初めてのシーリングワックスに挑戦

シーリングワックス(封蝋)をご存じでも実際に使ったことがある方は限られているかも…。と考えていたら、なにか今結構流行っていてTikTok等でも沢山アップされているそうな…。私自身もその存在はもとより使ってみたいとは若い頃から思っていたが、機会がなかった。しかし今般購入した品物の包装にシーリングワックス(蝋ではなく簡易なシール型だった)が使われており、それがとても素敵に感じたので遅ればせながら自分でも試してみることにした。


封蝋(ふうろう、シーリングワックス)とは、ヨーロッパにおいて手紙の封筒や文書に封印を施したり、ワインなどの瓶といった容器を密封した印とするために用いる蝋である。

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※直径30mmのスタンプを使ったシーリング例


溶かした蝋に紋章など、型押しをすることで例えば誰かが開ければ蝋は容易く壊れたり剥がれたりするから悪戯な覗き見防止、開封防止にもなる。そして家紋などをシーリングスタンプとして使えば差出人を示すことにもなる。とまた現代においてはラッピングやグリーティングカードの装飾として使われることも多い。

例えばヴィクトリア朝の時代を舞台とするコナン・ドイルの小説「シャーロック・ホームズ」にもこの封蝋は多々登場する。電子メールもSNSもそして電話(後期には登場するが)もなかった時代だから、伝言は封書に託す、あるいは電報しかなかったわけで、ちょっと調べて見ただけでも封蝋という言葉は「ノーウッドの建築士」に三度を皮切りに「金縁の鼻眼鏡」、「第二の汚点」、「ウィステリア荘」など枚挙にいとまもない。

さらに封蝋と明記されていなくとも「ボヘミアの醜聞」では「余の封印が用いてある…」といった台詞や「五粒のオレンジ種」や「花嫁失踪事件」などでも「封をきる」という言葉が多々登場する。したがって封筒 封書 開封といったシーンには必ずといってよいほど封蝋が使われていた理屈でもある。

ということで最低限必要なアイテムをと揃えた。それらはシーリングスタンプ、シーリングワックスそしてワックスを溶かす道具である。

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※感触をつかむため、最初はこうしたベーシックなセットを手に入れた


シーリングスタンプもオリジナルなものをオーダーできるが今回は “MacTechnology Lab.” と私の姓をも示す "M" の頭文字を象った既製品を用意した。なおスタンプの直径は30mmだ…。また別途直径25mmの魔方陣デザインのスタンプも手に入れた。

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※まずはこの小さなスプーンにワックスを入れ蝋燭で溶かす


やり方も基本難しいことはない。理屈はワックスを蝋燭などで適量溶かして封筒の封印箇所などに丸くなるように垂らし、柔らかなうちにシーリングスタンプを数秒押しつけるだけだ。

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※溶けたワックスを適量垂らしてスタンプを軽く押しつける


またシーリングワックス自体が蝋燭になっている製品もある。ただし実際にやってみるとワックスの量が少なく失敗したり、スタンプをワックスが柔らかすぎるうちに押しすぎたために封筒の紙質が透けて見えたりと意外に思うようにいかない。
また専用のスプーンとキャンドル溶かすのにこれほど時間がかかるものとは知らなかったし、反対に溶かしすぎると気泡が入ってしまったりとなかなかに難しくで経験の積み重ねが必要…。

そしてその結果は同じシーリングスタンプで封印してもワックスのはみ出た形がそれぞれ違うわけで、その時その時で同じものは2度とできない理屈にもなる。
なおワックスには金や赤、銅色といった様々なカラーがあるので好みによって楽しむことができるし複数色を混ぜても面白い。その結果は何の変哲も無い封筒がひと味違った趣を醸し出す…。

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※葉やリボンなどを挟み込む練習中



さてそのシーリングワックスだが本来の目的で使うにはご紹介したような具合にワックスをキャンドルの炎で溶かす必要がある。作業そのものはたいしたことはないが、火を扱うことで慎重にならざるを得ないし些か面倒だ。
ということで同じシーリングスタンプを使って今度はグルーガンとグルースティックを使い、グルーガンで溶かした適量のグルースティックにシーリングスタンプを押しつけシーリングスタンプを作ろうと試みた。

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※グルーガンとグルースティックでもシーリングワックス的なスタンプを作れる


勿論グルーガンも高温を必要とするので火傷に十分注意をしなければならないが、炎は扱わないので気が楽だしこちらは日常でも結構活用しているので扱いなれている。
また調べて見たら通常はホワイトのグルースティックを使っているもののシーリングワックスとしても最適な魅力的な多色製品もあることを知った。

作り方の要領は同じだがそもそもグルースティックは一般的にエチレン・ビニール・アセテートの共重合品で接着材だ。したがって金属製とはいえ押しつけたシーリングスタンプに貼り付いて取れなくなるのでは…と心配したが、少なくとも私が使ったスタンプでは剥がすのに苦労することはなかった。

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※グルーガンとグルースティックで作ったスタンプに油性のシルバーマーカーを仕上げに使ってみた


こうしてグルーガンで作ったシーリングワックスは樹脂製であるため、リボンや封書などに貼るには両面テープや別途接着材を必要とするし、一旦剥がしても本物のシーリングワックスとは違って壊れない。それだけに活用応用の範囲は拡がるかも知れないものの開封されないように…という目的には相応しくないがこちらは「作り置き」も可能だ。
今や封筒を…それもシーリーングスタンプを用いる封書などを差し出す機会はほとんどないが、アートやデザインそしてプレゼントなどの際に効果的に活用してみるつもりだ。



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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。
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