青織部抹茶茶碗夢想
自分でも凝り性なのはわかっているが、気になることは(できる範囲で)突きつめないと納得いかない…。最近はまっているお点前もその練習以前に気になることが多くて困る(笑)。その一つがせっかく織部焼の素晴らしさを知ったからには納得のいく抹茶茶碗一つくらいは欲しい...ということだった。
私のように超入門者などに茶碗の良し悪しはもとより目利きができるはずもないが、少なくとも造形の好みははっきりしている…。一応練習用にと手に入れた共箱もない安物の黒楽茶碗はあるが、お点前をやるからには気に入った茶碗ひとつは欲しいと考えていた。
ところで抹茶茶碗の表記だが、拘る方は “茶碗” ではなくご飯を盛る食器と区別するため "茶盌" と書くのが本筋だとも聞いたので以後は「抹茶茶盌」と記すことにするが、そもそも焼き物で良いものは芸術品でもあり、現代作家の作品でも1千万円するものまであるそうだからこれに凝ったらえらいことになる(笑)。
無論私の真意は天下の名品を手に入れたいなどと大それたことではなく、本当に気に入った茶盌や道具でお茶を点てて独服を楽しみたいということにつきる。
ということでまずはネットで抹茶茶盌、それも織部を検索し情報を集めてみた。無論オークションも参考にした。
そもそも黒織部にしろ青織部にしろその一番の特長は歪んだ姿とモダンな抽象文様にある。特に文様はホアン・ミロやパブロ・ピカソの筆を思わせ、モダンでアバンギャルドなものだけに私の鑑賞眼が刺激されるのだ…。ただし…近年あるいは現在作家の織部焼に描かれた文様の中にはデザインとして稚拙なものもある。
例えば黒織部の茶盌として有名な名品のひとつに五島美術館蔵所蔵の "わらや" と銘を持つ黒織部沓形茶盌(桃山時代)がある。ネットでその写しという焼き物を見つけたが事前に中島誠之助著「天下の茶道具、鑑定士・中島の眼~へうげもの名品名席実見記」などで本物の "わらや" を知って素晴らしいと思っていた私は例えレプリカでも良いものならひとつ欲しいと考えその写しの品の姿をウェブで確認した。しかし僭越ながらそれは姿も違えば似せて描いた文様にも覇気が無く一気に買う気が失せた(笑)。

※茶人垂涎の名器三十数点が鑑賞できる、中島誠之助著「天下の茶道具、鑑定士・中島の眼~へうげもの名品名席実見記」表紙
どうやら焼き物の世界でいう “写し” とはレプリカ的な厳密さは意図していないようだ。無論美術館に収蔵されるような名品と安価なその写しを単純比較したのでは写しに勝ち目があるはずもないものの、写しの "わらや" は申し訳ないが私にとって購買意欲を削ぐ出来でしかなかった。
よくよく考えてみると抽象文様で優れたパターンを描くのは本物の絵心がないとわざとらしさが目立つ。だからと言うわけではないが丸や三角を描けば抽象文様となるわけでもなく、バランスよく意外性を持ったデザインの茶盌は意外と少ないのだ。
想像だが、本物 "わらや" の作者にしてもロクロで造形した上で両手でゆがめた茶盌を手に取り、黒釉を含ませた筆で文様を描く際、最初からこの文様を描こうと考えていたとも思われない。思いに任せまずは六本の縦線を描いたとき自然に三角形と渦巻きを描かずにはいられなくなったように見える。したがって雰囲気だけ真似ようとしたのではそれこそただの悪戯書きになってしまう…。
さて受け売りだが、抹茶茶盌で大切な事は目的がはっきりしている道具でもあるからしてまずは飲みやすいこと、そして点てやすいことに尽きるはずだ。いくら数奇を気取ってみたところでお茶を点て手に取り口に運んで飲むという一連の作法がやりにくい形状やサイズでは抹茶茶盌とはならない。その上で一服のお茶を点てる楽しみを増幅してくれるような優れた造形美、芸術性が欲しい。無論それは大量生産品の安物な茶盌に求められるものではないのだろうが、その茶盌でお茶を点てるのが楽しみでありたい。
そうした点を注視してインターネットで出てくる膨大な織部抹茶茶盌の中からやっとひとつ気に入ったものを入手することができた。

※姿が気に入って手に入れた山口錠鉄作の青織部
勿論金額に糸目をつけなければ素晴らしい茶碗は多々あるわけだがそれらは端から度外視するしかない(笑)。
それでも私にしては気張って手に入れたものが、それが山口錠鉄作の織部茶碗である。いわゆる青織部と呼ばれる類のものだ。
青織部は織部焼としてもっともポピュラーなものらしいが、茶碗の両縁内外一部に青緑色釉(銅緑釉)が掛けられ掛けていない部分には黒釉で抽象文様が描かれている。


※青緑色釉の掛け具合は勿論、なんといっても抽象的な文様が素敵だ
手前味噌だが、この青織部はまず姿がよい。織部独特の歪みをもってはいるものの均整の取れたデザインでどこから見ても美しくまた実際に両手で保持してみると実に収まりがよい。そして青緑色釉の掛け具合は勿論、なんといっても抽象的な文様が気に入った…。
私はこの世界はこれまでまったく知らなかったから作者のことなど論ずる資格はないが、ネットで調べた限りでは「赤津の窯屋山口」として三百有余年、作陶に従事する名工の家に生まれた三代目のようだ。ともかく茶盌には勝手ながらよい銘を考えてあげようと思う(笑)。
なお大きさは径約が約12.9cm×12cmほどで高さは約8cmと抹茶茶盌として標準的なサイズであろう。
さて国宝や重要文化財の品はともかく高価な茶盌も本来それは道具であり、ガラスケースに収められたままでは生きないと思う。そう考えると抹茶茶盌にとってもうひとつ重要なポイントが見えてくる。
実はこの青織部、入手以前から分かっていたことだが新作新品ではない。傷や欠けもないことから大切に扱われたことは想像できるが、茶溜まりはもとより茶盌内部がかなり汚れているのだ。

※入手直後の茶碗内部は全体に茶渋で変色している
実は磁器のコーヒーカップなどとは違い、一般的にこの種の茶盌は陶器であり、釉薬の細かいヒビやピンホールなどからお茶が染みこみ、長い間に茶渋が目立って落ちづらくなる。
問題は使った後でその都度一般の食器のように洗剤でゴシゴシと洗って乾かせば良いのかも知れないが、茶渋は取れにくいだけでなくお茶の世界ではそうしたシミもひとつの景色として喜ぶ傾向があるというのだから始末が悪い(笑)。それに実際は茶事の後、茶盌はジャブジャブ、ゴシゴシと洗わず軽く湯ですすぎ茶巾で軽く拭く程度なのでなおさらなのだ。
そもそも茶器は由緒・由来・来歴といったことを重んじる。誰がいつ頃作ったものか、誰の所蔵だったか、どのようなエピソードを持っているか…などなどだ。無論だからこそ単なる竹を削っただけの茶杓が、千利休が作って愛でたものというだけで目の飛び出る価値となる。そういう世界なのだ…。
例えば前記した書籍「天下の茶道具、鑑定士・中島の眼~へうげもの名品名席実見記」の中で中島誠之助氏は「唐草文染付茶碗『荒木』」を評し「…細かな貫入に染み込んだ茶渋は全体を薄茶色に時代付けさせ、俗にいう味わいのよさを見せている」と表現し、続いて「荒木高麗の一番の味わいは、使い込まれたことによって染み込んだ茶渋の黄ばみ色である」という…。
要するに時代を経て色づいた茶渋は景色であり時代を示す味わいであるという。もともとの出来が良いことは条件だとしてもこうした味わいなくして日用品の茶碗が茶器に育つことはないということになる。ちなみに骨董品と称して売りさばかれる品の中にはそうした箔を付けるため化学薬品で茶渋のように古色を付ける...といった不心得なものもあるそうだ。
ともあれ、それが美術館などのガラスケースや金庫に収蔵されているだけなら茶渋や汚れも由来を示すひとつの大切な要素なのかも知れないものの、そうした茶盌でお点前を楽しむことなど私にはできない(笑)。
私は茶人でもなくただお点前…独服を楽しもうとするだけであり、過度に神経質ではないつもりだが茶渋も長い間放置しておければ常識的に考えて雑菌が繁殖している可能性が大だ。要するに不潔なのである。その不潔な茶碗でお茶を点てるなどやる気もおきないし、そうはいっても飾るために入手した茶碗ではない。
ということでまずは徹底的にクリーニングおよび殺菌消毒することにした(笑)。
念のためこれまたネットで調べて見ると三重大学名誉教授 田口寛氏の「抹茶茶碗について」のウェブページを見つけたので参考にしてやってみた。
まず日常使っている部分入れ歯用の洗浄剤(錠剤)で汚れを取ると同時に殺菌。さらに鍋に入れて20分くらい沸騰し熱湯消毒する。その際に消臭効果を期待して茶葉を少し鍋に入れた…。
田口先生によればこのような処理で、科学的に清潔な茶碗になるとのことなのでまずは安心だ。

※各種クリーニングおよび殺菌処理後の内部。前記の写真と比べるとその差は歴然だ
ただし内側の茶渋による汚れはなかなか落ちなかったので見込み内の茶渋やカビ痕と思われる酷い部位に重曹などを使って可能な限り汚れを取った。
最後に常備している「紫外線殺菌棒」という製品で波長254ナノメートルのUV-Cを5分照射し殺菌を徹底した。
同じ茶渋といっても家族で使い回しているようなものなら気にならないが、今回のように以前の所有者がどのような環境で使ってきたかが分からないだけに十分楽しんで使うためには清潔でありたい。
これで後はお点前を楽しむだけだが...嗚呼、完全に「へいげもの」にはまってしまった...。
しかし...これまで日本の博物館や美術館はもとより神社仏閣の宝物館、ボストン美術館やメトロポリタン美術館に行ったときも陶磁器のコーナーは100%パスしていた私がいま、青織部茶碗を手にしてにんまりしているのだから自分でも驚いている(笑)。
私のように超入門者などに茶碗の良し悪しはもとより目利きができるはずもないが、少なくとも造形の好みははっきりしている…。一応練習用にと手に入れた共箱もない安物の黒楽茶碗はあるが、お点前をやるからには気に入った茶碗ひとつは欲しいと考えていた。
ところで抹茶茶碗の表記だが、拘る方は “茶碗” ではなくご飯を盛る食器と区別するため "茶盌" と書くのが本筋だとも聞いたので以後は「抹茶茶盌」と記すことにするが、そもそも焼き物で良いものは芸術品でもあり、現代作家の作品でも1千万円するものまであるそうだからこれに凝ったらえらいことになる(笑)。
無論私の真意は天下の名品を手に入れたいなどと大それたことではなく、本当に気に入った茶盌や道具でお茶を点てて独服を楽しみたいということにつきる。
ということでまずはネットで抹茶茶盌、それも織部を検索し情報を集めてみた。無論オークションも参考にした。
そもそも黒織部にしろ青織部にしろその一番の特長は歪んだ姿とモダンな抽象文様にある。特に文様はホアン・ミロやパブロ・ピカソの筆を思わせ、モダンでアバンギャルドなものだけに私の鑑賞眼が刺激されるのだ…。ただし…近年あるいは現在作家の織部焼に描かれた文様の中にはデザインとして稚拙なものもある。
例えば黒織部の茶盌として有名な名品のひとつに五島美術館蔵所蔵の "わらや" と銘を持つ黒織部沓形茶盌(桃山時代)がある。ネットでその写しという焼き物を見つけたが事前に中島誠之助著「天下の茶道具、鑑定士・中島の眼~へうげもの名品名席実見記」などで本物の "わらや" を知って素晴らしいと思っていた私は例えレプリカでも良いものならひとつ欲しいと考えその写しの品の姿をウェブで確認した。しかし僭越ながらそれは姿も違えば似せて描いた文様にも覇気が無く一気に買う気が失せた(笑)。

※茶人垂涎の名器三十数点が鑑賞できる、中島誠之助著「天下の茶道具、鑑定士・中島の眼~へうげもの名品名席実見記」表紙
どうやら焼き物の世界でいう “写し” とはレプリカ的な厳密さは意図していないようだ。無論美術館に収蔵されるような名品と安価なその写しを単純比較したのでは写しに勝ち目があるはずもないものの、写しの "わらや" は申し訳ないが私にとって購買意欲を削ぐ出来でしかなかった。
よくよく考えてみると抽象文様で優れたパターンを描くのは本物の絵心がないとわざとらしさが目立つ。だからと言うわけではないが丸や三角を描けば抽象文様となるわけでもなく、バランスよく意外性を持ったデザインの茶盌は意外と少ないのだ。
想像だが、本物 "わらや" の作者にしてもロクロで造形した上で両手でゆがめた茶盌を手に取り、黒釉を含ませた筆で文様を描く際、最初からこの文様を描こうと考えていたとも思われない。思いに任せまずは六本の縦線を描いたとき自然に三角形と渦巻きを描かずにはいられなくなったように見える。したがって雰囲気だけ真似ようとしたのではそれこそただの悪戯書きになってしまう…。
さて受け売りだが、抹茶茶盌で大切な事は目的がはっきりしている道具でもあるからしてまずは飲みやすいこと、そして点てやすいことに尽きるはずだ。いくら数奇を気取ってみたところでお茶を点て手に取り口に運んで飲むという一連の作法がやりにくい形状やサイズでは抹茶茶盌とはならない。その上で一服のお茶を点てる楽しみを増幅してくれるような優れた造形美、芸術性が欲しい。無論それは大量生産品の安物な茶盌に求められるものではないのだろうが、その茶盌でお茶を点てるのが楽しみでありたい。
そうした点を注視してインターネットで出てくる膨大な織部抹茶茶盌の中からやっとひとつ気に入ったものを入手することができた。

※姿が気に入って手に入れた山口錠鉄作の青織部
勿論金額に糸目をつけなければ素晴らしい茶碗は多々あるわけだがそれらは端から度外視するしかない(笑)。
それでも私にしては気張って手に入れたものが、それが山口錠鉄作の織部茶碗である。いわゆる青織部と呼ばれる類のものだ。
青織部は織部焼としてもっともポピュラーなものらしいが、茶碗の両縁内外一部に青緑色釉(銅緑釉)が掛けられ掛けていない部分には黒釉で抽象文様が描かれている。


※青緑色釉の掛け具合は勿論、なんといっても抽象的な文様が素敵だ
手前味噌だが、この青織部はまず姿がよい。織部独特の歪みをもってはいるものの均整の取れたデザインでどこから見ても美しくまた実際に両手で保持してみると実に収まりがよい。そして青緑色釉の掛け具合は勿論、なんといっても抽象的な文様が気に入った…。
私はこの世界はこれまでまったく知らなかったから作者のことなど論ずる資格はないが、ネットで調べた限りでは「赤津の窯屋山口」として三百有余年、作陶に従事する名工の家に生まれた三代目のようだ。ともかく茶盌には勝手ながらよい銘を考えてあげようと思う(笑)。
なお大きさは径約が約12.9cm×12cmほどで高さは約8cmと抹茶茶盌として標準的なサイズであろう。
さて国宝や重要文化財の品はともかく高価な茶盌も本来それは道具であり、ガラスケースに収められたままでは生きないと思う。そう考えると抹茶茶盌にとってもうひとつ重要なポイントが見えてくる。
実はこの青織部、入手以前から分かっていたことだが新作新品ではない。傷や欠けもないことから大切に扱われたことは想像できるが、茶溜まりはもとより茶盌内部がかなり汚れているのだ。

※入手直後の茶碗内部は全体に茶渋で変色している
実は磁器のコーヒーカップなどとは違い、一般的にこの種の茶盌は陶器であり、釉薬の細かいヒビやピンホールなどからお茶が染みこみ、長い間に茶渋が目立って落ちづらくなる。
問題は使った後でその都度一般の食器のように洗剤でゴシゴシと洗って乾かせば良いのかも知れないが、茶渋は取れにくいだけでなくお茶の世界ではそうしたシミもひとつの景色として喜ぶ傾向があるというのだから始末が悪い(笑)。それに実際は茶事の後、茶盌はジャブジャブ、ゴシゴシと洗わず軽く湯ですすぎ茶巾で軽く拭く程度なのでなおさらなのだ。
そもそも茶器は由緒・由来・来歴といったことを重んじる。誰がいつ頃作ったものか、誰の所蔵だったか、どのようなエピソードを持っているか…などなどだ。無論だからこそ単なる竹を削っただけの茶杓が、千利休が作って愛でたものというだけで目の飛び出る価値となる。そういう世界なのだ…。
例えば前記した書籍「天下の茶道具、鑑定士・中島の眼~へうげもの名品名席実見記」の中で中島誠之助氏は「唐草文染付茶碗『荒木』」を評し「…細かな貫入に染み込んだ茶渋は全体を薄茶色に時代付けさせ、俗にいう味わいのよさを見せている」と表現し、続いて「荒木高麗の一番の味わいは、使い込まれたことによって染み込んだ茶渋の黄ばみ色である」という…。
要するに時代を経て色づいた茶渋は景色であり時代を示す味わいであるという。もともとの出来が良いことは条件だとしてもこうした味わいなくして日用品の茶碗が茶器に育つことはないということになる。ちなみに骨董品と称して売りさばかれる品の中にはそうした箔を付けるため化学薬品で茶渋のように古色を付ける...といった不心得なものもあるそうだ。
ともあれ、それが美術館などのガラスケースや金庫に収蔵されているだけなら茶渋や汚れも由来を示すひとつの大切な要素なのかも知れないものの、そうした茶盌でお点前を楽しむことなど私にはできない(笑)。
私は茶人でもなくただお点前…独服を楽しもうとするだけであり、過度に神経質ではないつもりだが茶渋も長い間放置しておければ常識的に考えて雑菌が繁殖している可能性が大だ。要するに不潔なのである。その不潔な茶碗でお茶を点てるなどやる気もおきないし、そうはいっても飾るために入手した茶碗ではない。
ということでまずは徹底的にクリーニングおよび殺菌消毒することにした(笑)。
念のためこれまたネットで調べて見ると三重大学名誉教授 田口寛氏の「抹茶茶碗について」のウェブページを見つけたので参考にしてやってみた。
まず日常使っている部分入れ歯用の洗浄剤(錠剤)で汚れを取ると同時に殺菌。さらに鍋に入れて20分くらい沸騰し熱湯消毒する。その際に消臭効果を期待して茶葉を少し鍋に入れた…。
田口先生によればこのような処理で、科学的に清潔な茶碗になるとのことなのでまずは安心だ。

※各種クリーニングおよび殺菌処理後の内部。前記の写真と比べるとその差は歴然だ
ただし内側の茶渋による汚れはなかなか落ちなかったので見込み内の茶渋やカビ痕と思われる酷い部位に重曹などを使って可能な限り汚れを取った。
最後に常備している「紫外線殺菌棒」という製品で波長254ナノメートルのUV-Cを5分照射し殺菌を徹底した。
同じ茶渋といっても家族で使い回しているようなものなら気にならないが、今回のように以前の所有者がどのような環境で使ってきたかが分からないだけに十分楽しんで使うためには清潔でありたい。
これで後はお点前を楽しむだけだが...嗚呼、完全に「へいげもの」にはまってしまった...。
しかし...これまで日本の博物館や美術館はもとより神社仏閣の宝物館、ボストン美術館やメトロポリタン美術館に行ったときも陶磁器のコーナーは100%パスしていた私がいま、青織部茶碗を手にしてにんまりしているのだから自分でも驚いている(笑)。
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