竹之内響介氏著「ダイアリー 47年目のラブレター」に感涙
今年(2012年)の1月に「心が温かくなる本『見上げてごらん夜の星を』」でご紹介した作家、竹之内響介さんの新刊が届いた。そのタイトルは「ダイアリー 47年目のラブレター」…。私は本書が刊行されるのを大変楽しみにしていた一人なのだが、それは一読者としてはもとより本書のストーリーには私の子供時代の思い出が散りばめられているからなのだ。
「私の子供時代の思い出が散りばめられている」というのは決して比喩ではない…。無論本書は私が書いたものではない。そして小説であるからして実話ではないものの、私の子供時代の…それも忘れようにも忘れられない母や父の思い出が形を変えて詰まっている特別な一冊なのだ。

※竹之内響介著「ダイアリー 47年目のラブレター」文庫本の表紙
実は竹之内響介さんが前著「見上げてごらん夜の星を」をご持参いただいたおりに重要な案件があったのである。それは次作の取材ということで私の子供時代の…特に母との思い出を語って欲しいというご依頼だった。
なぜかといえば竹之内響介さんの次の著作(「ダイアリー 47年目のラブレター」)も前著同様1960年代をテーマにした人間模様を描く作品だということで、多分にリアリティーを求めてだったのだろう…私の母の印象的な言動や父のユニークな…というか困った酒癖などといったあれこれを取材に来られたのだった。
そのきっかけは当サイトの「喫茶室」に “白昼夢〜” と題して書き込んだ数編のアーティクルを竹之内響介さんが読まれたことがきっかけだった。
竹之内響介さんは特に「白昼夢〜母とカレンダーの想い出」が印象深かったようだが、本書にはそうした個人的なエピソードが形を変えて登場する...。
話は2012年3月15日からスタートする。主人公は今月で定年退職の男で妻とは1年前に離婚。さらに父の代から住んだ家はじきに人手に渡るという境遇にあった。
その日、モデルみたいなスタイルの良い外国人が紙袋に入ったものを「頼まれたから」と届けにくる。開けてみればそれは表紙にサインペンで大きく「上を向いて歩こう」と書かれた古ぼけた黄色いノート(交換日記)だった。
人生の後半を迎えたとき、その胸に去来する過去と現在…。そして話は1964年3月15日にワープし、主人公の少年時代の光景や人間関係の中からノートの秘密が少しずつ明かされていくが、最後に意外な展開も…。
ストーリーは是非本書を読んでいただくとして、私にとって母がクレヨンで描いたカレンダーの話や、野良犬ブラッキーの思い出、そして酔った父が這いながら帰ってきたときの思い出などが形を変えて登場することがいかにも懐かしいし嬉しい。
そしてその時代を身をもって体現してきた一人として僭越ながら当時の貧しくも暖かな時代の一端が実によく書かれていることに驚き、そこに登場する人々の姿がフィクションながらも私の脳裏にある実在の幾人かと結び付くほどのリアリティを感じる。
本書最後のページには取材協力者として私とMacTechnology Lab.の名も記していただいた。なかなかこういう機会はないものだし父母の墓参りにいくとき、是非墓前に報告したいと思っている。
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「ダイアリー―47年目のラブレター
」
2012年10月1日 初版第1刷発行
著者:竹之内響介
企画・編集:株式会社リンダパブリッシャーズ
発行所:株式会社泰文堂
コード:ISBN978-4-8030-0356-7 C0193
価 格:648円(税別)
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「私の子供時代の思い出が散りばめられている」というのは決して比喩ではない…。無論本書は私が書いたものではない。そして小説であるからして実話ではないものの、私の子供時代の…それも忘れようにも忘れられない母や父の思い出が形を変えて詰まっている特別な一冊なのだ。

※竹之内響介著「ダイアリー 47年目のラブレター」文庫本の表紙
実は竹之内響介さんが前著「見上げてごらん夜の星を」をご持参いただいたおりに重要な案件があったのである。それは次作の取材ということで私の子供時代の…特に母との思い出を語って欲しいというご依頼だった。
なぜかといえば竹之内響介さんの次の著作(「ダイアリー 47年目のラブレター」)も前著同様1960年代をテーマにした人間模様を描く作品だということで、多分にリアリティーを求めてだったのだろう…私の母の印象的な言動や父のユニークな…というか困った酒癖などといったあれこれを取材に来られたのだった。
そのきっかけは当サイトの「喫茶室」に “白昼夢〜” と題して書き込んだ数編のアーティクルを竹之内響介さんが読まれたことがきっかけだった。
竹之内響介さんは特に「白昼夢〜母とカレンダーの想い出」が印象深かったようだが、本書にはそうした個人的なエピソードが形を変えて登場する...。
話は2012年3月15日からスタートする。主人公は今月で定年退職の男で妻とは1年前に離婚。さらに父の代から住んだ家はじきに人手に渡るという境遇にあった。
その日、モデルみたいなスタイルの良い外国人が紙袋に入ったものを「頼まれたから」と届けにくる。開けてみればそれは表紙にサインペンで大きく「上を向いて歩こう」と書かれた古ぼけた黄色いノート(交換日記)だった。
人生の後半を迎えたとき、その胸に去来する過去と現在…。そして話は1964年3月15日にワープし、主人公の少年時代の光景や人間関係の中からノートの秘密が少しずつ明かされていくが、最後に意外な展開も…。
ストーリーは是非本書を読んでいただくとして、私にとって母がクレヨンで描いたカレンダーの話や、野良犬ブラッキーの思い出、そして酔った父が這いながら帰ってきたときの思い出などが形を変えて登場することがいかにも懐かしいし嬉しい。
そしてその時代を身をもって体現してきた一人として僭越ながら当時の貧しくも暖かな時代の一端が実によく書かれていることに驚き、そこに登場する人々の姿がフィクションながらも私の脳裏にある実在の幾人かと結び付くほどのリアリティを感じる。
本書最後のページには取材協力者として私とMacTechnology Lab.の名も記していただいた。なかなかこういう機会はないものだし父母の墓参りにいくとき、是非墓前に報告したいと思っている。
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「ダイアリー―47年目のラブレター
2012年10月1日 初版第1刷発行
著者:竹之内響介
企画・編集:株式会社リンダパブリッシャーズ
発行所:株式会社泰文堂
コード:ISBN978-4-8030-0356-7 C0193
価 格:648円(税別)
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