ラテ飼育格闘日記(759)
これまでにも機会がある毎に6月10日はラテ満15歳の誕生日だと記してきた。人間同様ワンコの寿命も個体差が大きいのだろうが、今のところは幸いなことに視力も聴覚もまずまずのようだ。そして一週間前の3日はオトーサンの誕生日…。歳を取るのは些か残酷な面も見えてくるものだと分かったようなことを前回にも記したが、6月4日の朝に思いもかけない事件が起こった…。

※この6月10日でラテは満15歳になりました
その朝は雨だったが女房の仕事が遅番のため、朝食の前にラテの散歩を済まそうとオトーサンは準備をしていた。遅番の日は多少時間の余裕があるため女房は布団に入ったままだったが「目が回る…」と言い始めた。
しばらく横になっていれば治るだろうと本人も言うのでオトーサンはラテを散歩に連れ出した。ただしレインコートを着たラテはやる気がない(笑)。
思ったよりも時間が経ってしまったが排泄も終わったので急ぎ帰宅。そしてラテの体を綺麗にして…といういつもの手筈のはずだったが、女房は目眩は治らず立てないと言う。そして吐き気もするし左手が少し痺れる感じだと言うではないか…。
オトーサンの脳裏に「これが脳梗塞の前兆か…」が浮かんだ。

※救急搬送中の女房。救急車の中で写真など不謹慎と思われるかも知れないがストレッチャーに乗ったままの姿が永遠の別れとなるかも…と考えたら、恐怖でiPhoneのシャッターを切っていた
オトーサンはすぐに救急車を呼ぼうとするが、当の女房は救急車の必要はないと主張。しかし女房も歳だし、もしここで「あのとき119番へ連絡していれば…」などと後悔するようなことは絶対まずいと思い、生涯で初めて119番に電話をかけた。
問題はこのコロナ騒動で入院拒否されることもある等というニュースを見聞きしていたことでもありそれが心配だった。
とにかく保険証を含む貴重品を確認して用意をしておいたが、救急車は思ったより早く到着。救急隊員の方は男二名、女一名で玄関にストレッチャーを用意していた。早速運び出すのかと思ったら玄関に座り込んでいる女房に「お名前は」「生年月日を教えてください」との質問…。
オトーサンは思わず答えようとすると「ご本人に返事をいただくのも診断のひとつなので」と止められ苦笑。
その他、救急隊員の指先に指を合わせ、次に自分の鼻先に…など運動域に問題がないかどうかを確認した上でストレッチャーに乗せ救急車へ運び込んだ。無論オトーサンも付き添いとして同乗したが問題はラテだった。些か雨に濡れたままだったし朝食の用意をする暇もなかった。しかし女房の命が最優先であることは明白なのでオトーサンは新しい水を用意し、一室に閉じ込めて出かけた。
水があれば最悪1日程度は問題ないと判断したが、後ろ髪を引かれる思いだった。
さて話しには聞いていたが、どの病院に向かうかは救急車から住居になるべく近くの病院を当たり、受け入れができると返答があった病院へ搬送するという。万一入院ともなればなるべく近くの病院が望ましいとは思うがこればかりはどうしようもない。
ともあれ幸いにも受け入れてくれる病院があり、そこへ緊急搬送となった。
昔々…母が緊急搬送の際に父と共に救急車へ乗り込んだとが一度あったが、手続きやらには口を挟まなかったからゼロからの体験としては初めての事であり、本当に身の回りのものしか持参していないので例えば費用などが高額だった場合はどうなるのか…とか、入院となればオトーサンの日常はがらりと変わり本当に悲惨なことになる。また最悪を考えたくはないが、万一ともなればストレッチャーに寝ている女房の姿が最後だったという可能性も…と考えるといてもたってもいられない。
搬送は緊急外来受付口になされ、オトーサンはまずは女房の健康保健証を提示し診療の手続きをした。後とは待つのが仕事となるが、事が事だけに待っているのが辛い。

※緊急外来受付を済ませて後は待つばかり…
それに残してきたラテのことも気になるし、そういえばオトーサンも朝食をとっていないのでお腹が空いてきた。ともかく万一場合はオトーサン一人では手が回らないことも考えられると思いつき、ご近所で家族ぐるみでお付き合いいただいている奥様に電話をし事情をお話しした。話しを聞いていただくだけでオトーサンの肩の荷が少し軽くなるのが感じられる。
その後幾度かのメールもいただき、待ち時間が長くなるのなら一時期付き添いを交換しましょう…とまで言っていただく。いやはや本当に涙が出るほど嬉しいし心強い。
小一時間経ったとき、ストレッチャーに寝かされ点滴を打っているままの女房が出てきた。これからMRIの検査をするという…。意識はあるようでオトーサンは目配せし「がんばれよ」と声には出さないがサインを送った。
結局一時間半は優に超えたであろうときに担当医から声がかかった。いそいそと集中治療室に寝かされている女房のところへ案内され説明を受けた。
それによるとMRI や血液検査などの結果、脳梗塞などの兆候は見られないという。オトーサンは心の中でガッツポーズだ。

※MRIによる診断画像では問題はなかった
医師の話では「良性発作性頭位めまい症」だという。良性発作性頭位めまい症とは、その名前の通り、発作的に突然、頭の位置を変えた時におこる良性のめまいのことだそうで生命の危険がなく、後遺症も残らず、治療をしなくても自然と軽快することも多いらしい。したがって帰宅できる事を知り安心したが、一度念のため耳鼻咽喉科で検査をして貰うようにとのアドバイスをいただいた。
会計の窓口まで回ると当該病院が思ったよりも規模の大きな病院であることを知った。ただしこれまで見知っていた病院ではないしそれなりに住居から離れていたからタクシーで帰ることにした。とはいえさすがに大規模な病院だからか受話器を上げるだけでタクシー会社の配送予約受付に回る専用電話があったのでお願いすると10分程度で車が来た。
こうして一時はどうなることかと心配した女房の異変騒ぎは幸いなことに一応集結を見た。

※ラテと女房のツーショット
戻ってから早速女房はラテを綺麗にし始め、オトーサンは朝食の準備を始め…時間はいつもと三時間ほど遅くなったが我が家の日常が始まった。
年寄り夫婦の生活だから、これからもこううした突発的なトラブルは十分にあり得ると覚悟しなければならないが、いやはや冷静になろう…慌ててはダメだと自分に言い聞かせつつ慌てている自分を思い、こういうときに平常心でいられる人などいるのだろうかと己を正当化しているオトーサンでありました。

※この6月10日でラテは満15歳になりました
その朝は雨だったが女房の仕事が遅番のため、朝食の前にラテの散歩を済まそうとオトーサンは準備をしていた。遅番の日は多少時間の余裕があるため女房は布団に入ったままだったが「目が回る…」と言い始めた。
しばらく横になっていれば治るだろうと本人も言うのでオトーサンはラテを散歩に連れ出した。ただしレインコートを着たラテはやる気がない(笑)。
思ったよりも時間が経ってしまったが排泄も終わったので急ぎ帰宅。そしてラテの体を綺麗にして…といういつもの手筈のはずだったが、女房は目眩は治らず立てないと言う。そして吐き気もするし左手が少し痺れる感じだと言うではないか…。
オトーサンの脳裏に「これが脳梗塞の前兆か…」が浮かんだ。

※救急搬送中の女房。救急車の中で写真など不謹慎と思われるかも知れないがストレッチャーに乗ったままの姿が永遠の別れとなるかも…と考えたら、恐怖でiPhoneのシャッターを切っていた
オトーサンはすぐに救急車を呼ぼうとするが、当の女房は救急車の必要はないと主張。しかし女房も歳だし、もしここで「あのとき119番へ連絡していれば…」などと後悔するようなことは絶対まずいと思い、生涯で初めて119番に電話をかけた。
問題はこのコロナ騒動で入院拒否されることもある等というニュースを見聞きしていたことでもありそれが心配だった。
とにかく保険証を含む貴重品を確認して用意をしておいたが、救急車は思ったより早く到着。救急隊員の方は男二名、女一名で玄関にストレッチャーを用意していた。早速運び出すのかと思ったら玄関に座り込んでいる女房に「お名前は」「生年月日を教えてください」との質問…。
オトーサンは思わず答えようとすると「ご本人に返事をいただくのも診断のひとつなので」と止められ苦笑。
その他、救急隊員の指先に指を合わせ、次に自分の鼻先に…など運動域に問題がないかどうかを確認した上でストレッチャーに乗せ救急車へ運び込んだ。無論オトーサンも付き添いとして同乗したが問題はラテだった。些か雨に濡れたままだったし朝食の用意をする暇もなかった。しかし女房の命が最優先であることは明白なのでオトーサンは新しい水を用意し、一室に閉じ込めて出かけた。
水があれば最悪1日程度は問題ないと判断したが、後ろ髪を引かれる思いだった。
さて話しには聞いていたが、どの病院に向かうかは救急車から住居になるべく近くの病院を当たり、受け入れができると返答があった病院へ搬送するという。万一入院ともなればなるべく近くの病院が望ましいとは思うがこればかりはどうしようもない。
ともあれ幸いにも受け入れてくれる病院があり、そこへ緊急搬送となった。
昔々…母が緊急搬送の際に父と共に救急車へ乗り込んだとが一度あったが、手続きやらには口を挟まなかったからゼロからの体験としては初めての事であり、本当に身の回りのものしか持参していないので例えば費用などが高額だった場合はどうなるのか…とか、入院となればオトーサンの日常はがらりと変わり本当に悲惨なことになる。また最悪を考えたくはないが、万一ともなればストレッチャーに寝ている女房の姿が最後だったという可能性も…と考えるといてもたってもいられない。
搬送は緊急外来受付口になされ、オトーサンはまずは女房の健康保健証を提示し診療の手続きをした。後とは待つのが仕事となるが、事が事だけに待っているのが辛い。

※緊急外来受付を済ませて後は待つばかり…
それに残してきたラテのことも気になるし、そういえばオトーサンも朝食をとっていないのでお腹が空いてきた。ともかく万一場合はオトーサン一人では手が回らないことも考えられると思いつき、ご近所で家族ぐるみでお付き合いいただいている奥様に電話をし事情をお話しした。話しを聞いていただくだけでオトーサンの肩の荷が少し軽くなるのが感じられる。
その後幾度かのメールもいただき、待ち時間が長くなるのなら一時期付き添いを交換しましょう…とまで言っていただく。いやはや本当に涙が出るほど嬉しいし心強い。
小一時間経ったとき、ストレッチャーに寝かされ点滴を打っているままの女房が出てきた。これからMRIの検査をするという…。意識はあるようでオトーサンは目配せし「がんばれよ」と声には出さないがサインを送った。
結局一時間半は優に超えたであろうときに担当医から声がかかった。いそいそと集中治療室に寝かされている女房のところへ案内され説明を受けた。
それによるとMRI や血液検査などの結果、脳梗塞などの兆候は見られないという。オトーサンは心の中でガッツポーズだ。

※MRIによる診断画像では問題はなかった
医師の話では「良性発作性頭位めまい症」だという。良性発作性頭位めまい症とは、その名前の通り、発作的に突然、頭の位置を変えた時におこる良性のめまいのことだそうで生命の危険がなく、後遺症も残らず、治療をしなくても自然と軽快することも多いらしい。したがって帰宅できる事を知り安心したが、一度念のため耳鼻咽喉科で検査をして貰うようにとのアドバイスをいただいた。
会計の窓口まで回ると当該病院が思ったよりも規模の大きな病院であることを知った。ただしこれまで見知っていた病院ではないしそれなりに住居から離れていたからタクシーで帰ることにした。とはいえさすがに大規模な病院だからか受話器を上げるだけでタクシー会社の配送予約受付に回る専用電話があったのでお願いすると10分程度で車が来た。
こうして一時はどうなることかと心配した女房の異変騒ぎは幸いなことに一応集結を見た。

※ラテと女房のツーショット
戻ってから早速女房はラテを綺麗にし始め、オトーサンは朝食の準備を始め…時間はいつもと三時間ほど遅くなったが我が家の日常が始まった。
年寄り夫婦の生活だから、これからもこううした突発的なトラブルは十分にあり得ると覚悟しなければならないが、いやはや冷静になろう…慌ててはダメだと自分に言い聞かせつつ慌てている自分を思い、こういうときに平常心でいられる人などいるのだろうかと己を正当化しているオトーサンでありました。
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