iPhone SDK発表に見るスティーブ・ジョブズの深層心理?
先日Appleが発表したiPhone SDKの内容を深読みすれば、Apple...いや、スティーブ・ジョブズが今後どのようなプロダクトマップを考えているかという片鱗をのぞき見することができるような気もするし、意外に早くPower PCのサポートを終えるのではないかという危惧も生じる...。
先日3月6日にiPhone SDKに関する発表があったばかりだが、早くも12日にはダウンロードが100,000を越えたという。しかしアップルからのSDK発表を確認していて「おいおい...」と思わず口に出してしまったことがある。
iPhone SDKには Xcode 3.1をはじめ、デバッガ、Cocoa touchフレームワーク、iPhoneシミュレータ等が含まれ、iPhoneが手元になくてもプログラム開発が可能となる。ただし、このSDKは Intel Macでなければ使えないというのだ...。
これは100%戦略的な決断に違いないが、Power Macを切り捨てるのは早すぎはしないだろうか...。物理的にはPower Mac G5なら開発マシンとして問題はないはずだし、これではLeopardの次期バージョンも Intel Macでないとダメと言われる日が間近になっているのかも..。まあ、2つのプラットフオームをサポートするのはそれだけ手間がかかるのはわかるが、ちょいとあからさまな気がしてしゃくに障る。

※Apple, Inc.ホームページより引用のiPhone Software Roadmapイメージ
Apple、いや...スティーブ・ジョブズの真意はともかく、穿った見方をするなら一日も早くPower PCのサポートを止めたいというのが本音なのではないだろうか。
すでに新製品のラインナップとしてPower MacとかPowerBookといったプロダクトは無くなったし、後Power PCのサポートを止めることができればスティーブ・ジョブズがAppleに返り咲いてからこの方、プロダクトリストのすべてが彼の思惑に沿ったものになる...と見ることができる。何故ならPowerPC採用はもとよりPowerBookという名は彼がAppleに不在だった時代の産物であるからだ。
ジョブズがAppleを追われたのが1985年であり、復帰し暫定CEOに就任したのが1997年だ。この間、1991年に最初のPowerBookが発表されPowerPCプロジェクトが始動している。
ジョブズがAppleに戻った後、早速Newtonプロジェクトや互換機ビジネスの息の根を止め、多すぎたプロダクトリストをシンプルにした。その後iMacやiBookは勿論、iPodに至る “i”が付く製品たちはジョブズが陣頭指揮をとったプロダクトなのは周知のとおりである。
無論彼がAppleに戻ってから発表されたPowerBookの新製品などもあったが、想像するにジョブズにとってはできるだけ早く”自分が留守にしていた時代の産物”はすべて消去したかったに違いない。
1997年の復帰直後、ジョブズはAppleの社内にあった同社のシンボル的存在である記念的な古いマシン類をスタンフォード大学に寄贈し「昔を振り返るのはここでやめよう...重要なのは明日何が起きるかだ...」と宣言した。こうした行動は確かにポジティブで前向きに捉えられる一方、昔を振り返ると彼にとって都合の悪い歴史が山のようにあることも確かなのだ(笑)。
PowerBookがMacBookに、Power MacがMac Proに、そしてPower PCがIntel プロセッサに置き換わり、NeXT社時代に自身が手を染めて開発したNeXT Stepを核にしたMac OS Xが認知されたいま、文字通りスティーブ・ジョブズ体制が磐石なものになったと考えられる。文字通り古い時代のイメージは払拭されたのだ。
この調子では今後早い時期に新しいMac OS Xバージョンはもとより新しいアプリケーションの中には Intel Macでしか使えないというものが登場するかも知れない...。だから、こんなこともあろうかと早めにMac Proが欲しかったのだ...。

※この度手に入れたMac Pro 2.8GHz 8コアマシン
そういえば、このニューMac ProはMACWORLD Expo開催間近の1月8日に発表された。標準で8コアになったフラグシップマシンは決してニュース性のない製品ではないが、このMac Proは基本デザインこそ従来のものを踏襲しているものの、ハードウェアは刷新されている。しかしAppleにとっては話題性が低いと考えたか、あるいはExpo基調講演の目玉としては面白味がないと考えられたのかも知れない。確かにMacBook Airと比較すればそうなのだが、もはやスピードアップだけでは話題性が低いのだろうし、いずれにしてもAppleの好調さと自信の表れと考えられる。
MacBook Airを見る限り、Appleは今後ワイヤレスと薄型軽量そしてマルチタッチインターフェイスを採用した製品が主軸となるように思えるが、この傾向はiMacやCinema Displayなどにも様々な意味で浸透していくに違いない。しかしMac Proはどうなるのだろうか...(笑)。
それはともかくまだまだPower Mac G5などは現役である。Appleにはきちんとしたサポートを続けて欲しいものだが...さて?
先日3月6日にiPhone SDKに関する発表があったばかりだが、早くも12日にはダウンロードが100,000を越えたという。しかしアップルからのSDK発表を確認していて「おいおい...」と思わず口に出してしまったことがある。
iPhone SDKには Xcode 3.1をはじめ、デバッガ、Cocoa touchフレームワーク、iPhoneシミュレータ等が含まれ、iPhoneが手元になくてもプログラム開発が可能となる。ただし、このSDKは Intel Macでなければ使えないというのだ...。
これは100%戦略的な決断に違いないが、Power Macを切り捨てるのは早すぎはしないだろうか...。物理的にはPower Mac G5なら開発マシンとして問題はないはずだし、これではLeopardの次期バージョンも Intel Macでないとダメと言われる日が間近になっているのかも..。まあ、2つのプラットフオームをサポートするのはそれだけ手間がかかるのはわかるが、ちょいとあからさまな気がしてしゃくに障る。

※Apple, Inc.ホームページより引用のiPhone Software Roadmapイメージ
Apple、いや...スティーブ・ジョブズの真意はともかく、穿った見方をするなら一日も早くPower PCのサポートを止めたいというのが本音なのではないだろうか。
すでに新製品のラインナップとしてPower MacとかPowerBookといったプロダクトは無くなったし、後Power PCのサポートを止めることができればスティーブ・ジョブズがAppleに返り咲いてからこの方、プロダクトリストのすべてが彼の思惑に沿ったものになる...と見ることができる。何故ならPowerPC採用はもとよりPowerBookという名は彼がAppleに不在だった時代の産物であるからだ。
ジョブズがAppleを追われたのが1985年であり、復帰し暫定CEOに就任したのが1997年だ。この間、1991年に最初のPowerBookが発表されPowerPCプロジェクトが始動している。
ジョブズがAppleに戻った後、早速Newtonプロジェクトや互換機ビジネスの息の根を止め、多すぎたプロダクトリストをシンプルにした。その後iMacやiBookは勿論、iPodに至る “i”が付く製品たちはジョブズが陣頭指揮をとったプロダクトなのは周知のとおりである。
無論彼がAppleに戻ってから発表されたPowerBookの新製品などもあったが、想像するにジョブズにとってはできるだけ早く”自分が留守にしていた時代の産物”はすべて消去したかったに違いない。
1997年の復帰直後、ジョブズはAppleの社内にあった同社のシンボル的存在である記念的な古いマシン類をスタンフォード大学に寄贈し「昔を振り返るのはここでやめよう...重要なのは明日何が起きるかだ...」と宣言した。こうした行動は確かにポジティブで前向きに捉えられる一方、昔を振り返ると彼にとって都合の悪い歴史が山のようにあることも確かなのだ(笑)。
PowerBookがMacBookに、Power MacがMac Proに、そしてPower PCがIntel プロセッサに置き換わり、NeXT社時代に自身が手を染めて開発したNeXT Stepを核にしたMac OS Xが認知されたいま、文字通りスティーブ・ジョブズ体制が磐石なものになったと考えられる。文字通り古い時代のイメージは払拭されたのだ。
この調子では今後早い時期に新しいMac OS Xバージョンはもとより新しいアプリケーションの中には Intel Macでしか使えないというものが登場するかも知れない...。だから、こんなこともあろうかと早めにMac Proが欲しかったのだ...。

※この度手に入れたMac Pro 2.8GHz 8コアマシン
そういえば、このニューMac ProはMACWORLD Expo開催間近の1月8日に発表された。標準で8コアになったフラグシップマシンは決してニュース性のない製品ではないが、このMac Proは基本デザインこそ従来のものを踏襲しているものの、ハードウェアは刷新されている。しかしAppleにとっては話題性が低いと考えたか、あるいはExpo基調講演の目玉としては面白味がないと考えられたのかも知れない。確かにMacBook Airと比較すればそうなのだが、もはやスピードアップだけでは話題性が低いのだろうし、いずれにしてもAppleの好調さと自信の表れと考えられる。
MacBook Airを見る限り、Appleは今後ワイヤレスと薄型軽量そしてマルチタッチインターフェイスを採用した製品が主軸となるように思えるが、この傾向はiMacやCinema Displayなどにも様々な意味で浸透していくに違いない。しかしMac Proはどうなるのだろうか...(笑)。
それはともかくまだまだPower Mac G5などは現役である。Appleにはきちんとしたサポートを続けて欲しいものだが...さて?
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