScandyProによる3Dスキャニング Tips
3Dスキャンは、2D写真撮影より厳しい。それは、忍耐と多くの試行錯誤を必要とする。ただし一旦旨く行けば素晴らしい結果が得られ、iPhoneだけで優れた3Dコンテンツを作成でき、3Dプリンターへの活用や3Dデザインプロジェクトをすぐに開始できる。ともかく諦めずイライラしないで挑戦し続けるべき。そして旨く行った結果だけを保存しておこう。
1)iPhoneはゆっくりと動かすことが肝心。ここでは、速度は味方ではない。あまりに速くiPhoneを動かすとセンサーがトラッキングを見失う原因になる。また例えばスキャンしている方向が違う場合(垂直から水平など)は、注意をしないとトラッキングを失い、スキャンを回復できない可能性がある。 万一そんなことが起こったら諦めてやり直すしかない。
2)人物をスキャンするときは、なるべく動かないように依頼することが肝心。特に360度のスキャンには数分かかる場合がある。被験者に目の前の一点に集中してもらい、頭を動かさず静かに保つようお願いしよう。
3)解像度を最小にするとスキャンの品質が向上する。 スライダーを使用して調整するが、デフォルトは最小サイズに設定されるが必要に応じて調整してみよう。
4)特徴の無いモノクロの被写体は、カメラが追跡するのが難しい。そして顔をスキャンする場合、肩をフレーム内に保持すると頭の後ろをスキャンするときトラッキングを維持するのに役立つ(通常頭の後ろは顔よりも視覚的特徴が少ないのでトラッキングを失いやすい)。
5)一部の素材はうまくスキャンできない。 一般的に反射率の高い素材や透明な素材は、現在使用している技術では良い結果にはなり得ない。 例えばそれらの表面にフットパウダーの薄いコーティングをスプレーすると問題の解決に役立つ場合がある。
6)トラッキングを失うことなく完全な 360度スキャンをキャプチャするのが難しい場合、2つの小さなスキャンデータを作成し、別途Netfabb や MeshMixer などのソフトウェアプログラムを使用して手動で合成するとよい。
7)照明は重要。2D写真で使われるハイライトとシャドウを強調するドラマチックな照明は、 3Dスキャンでは適切に機能しない場合がある。通常、最高の3Dスキャン結果を得るには拡散光源から均等に照明された被写体がベスト。多々実験し自分の環境で最適なものを探すことが大切。
※ちなみに筆者はリング照明を使っている。
■Macテクノロジー研究所的アドバイス
できるだけ解像度が高く正確なスキャンができるかは前記したチップスを参考にしご自分で工夫するしか無い。そうした工夫の中でやりやすさと正確さを求める何らかのツールを考えてみるのも解決策のひとつではないだろうか…。
詳しくは別項「iPhone XRとScandyProによる3Dスキャン覚書」をご参照いただきたいが、iPhoneのインカメラをスキャニングに使うため、インカメラを対象物へ向ければ液晶が見えなくなり、そのままでは正確なスキャンは無理。
Macテクノロジー研究所的アドバイスとしてはもし3Dプリンターをお持ちなら鏡を使った「ミラーアダプタ」を作ることをお勧めしたい。要はインカメラの全面に鏡を45度の角度に設置しiPhoneの先端をスキャン対象物に向けると鏡に映ったオブジェクトはその下にあるインカメラで捉えられる理屈。したがって液晶画面を見ながらの操作が可能だ。
勿論、鏡はできるだけ精度の高いものが好ましいが手軽に扱えるのが一番の利点だからと筆者はステンレス製のものを使っている。

※自作の「ミラーアダプタ」を装着したiPhone XR
筆者が試した範囲で一番の方法はScandyProに備わっている2台目のデバイスで映像をモニターする方法だ。ただし例えばスキャンするiPhoneとモニター用のiPhoneの距離や位置関係が離れているとモニターを確認しながらスキャンを実行するのは困難だ。

※筆者のスキャニングはそのほとんどがこの自作グリップによる
ということでMacテクノロジー研究所では2台のiPhoneを同時に使うグリップを自作してみたが非常に使いやすくスキャン精度も向上している。
以上
- 関連記事
-
- 新年明けましておめでとうございます (2020/01/01)
- 2019年度、Macテクノロジー研究所的ベストプロダクト10 (2019/12/30)
- カラー3Dプリンター、ダヴィンチColor miniで「造型サンプル出力サービス」を体験 (2019/12/11)
- ScandyPro用新型スタビライザーを試作 (2019/11/18)
- iPhone XRとScandyProによる3Dスキャンの照明についての考察 (2019/11/04)
- ScandyProによる3D Scanning Tips (2019/10/14)
- Appleのチーフ・デザイン・オフィサー、ジョナサン・アイブ氏退社についての個人的な考察 (2019/07/01)
- 手持ちの透明レンズなサングラスは本当に紫外線カットできているのか? (2019/06/03)
- 出版物のご案内〜Macテクノロジー研究所もお手伝いした「くらしを変えた日本の技術」発刊 (2019/03/04)
- NeXT Computer発表記念の盾「Our Time has Come /我らの時きたり」幻想 (2019/02/18)
- J&T 3Dプリンター(JT-28-004-II)の改良策紹介〜特に振動対策は絶大なる効果 (2019/02/04)