ポータブル電源 Anker PowerHouse II 400とソーラーパネルPowerSola 3-Port 100W考
電力供給が逼迫しているといったニュースを横目で見ながら大容量のポータブル電源とソーラー充電パネルを買った。共にAnker製でそれぞれPowerHouse II 400およびPowerSola 3-Port 100Wという製品である。
■ポータブル電源PowerHouse II 400について
まずはポータブル電源PowerHouse II 400の話しから始めてみよう…。
申し上げるまでもないがこの種のポータブル電源は単にスマホやノートパソコンへの充電だけでなく制限の範囲内ではあるが一般家庭用電化製品も使うことが出来る。PowerHouse II 400には一般的なコンセントが装備されており最大300Wまでの機器なら繋ぐことができる。


※Anker PowerHouse II 400のフロントとバック
今回これらの製品を手に入れた大きな動機は無論停電や災害と言ったトラブルに備えるという意図もあるわけだが、非常時だけ活用するのではなく常用しようと考えたからだ。とはいえ私はアウトドア派人間ではないので野外で使うことは想定していないのであしからず…。


※バックにはアンビエントライトと称する暖色系照明が、右サイドにはSOS発光機能を持つ非常用ライトが装備されている
さて理由のひとつには我が家は今風の新しいマンションではないからかコンセントの数が少ない…。となればたこ足配線になりがちだし、それはともかく日常様々な試みや作業時の電源確保に手間がかかったりコードが絡んだりして美しくないばかりか危険な場合も出てくる。
そうした雑多な電源利用のほとんどは消費電力が高いものではないし使用時間も短時間だからして最大300Wの機器を繋げるPowerHouse II 400が手元にあれば至極便利だしスマートに使えるのではないかと考えた。
では何故PowerHouse II 400という製品を選んだのかといえばひとつにはAnkerというブランドを信頼してのことだ。この種の製品もいまでは様々なものがあるが、使い勝手はもとより安全に注視する必要もある。
ということでAnkerの製品をと決めたがバッテリー容量も含めてこれまた幾多のバリエーションがあり選択に迷ったものの予算という壁もあり、PowerHouse II 400に決めた。それに本製品を充電しながら、別の接続機器へも同時に充電をする「パススルー充電」に対応してることも決め手になった(後述)。
もっと大容量の製品は当然ながら価格も高いがより大容量の家電も使えるしより長時間の利用も可能なことは確かだが、個人的にはPowerHouse II 400以上の大容量バッテリー製品を一台用意するよりPowerHouse II 400あたりの製品を複数台用意した方がいざとなった際には現実的ではないかとも考える。
非常時に消費電力が大きい電子レンジやらを多様するなどと言うこと自体、あまり考えられないからでもあるし消費電力が大きい機器を使えばいくら大容量のポータブル電源だとしてもあっと言う間に消耗してしまう。
今回は大げさにいうならそうした環境を作る布石…第1弾である。
さてここで製品の紹介をするとなればスペックを列記することになるが、煩雑になるので詳しくはメーカーの製品頁を参照願いたい。ということでここではあくまで使い勝手に注視した解説を進めてみたい。
PowerHouse II 400は正面左のラバーカバーを開けるとシガーソケットと2つのDC出力ポートが、右のラバーカバーを開けるとコンセントが装備され、中央上段には3つのUSB-Aポート、下にはUSB-Cポートとがあるが、このUSB-CポートはPowerHouse II 400本体への充電ポートにもなる。そしてその右にはDC入力ポートがあり、通常本体への給電は附属のACアダプターからのコネクタをここに接続して充電することになる。
そして入力・出力共に見やすいLCDスクリーンにその値をリアルタイムに表示してくれる。

※各種ポートの様子およびスクリーン左にはインプット情報、中央にはバッテリー残量が表示される
したがってPowerHouse II 400一台あれば小型冷蔵庫、TV、ノートPCおよび小型ドローンなど、計8台の機器に合計最大516Wで同時充電 / 給電でき、純正弦波AC出力ポートは家庭用100Vと同じような滑らかな波形の交流電源だからしてノートPCやスピーカーなどほとんどの精密機器も安全に利用できる。
また例えばフル充電時10Wのランタンなら29時間、iPhoneだと23回充電、ラップトップパソコンは5回充電、CPAP機器(持続陽圧呼吸療法器)なら7~8時間使えるという。

※スクリーン右にはアウトプットの状態が示される
いずれにせよ充電したバッテリーを消費すれば大容量バッテリーだとしても時間の問題で切れる理屈だが、使い方次第ではあるものの半日の停電程度であれば何とかしのぐことが出来るパワーを持っている。ただしこれだけ便利なアイテムを災害時のためだけに仕舞い込んでしまっては実にもったいない。キャンプなどに持参すればそれこそ大変重宝するだろうが前記したように私の頭の中にアウトドアの利用はない(笑)。
しかしである。PowerHouse II 400を常用電源として使うのは良いとしてもたまたまバッテリー容量を半分以下とかゼロに近く消費したタイミングで停電がきたら何にもならないではないか…。
こうした問題を回避するのはアウトプット利用時にも同時に本体充電を続けておくことが必要になる。いわゆるパススルー充電である。本製品は繰り返すがこうしたパススルー充電利用も問題なく使えるので安心だが、問題がないわけではない。
PowerHouse II 400のバッテリーはリチウムイオンバッテリー故に本来は放電(使い切って)してから充電を繰り返すことがバッテリーの寿命を延ばすことになる。パススルー充電は厳密な意味ではバッテリー寿命を縮めることになる理屈だがさてどうするか…。
私は迷わずパススルー充電で使うことにした。
ここで改めてパススルー充電とは…を説明すると、例えばACアダプタにポータブル電源をつなぎ充電し、ポータブル電源に充電したいスマートフォンなどをつないだとする。このときパススルー未対応の製品ではポータブル電源が満充電されるまでスマートフォンには給電されない。
しかしパススルー対応のポータブル電源であれば、スマートフォンの充電を優先しつつポータブル電源本体も充電してくれるわけだ。
無論アウトプットの消費電力がインプットの容量を超えれば当然PowerHouse II 400のバッテリー容量残は減っていくがそれでも消費だけに比べれば万一の場合でも役に立つ容量が蓄電されていくだろう。こうした利便性を考えるならバッテリー寿命が短くなっても仕方がないし、繰り返すが万一の場合に役に立たないのであれば意味がない。
■ソーラーパネルPowerSola 3-Port 100Wについて
というわけで我が研究所では通常PowerHouse II 400をDC-INへコネクタを挿し充電しながら様々なアウトプット利用を行っている。しかしあらためて記すが、ポータブル電源とて充電されていなければただの重石に過ぎない。
平穏な日常ならパススルー充電で快適にそして安心して使えるものの、万一大地震などで数日停電が続くような場合はどうすべきか…。



※PowerSola 3-Port 100W(上)と2つに開いた状態(中)そしてさらに全開すると4枚のソーラーパネルが現れる(下)
そんな場合PowerHouse II 400ならソーラーパネルを使っての充電ができる!
現実問題として住居が倒壊すればどこかへ避難しなければならないだろうが、建物が無事ならどこか日当たりの良い場所にソーラーパネルを広げれば直接スマホなどへの充電はもとよりPowerHouse II 400の充電も可能だ。
ソーラー充電、太陽光発電と聞くと大層効率が悪くなかなか実用にならないイメージもあるが相手がPowerHouse II 400なら同じくAnker製のソーラーパネルPowerSola 3-Port 100Wがあれば充電…パススルー充電も実用レベルになるはずだ。
ということでソーラーパネルPowerSola 3-Port 100Wも手に入れた次第。
PowerSola 3-Port 100Wの出力はその名の通り100W仕様だが、実際にPowerHouse II 400に繋ぐとその入力は最大65Wだという。とはいえ例えばコンセントから直接充電しても59W程度が最大だ。したがってソーラーパネルで65W得られれば文句はないがこれまたそういう訳にはいかない。
ソーラーパネルは当然のことながら太陽の日射に大きく影響する。ということは日向だとしても朝夕とあるいは夏冬では大きく違う。さらにパネルの微妙な向きで出力容量が大きく変動するため、PowerSola 3-Port 100W附属の太陽位置測定機を使い、パネルの向きを正確に太陽に向けなければロスが多くなる。

※太陽光とソーラーパネルの角度合わせが簡単にできる工夫もされている
無論太陽の位置は時間により移動するため常に最大のパワーを得るためには背面のキックスタンドで角度調整と共に適宜位置合わせを行う必要がある。

※背面にはソーラーパネルを角度を付けて設置できるキックスタンドが両サイドに、そして中央位置にあるケーブルケースもキックスタンドとなる
では実際に使ってみた状況を解説したい…。この時期(3月)のまだ弱い日射の午前8時頃にPowerSola 3-Port 100Wを日が当たっている室内に広げてみた。広げると幅は折り畳み時の4倍となり幅146cm高さ52cmとなかなか大きいのでマンションのベランダ程度では最良のポジションを得るのがなかなか大変だ。
ともあれ結果は22Wから25W辺りを変動。それが日中ベランダに広げると何と…最大50Wを越えた!そして最大56Wを記録。ACコンセントからの充電にしても57W程度だからしてそれに匹敵するパワーが得られるわけだ。


※午前10時頃、ベランダにPowerSola 3-Port 100Wを広げてみるとPowerHouse II 400への入力が54Wから56Wにも達した!
ということはソーラーパネル入力で50W程度得られればPowerHouse II 400の場合、容量(388.8Wh)÷ 50W = 7.7hと理屈では8時間弱でフル充電となる。しかし天気の日でも一日で連続7時間も50Wの出力をキープできるはずもないが、あらかじめフル充電したPowerHouse II 400を使いながらの充電なら実用レベルかと思う。
また50W程度の出力を確保できれば例えば…10000mAh/37WhのモバイルバッテリーならPowerSola 3-Port 100Wに直接接続すると一時間もかからずフル充電できる理屈。そしてiPhone 13 Pro(11.45Wh)なら当然30分以下!ただし安定した日射しがありくどいようだがパネルを理想的な向きにセットすることが必須なのだが…。

※PowerSola 3-Port 100Wの接続ポートにはPowerHouse II 400へ繋ぐXT60ポートの他USB-AとUSB-Cポートが一つずつある。したがってスマホなどをここに直接繋いで充電も可能
以前玩具みたいなソーラーパネルを手に入れた時、これでは実用にはならないなと感じたがこのPowerSola 3-Port 100Wは災害時はもとより日常PowerHouse II 400をパススルーして使うための充電機器として実用レベルな製品だといえる。
ただしくどいようだがソーラーパネルが使えるのは晴れの日で日射時間帯に限られること、そして常に最良な向きにパネルをセッティングすることが求められることは忘れてはならない。
ともあれこれでPowerHouse II 400を常設しつつPowerSola 3-Port 100Wが使える日や時間帯はソーラーパネルで充電し、使えない日はコンセントからの充電を心がければ節電にも繋がる。
■総括
ということでPowerHouse II 400とPowerSola 3-Port 100Wを一週間ほど毎日時間を作ってあれこれと試してきた…。
まずPowerHouse II 400については満足こそすれ欠点は思い浮かばない。最初は邪魔か…と思ったハンドルもポータブル電源の名の通りであちらこちらに持ち運ぶとなれば実に具合がよろしい。
フラッシュライトもアンビエントライトも便利だ。そして何よりも操作が分かりやすいし、高望みをしなければ必要十分の機能と能力を備えている。
なにかひとつポータブル電源をとお考えならお勧めである。ただひとつ苦言を呈するなら取扱説明書だ…。数カ国語の列記と共に日本語の説明があるがこれは非常に読みにくいしパススルーといった説明も無い。
続いてPowerSola 3-Port 100Wだが、これまたよく考えられた製品だ。背面のスタンド収納をはじめパネルを左右にたたむのも広げるのもベルクロなので非常に簡便だし折りたたんだ際に両サイドの取っ手がマグネットで吸着するのも気持ちが良い。
また接続ケーブル収納ケースがこれまたベルクロでパネルに貼り付いているのも親切設計といえよう。そしてソーラーパネルとしての性能も最新の単結晶パネルを採用しているためこのクラスでは最良の発電効率の製品だ。
ただし、ポータブル電源PowerHouse II 400との接続コネクタが独自の規格(XT60ポート)であり、他社製のポータブル電源への接続や他社製ソーラーパネルをPowerHouse II 400に繋ぐのは難しいようだ。

※PowerSola 3-Port 100Wに附属するXT60コネクタケーブル
あくまでPowerSola 3-Port 100WはPowerHouse II 400およびPowerHouse II 800専用ソーラーパネルと考えた方がよい。
以上最新ポータブル電源PowerHouse II 400とこれまた最新のソーラーパネルPowerSola 3-Port 100Wを日々活用することなったが、その中でまた発見があったら別途ご報告したいと考えている。
■ポータブル電源PowerHouse II 400について
まずはポータブル電源PowerHouse II 400の話しから始めてみよう…。
申し上げるまでもないがこの種のポータブル電源は単にスマホやノートパソコンへの充電だけでなく制限の範囲内ではあるが一般家庭用電化製品も使うことが出来る。PowerHouse II 400には一般的なコンセントが装備されており最大300Wまでの機器なら繋ぐことができる。


※Anker PowerHouse II 400のフロントとバック
今回これらの製品を手に入れた大きな動機は無論停電や災害と言ったトラブルに備えるという意図もあるわけだが、非常時だけ活用するのではなく常用しようと考えたからだ。とはいえ私はアウトドア派人間ではないので野外で使うことは想定していないのであしからず…。


※バックにはアンビエントライトと称する暖色系照明が、右サイドにはSOS発光機能を持つ非常用ライトが装備されている
さて理由のひとつには我が家は今風の新しいマンションではないからかコンセントの数が少ない…。となればたこ足配線になりがちだし、それはともかく日常様々な試みや作業時の電源確保に手間がかかったりコードが絡んだりして美しくないばかりか危険な場合も出てくる。
そうした雑多な電源利用のほとんどは消費電力が高いものではないし使用時間も短時間だからして最大300Wの機器を繋げるPowerHouse II 400が手元にあれば至極便利だしスマートに使えるのではないかと考えた。
では何故PowerHouse II 400という製品を選んだのかといえばひとつにはAnkerというブランドを信頼してのことだ。この種の製品もいまでは様々なものがあるが、使い勝手はもとより安全に注視する必要もある。
ということでAnkerの製品をと決めたがバッテリー容量も含めてこれまた幾多のバリエーションがあり選択に迷ったものの予算という壁もあり、PowerHouse II 400に決めた。それに本製品を充電しながら、別の接続機器へも同時に充電をする「パススルー充電」に対応してることも決め手になった(後述)。
もっと大容量の製品は当然ながら価格も高いがより大容量の家電も使えるしより長時間の利用も可能なことは確かだが、個人的にはPowerHouse II 400以上の大容量バッテリー製品を一台用意するよりPowerHouse II 400あたりの製品を複数台用意した方がいざとなった際には現実的ではないかとも考える。
非常時に消費電力が大きい電子レンジやらを多様するなどと言うこと自体、あまり考えられないからでもあるし消費電力が大きい機器を使えばいくら大容量のポータブル電源だとしてもあっと言う間に消耗してしまう。
今回は大げさにいうならそうした環境を作る布石…第1弾である。
さてここで製品の紹介をするとなればスペックを列記することになるが、煩雑になるので詳しくはメーカーの製品頁を参照願いたい。ということでここではあくまで使い勝手に注視した解説を進めてみたい。
PowerHouse II 400は正面左のラバーカバーを開けるとシガーソケットと2つのDC出力ポートが、右のラバーカバーを開けるとコンセントが装備され、中央上段には3つのUSB-Aポート、下にはUSB-Cポートとがあるが、このUSB-CポートはPowerHouse II 400本体への充電ポートにもなる。そしてその右にはDC入力ポートがあり、通常本体への給電は附属のACアダプターからのコネクタをここに接続して充電することになる。
そして入力・出力共に見やすいLCDスクリーンにその値をリアルタイムに表示してくれる。

※各種ポートの様子およびスクリーン左にはインプット情報、中央にはバッテリー残量が表示される
したがってPowerHouse II 400一台あれば小型冷蔵庫、TV、ノートPCおよび小型ドローンなど、計8台の機器に合計最大516Wで同時充電 / 給電でき、純正弦波AC出力ポートは家庭用100Vと同じような滑らかな波形の交流電源だからしてノートPCやスピーカーなどほとんどの精密機器も安全に利用できる。
また例えばフル充電時10Wのランタンなら29時間、iPhoneだと23回充電、ラップトップパソコンは5回充電、CPAP機器(持続陽圧呼吸療法器)なら7~8時間使えるという。

※スクリーン右にはアウトプットの状態が示される
いずれにせよ充電したバッテリーを消費すれば大容量バッテリーだとしても時間の問題で切れる理屈だが、使い方次第ではあるものの半日の停電程度であれば何とかしのぐことが出来るパワーを持っている。ただしこれだけ便利なアイテムを災害時のためだけに仕舞い込んでしまっては実にもったいない。キャンプなどに持参すればそれこそ大変重宝するだろうが前記したように私の頭の中にアウトドアの利用はない(笑)。
しかしである。PowerHouse II 400を常用電源として使うのは良いとしてもたまたまバッテリー容量を半分以下とかゼロに近く消費したタイミングで停電がきたら何にもならないではないか…。
こうした問題を回避するのはアウトプット利用時にも同時に本体充電を続けておくことが必要になる。いわゆるパススルー充電である。本製品は繰り返すがこうしたパススルー充電利用も問題なく使えるので安心だが、問題がないわけではない。
PowerHouse II 400のバッテリーはリチウムイオンバッテリー故に本来は放電(使い切って)してから充電を繰り返すことがバッテリーの寿命を延ばすことになる。パススルー充電は厳密な意味ではバッテリー寿命を縮めることになる理屈だがさてどうするか…。
私は迷わずパススルー充電で使うことにした。
ここで改めてパススルー充電とは…を説明すると、例えばACアダプタにポータブル電源をつなぎ充電し、ポータブル電源に充電したいスマートフォンなどをつないだとする。このときパススルー未対応の製品ではポータブル電源が満充電されるまでスマートフォンには給電されない。
しかしパススルー対応のポータブル電源であれば、スマートフォンの充電を優先しつつポータブル電源本体も充電してくれるわけだ。
無論アウトプットの消費電力がインプットの容量を超えれば当然PowerHouse II 400のバッテリー容量残は減っていくがそれでも消費だけに比べれば万一の場合でも役に立つ容量が蓄電されていくだろう。こうした利便性を考えるならバッテリー寿命が短くなっても仕方がないし、繰り返すが万一の場合に役に立たないのであれば意味がない。
■ソーラーパネルPowerSola 3-Port 100Wについて
というわけで我が研究所では通常PowerHouse II 400をDC-INへコネクタを挿し充電しながら様々なアウトプット利用を行っている。しかしあらためて記すが、ポータブル電源とて充電されていなければただの重石に過ぎない。
平穏な日常ならパススルー充電で快適にそして安心して使えるものの、万一大地震などで数日停電が続くような場合はどうすべきか…。



※PowerSola 3-Port 100W(上)と2つに開いた状態(中)そしてさらに全開すると4枚のソーラーパネルが現れる(下)
そんな場合PowerHouse II 400ならソーラーパネルを使っての充電ができる!
現実問題として住居が倒壊すればどこかへ避難しなければならないだろうが、建物が無事ならどこか日当たりの良い場所にソーラーパネルを広げれば直接スマホなどへの充電はもとよりPowerHouse II 400の充電も可能だ。
ソーラー充電、太陽光発電と聞くと大層効率が悪くなかなか実用にならないイメージもあるが相手がPowerHouse II 400なら同じくAnker製のソーラーパネルPowerSola 3-Port 100Wがあれば充電…パススルー充電も実用レベルになるはずだ。
ということでソーラーパネルPowerSola 3-Port 100Wも手に入れた次第。
PowerSola 3-Port 100Wの出力はその名の通り100W仕様だが、実際にPowerHouse II 400に繋ぐとその入力は最大65Wだという。とはいえ例えばコンセントから直接充電しても59W程度が最大だ。したがってソーラーパネルで65W得られれば文句はないがこれまたそういう訳にはいかない。
ソーラーパネルは当然のことながら太陽の日射に大きく影響する。ということは日向だとしても朝夕とあるいは夏冬では大きく違う。さらにパネルの微妙な向きで出力容量が大きく変動するため、PowerSola 3-Port 100W附属の太陽位置測定機を使い、パネルの向きを正確に太陽に向けなければロスが多くなる。

※太陽光とソーラーパネルの角度合わせが簡単にできる工夫もされている
無論太陽の位置は時間により移動するため常に最大のパワーを得るためには背面のキックスタンドで角度調整と共に適宜位置合わせを行う必要がある。

※背面にはソーラーパネルを角度を付けて設置できるキックスタンドが両サイドに、そして中央位置にあるケーブルケースもキックスタンドとなる
では実際に使ってみた状況を解説したい…。この時期(3月)のまだ弱い日射の午前8時頃にPowerSola 3-Port 100Wを日が当たっている室内に広げてみた。広げると幅は折り畳み時の4倍となり幅146cm高さ52cmとなかなか大きいのでマンションのベランダ程度では最良のポジションを得るのがなかなか大変だ。
ともあれ結果は22Wから25W辺りを変動。それが日中ベランダに広げると何と…最大50Wを越えた!そして最大56Wを記録。ACコンセントからの充電にしても57W程度だからしてそれに匹敵するパワーが得られるわけだ。


※午前10時頃、ベランダにPowerSola 3-Port 100Wを広げてみるとPowerHouse II 400への入力が54Wから56Wにも達した!
ということはソーラーパネル入力で50W程度得られればPowerHouse II 400の場合、容量(388.8Wh)÷ 50W = 7.7hと理屈では8時間弱でフル充電となる。しかし天気の日でも一日で連続7時間も50Wの出力をキープできるはずもないが、あらかじめフル充電したPowerHouse II 400を使いながらの充電なら実用レベルかと思う。
また50W程度の出力を確保できれば例えば…10000mAh/37WhのモバイルバッテリーならPowerSola 3-Port 100Wに直接接続すると一時間もかからずフル充電できる理屈。そしてiPhone 13 Pro(11.45Wh)なら当然30分以下!ただし安定した日射しがありくどいようだがパネルを理想的な向きにセットすることが必須なのだが…。

※PowerSola 3-Port 100Wの接続ポートにはPowerHouse II 400へ繋ぐXT60ポートの他USB-AとUSB-Cポートが一つずつある。したがってスマホなどをここに直接繋いで充電も可能
以前玩具みたいなソーラーパネルを手に入れた時、これでは実用にはならないなと感じたがこのPowerSola 3-Port 100Wは災害時はもとより日常PowerHouse II 400をパススルーして使うための充電機器として実用レベルな製品だといえる。
ただしくどいようだがソーラーパネルが使えるのは晴れの日で日射時間帯に限られること、そして常に最良な向きにパネルをセッティングすることが求められることは忘れてはならない。
ともあれこれでPowerHouse II 400を常設しつつPowerSola 3-Port 100Wが使える日や時間帯はソーラーパネルで充電し、使えない日はコンセントからの充電を心がければ節電にも繋がる。
■総括
ということでPowerHouse II 400とPowerSola 3-Port 100Wを一週間ほど毎日時間を作ってあれこれと試してきた…。
まずPowerHouse II 400については満足こそすれ欠点は思い浮かばない。最初は邪魔か…と思ったハンドルもポータブル電源の名の通りであちらこちらに持ち運ぶとなれば実に具合がよろしい。
フラッシュライトもアンビエントライトも便利だ。そして何よりも操作が分かりやすいし、高望みをしなければ必要十分の機能と能力を備えている。
なにかひとつポータブル電源をとお考えならお勧めである。ただひとつ苦言を呈するなら取扱説明書だ…。数カ国語の列記と共に日本語の説明があるがこれは非常に読みにくいしパススルーといった説明も無い。
続いてPowerSola 3-Port 100Wだが、これまたよく考えられた製品だ。背面のスタンド収納をはじめパネルを左右にたたむのも広げるのもベルクロなので非常に簡便だし折りたたんだ際に両サイドの取っ手がマグネットで吸着するのも気持ちが良い。
また接続ケーブル収納ケースがこれまたベルクロでパネルに貼り付いているのも親切設計といえよう。そしてソーラーパネルとしての性能も最新の単結晶パネルを採用しているためこのクラスでは最良の発電効率の製品だ。
ただし、ポータブル電源PowerHouse II 400との接続コネクタが独自の規格(XT60ポート)であり、他社製のポータブル電源への接続や他社製ソーラーパネルをPowerHouse II 400に繋ぐのは難しいようだ。

※PowerSola 3-Port 100Wに附属するXT60コネクタケーブル
あくまでPowerSola 3-Port 100WはPowerHouse II 400およびPowerHouse II 800専用ソーラーパネルと考えた方がよい。
以上最新ポータブル電源PowerHouse II 400とこれまた最新のソーラーパネルPowerSola 3-Port 100Wを日々活用することなったが、その中でまた発見があったら別途ご報告したいと考えている。
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