ラテ飼育格闘日記_826

前回はラテが倒れ、一時はそのまま息を引き取るのではないかと思われたが、幸いなことにいきなり固形物を食べ始め、自力で立ち上がってゆっくりとではあるが歩くまでになったまでを振り返った。今回は行き掛かり上、その後…すなわちラテが亡くなるまでを、それこそ日記風に思い出してみたい。


燃え尽きる直前、一瞬これまでにも増して光り輝く…とは恒星の最後を綴った話しだと記憶しているし、我々人間も寝たきりだった者が死の直前、元気になったかのようにベッドに半身を起こす…といった話しも聞いたことがある。

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ラテも後から考えてそうした事だったのかも知れないが、食事もせず、水も飲まず点滴だけで一週間ほど寝たきりだったラテが急に牛乳に浸したドッグフードを食べ始め、何と言うことか自力で立ち上がって歩いたのだから驚き喜んだ。
さらに今年(2022年)1月20日には信じられないことだったが、ラテはボール遊びに興じた…。無論飛び跳ねるようなことは出来ないまでも自力でボールをゆっくりと追いかけた…。その姿を見てオトーサンは思わず涙してしまったものだ。

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※ボール遊びを楽しんだラテ…


1月22日には介護散歩用として探していた大型のカートが届いたが組立に苦戦した(笑)。ともかくこれでラテは歩けなくてもカートに乗せて公園に連れて行くことができる。
しかしその間にオトーサンにもアクシデントが起こった。それは定期検診を受けているクリニックで心房細動の兆候ありと診断され大学病院で精密検査に行く羽目に…。そして24時間心電図をモニターする「ホルター心電計」を胸と腹に装着しつつラテの世話をすることに(笑)。

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※大型犬用のカートで近所の公園に連れて行くことができるようになった


さて2月2日のこと、ラテのオシッコに血が混じっていた。医者いわくおむつの弊害かも知れず膀胱炎ではないかとのこと。取り急ぎ抗生剤を処方してもらった。心配が尽きないからか、オトーサンはその夜ラテをおんぶして道に迷っている夢をみた…嗚呼。
さらに首に出来ていた脂肪腫から突然の出血! 治療しようと近づいたときラテが「ブルブルブル」と首を振ったために周囲に血が飛び散り辺り一面血の海でオトーサンも平常心を失いかけた。しかし出血多量といった心配は無く、悪い血なのですべて出してしまう必要があり、そうなれば膨らみもへっこみラテも楽になるはずだからとオトーサンは自身を鼓舞して後始末にかかる…。

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※自力で立ち上がって「何してるの?」と顔を覗かせた


この頃から別室でラテを寝かせているその姿をモニターしようと小型カメラを設置。ともあれ腺腫からの出血を別にすればラテはまずまず元気で食事も規定量をあっと言う間に平らげた。
2月10日の朝、オトーサンが起床の支度をしているとラテが笑顔で挨拶に出て来た。嬉しい~。

2月12日、天気も良くラテが外に出たがっていたので意を決し、カート無しで外に連れ出した。ハーネスを吊り上げるようにして歩かせ馴染みの公園に出向くとそこには大好きな女子たちがいて笑顔で迎えてくれただけでなく、オトーサンはバレンタインだからとチョコもいただいた。

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※公園でお馴染みの女子たちと出会え嬉しそうだ


そういえば、おむつをしているのに排泄は外でしたいラテだから困る。で、外に出られる時間でもないのによたよたの体で玄関のドアに頭をぶつけながら出ようとする。

2月15日、ラテは食事を食べず元気がない。その原因の一つはおむつが嫌で💩を我慢するからか便秘のようだ。しかし真夜中に珍しくラテは便意を催したのか起きてきた。仕方がなく外気温2℃の中、外に連れ出したらやっと便秘は解消。まったく心配させやがって…。でもよかった、よかった。
2月18日、ラテをカートで公園に連れて行った。主な目的は💩をさせるためだが、昨日今日は足腰が定まらず自力で歩けないのでなかなか大変。家に戻っても抱き上げて玄関を入るというありさま…。具合は一進一退だ。
2月22日、ラテの腰の床ずれの傷を隠す為(包帯を取らないように)女房の古いTシャツを着せてみる。またこの日には万一のためと購入した酸素発生器が届く。

2月27日、午前12時半、1時、2時、3時過ぎとラテが鳴くので起こされる。寝返りをうちたくとも自力でできない事とどうやら視力と聴力の衰えで目が覚めると不安になるのではないかと思うが、オトーサンはラテの体の向きを変え、寄り添う事しかできないのがやりきれない。

3月1日、16時過ぎラテを外に連れ出した。相変わらず腰砕け状態で体重はオトーサンの腕に全部かかっている状態。それでも出すものを出したら優しい表情になった。
3月3日、天気も良し温かいからと3時過ぎにラテをカートに乗せて馴染みの公園に連れて行く。しかし少し前とは違いカートの中でも横になったままだし、外に出してみたものの立てずに終始横になったままだった。

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※この日、公園にカートで連れだしたがすでに脱力状態で立つこともできなかった


3月6日の未明、ラテが頻繁に弱々しい声を上げる。オトーサンはここの所完全に寝不足だが文句を言ってる場合ではないとパジャマのままラテのところに行くと笑顔を見せる。思わず椅子に座ったオトーサンはラテを両膝の上に乗せて抱きしめるがその痩せて骨張った体に唖然とするがそれでも10分ほど抱いている間は安心したのか声を上げずに目を瞑っている。

オトーサンは静かにラテを寝床に置き、再び布団に入るが明け方5時前後かラテが再び声を上げたが尋常ではない感じ…。見に行くと口を開け呼吸が荒いので酸素発生器で手製の酸素マスクをあてがうと多少は楽になったかに見えたが、ふと気がつくと開いた口から見える舌の色に血の気がなく白い!そして一瞬だが両眼が泳いでいる…。

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※呼吸が荒く舌の色にも血の気がない。オトーサンは急遽酸素吸入を始める


「これはさすがにその日が来たか」とオトーサンと女房は覚悟をせざるを得なかった。ただその日女房が出社の日でもあり手早く朝食を整え再びラテの所にいくと正しく虫の息だった。オトーサンは思わず「ラテ、ラテ!」「死ぬな!」と叫んでその頭を抱え込んだが数度浅い呼吸をしたように思えたラテは薄目を開いた状態で静かに息を引き取った。15歳9ヶ月の犬生だった。
オトーサンにできることはただただ泣くことだけだった…。

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※オトーサンと女房に看取られつつラテは穏やかに息を引き取った…




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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員