AirPods Maxの真価とは?

昨年12月18日発売のAirPods Max、買おうか買うまいかを半年間ずっと考え続けてきたが、精神衛生上よろしくないので買うことにした(笑)。ともあれ音響製品ほど他人の評価は当てにならないものはなく、己で確認しなければならない。音の良し悪しは人の感性や好みに大きく依存するからだ。


これまでヘッドフォンも様々なメーカーのものを使ってきた。古くはソニーやオーディオテクニカ、そして近年ではBOSE、Beatsも愛用していたし現在はParrotを使っている。そして当然のこととはいえ、どんな製品にも長所と短所があったし、己の加齢も含めてヘッドフォンの良し悪しを語るのは非常に難しい。

AirPods Max_00

※思い切って購入したAirPods Max(シルバー)


ちなみに貴方の可聴範囲はどのくらいであろうか…。ウェブサイトの中には耳年齢診断(聴力測定)のサイトがあるので一度お試しになることをお勧めする。要は個人差はあるものの我々は一般的に年齢と共に高音域が聞こえなくなっていく。
人の可聴領域、すなわち認識できるのは本来20Hzから20000Hzだというが、私の年齢ではすでに高音域はかなり聞こえなくなっておりテストした範囲では27Hzから7000Hz強までは聞こえるが8000Hzはすでに聞こえない…。

そんな者がやれ「高音域の伸びがどうのこうと…」とか宣ったところで説得力は無いし意味も無い。ということでここではあくまで全体的な音のバランスや聞きやすさ、音楽の楽しみ方への寄与といった点を強調してみたいと思う。無論音質は重要であるが…。

そもそも私はAppleのAirPodsもAirPods Proも買ってなかった…。ではなぜ今般遅ればせながらAirPods Maxなのかといえば「空間オーディオ」対応の発表があったからだ。
「空間オーディオ」とは耳慣れない言葉だがいわゆるサラウンドのこと…。私も長いオーディオ遍歴の中でやれ4チャンネルとかサラウンドというものを体現してきたが、Apple MusicではDolby Atmos(ドルビーアトモス)を採用している。

これまでAirPods Maxそのものに関しては賛否両論が飛び交ってきたが「空間オーディオ」に関しては総じて評価が高いようなので期待したわけだ…。
要は臨場感が増し、サウンドが自分を包み込むように、さまざまな方向から聞こえてくるという体験ができるという。
そしてその「空間オーディオ」を最大限に楽しむためにはAirPods Maxが最適だという。とはいえまだまだApple Musicに公開されている「空間オーディオ」対応済みの楽曲には好みのものは少ないし、日本のアーティストによる楽曲はほとんどないのが現状。しかし近未来に期待ということでヘッドフォンとしては高価なAirPods Maxを入手した次第…。

さて、ここでAirPods Maxのスペックや概要を細かく解説するつもりはないが、トピック的な特長についてはツィッター @mactechlab に断片的ではあるが記したのでそれをここで羅列させていただく。
結果私の個人的な評価は、iPhoneやiPadあるいはMacBookやiMacといった一連のApple製品を使っているユーザーならヘッドフォンとしてのAirPods Maxは最高の癒やしと快適さ、そしてサウンドを約束してくれると考える。

まず音質だが、BOSEを含めた多くのヘッドフォンのように低音や高音を強調するサウンド設計ではなくナチュラルというか自然なサウンドだ。したがって人によっては些か物足りないと感じるケースもあると思うが、AirPods Maxは良質のモニターヘッドフォンとも考えられる。
それを踏まえて個別の特筆すべき点を見てみよう…。

■ヘッドフォンの左右確認は容易
AirPods Maxのカラーはシルバーにしました。ところでイヤーパッド内に R と L の文字が編み込まれているの…いいなあ

AirPods Max_11


■iMac(macOS Mojave)でもペアリングできた
AirPods Max をMacで使う場合、Apple サポートページによれば「Mac に macOS Big Sur 11.1 以降が搭載されていることを確認してください」とある。しかし私のiMacはまだmacOS Mojaveだけどペアリングできたぜぃ!

AirPods Max_02

 
■ボタンは二つだけのシンプルさ
AirPods Max はR側にノイズコントロールとデジタルクラウンの二つのボタンしかないシンプルさ。ノイズコントロールはアクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みのモード繰り替えボタン。

AirPods Max_01


■電源ボタンがない
AirPods Max には電源ボタンがない。ただし附属のスマートケースに収納するとスリープモードに入る。ただしバッテリーの持ちはとてもよい。

AirPods Max_04


■重量は384gと一般的な製品より100g程度重い
AirPods Max の重量は384gで一般的な製品より100g以上重い。しかし装着感は最高なので長時間使用も問題ない模様。

AirPods Max_03


■ヘッドバンドは重さを吸収し軽減してくれる
AirPods Maxのヘッドバンドはメッシュで頭側に出っ張っている。これは通気性を良くするだけでなく本体の重量を吸収する大きな役目を果たしていると思われる。耐久性が些か心配だが装着感は最高。

AirPods Max_05


■左右の収縮アームは無段階でスムーズ
AirPods Maxの収縮アームは右の Parrot Zik 3と一見構造が似ているようだが全然違う。Parrotはギヤが入っておりガチガチっと言った感じで伸び縮みするがAirPods Maxは実にスムーズに抵抗なく伸び縮みするものの決めた位置を無段階でピタッと確保。

AirPods Max_06


■イヤークッションは容易に交換可能
AirPods Maxのイヤークッション部分はマグネット装着なので簡単に外すことが可能。またご承知のようにイヤークッションは別売されているので壊れたり汚れたりしても交換が簡単だ。

AirPods Max_07


■充電はLightning端子
AirPods Maxの充電はLightning端子。フル充電で約20時間の使用が可能で、5分の充電で1.5時間使えるという。なお製品附属のケーブルはLightning <-> type-C。

AirPods Max_08


■アクティブノイズキャンセリングはトップクラスで外部音取込モードは凄いの一言
AirPods Maxのアクティブノイズキャンセリングはトップクラスの完成度だと思うが、外部音取込モードは凄いの一言…。ヘッドフォンを装着しつつあたかも外したような感覚に陥るほど…。

AirPods Max_09


■メガネをかけていても痛くない
AirPods Maxはそのイヤークッションの構造・素材故か、メガネをかけていても痛くならない。これはとてもよい点♫

■表面的にはどこにもアップルロゴがない不思議なプロダクト
AirPods Max、附属のケースも含め製品表面のどこにもアップルロゴがない不思議なプロダクト。ただしイヤーパッドを外すとカップ内にロゴを含めた説明が記されている。

AirPods Max_10


■デジタルクラウンによる音量調節は最高
AirPods Maxに備わっている二つのボタン類のうちのひとつがデジタルクラウン。これでボリューム調節するのがとてもシンプルで確実…快適。またその位置もベストポジションだと思う。

AirPods Max_12


というわけで正直よく出来た逸品だといえよう。
例えばYouTubeを楽しんでいて、なにかの具合でAirPods Maxを外すとYouTubeの動画はその時点で止まり、再度頭に装着すれば自動的に感知し動画を再生してくれる。些細なことだが日々の使い方のなかで次第に至福感が膨らんでくる。

新型コロナによる引き籠もりもまだまだ続くだろうし、個人的な事だが一昔前みたいに外を出歩く機会も激減した。それだけに一人で過ごす時間も多く、音楽は益々私の生活において必要不可欠なものになっていくと思われる。無論AirPods Maxは音楽鑑賞だけのものではなく映画鑑賞はもとよりテレワークといった用途にも利便性を発揮してくれるに違いない。

それだけにAirPods Maxの存在意義は日々の生活においてテンションを上げる為にも相応しい製品だと思う。ただし一部に価格が「高い」という点を指摘する向きがある。しかし高いとか安いという感覚はこれまた全ユーザーが共有できる点ではないと思うし個人的に価値を見出すか否かで評価は大きく変わる。私がこうしたプロダクトに手を出そうとするスタンスとしては、無論買えなければ評価はしない。

また例が適切であるかどうかは分からないが、ポルシェという車は確かに高い。しかし車好きの方々は「ポルシェ高いから価格を下げろ」とは言わないだろう。ポルシェは性能を別にしても所有欲を大いに満たす希有なプロダクトなのだしレベルは違う物のAirPods Maxをただ単に高いと切り捨てることは避けたい…。

デザインや性能はもとよりだが、ブランドの持つ魅力と共に相応の価値は生まれてくるものだ。正直私にしても150万円のMac IIとかこれまた150万円の3Dソフトウェアを苦も無く買っていた時代の懐具合とは違い、今は安いにこしたことはない。だからAirPods Maxを楽々と何も考えずに買ったわけではないが、評価は刻々と変わっていくものだ。

あのiPhoneが2007年に発表された際にも「500ドルもするバカ高い携帯など誰が買うか?」といった酷評を他メーカーのキーマンが発言していたし、iPodのときもアナリストや専門家の多くは「1,000曲も持ち歩く必要性がどこにあるか」とか「単なるMP3プレーヤーとしては高すぎる」といった酷評を宣ったことを忘れてはならない。
但し、そのプロダクトが価格に見合う物なのかを評価できるのは自分の懐を痛めて手にした場合だけだ。だからこそメーカーからの貸出で評価することはどうしてもバイアスがかかるので避ける…というのも私の持論でもある。

ともあれAirPods Maxはこれまでになかった類のヘッドフォンであることは確かだし、もしかすると今後Appleファミリーの中核をなすデバイスに育っていくような気もする。
ということで気安くお勧めするつもりはないが、もしヘッドフォンを購入するご予定であればそのリストに加えていただくときっと良いことが起きるかも…。



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Author:mactechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。
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