Apple HomePod mini 返品の結末

はじめてApple HomePod を購入した。正確にはApple HomePod miniだが、iPhoneとペアリングが目的ではなくメインマシンのiMacの外部スピーカーとして使ってみたかったのだ。


AirPlayは、Wikipediaによれば、iTunesやiPhone、iPod touch、iPadで再生している音楽や動画、画像を、家庭内のネットワークを経由して他の機器でストリーミング再生する機能だという。
事実手元のiPhoneやiPadからHomePod minとペアリングし音楽を流すのはいとも簡単だ。しかし今般私はメインマシンのM1 iMacの外部スピーカーとして使ってみたいと考えた。

HomePodmini_01.jpg


M1 iMacにしてからこれまで使っていた外部スピーカーは処分してしまったが、些か音楽に浸ろうとするときにはサウンドの広がりが乏しく没入感が得られないと感じるからだ。とはいえいまさら大層なスペックのスピーカーを並べるつもりはないしHomePod miniならM1 iMacと同様にイエローのボディもあったのでこれをiMacの左右に並べようと考えた。
HomePod miniは実際の林檎と同じようなサイズでイエローのM1 iMac左右に並べるとなかなかに素敵だ。大きくスペースも取らないから邪魔にもならない。

HomePodmini_03.jpg


■設定のわかりづらさ…
最初に申し上げたいことは意外なことに設定の分かりづらさだ。勿論iPhoneとのペアリングなら例えばApple AirPods Proなどと一緒で簡単だし一瞬でペアリングは終了する。
しかしHomePod miniをにMacの外部スピーカーとして設定しようとするといきなり敷居が高くなる。HomePodはそもそもAirPlayを活用するデバイスだが、Wi-FiとかBluetoothといったものたちほど馴染みがない。そしてHomePod miniパッケージに同梱の簡易説明書にはiMacの外部スピーカーとしての設定方法などは記載されていない。

ともかく順序としてはiPhoneからHomePod miniを認識ペアリングするが、その前にiMacのWi-FiとiPhoneのそれを同じネットワークにしておくことが必要。そしてiMacのコントロールセンターからHomePod miniを選択することになるが、繋がったと思ったら左チャンネルだけだったりと…これがなかなか上手くいかない…。
仕方なくAppleCareに電話してサポートをお願いした。

対処方法は煩雑だし私自身同じ事を再現できるとは思えないので詳細は省くが、ホームアプリなども駆使した結果やっと安定してHomePod miniが使えるようになった。
iMac内蔵スピーカと比較してやはりサウンドの広がりが違いHomePod miniの実力が遺憾なく発揮され喜んだのも束の間、問題が生じた…。

■iPhoneをiMacのWebカメラとして使えない…

しばし、HomePod miniのサウンドを楽しんでいたが、定例のYouTube動画を撮影しようとiPhoneをいつものようにiMacのウェブカメラとして使うべくセッティングをはじめたがiPhoneからの映像が入ってこない。
すると「連係カメラの接続ができません」という通知が表示され「AirPlayの接続を解除してください」とのこと。

HomePodmini_04.jpg


そもそもAirPlayというものをこれまできちんと認識しておかなかったことでもあり、さてどうしたらAirPlayをOFFにできるのか、OFFにできたとして再度ONすれば問題なくHomePod miniが使えるのかが不明でしばしあれこれと確認していたところやっと判明。
どうということはなく、コントロールセンターのサウンド覧にあるAirPlayアイコンをクリックし、サウンド出力をHomePod miniからiMacの内蔵スピーカーに切り換えればよいだけだ。
であるなら耳慣れない「AirPlayをOFFに」ではなく「出力スピーカーをiMac内蔵に切り換えてください」とすれば混乱はないのだが…。
勿論、スピーカー出力をHomePodに戻せばHomePod miniは問題なく使用できた。

■AirPlayだからしての遅延問題

さらに当初はそんなものかと思っていたがHomePod miniからサウンドをONにするにしろOFFにしろ、クリックしてから約2秒ほど遅延があることが気になった。
これはHomePod miniをMacと接続させたいとした際の問題だというが、購入時にアップルのウェブサイトのHomePod mini説明に、オーディオソースとして "iPhone、iPad、iPod touch、Apple TV、MacからHomePod miniにAirPlayでストリーミングしたその他のコンテンツ" と明記されている。この表記が曲者なのだ!
要はこのHomePod miniはMacとはWi-FiやBluetoothによる直接的な接続といった仕様ではなくあくまで「AirPlayを使って」の意だという。
どういうことかと言えば、例えばMacの外付けスピーカーとしてセッティングできたとして,Macのミュージックアプリを起動し音楽を再生したとき、再生ボタンを押してから約2秒ほど遅れてスピーカーから音が出る理由をアバウトで説明するならMacで再生したサウンドは一旦iPhoneに送られ、iPhoneからHomePod miniへデータが飛ぶ…から遅れるということになる。
このことはAppleCareで確認したので間違いは無いはずだ…。

したがってもう一例としてiMoveで動画編集をしようとした際、映像と音がずれることも同じ理屈である。映像はMac自体で再生しているからリアルタイムなのに対し、その音はAirPlayでiPhone経由でHomePod miniに送られるので遅延が発生するということだ。

要はこのHomePod miniという代物はiPhoneやiPad向けのプロダクトでありMac向けではないのである。だからMacにセッティングするためにはiPhoneが必要だしその利用も、もしiPhoneが手元に無ければMacの外部スピーカーとしての機能も果たせなくなるという製品だという。
こうした事実を知って愕然としたが、こうした事が明確になる以前にも二度AppleCareに電話をして相談したわけだが、その二度の電話は無駄だったことになる…。う〜む。

■珍しく返品を決意

そもそもAirPlayとはiPhoneやiPadなどで再生している音楽や映像を、スピーカーやテレビといった対応機器にWi-Fiなどの通信を介するストリーミングで出力するための仕様だ。それは知っていたものの実際に活用したことはなかったために今回のトラブルとなったわけだが、100歩譲って音楽再生の際の遅延は許せるとしても(大いに気になるが)動画編集などの際にはいちいち出力をiMac内臓スピーカーに切り換えなければ遅延が激しく使い物にならない。
あくまでiMacの外部スピーカーとして活用したいと考えたのが間違いの元とはいえ、我慢をしながら使うほどのものでもないと私には珍しいことだが返品を決意した。

HomePodmini_02.jpg


ネットを検索すると少なからずMacとの接続に関する情報もあるから、私と同様な目的でHomePod miniを手にするユーザーも多々いるに違いない。だとすればアップルの製品サイトにMacとの接続はAirPlay接続になるからして遅延という問題があることをきちんと明記して欲しいししなければならないと思う。
M1 iMacのカラーと同じイエローのHomePod miniはまるで黄色いリンゴを左右に置いたようでビジュアル的にもそしてサウンド的にも気に入っただけに残念であった。



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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員