ダヴィンチColor miniによるレーザー刻印の秘密
XYZプリンティング社、カラー3Dプリンター「ダヴィンチColor mini」用のレーザーモジュールを使い始めているが、色々と難しいことが目立つ。ダンボールは明瞭に刻印できるが薄い合板の木材では上手く行かない。いくらレーザー出力が専用機より弱いといってもスペックには木材も可能とあるわけで数種の合板を手に入れ、あれやこれやとテストを重ねてきたがやっと…刻印不調の原因が解明された!

※ダヴィンチColor miniによるレーザー刻印は魅力だが…
確かにレーザー刻印は材料を選ばなければならない。特に「ダヴィンチColor mini」用のレーザーモジュールは例えば紙類でも白っぽいものはダメだ。したがってこれまで良い結果を得たのはダンボールとコルク材程度だった。
ところで、このレーザーモジュールによる刻印は「XYZengraver」というアプリケーションを使う。その基本操作はシンプルで簡単だから間違えようはない。
しいて言うなら刻印の方法はベクター方式とラスターモードに2種あるが、一般的に図柄を対象とするならラスターモードであるべきだ。そしてこのラスターモードでのパラメーターは「刻印スピード」と「色の濃淡測定の感度」の二つしか無い。
例えばその「XYZengraver」ウィンドウ内に刻印するJPGイメージを読み込み、サイズを調整するわけだが、最大で縦横13cmが限度となる。

※「XYZengraver」アプリに刻印するJPGファイルを配置
テストとして縦横10cmの合板製コースターに合うよう「XYZengraver」ウィンドウ内のイメージサイズを縮小し、「ダヴィンチColor mini」本体のプリントベッド上にコースターを置く。
無論刻印位置と合わせなければプリントベッドにレーザー光が当たってしまう…。
そしてラスターモードにして刻印開始となるが、ちなみに使用したJPGのデータは白黒二値で縦横1300 pixel (144dpi)ほどのデータだ。
このサイズだと刻印にもかなり時間が掛かる。専用機としてのレーザー刻印機を使った経験が無いので比較のしようもないが2時間近くかかるのだからなかなか手軽にテストが進まない…。
ともかく問題は時間よりその刻印の結果だが、これは非常に良くない。

※縦横10cmの木製の板へは無残な失敗。しかし縦横5cmの板へは綺麗に刻印された。何故!?
何度やっても結果は同じだったが、最初に考えたことは「材質がレーザー刻印に合っていないのではないか」ということだった。レーザー出力が弱いためにこうした結果になるのなら、コースターの位置を変えずに二度刻印を実施してみたらどうかもやってみたが変わらない…。
同じ環境下でダンボールになら綺麗に刻印できる事を確認した私はやはり木材の材質が堅いなどの理由でレーザー刻印に適していないのかも知れないと思った。
数日刻印を休んだ後、気を取り直し今度は何気なく四分の一のサイズの木片(5cm四方)に同じ事をやってみた。しかし今度は綺麗に刻印されているではないか…。
10cm角と5cm角の材質がちがうのだろうか?
しかし目視した限り違いは見受けられない。
ここでやっと閃いた!
「もしかしたら、画像データの解像度が小さいからではないか」と。
なぜ1300 pixel (144dpi)のデータを使ったかといえば特に意味は無く、一般的なインクジェットプリンターで紙に印刷することを考えれば、この程度の解像度でも10cm四方程度への出力なら問題なく綺麗に印刷出来ると経験上考えていたからだと思う。
それではと同じイメージで3900 pixelほどにしたJPGデータを使い、同じ事をやってみた…。
あらまあ、今度はバッチリ刻印されている。

※縦横10cmのコースターがやっと完成。パターンは「アグリッパの魔法サークル」
「XYZengraver」と刻印モジュールがイメージをどのように処理しているかは分からないものの、この結果を見る限り、かなり解像度の高い…サイズの大きなイメージを必要とするようだ。
ことほど然様に新しいツールとの対面は多くの試行錯誤と時間を必要とするわけだが、同じ事でお悩みの方もいらっしゃるかな…と記事にしてみた次第。

※ダヴィンチColor miniによるレーザー刻印は魅力だが…
確かにレーザー刻印は材料を選ばなければならない。特に「ダヴィンチColor mini」用のレーザーモジュールは例えば紙類でも白っぽいものはダメだ。したがってこれまで良い結果を得たのはダンボールとコルク材程度だった。
ところで、このレーザーモジュールによる刻印は「XYZengraver」というアプリケーションを使う。その基本操作はシンプルで簡単だから間違えようはない。
しいて言うなら刻印の方法はベクター方式とラスターモードに2種あるが、一般的に図柄を対象とするならラスターモードであるべきだ。そしてこのラスターモードでのパラメーターは「刻印スピード」と「色の濃淡測定の感度」の二つしか無い。
例えばその「XYZengraver」ウィンドウ内に刻印するJPGイメージを読み込み、サイズを調整するわけだが、最大で縦横13cmが限度となる。

※「XYZengraver」アプリに刻印するJPGファイルを配置
テストとして縦横10cmの合板製コースターに合うよう「XYZengraver」ウィンドウ内のイメージサイズを縮小し、「ダヴィンチColor mini」本体のプリントベッド上にコースターを置く。
無論刻印位置と合わせなければプリントベッドにレーザー光が当たってしまう…。
そしてラスターモードにして刻印開始となるが、ちなみに使用したJPGのデータは白黒二値で縦横1300 pixel (144dpi)ほどのデータだ。
このサイズだと刻印にもかなり時間が掛かる。専用機としてのレーザー刻印機を使った経験が無いので比較のしようもないが2時間近くかかるのだからなかなか手軽にテストが進まない…。
ともかく問題は時間よりその刻印の結果だが、これは非常に良くない。

※縦横10cmの木製の板へは無残な失敗。しかし縦横5cmの板へは綺麗に刻印された。何故!?
何度やっても結果は同じだったが、最初に考えたことは「材質がレーザー刻印に合っていないのではないか」ということだった。レーザー出力が弱いためにこうした結果になるのなら、コースターの位置を変えずに二度刻印を実施してみたらどうかもやってみたが変わらない…。
同じ環境下でダンボールになら綺麗に刻印できる事を確認した私はやはり木材の材質が堅いなどの理由でレーザー刻印に適していないのかも知れないと思った。
数日刻印を休んだ後、気を取り直し今度は何気なく四分の一のサイズの木片(5cm四方)に同じ事をやってみた。しかし今度は綺麗に刻印されているではないか…。
10cm角と5cm角の材質がちがうのだろうか?
しかし目視した限り違いは見受けられない。
ここでやっと閃いた!
「もしかしたら、画像データの解像度が小さいからではないか」と。
なぜ1300 pixel (144dpi)のデータを使ったかといえば特に意味は無く、一般的なインクジェットプリンターで紙に印刷することを考えれば、この程度の解像度でも10cm四方程度への出力なら問題なく綺麗に印刷出来ると経験上考えていたからだと思う。
それではと同じイメージで3900 pixelほどにしたJPGデータを使い、同じ事をやってみた…。
あらまあ、今度はバッチリ刻印されている。

※縦横10cmのコースターがやっと完成。パターンは「アグリッパの魔法サークル」
「XYZengraver」と刻印モジュールがイメージをどのように処理しているかは分からないものの、この結果を見る限り、かなり解像度の高い…サイズの大きなイメージを必要とするようだ。
ことほど然様に新しいツールとの対面は多くの試行錯誤と時間を必要とするわけだが、同じ事でお悩みの方もいらっしゃるかな…と記事にしてみた次第。
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