「APPLE PRODUCT PROFESSIONAL 2002」ピンズ考
よく”ピンバッジ”というが、これは日本以外では一般的でない呼び方であり、「ピンズ(PINS)」と呼ぶ方が国際的には通用するという。私もそのピンズは好きなのでいくつか持って楽しんでいるが、この度「APPLE PRODUCT PROFESSIONAL 2002」というピンズを手に入れた。
「ピンズ(PINS)」は普通直径が30mm前後の金属製で裏面に垂直に針があり、バタフライクラッチと呼ぶ針受けを使ってジャケットの襟元などに留め飾りするバッジである。一般的に材質は真鍮や銅が使われるが鉄やアルミニウムなどの製品もある。また表面の加工も伝統的な七宝によるものからコストと関係してさまざまな手法のものが登場しているという。
アップルグッズとしてのピンズも過去にはかなりの種類を持っていたがプレゼントに使ったり自身で身につけて無くしたりした結果、現在はベーシックな?6色のアップルロゴのピンズしか手元になかった。ただしアップルとは無関係のものであるなら手塚プロダクション製やミュージアムグッズ品、日本シャーロック・ホームズクラブ入会の際に送られてきたものなどいくつかがある。

※アップル6色のロゴピンズを中心に手元にあるピンズたち
前振りはこのくらいにするが、今回手に入れたピンズはまごう事なきアップルグッズとしての一品である(笑)。ご覧のように渋い背景中央にはアップルロゴが配され、上下に”APPLE PRODUCT”ならびに”PROFESSIONAL”そして”2002”と浮き彫りにされている。
大きさは円形部の直径が11mm程度の小さなものだが、全体的にシックなデザインであり、これなら実際にジャケットの襟元にでも付けてみようかという気になる。


※「 Apple Product Professional」トレーニング認定ピンズ(上)とその拡大写真(下)
問題はピンズひとつにもその曰く因縁というか、創られた由来があるはずだ。会社の社章だったりイベントの記念品だったりとさまざまな機会に多くのピンズが創られている。したがってこのピンズに記されている「APPLE PRODUCT PROFESSIONAL 2002」とは何の事かを少し調べてみた。正直手に入れた際には見当はついていたものの詳しいことは知らなかったのである。何しろ初めて見るデザインでもあった...。
まあそのテキストから推察するに、そしてアップルロゴが正式なものであるなら、アップルが2002年に何らかの目的を持って配布したピンズであることはわかる...。それも”APPLE PRODUCT”とか”PROFESSIONAL”という語句があるのだから、何らかの資格認定的意味合いがあるピンズなのだろうと見当は付く。
ご承知のようにアップルはこれまで市場活性化を図り、サービス向上と顧客満足度を高めるためにさまざまなプログラムを実践してきた。特に販売店ならびにその店頭に立ち,直接顧客と接する担当者たちのスキルアップを図るためのトレーニング・プログラムとか、テクニカル・プログラムといった類のサポートを実施してきた。古くは一般ユーザー向けにアップル認定トレーニングセンター(ATC)を開設したり、販売代理店、販売店を対象にしたトレーニングプログラムなどを実施してきた経緯がある。
アップルは現在もMac OS XプラットフォームをサポートするITエンジニアや、Final Cut Proをはじめとするアップルの各種プロアプリケーションを利用するクリエイティブユーザのために、認定資格プログラムやトレーニングを提供しているはずだ。ただし、本原稿を書いているとき確認の意味を含めてアップルのサイトにある「サポート」ページの「トレーニングと認定資格」のリンクをクリックしてみたらタイムアウトで当該ページはオープンできなかった...。工事中なのだろうか?
さて、私はMOSAに在職していた時期にはアップルからの依頼を受け、各種のトレーニングプログラムの認知向上と受講者ならびに合格者を増やす目的のため、トレーニング企業各社を訪問しサービスのあり方と最良の実践手法を相談しに回ったことがある。ともかく現在もアップルは各種のトレーニングと認定資格授与のサポートを行っているはずだし、ピンズの表記そのままの「 Apple Product Professional」トレーニングに関してもウェブには「アップル主催の販売員向けトレーニングで一定の成績を達成した販売員の方に、ステータスのピンバッチと証明書を授与しております。」と説明されている。そして販売店リストでこのバッチマークのある店舗は、 Apple Product Professionalステータスを持った販売員の方が在籍するお店だということになる。
こうしてインターネットなどで調べた結果、直近のピンズは今回ご紹介したものとはかなりデザインが違うものの、その目的は同じもののようである。したがってこのピンズは本来トレーニングプログラムにより合格した認定者自身が所持すべきものだという理窟になる。無論これまでにも多くの方々がアップルから認定を受け、認定書と共にこのピンズを授与されているはずだ。
私の知っているいくつかの販売店の方たちの中にも認定資格者がいらしたが、本当の意味でステータスになっているのだろうか。ともかくこの種のサービスは受講者ご本人のためというよりエンドユーザーへのサービス向上が最終目的であるはずだ。そうした観点から見ると僭越ながらアップルのサポートプログラムはまだまだ不完全だと思う。
私は前記したMOSA在職中にアップルへ提言したことは、認定者を増やすだけの活動は本末転倒になりかねないこと。そして一番大切なことは認定者の方々に対して認定後もそれで完了というのではなく、さまざまな意味において十分な協力と支援を続けるべきだということだった。そして認定者相互の情報交換の場を積極的に設けてはどうか...といった提案もしたが実現しなかった。
アップルの日本市場は不景気にも大きく左右されているとはいえいまひとつパッとしないが、米国やヨーロッパ市場は大きく売上を伸ばしている。しかし、アップルは歴史的に見て、企業としての業績が上々のときほどサービスが悪くなるという傾向がある(笑)。現在はアップルストアを始めとしてオンライン販売も一般的になったし、それこそ正規販売代理店や販売店でMacintoshを購入する機会も一昔前と比較すれば随分少なくなったに違いない。それだけ販売店側としてのビジネスが難しくなる傾向は避けられないが、アップルは近視眼的に市場を見るのではなく、これまで市場を支え続けてくれた販売店各社にあらためて真摯な態度で接し、より十分なサポートを実行するべきだと思う。
たった一個のピンズから話はでかくなったが(笑)、舞台裏を知る一人としては流通各社や販売店といったすべての市場関係者がハッピーでなければ結局ユーザーも恩恵を受けられないことを再認識せざるを得ないのである。
「ピンズ(PINS)」は普通直径が30mm前後の金属製で裏面に垂直に針があり、バタフライクラッチと呼ぶ針受けを使ってジャケットの襟元などに留め飾りするバッジである。一般的に材質は真鍮や銅が使われるが鉄やアルミニウムなどの製品もある。また表面の加工も伝統的な七宝によるものからコストと関係してさまざまな手法のものが登場しているという。
アップルグッズとしてのピンズも過去にはかなりの種類を持っていたがプレゼントに使ったり自身で身につけて無くしたりした結果、現在はベーシックな?6色のアップルロゴのピンズしか手元になかった。ただしアップルとは無関係のものであるなら手塚プロダクション製やミュージアムグッズ品、日本シャーロック・ホームズクラブ入会の際に送られてきたものなどいくつかがある。

※アップル6色のロゴピンズを中心に手元にあるピンズたち
前振りはこのくらいにするが、今回手に入れたピンズはまごう事なきアップルグッズとしての一品である(笑)。ご覧のように渋い背景中央にはアップルロゴが配され、上下に”APPLE PRODUCT”ならびに”PROFESSIONAL”そして”2002”と浮き彫りにされている。
大きさは円形部の直径が11mm程度の小さなものだが、全体的にシックなデザインであり、これなら実際にジャケットの襟元にでも付けてみようかという気になる。


※「 Apple Product Professional」トレーニング認定ピンズ(上)とその拡大写真(下)
問題はピンズひとつにもその曰く因縁というか、創られた由来があるはずだ。会社の社章だったりイベントの記念品だったりとさまざまな機会に多くのピンズが創られている。したがってこのピンズに記されている「APPLE PRODUCT PROFESSIONAL 2002」とは何の事かを少し調べてみた。正直手に入れた際には見当はついていたものの詳しいことは知らなかったのである。何しろ初めて見るデザインでもあった...。
まあそのテキストから推察するに、そしてアップルロゴが正式なものであるなら、アップルが2002年に何らかの目的を持って配布したピンズであることはわかる...。それも”APPLE PRODUCT”とか”PROFESSIONAL”という語句があるのだから、何らかの資格認定的意味合いがあるピンズなのだろうと見当は付く。
ご承知のようにアップルはこれまで市場活性化を図り、サービス向上と顧客満足度を高めるためにさまざまなプログラムを実践してきた。特に販売店ならびにその店頭に立ち,直接顧客と接する担当者たちのスキルアップを図るためのトレーニング・プログラムとか、テクニカル・プログラムといった類のサポートを実施してきた。古くは一般ユーザー向けにアップル認定トレーニングセンター(ATC)を開設したり、販売代理店、販売店を対象にしたトレーニングプログラムなどを実施してきた経緯がある。
アップルは現在もMac OS XプラットフォームをサポートするITエンジニアや、Final Cut Proをはじめとするアップルの各種プロアプリケーションを利用するクリエイティブユーザのために、認定資格プログラムやトレーニングを提供しているはずだ。ただし、本原稿を書いているとき確認の意味を含めてアップルのサイトにある「サポート」ページの「トレーニングと認定資格」のリンクをクリックしてみたらタイムアウトで当該ページはオープンできなかった...。工事中なのだろうか?
さて、私はMOSAに在職していた時期にはアップルからの依頼を受け、各種のトレーニングプログラムの認知向上と受講者ならびに合格者を増やす目的のため、トレーニング企業各社を訪問しサービスのあり方と最良の実践手法を相談しに回ったことがある。ともかく現在もアップルは各種のトレーニングと認定資格授与のサポートを行っているはずだし、ピンズの表記そのままの「 Apple Product Professional」トレーニングに関してもウェブには「アップル主催の販売員向けトレーニングで一定の成績を達成した販売員の方に、ステータスのピンバッチと証明書を授与しております。」と説明されている。そして販売店リストでこのバッチマークのある店舗は、 Apple Product Professionalステータスを持った販売員の方が在籍するお店だということになる。
こうしてインターネットなどで調べた結果、直近のピンズは今回ご紹介したものとはかなりデザインが違うものの、その目的は同じもののようである。したがってこのピンズは本来トレーニングプログラムにより合格した認定者自身が所持すべきものだという理窟になる。無論これまでにも多くの方々がアップルから認定を受け、認定書と共にこのピンズを授与されているはずだ。
私の知っているいくつかの販売店の方たちの中にも認定資格者がいらしたが、本当の意味でステータスになっているのだろうか。ともかくこの種のサービスは受講者ご本人のためというよりエンドユーザーへのサービス向上が最終目的であるはずだ。そうした観点から見ると僭越ながらアップルのサポートプログラムはまだまだ不完全だと思う。
私は前記したMOSA在職中にアップルへ提言したことは、認定者を増やすだけの活動は本末転倒になりかねないこと。そして一番大切なことは認定者の方々に対して認定後もそれで完了というのではなく、さまざまな意味において十分な協力と支援を続けるべきだということだった。そして認定者相互の情報交換の場を積極的に設けてはどうか...といった提案もしたが実現しなかった。
アップルの日本市場は不景気にも大きく左右されているとはいえいまひとつパッとしないが、米国やヨーロッパ市場は大きく売上を伸ばしている。しかし、アップルは歴史的に見て、企業としての業績が上々のときほどサービスが悪くなるという傾向がある(笑)。現在はアップルストアを始めとしてオンライン販売も一般的になったし、それこそ正規販売代理店や販売店でMacintoshを購入する機会も一昔前と比較すれば随分少なくなったに違いない。それだけ販売店側としてのビジネスが難しくなる傾向は避けられないが、アップルは近視眼的に市場を見るのではなく、これまで市場を支え続けてくれた販売店各社にあらためて真摯な態度で接し、より十分なサポートを実行するべきだと思う。
たった一個のピンズから話はでかくなったが(笑)、舞台裏を知る一人としては流通各社や販売店といったすべての市場関係者がハッピーでなければ結局ユーザーも恩恵を受けられないことを再認識せざるを得ないのである。
- 関連記事
-
- スティーブ・ジョブズとシャーロック・ホームズ共通点の考察 (2008/11/10)
- 個人情報保護スタンプ「ケシポン」を知ってますか? (2008/05/19)
- ゆうMUG 第2回定例会にて講演を! (2008/03/16)
- iPhone SDK発表に見るスティーブ・ジョブズの深層心理? (2008/03/14)
- 「マックと私の10の約束」MacTech Lab.版公開(笑) (2008/02/19)
- 「APPLE PRODUCT PROFESSIONAL 2002」ピンズ考 (2008/02/12)
- 右手の腱鞘炎の原因を検証する (2007/06/06)
- 多摩美術大学八王子キャンパスで特別講義を行った (2007/06/03)
- 何故CalculatorはMac OS 9までそのまま使われたのか? (2007/05/21)
- 打ち合わせのため、多摩美術大学八王子キャンパスに出向く (2007/05/16)
- Apple本社から届いた株主総会案内と決算報告書を見て... (2007/05/06)