Genki Techno製 家庭用酸素発生器とペット用吸引マスクの自作

実は、とあるアップル製品を買おうかと考えていた予算の半分が家庭用酸素発生器に変わった…。無論愛犬のためであり、嫌なことは考えたくはないものの近々また酸素吸入が必要になるのではないかと危惧しているからだ。
※愛犬ラテはこの3月6日に息をひきとりました※

昨年ラテが倒れたとき、動物病院で最初にやった治療のひとつが酸素吸入器を使うことだった。その際、もし家庭内で常用する必要がある場合はレンタルがあるからとアドバイスされた。そのための酸素発生器を必要とする期間が短いのか長きに渡るのかについては神のみぞ知ることだが、例えば三ヶ月程度のレンタルを考えてもかなりまとまった額になる…。

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※Genki Techno製 家庭用酸素発生器


これまでラテがゼイゼイとなったときには応急処置として市販の酸素缶も使ってみたが、ものの数分でなくなってしまうし酸素を出し続けるには指でボタンを押し続ける必要がある。また例えばアスリートが激しい運動をした後に酸素補給するのとは違い、人間にしてもペットにしても30分とか1時間といった長い時間高濃度の状態を続けなければならないケースでは役に立たない。それに1本1000円程度する。それならいつでも自由に酸素を供給できる酸素発生器を買った方が負担は少ないと考えた。
ただしこの家庭用酸素発生器はペット用のものではなく本来は人間用であり、嫌な話しだが先日心房細動を疑われた私だっていつ酸素吸入が必要になるか、分かったものではない…。

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※加湿ボトルに水(蒸留水 or 純水)を入れて使う


それに、いわゆる高濃度酸素療法は使い方を間違えなければアスリートは勿論、一般の人も血流改善・疲労回復、免疫力向上、睡眠改善などなどが認められているという。
とはいえ酸素発生器もピンキリで医療現場で使われているものから家庭用のものまで様々だ。結局今回手に入れられる範囲の価格帯で様々な製品比較をして見た結果 Genki Techno 家庭用酸素発生器(OZ-1-11TMO)に決めた。サイズは310mm×200×250だから大ぶりの加湿機や炊飯器といった感じか…。

この家庭用酸素発生器に関してはかなり怪しい製品もあるらしいが、ともあれGenki Techno家庭用酸素発生器は日本国内で検品されPSE認証も受けた製品であり、1年間の補償はもとより日本語マニュアル附属であること、そしてデザインも奇異なものではなくシンプルな形であること、運転音が45dB、重量も比較的軽いことなどを考慮して決めた。勿論本来はペット用に開発された物ではなく人間用だ。
ちなみに空気中の酸素濃度は20.9%程度だというが、本製品は最大93%濃度、流量は1から7L/minまでの能力があるという。
操作全般は上部の液晶パネルから行うが、ヘッドセット式吸入器と鼻カニュラ(鼻用吸入チューブ)の2つの方法で高濃度の酸素補給が可能となるしタイマー機能も付いている…。

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※ヘッドセット式吸入器


とはいえ人間の場合ならこうした附属品を使えば即活用できるが、ラテの場合はそうはいかない。人間用として用意された吸引機器などはそのままでは役に立たないからだ。ではどうするか…。
ひとつの選択肢はある種密閉された箱状のケージを用意し、そこにワンコを入れ常時酸素を供給する方法だ。このケージはダンボールなどでも作ることは出来るが見栄えはもとより使い勝手は犠牲になる。また安価な製品も存在するがなにしろ場所を取る…。

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※分かりやすい操作パネル部分


それに我々素人は箱といった密閉空間なら酸素濃度も薄まらず効果がありそうだと単純に考えるが、同時に二酸化炭素も溜まるというデメリットもあるし、広めの空間に例えば酸素濃度40%程度を安定供給することを考えるなら家庭用機器では能力不足で業務用の大型器を必要とする計算になるらしい…。
無論通気性をよくすれば酸素濃度が上がらないといった具合にゲージ式はリスクと共に管理が難しいという。

無論寝たきりで常時酸素吸入が必要になれば、医者と相談してなんらかこうしたケージを使うかも知れないがまず短時間の使用にはやはりマスクが欲しい。しかしどうやらペット用の酸素マスクだなんてものは売ってはいないようなのだ。
なければ作るしかない…。取り急ぎ頭に浮かんだことは形状から漏斗を少し加工してラテ用のマスクをと考えてみた。もうひとつは2リットルのペットボトルをキャップ側10数センチで切断し、切り口を安全にテーピングすることだった。この種の事はネット検索してみるとすでに実施している方々がおられるようだが、安価で簡便な方法でもある。

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※酸素供給パイプに自作ラテ用マスクを取り付けてみた


現在の所、立ち上がったりする場合にハアハアするときもあるが横になっているときの呼吸は落ち着いている。しかし体調が悪そうなときには使ってあげようと考えている。
とはいえ当然のことながら医療用機器と家庭用機器とでは流量が違ってくる。どういうことかと言えば、一分間に高濃度の酸素を注入できる能力を持つ医療用機器あるいは高価格の製品と私が手に入れた家庭用機器には差があるということ…。したがって我々人間が呼吸困難となり酸素治療が必要になったとしても家庭用機器では流量が間に合わないわけで命を繋ぐには不足である。

無論酸素も高ければよいということではなく場合によっては酸素中毒にもなりかねず、当然のこと実際には医師の指導が必要になる。
しかし、ペットの場合では些か違ってくるらしい。ネットの情報によれば動物病院専用に設計されたとあるメーカーの酸素発生器では45%の酸素濃度で毎分10ℓの高流量に設計されているという。ただしこればゲージ型のスペースに供給することを前提にしている。

対して今回手に入れた家庭用機器は毎分7ℓの流量がMAXで、この際の濃度は32%から33%だから大いに不足のようにも思えるが、ゲージ式への供給ではなくロスの少ない方法…何らかのマスクやノズルでワンコのマズルに隣接して吸引させることを考えると応急処置としては使えるのではないかと思う。ただしこれまた容体の如何によるわけで医師の指導を仰ぎ、不足であればときに専用機をレンタルしなければならないかも知れない。
また犬猫は人間のようにマスクを付け続けることはできないし嫌がるし怖がる場合もある。したがってマズルに固定するというよりはマズルの前に置いて酸素供給を続けるというのが現実的な方法と思われる。

実際にヘッドセット型の吸入器で使ってみた感じだが、うん…よい感じだ。動作音そのものも1メートルほど離れて計測してみると確かに45dB程度だったが、個人的には動作音そのものよりまるで生き物が呼吸しているような音の方が気になった。これは窒素を排出する音なので正常なのだが…やはり気になる。
なお附属品だが、リモコン、ヘッドセット式吸入器、鼻カニュラ、ネブライザーマスク、携帯用酸素バッグ、二人同時吸入用分配継手そしてエアフィルター(2個セット)がそれぞれ1個ずつと日本語取扱説明書が同梱されていた。

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※同梱附属品一覧


最後に開梱して初期不良がないかどうかを確認のためセットアップし電源を入れた。不明な点が二つ生じたので販売店の “いろは株式会社” というところへ電話をした。結果問題点・疑問点は解決したわけだが電話口の女性が真摯に対応してくれたのには安心しこの製品を選んで良かったと確信を持った。






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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員