スティーブ・ジョブズの衣装がずっと変わらなかった...は伝説
先日、スティーブ・ジョブズの大ファンという方と長電話する機会があって楽しい一時を過ごしたが、その話題の中には「おやおや…」と思うこともいくつかあった。すでにジョブズの言動のあれこれは伝説化しているが、彼の衣装すなわち出で立ちが10年以上まったく変わらなかったという話しも実は伝説であり事実とは違うのだ…。
確かにスティーブ・ジョブズの姿を思い浮かべると黒いタートルネックとジーンズ、そしてスニーカーという出で立ちが目に浮かぶ。そして多くのジョブズファンならずとも強烈な印象を与えた情報として2010年に紹介されたfastcompany.comの記事が日本でも多々繰り返し紹介されたことから「ジョブズの出で立ちが公の場では10年以上ずっと同じだった」というイメージを我々に植え付けたといえるかも知れない。
ただし厳密な意味で言えばそれはまさしく一種の伝説であり、事実とは違うことを知っておいて損はない(笑)。

※fastcompany.comの記事から転載
前記fastcompany.comによるビジュアルは1998年から2010年までの間、2001年に靴の色が違ったことが1度あっただけで後は同一ファッションだったということを強調しているわけだが、それは自説に都合の良い部分だけをピックアップしただけに過ぎない...。
何故なら1998年以降に限ったとしても、1998年5月にWWDCにおいて初のiMacを発表した際、ジョブズはスーツ姿だった。そして1999年のMacworld Expo San Franciscoではジーンズを履いていたものの上着は白のタートルに黒いジャケットだったし同年のMacworld Expo Tokyoも同じスタイルだった。

※1998年5月のWWDCでiMacを発表するスティーブ・ジョブズ
さらに2001年のMacworld Expo Tokyoではやはりスーツ姿で登壇したのだ。無論なぜそれぞれの時に黒いタートルとジーンズでなかったのかは知る由もないが、スティーブ・ジョブズ本人としてみれば何らかの理由があってのことに違いない。
したがってfastcompany.comのビジュアルも例えば1999年は1月のExpo/SF、2月のExpo/Tokyoそして7月のExpo/NYと大きなイベントが3回もあったにも関わらず、黒いタートルネックとジーンズという出で立ちをしたニューヨークのジョブズだけをピックアップしたに過ぎないのである。

※1999年のMacworldExpo San Franciscoでキーノートスピーを行うスティーブ・ジョブズの姿
また余談ながらジョブズのジーンズとシューズについて一言付け加えると、リーバイス 501、ニューバランスだといわれている。それは間違いないようだが2009年9月のスペシャルイベント登壇の際には激やせした姿で登壇したからだろう、ジーンズにベルトが使われていたのが痛々しかった。
ちなみにこれらを容易に確認する手段は多々あるわけでもないだろうが興味のある方は2011年10月に出版されたMacPeople誌の別冊付録「Steve Jobs Keynote History」を参照されることをお勧めしたい。

※MacPeople誌の別冊付録「Steve Jobs Keynote History」表紙
まあスティーブ・ジョブズの出で立ちが10数年もまったく同じ…という話しはいかにも特異な人物像として興味をそそる面白い話しだが、事実はそうそう単純ではないのである。
確かにスティーブ・ジョブズの姿を思い浮かべると黒いタートルネックとジーンズ、そしてスニーカーという出で立ちが目に浮かぶ。そして多くのジョブズファンならずとも強烈な印象を与えた情報として2010年に紹介されたfastcompany.comの記事が日本でも多々繰り返し紹介されたことから「ジョブズの出で立ちが公の場では10年以上ずっと同じだった」というイメージを我々に植え付けたといえるかも知れない。
ただし厳密な意味で言えばそれはまさしく一種の伝説であり、事実とは違うことを知っておいて損はない(笑)。

※fastcompany.comの記事から転載
前記fastcompany.comによるビジュアルは1998年から2010年までの間、2001年に靴の色が違ったことが1度あっただけで後は同一ファッションだったということを強調しているわけだが、それは自説に都合の良い部分だけをピックアップしただけに過ぎない...。
何故なら1998年以降に限ったとしても、1998年5月にWWDCにおいて初のiMacを発表した際、ジョブズはスーツ姿だった。そして1999年のMacworld Expo San Franciscoではジーンズを履いていたものの上着は白のタートルに黒いジャケットだったし同年のMacworld Expo Tokyoも同じスタイルだった。

※1998年5月のWWDCでiMacを発表するスティーブ・ジョブズ
さらに2001年のMacworld Expo Tokyoではやはりスーツ姿で登壇したのだ。無論なぜそれぞれの時に黒いタートルとジーンズでなかったのかは知る由もないが、スティーブ・ジョブズ本人としてみれば何らかの理由があってのことに違いない。
したがってfastcompany.comのビジュアルも例えば1999年は1月のExpo/SF、2月のExpo/Tokyoそして7月のExpo/NYと大きなイベントが3回もあったにも関わらず、黒いタートルネックとジーンズという出で立ちをしたニューヨークのジョブズだけをピックアップしたに過ぎないのである。

※1999年のMacworldExpo San Franciscoでキーノートスピーを行うスティーブ・ジョブズの姿
また余談ながらジョブズのジーンズとシューズについて一言付け加えると、リーバイス 501、ニューバランスだといわれている。それは間違いないようだが2009年9月のスペシャルイベント登壇の際には激やせした姿で登壇したからだろう、ジーンズにベルトが使われていたのが痛々しかった。
ちなみにこれらを容易に確認する手段は多々あるわけでもないだろうが興味のある方は2011年10月に出版されたMacPeople誌の別冊付録「Steve Jobs Keynote History」を参照されることをお勧めしたい。

※MacPeople誌の別冊付録「Steve Jobs Keynote History」表紙
まあスティーブ・ジョブズの出で立ちが10数年もまったく同じ…という話しはいかにも特異な人物像として興味をそそる面白い話しだが、事実はそうそう単純ではないのである。
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