大阪ドームをいっぱいにしたMac Fan Expo in Kansaiの想い出
Mac Fan誌の最新号(2009年4月号)の特集のひとつは私が執筆の一部を担当した「マックワールド・エキスポの24年」だが、忘れるわけにはいかないもうひとつのExpoといえば大阪の地で1997年12月12日~14日の3日間開催された「Mac Fan Expo」である。
当時幕張で開催されていたMacworld Expo/Tokyoは恒例となっていたが常々東京だけではバランスが悪いし不公平だという意見があった。そして「マック関連の大型イベントを東京だけでなく大阪でも開催すべき」という意見や要望は多くの方々からあがっていたがこの年ついに実現したのである。
その名のとおり、このイベントはMacworld ExpoがIDG社により企画運営されたものとは違い、読売テレビが開局40周年イベントとして企画したもので、読売テレビおよびMac Fan誌などを発刊しMacコミュニティーを強力にサポート牽引している毎日コミュニケーションズ社の主催によるものだった。
今月号のMac Fan誌特集ではこのMac Fan Expoについてはごく簡単に紹介されているだけなので、その補足と言った意味も含めて往時の印象を記しておきたい。
まず特筆すべきはこのイベントは当時のMac Fan総編集長だったT氏の大きな企画力と尽力によったことは特筆しておくべきだろう。大げさでなく、この規模のイベントを成功裏に終わらせるのはコスト的な面も勿論だが、大変なパワーとバランス感覚を必要とするものだ。
脇で拝見していただけの私だが、イベントを成功させるのはまさしく人の力なのだということを肌で感じたイベントでもあったのである。

※毎日コミュニケーションズ発行のMac Fan Expo in Kansai '97 出展案内ガイド表紙
さて会場はあの大阪ドームだった。
当初大阪でのイベントと聞いて私たちも正直二の足を踏んだ...。
何故ならMacworld Expoでさえビジネスオンリーで考えれば採算は取れていないのに、未知数の大阪でどれだけの成果が上げられるのだろうかと危惧したわけだ...。
何しろ機材や販売品などは札幌からタイミング良く搬入しなければならないし、当然の事ながらスタッフの滞在費もかかる。
正直苦慮したが、ともかくなるべく金をかけずにやってみよう...ということになった。
それにいま考えると笑い話だが、スタッフの間では即売コーナーでお客様から「まけてくれ」と言われたらどうしたらよいかを真剣に考え、マニュアルまで作ったことを鮮烈に思い出される(笑)。

※大阪ドームをいっぱいにしたMac Fan Expo in Kansaiは大成功だった
さてブースは2小間とし、間口が約6メートル、奥行きが3メートル。そしていわゆる一番費用のかからないパッケージブースをお願いした。その真っ白に張り紙された殺風景なブース壁面に、札幌のプライベートショーで使ったディスプレイを再利用して飾りつけるという、まあまあ...経費節減ブースであった。
球場の真ん中にこうしたブースを出すことなど初めての経験だったし、なにしろ全方向がスタンドの座席なのだからまさしく異様である。
しかし恐る恐る初日の会場に来てみると、すでに開場を待つお客様の長蛇の列ができていたのに驚いた。なにか考えていた様子とまったく違う迫力と熱意が感じられるようで、身の引き締まる思いをしながらオープンの準備に入った。
結果は予想外の大成功だった。
Mac Fan Expoの3日間、過去のどのMacworld Expo/Tokyoより平方メートルあたりのブース来場者数は多く混雑を極めていたし、販売コーナーでの即売もここ数年間にMacworld Expo/Tokyoで経験した以上の売上げを達成したのだった。そして危惧していたお客様からの「まけて」という要望はたったのひとりだった...(笑)。
私たちのブースの通路前には知名度の高い大企業ブースがあったが、嬉しいことに...というか滅多にそうした事は起こらないのだが、一時期確かに私たちのブースの方がお客様が多かった(笑)。


※私の会社の小さなブースは文字通り大入り満員が続いた
大阪のお客様は総じてストレートだった。例が適切かどうかは分からないが、私の感覚ではアメリカのお客様のような感じを受けた。なぜなら面白いものには即表情や体でそれを表してくださったからだ。
ともすれば東京を中心とするイベントでは「興味はあるが、気恥ずかしいので...」という気持ちが働くのか、斜に構えて極力感動を表さない人も目立つものだが反してこの三日間のお客様は素敵だった。お世辞でなく素敵だった!!
「これを買いに来たの」と笑顔で「キューティマスコット」のパッケージを抱えて帰られた女性の方が翌日「早速マスコットを作ってきたので見ていただけますか?」と再び私たちのブースを訪問してくれた...などなど印象的なお客様が多かったことは忘れられない。
ところで搬入の日、東京から大阪に向かう新幹線の中で「大阪は経験がないし、不安ですよね。自信がないし...」と愚痴をいっていたスタッフの一人は、現金なもので、帰りには「来年も私が担当になります」と目を光らせていたほどだった。
しかし残念なことにMac Fan Expoはこの一回限りとなってしまったのである。
当時幕張で開催されていたMacworld Expo/Tokyoは恒例となっていたが常々東京だけではバランスが悪いし不公平だという意見があった。そして「マック関連の大型イベントを東京だけでなく大阪でも開催すべき」という意見や要望は多くの方々からあがっていたがこの年ついに実現したのである。
その名のとおり、このイベントはMacworld ExpoがIDG社により企画運営されたものとは違い、読売テレビが開局40周年イベントとして企画したもので、読売テレビおよびMac Fan誌などを発刊しMacコミュニティーを強力にサポート牽引している毎日コミュニケーションズ社の主催によるものだった。
今月号のMac Fan誌特集ではこのMac Fan Expoについてはごく簡単に紹介されているだけなので、その補足と言った意味も含めて往時の印象を記しておきたい。
まず特筆すべきはこのイベントは当時のMac Fan総編集長だったT氏の大きな企画力と尽力によったことは特筆しておくべきだろう。大げさでなく、この規模のイベントを成功裏に終わらせるのはコスト的な面も勿論だが、大変なパワーとバランス感覚を必要とするものだ。
脇で拝見していただけの私だが、イベントを成功させるのはまさしく人の力なのだということを肌で感じたイベントでもあったのである。

※毎日コミュニケーションズ発行のMac Fan Expo in Kansai '97 出展案内ガイド表紙
さて会場はあの大阪ドームだった。
当初大阪でのイベントと聞いて私たちも正直二の足を踏んだ...。
何故ならMacworld Expoでさえビジネスオンリーで考えれば採算は取れていないのに、未知数の大阪でどれだけの成果が上げられるのだろうかと危惧したわけだ...。
何しろ機材や販売品などは札幌からタイミング良く搬入しなければならないし、当然の事ながらスタッフの滞在費もかかる。
正直苦慮したが、ともかくなるべく金をかけずにやってみよう...ということになった。
それにいま考えると笑い話だが、スタッフの間では即売コーナーでお客様から「まけてくれ」と言われたらどうしたらよいかを真剣に考え、マニュアルまで作ったことを鮮烈に思い出される(笑)。

※大阪ドームをいっぱいにしたMac Fan Expo in Kansaiは大成功だった
さてブースは2小間とし、間口が約6メートル、奥行きが3メートル。そしていわゆる一番費用のかからないパッケージブースをお願いした。その真っ白に張り紙された殺風景なブース壁面に、札幌のプライベートショーで使ったディスプレイを再利用して飾りつけるという、まあまあ...経費節減ブースであった。
球場の真ん中にこうしたブースを出すことなど初めての経験だったし、なにしろ全方向がスタンドの座席なのだからまさしく異様である。
しかし恐る恐る初日の会場に来てみると、すでに開場を待つお客様の長蛇の列ができていたのに驚いた。なにか考えていた様子とまったく違う迫力と熱意が感じられるようで、身の引き締まる思いをしながらオープンの準備に入った。
結果は予想外の大成功だった。
Mac Fan Expoの3日間、過去のどのMacworld Expo/Tokyoより平方メートルあたりのブース来場者数は多く混雑を極めていたし、販売コーナーでの即売もここ数年間にMacworld Expo/Tokyoで経験した以上の売上げを達成したのだった。そして危惧していたお客様からの「まけて」という要望はたったのひとりだった...(笑)。
私たちのブースの通路前には知名度の高い大企業ブースがあったが、嬉しいことに...というか滅多にそうした事は起こらないのだが、一時期確かに私たちのブースの方がお客様が多かった(笑)。


※私の会社の小さなブースは文字通り大入り満員が続いた
大阪のお客様は総じてストレートだった。例が適切かどうかは分からないが、私の感覚ではアメリカのお客様のような感じを受けた。なぜなら面白いものには即表情や体でそれを表してくださったからだ。
ともすれば東京を中心とするイベントでは「興味はあるが、気恥ずかしいので...」という気持ちが働くのか、斜に構えて極力感動を表さない人も目立つものだが反してこの三日間のお客様は素敵だった。お世辞でなく素敵だった!!
「これを買いに来たの」と笑顔で「キューティマスコット」のパッケージを抱えて帰られた女性の方が翌日「早速マスコットを作ってきたので見ていただけますか?」と再び私たちのブースを訪問してくれた...などなど印象的なお客様が多かったことは忘れられない。
ところで搬入の日、東京から大阪に向かう新幹線の中で「大阪は経験がないし、不安ですよね。自信がないし...」と愚痴をいっていたスタッフの一人は、現金なもので、帰りには「来年も私が担当になります」と目を光らせていたほどだった。
しかし残念なことにMac Fan Expoはこの一回限りとなってしまったのである。
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