映画「アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち」に感涙
アルゼンチンタンゴの巨匠たちが一同に介した作品という他、予備知識を持たずに映画「アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち」を見たが映像が流れてすぐにこれは「ブエナビスタ・ソシアルクラブ」のタンゴ版だと気がついた。事実公式サイトにもその点が記されているが、舞台はブエノスアイレス!
本作品はアルゼンチンタンゴの歴史をひもとき、その黄金時代を築いた巨匠たちの歌と演奏を収めた音楽ドキュメンタリーである。
そもそもの発端は2006年、ブエノスアイレスの最も古いレコーディングスタジオに1940年代から50年代に活躍し、アルゼンチンタンゴの黄金時代を築いたスター達がアルバム「CAFE DE LOS MAESTROS」を収録するために集まり感動的な再会を果たした。
皆60~70年もの演奏歴をもち、国宝級とも言えるマエストロたちである。そして街角のカフェから成功の階段をともに上った仲間でありライバルたちだった。

冒頭でエグゼクティブプロデューサーのグスタボ・サンタオラージャと音楽プロデューサーのホルヘ・"ポルトゥゲス"・ダ・シルバはこの企画についていみじくも覚悟を語り合う…。
「生やさしい話しではないぞ」
「地雷原を歩くみたいに 一歩間違えばおしまいだ」
「何もかも勝手が違うし」
「みんな強烈な個性の持ち主ばかりだ」
演奏者たちだが、バンドネオン奏者として現代最高峰の奏者といわれるレオポルド・フェデリコの他、ダブリエル・"チュラ"・クラウン、カルムス・サラリといったきら星のようなマエストロたちが顔を合わせる。ピアノはオラシオ・サルガン、マリアーノ・モーレス、カルロス・ガルシーアなど。
バイオリンはフェルナントセ・スアレス・パス、エミリオ・バルカルセ。ギターはアニバル・アリアスとウバルト・デ・リオ。そして歌手は女性がビルヒニア・ルーケとラグリマ・リオス、男性はアルベルト・ポデスタ、オスカル・フェラーリ、フアン・カルロス・ゴドイらとアルゼンチンタンゴにあまり詳しくない私などでも記憶にある名が続く。
2006年当時、マエストロたちは皆70〜90歳というジイサンでありバアサンであるが一時代を築き多くの人たちの魂を揺すぶり続けてきた彼・彼女たちは個性的であり独特のオーラー持ち、そして老いてもやはり一級の芸術家である。
例えばピアノのオラシオ・サルガンはこのとき、すでに現役を引退していたが彼が姿を現すと周りの空気が変わるのを感じる。
グスタボ・サンタオラージャらはアルバム録音、すなわちこの偉大なるマエストロたちの結集が音楽史においていかに重要かにあらためて気づき、このアルバム録音だけに留まらずにコンサートの実現を図る。
そしてついにミラノ・スカラ座、パリ・オペラ座に並ぶ世界三大劇場のひとつであるブエノスアイレスのコロン劇場で22人の巨匠たちが集結し一夜限りの世紀のコンサートが開かれた。まさしく二度とない奇蹟のステージが始まる…。
事実その後、数名のマエストロは残念ながら鬼籍に入ってしまった。
いやはや、演奏は文句なく凄いしマエストロたちの拘りやプロ根性がズシズシと伝わってくる。そして舞台の演奏を見ていると自然に涙が出てくる。
悲しいからか、美しいからか、あるいは凄いのか…。何で涙が出るのか自分でもよく分からないが、それらを皆超越したマエストロたちの人生と深いシワのひとつひとつが感動を禁じ得ないのだ。
しかしアルゼンチンタンゴ…いまさらではあるがなんてセクシーな音楽なんだろうか。
■アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち [DVD]
本作品はアルゼンチンタンゴの歴史をひもとき、その黄金時代を築いた巨匠たちの歌と演奏を収めた音楽ドキュメンタリーである。
そもそもの発端は2006年、ブエノスアイレスの最も古いレコーディングスタジオに1940年代から50年代に活躍し、アルゼンチンタンゴの黄金時代を築いたスター達がアルバム「CAFE DE LOS MAESTROS」を収録するために集まり感動的な再会を果たした。
皆60~70年もの演奏歴をもち、国宝級とも言えるマエストロたちである。そして街角のカフェから成功の階段をともに上った仲間でありライバルたちだった。

冒頭でエグゼクティブプロデューサーのグスタボ・サンタオラージャと音楽プロデューサーのホルヘ・"ポルトゥゲス"・ダ・シルバはこの企画についていみじくも覚悟を語り合う…。
「生やさしい話しではないぞ」
「地雷原を歩くみたいに 一歩間違えばおしまいだ」
「何もかも勝手が違うし」
「みんな強烈な個性の持ち主ばかりだ」
演奏者たちだが、バンドネオン奏者として現代最高峰の奏者といわれるレオポルド・フェデリコの他、ダブリエル・"チュラ"・クラウン、カルムス・サラリといったきら星のようなマエストロたちが顔を合わせる。ピアノはオラシオ・サルガン、マリアーノ・モーレス、カルロス・ガルシーアなど。
バイオリンはフェルナントセ・スアレス・パス、エミリオ・バルカルセ。ギターはアニバル・アリアスとウバルト・デ・リオ。そして歌手は女性がビルヒニア・ルーケとラグリマ・リオス、男性はアルベルト・ポデスタ、オスカル・フェラーリ、フアン・カルロス・ゴドイらとアルゼンチンタンゴにあまり詳しくない私などでも記憶にある名が続く。
2006年当時、マエストロたちは皆70〜90歳というジイサンでありバアサンであるが一時代を築き多くの人たちの魂を揺すぶり続けてきた彼・彼女たちは個性的であり独特のオーラー持ち、そして老いてもやはり一級の芸術家である。
例えばピアノのオラシオ・サルガンはこのとき、すでに現役を引退していたが彼が姿を現すと周りの空気が変わるのを感じる。
グスタボ・サンタオラージャらはアルバム録音、すなわちこの偉大なるマエストロたちの結集が音楽史においていかに重要かにあらためて気づき、このアルバム録音だけに留まらずにコンサートの実現を図る。
そしてついにミラノ・スカラ座、パリ・オペラ座に並ぶ世界三大劇場のひとつであるブエノスアイレスのコロン劇場で22人の巨匠たちが集結し一夜限りの世紀のコンサートが開かれた。まさしく二度とない奇蹟のステージが始まる…。
事実その後、数名のマエストロは残念ながら鬼籍に入ってしまった。
いやはや、演奏は文句なく凄いしマエストロたちの拘りやプロ根性がズシズシと伝わってくる。そして舞台の演奏を見ていると自然に涙が出てくる。
悲しいからか、美しいからか、あるいは凄いのか…。何で涙が出るのか自分でもよく分からないが、それらを皆超越したマエストロたちの人生と深いシワのひとつひとつが感動を禁じ得ないのだ。
しかしアルゼンチンタンゴ…いまさらではあるがなんてセクシーな音楽なんだろうか。
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