Apple iPhoneの素直な印象〜写真だけではその凄さは分からない!

Macworld Expoの基調講演で発表されたiPhoneは、Appleユーザーだけでなく一般の人たちにも大きな話題になっている。まだ実機を手に取れるわけではないが、iPhoneは実に素晴らしい。 


まだまだ詳細な部分についてのアナウンスがないので具体的なスケジュールなどは不明だが、日本でiPhoneを使えるようになるには早くて2008年まで待たなければならない。 
米国あるいはヨーロッパ地域とのリリースの時期の差は、様々な条件の違いから生じるものであることは分かるが、ニンジンを眼前にぶら下げられた馬みたいで興奮はしても、いまいちリアリティに欠ける(笑)。 
いや...Macworld ExpoのAppleブースでさえ、ケースに収められた一台しか見ることができないというから、まだまだ準備不足なのかも知れない。 
それはともかく、iPhoneの凄さは一般的なウェブサイトのニュースなどで、その紹介されたスペックを追っても実態は分からないのではないか。幸いAppleのサイトでは基調講演の模様をストリーミングで見られるようなっているから、まだご覧になっていない方は是非スティーブ・ジョブズ氏のプレゼンテーションとそのユーザーインターフェースの妙をご覧になっていただきたい。 
繰り返すが、実機を手にしていない私が申し上げるのも変だが、フォトギャラリーなどを見ただけではiPhoneの凄さは分からない...。 

iPhone.jpeg


iPhoneのオペレーションは指で行うが、その指による操作は決してスタイラスなどの単純な代替えではない。二本指による画像の拡大縮小のやり方などはMacBookなどのトラックパッド操作以上にソフトウェアテクノロジーの可能性が大きいことをあらためて認識させてくれる。事実基調講演でスティーブ・ジョブズ氏自身「Appleはソフトウェアを大切にする会社だからこそ、ソフトウェアで実現した...」といった意味のことを発言していた。 

当サイトでは基調講演の数時間前に、今回発表される新製品を少々茶化しながら「ワイヤレスiPodの可能性アリ」と紹介した。 
ワイヤレスで液晶が大きく、そしてMac OS X LiteのようなOSも搭載されるかも知れないとした。それがiPodなのか携帯電話なのか、あるいは携帯情報端末なのかは分からなかったが、iPhoneはそうした機能をすべて網羅した製品として登場した。 
iPhoneと現在我々が手にしている携帯電話を比べて見ると、スペック以上にその違いがよく分かると同時に、iPhoneの素晴らしさが理解できると思う。そして「なぜ、iPhoneの機能の一部でもいいから、使いやすく魅力的な製品がこれまで出来なかったのか...」を思い、Appleという企業の特殊性と技術力の高さをあらためて痛感した。 

Appleはすでにご紹介したとおり、その社名から"Computer"を廃した。Macintoshというコンピュータもいくつかのプロダクトのひとつのカテゴリーに過ぎなくなったからだというが、総合家電メーカーとして今後は益々柔軟な製品群をリリースしていくのではないだろうか。 
Apple IIでApple Computer社を知り、MacintoshでApple Computer社の凄さと楽しさを痛感し、ユーザーに留まるだけでは飽きたらずにMacintoshのソフトウェア開発をビジネスとした私自身だから、個人的には"コンピュータ"という冠に拘りたい気持ちもある。しかし今般 iPhoneの素晴らしい出来栄えを実感したことで、Appleが作るデジタルカメラといったものだけでなく、例えばAppleが作る冷蔵庫、Appleが作る洗濯機、Appleが作る電子レンジなども見てみたい気がする(笑)。 
そんな気持ちにさせるほど、iPhoneはこれまでの携帯電話や携帯情報端末の範囲を超えた斬新で新しいデバイスだと思う。 
来年の2008年以降、現在のiPodがそうであるように、街中で...電車の中で...人々が集まるとき、iPhoneを使う多くの人たちとすれ違うようになることを夢見つつ、じっくりと情報を集めながら待つことにしようではないか。 
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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員