最新高機能版3Dプリンター JT-28-018 2020(JT-28-004-III)レポート
我が仕事部屋に3台目の3Dプリンターがやって来た。今度もFDM式のプリンターだが、まあ代わり映えしない選択かも知れないものの自分としてはいろいろと理由があってのことだ。ということで私が手にした3Dプリンターは通算6台目となる。
今回手に入れたものはこれまで愛用してきたJ&T Technology社のJT-28-004-II の新機能搭載最新版、JT-28-018 2020(JT-28-004-III)である。

※新機種(JT-28-004-III)手前と旧機種の揃い踏み
最初にJT-28-004-I を手にしたのは2018年8月だから約2年の間に2度アップデートした製品を購入したことになる。
友人は「どうせ新製品を買うならまったく別の製品にしたらどうか。同じ型番のものでは面白味がないだろうに…」と言うが、ある意味これまでの経験上FDM式の3Dプリンターに関してはその仕組みや動作原理などを自分なりに習得できたと思っている。
それらの中にはデュアルヘッドの製品もあったし、フルカラー3Dプリンターも現在手元で動いている。したがって個人的な興味は3Dプリンター自体への興味より、いかにトラブルなく思った造型が綺麗に出来るかにある。
それにある意味、3Dプリンターの醍醐味を味わうにもこのJT-28-004 は最適な気がするのだ。なぜなら組立は基本容易だが、いわゆる完成品ではないこと。ボックス型ではなくオープン、すなわちフレーム型のために機構が把握しやすいこと。そしてメンテナンスも比較的容易なシンプルな作りであること。最後にメーカーのサポートも良いことなどが挙げられよう…。
さて、ここでは前バージョンのJT-28-004-II と比べてどこがアップデートされたのかをご紹介してみたいがその前にこのJT-28-004の特長をおさらいしてみると…
・最大造形サイズが310×310×410mmと大きな造型が可能なこと
・フィラメント切れ検出印刷継続機能
・一時停止印刷継続機能
・最高260℃まで可能なノズル
・最高100℃まで可能にホットベッド
・エクストルーダーはフィラメント供給がダイレクトタイプ
・ヘッドユニットにLED照明付き
・キャリブレーション補助機能
・STL, OBJ, G-Code, JPGなど多種なファイルに対応
・スライサーはCuraやSimplify3Dなどが使える
・制御基盤は工業級で200時間以上連続印刷することも可能
・消音設計
とまあ、こんなところだが、それではJT-28-004-III はどの点が改良されているのか…。前記したJT-28-004の特長はそのままに新たに装備された点を見ていきたい。
① まず特筆すべき機能として停電回復機能が搭載されたことだ。最新の3Dプリンター製品にはすでに珍しくはないがJT-28-004ユーザーとしては待望の機能だった。
② エクストルーダーが全面的に改良されW放熱ファンとなり押出ユニットも一新
押出ユニットの内部圧力を減らし、均一に早く冷却ができ、ノズル詰まりが少なくなり造型精度もアップされたという。

③ 一層目の定着力をアップし完成したモデルの取り外しを容易にしたBDGホットベッド採用
JT-28-004-II では強化ガラスのホットベッドだったし特に支障はなかったが、違いを確認するのが楽しみである。

④ 消音効果を一層改良
⑤ 操作システムのアップグレード。
コントローラーボックスの外観とオペレーションの刷新

そもそもT-28-004はフィラメントがPLA、ABS、HIPS、PC、Wood、PLA-CF炭素繊維、PLUS炭素繊維、PETG、Flexible PLA、T-PLA、HCPLAなど広範囲のものが使えるが今回のエクストルーダーの改良でTPUやNylonも安定した利用ができるとのことだ。
主な変更点はこんなところだが、実際に両機を比べてみるとまだまだ違いがある。
・フレームの上に取り付けるフィラメントホルダーのデザインが新しい
・フィラメント検出器が新しくなった

・コントロールボックスからX軸フレームに沿ってエクストルーダーに至るケーブルのトラックチェーンを廃した。これは私も実際にトラックチェーン内のケーブルに断線を起こすトラブルに出くわしたので頻繁に急角度で折れ曲がるトラックチェーン採用を止めたに違いない。

・コントロールボックスのデザイン、サイズが変更。またほとんど熱を持たなくなった
・ホットベッドが前後する際、ブレや振動・ノイズがほとんどなくなった
・ホットベッド裏のレベリング調節リングネジが回しやすいよう大きくなった
などなどだが、組立は以前のバージョンより正直難しくなっている。というか、配線などの説明は日本語マニュアルには載っていないので附属SDカードに収録されているPDF(英語)を参照する必要がある。また図版(写真)が豊富に使われてはいるが小さいのとトリミングがぎりぎりで、どの方向から撮ったものなのかが分かりづらい…。
ということでともかく間違いの無いよう慎重に組み立てテストのプリントをやってみたが、驚いたのはプリンターの動作音がほとんどしないことだ。もともとJT-28-004-II は消音タイプの製品だったがこの最新版はWファンの音しか目立たない。そしてホットベッドの急速動作時にもガタつきがほとんど無くなっている。

※冷却ファンの音しかせず、振動音もなくとても静かだ
夜間でも続けて造型がしたいと常々考えてきた一人だが、これならマンションでもOKに違いない。そして新しい3DプリンターJT-28-018 2020(JT-28-004-III)の威力をあらためて見せつけられてもいる。積層痕もほとんど目立たず調整が整ったプリンターはこれほど綺麗な造型ができるのだと…。
正直最新版に買い直しでどれほどのメリットがあるかを危惧していたが、静かでより安定・安全に物作りができるのは無性に嬉しい。
完成品であれば手間はいらないし確実だという点は否定しないが、それでも本製品は3Dプリンターという代物をより良くしるためにも有益な製品だといえる。そしてこのJT-28-018 2020(JT-28-004-III)はメジャーな製品ではないし初めての3Dプリンターとしてはお勧めしないが、2台目3台目としてはお勧めできる製品だと考えている。
今回手に入れたものはこれまで愛用してきたJ&T Technology社のJT-28-004-II の新機能搭載最新版、JT-28-018 2020(JT-28-004-III)である。

※新機種(JT-28-004-III)手前と旧機種の揃い踏み
最初にJT-28-004-I を手にしたのは2018年8月だから約2年の間に2度アップデートした製品を購入したことになる。
友人は「どうせ新製品を買うならまったく別の製品にしたらどうか。同じ型番のものでは面白味がないだろうに…」と言うが、ある意味これまでの経験上FDM式の3Dプリンターに関してはその仕組みや動作原理などを自分なりに習得できたと思っている。
それらの中にはデュアルヘッドの製品もあったし、フルカラー3Dプリンターも現在手元で動いている。したがって個人的な興味は3Dプリンター自体への興味より、いかにトラブルなく思った造型が綺麗に出来るかにある。
それにある意味、3Dプリンターの醍醐味を味わうにもこのJT-28-004 は最適な気がするのだ。なぜなら組立は基本容易だが、いわゆる完成品ではないこと。ボックス型ではなくオープン、すなわちフレーム型のために機構が把握しやすいこと。そしてメンテナンスも比較的容易なシンプルな作りであること。最後にメーカーのサポートも良いことなどが挙げられよう…。
さて、ここでは前バージョンのJT-28-004-II と比べてどこがアップデートされたのかをご紹介してみたいがその前にこのJT-28-004の特長をおさらいしてみると…
・最大造形サイズが310×310×410mmと大きな造型が可能なこと
・フィラメント切れ検出印刷継続機能
・一時停止印刷継続機能
・最高260℃まで可能なノズル
・最高100℃まで可能にホットベッド
・エクストルーダーはフィラメント供給がダイレクトタイプ
・ヘッドユニットにLED照明付き
・キャリブレーション補助機能
・STL, OBJ, G-Code, JPGなど多種なファイルに対応
・スライサーはCuraやSimplify3Dなどが使える
・制御基盤は工業級で200時間以上連続印刷することも可能
・消音設計
とまあ、こんなところだが、それではJT-28-004-III はどの点が改良されているのか…。前記したJT-28-004の特長はそのままに新たに装備された点を見ていきたい。
① まず特筆すべき機能として停電回復機能が搭載されたことだ。最新の3Dプリンター製品にはすでに珍しくはないがJT-28-004ユーザーとしては待望の機能だった。
② エクストルーダーが全面的に改良されW放熱ファンとなり押出ユニットも一新
押出ユニットの内部圧力を減らし、均一に早く冷却ができ、ノズル詰まりが少なくなり造型精度もアップされたという。

③ 一層目の定着力をアップし完成したモデルの取り外しを容易にしたBDGホットベッド採用
JT-28-004-II では強化ガラスのホットベッドだったし特に支障はなかったが、違いを確認するのが楽しみである。

④ 消音効果を一層改良
⑤ 操作システムのアップグレード。
コントローラーボックスの外観とオペレーションの刷新

そもそもT-28-004はフィラメントがPLA、ABS、HIPS、PC、Wood、PLA-CF炭素繊維、PLUS炭素繊維、PETG、Flexible PLA、T-PLA、HCPLAなど広範囲のものが使えるが今回のエクストルーダーの改良でTPUやNylonも安定した利用ができるとのことだ。
主な変更点はこんなところだが、実際に両機を比べてみるとまだまだ違いがある。
・フレームの上に取り付けるフィラメントホルダーのデザインが新しい
・フィラメント検出器が新しくなった

・コントロールボックスからX軸フレームに沿ってエクストルーダーに至るケーブルのトラックチェーンを廃した。これは私も実際にトラックチェーン内のケーブルに断線を起こすトラブルに出くわしたので頻繁に急角度で折れ曲がるトラックチェーン採用を止めたに違いない。

・コントロールボックスのデザイン、サイズが変更。またほとんど熱を持たなくなった
・ホットベッドが前後する際、ブレや振動・ノイズがほとんどなくなった
・ホットベッド裏のレベリング調節リングネジが回しやすいよう大きくなった
などなどだが、組立は以前のバージョンより正直難しくなっている。というか、配線などの説明は日本語マニュアルには載っていないので附属SDカードに収録されているPDF(英語)を参照する必要がある。また図版(写真)が豊富に使われてはいるが小さいのとトリミングがぎりぎりで、どの方向から撮ったものなのかが分かりづらい…。
ということでともかく間違いの無いよう慎重に組み立てテストのプリントをやってみたが、驚いたのはプリンターの動作音がほとんどしないことだ。もともとJT-28-004-II は消音タイプの製品だったがこの最新版はWファンの音しか目立たない。そしてホットベッドの急速動作時にもガタつきがほとんど無くなっている。

※冷却ファンの音しかせず、振動音もなくとても静かだ
夜間でも続けて造型がしたいと常々考えてきた一人だが、これならマンションでもOKに違いない。そして新しい3DプリンターJT-28-018 2020(JT-28-004-III)の威力をあらためて見せつけられてもいる。積層痕もほとんど目立たず調整が整ったプリンターはこれほど綺麗な造型ができるのだと…。
正直最新版に買い直しでどれほどのメリットがあるかを危惧していたが、静かでより安定・安全に物作りができるのは無性に嬉しい。
完成品であれば手間はいらないし確実だという点は否定しないが、それでも本製品は3Dプリンターという代物をより良くしるためにも有益な製品だといえる。そしてこのJT-28-018 2020(JT-28-004-III)はメジャーな製品ではないし初めての3Dプリンターとしてはお勧めしないが、2台目3台目としてはお勧めできる製品だと考えている。
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