3DアプリのCOLLADAフォーマット互換相関図覚書

相変わらずだが iBooks Authorと3Dフォーマットの関係を確認し続けている。教育の場は勿論だが、一般的な電子ブック制作にもその魅力と読む人の理解力を高めるために3D表現を効果的に使うことは重要だと考えているからだ。しかしそのサポートフォーマットであるCOLLADA (*.dae)に関してまだ不明なこともあるし理屈通りにいかない部分もあるので自分なりのフォーマット互換相関図を作ってみた。                                                                                 
勿論COLLADA (*.dae)フォーマットの利用はiBooks Authorの占有ではなく、例えば Live Interior 3D Proといったアプリケーションに他の3Dソフトからデータをエクスポートするとき、このCOLLADA (*.dae)フォーマットが役に立つ。しかしどのようなアプリケーションを軸にコンテンツ制作を考えるかで変わってくるだろうが私の場合、例えLive Interior 3D Proといった3Dインテリアデザインのアブリを使ってもその先には必ずiBook Authorへの活用をどこかで考えているところがある…。

例えば後述する互換図に出でくるように3Dアプリケーションの Poser にしても Strata Foto 3D SEでもそれ単体で3Dオブジェクトを作ったとして目的が終了するわけではない。少なくとも私はそうだ…。
3Dで人物を作ろうが日用品をモデリングしようが、その行為および結果そのものが最終目的ではなく、そのオブジェクトを例えばプレゼンテーションの素材とか電子ブックの材料として使うといったことがほとんどなのだ。そして昨今はやはりその最終目的はiBooks Authorに向くことが多いのも現実である。

そうした場合、iBook Aothorに渡すための3Dコンテンツをどのようなツールで作ったら一番簡単で問題なく渡せるかを考えなければならない。
だからこそこれまでいくつかの3DアプリケーションとiBooks Authorとの相性をひとつひとつ調べてきたが、いざとなるとその結果を忘れがちなので取り急ぎ分かっているところまでを「COLLADAフォーマット互換相関図」としてまとめてみることにした。
まだまだ確認できていないこと、やっていないことも多いから、この相関図は無論完璧ではないし間違いも十分あり得るが、今後もこの図を逐次更新していこうと考えているので同じようなことを考えている方にとって多少でもお役に立てば幸いである。
ということで図をご覧いただく際の注意点、言い訳(笑)を少し述べておきたい。

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この「COLLADAフォーマット互換相関図」はあくまでiBooks Authorに3Dコンテンツを渡すことを主目的と考えて構成してみた。そして黒の実線はそれぞれ当該アプリからCOLLADA (*.dae)フォーマットでデータをエキスポートしiBooks Authorで問題なくインポートできることを示している。
例えば SketchUPやSTRATA Foto 3D SEしかりである。またPoser 7J からはダメだがPoser Pro 2010からは問題がないことも示している。

また関連情報として赤い色の実線についても一言触れておくが、これは3D Studio(*.3ds)フォーマットによる互換を意味している。
例えばStrata Foto 3D SEでモデリングしたデータをLive Interior3D Proに渡したいとしてもCOLLADA (*.dae)フォーマットはダメだったものの3D Studio(*.3ds)フォーマットならテクスチャデータを含めて問題なく渡せたことを意味する。
なお相関図の各アプリに明記してある数字はバージョンだが、基本的に現時点の最新になっているはずだ。

そういえば、iBook AothorはともかくなぜここでLive Interior3D Proの存在を重視しているのかに疑問を持つ方がいるかも知れない…。
それは後述するデータ互換性の妙にも関係するが、例えばデジタルカメラという製品を紹介する、あるいはその使い方を紹介するコンテンツをiBooks Authorで電子ブックとして制作するとき、そのコンセプトにもよるだろうが、ハードウェアとしてのカメラばかりを3Dで見せたところであまり面白くもないと思うからだ。
なぜならデジタルカメラという魅力的な製品は当然のことながら私達ユーザーが日常の生活の中で、あるいはビジネスの場で写真を撮るという行為のために存在する。
Appleの製品コンセプトではないが、ハードウェアのスペックのみに留意した解説やアピールでなく、それをどのように日常で活用したら私達の生活やビジネスが効果的で楽しく、そして楽に目的を達成できるかを知ってもらうのが一番なのだ。
だとすればカメラは空間に浮かんでいるのではなく、書斎の机の上に、あるいはリビングのテーブルの上に、そして机の引き出しの中に置かれているだろうし、それを使う360度空間は我々の生活感が満ちあふれているはずだ。

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※Live Interior3D Proで作った室内デザイン空間にStrata Foto 3D SEでモデリングしたQuickTake200を.3dsでインポートした例


そうしたことを多少でも感じてもらうために私は最近Live Interior3D Proを主役を引き立てる舞台の大道具として使うことにしているわけだ。
応接室のテーブルに置かれたデジタルカメラを見せたい場合、Live Interior3D Proは大変イージーで便利なツールだからである。そしてiBooks Authorとの相性も良い。
ただし申し上げるまでもなくLive Interior3D Proはあくまで私の仕事が企画段階の資料作りに特化しているからであり、それをそのまま印刷物にするとかTVコマーシャルに使おうといった意味ではないことはお断りしておきたい。無論、それも面白いが(笑)。

さて、そのLive Interior3D Proで3Dオブジェクトを含めた生活空間を演出し、その全体あるいは一部を最終的にiBooks Authorに渡すことを考えてきたが、すべてのCOLLADA (*.dae)フォーマットが理想通りにはいかないものの、ひと工夫することで可能性が広がることもある。

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※ .3dsデータをインポートしたオブジェクトを含むLive Interior3D Proのデザイン空間全体をCOLLADAでエクスポートし、iBooks Authorにインポートした例


例えば前記したようにPoser 7JからCOLLADA (*.dae)フォーマットでデータをエクスポートしてもそれはどういうわけかiBooks Authorに直接インポートできない。しかしPoser 7JからCOLLADA (*.dae)フォーマットでエクスポートしたデータを一端Live Interior3D Proの空間にインポートし、そのCOLLADA (*.dae)保存データならiBook Authorは受け付けてくれるといった現実があるからだ。またStrata Foto 3D SEから 3D StudioフォーマットでエクスポートしたデータをLive Interior3D Proにインポートすると同様にそのエクスポートデータはiBooks Authorにインポートできた。

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※前記iBooks AuthorからiPadのiBooksへプレビューした画面例。勿論タップしオブジェクトを回転可能


ただしiBooks Authorへの3Dデータのインポートはファイル容量がなるべく小さくなるよう最適化しないと読み込めなかったり問題が生じる可能性があるので十分考慮しなければならない。
なおiBooks Autourはもとよりだが、ここに紹介した各3Dアプリケーションも今後のバージョンアップでCOLLADA (*.dae)フォーマットの対応を見直すこともあると思うし状況は変化を続けるに違いない。そして私が手にしたアプリケーションはそれこそ極一部であることも事実だし、COLLADA (*.dae)フォーマットの秘密を探る旅はまだまだ続く…。
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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員