ラテ飼育格闘日記(251)

台風15号、皆さんの所では被害はなかったでしょうか。オトーサン的にはこの台風は家の中にいても一時は恐怖を感じたほどの凄まじい雨風だった。シャッターは大きな音を立て、家はときおりミシッといやな音と共に揺れ、風の音なのだろうか「ゴー」という地鳴りのようなものが耳を騒がせる。無論ラテは怖がってオトーサンから離れない。                                                                                                      
その日の朝、所々で小雨の降るなか、オトーサンとラテは女房の通勤時間に合わせて家を出たがラテは相変わらずの迷走散歩希望のようで立ち止まってはあっちを眺め、くるっと回っては立ち止まる…といったまったくどうしようもないスタートとなった。
結局オシッコだけしてスタスタと自宅に戻ってしまうという困ったチャンである。それも一日天候が安定しているなら夕方の散歩に時間をかければよいが、当日は台風15号が日本列島を縦断することがほぼ決まっていて予報によればそれこそ夕刻が関東地方は雨風のピークになるらしいという情報だったから正直困ったな…と思っていたがこればかりは仕方が無い。

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※ラテの好奇心は相変わらずだ


昼過ぎ当たりから台風らしいというと語弊があるが雨風が強くなり、時折息継ぎのようにふっと風が止んだと思うとまた突風のような強い風が吹くという典型的な台風状態になってきた。
それまで階下で寝ていたラテは窓のシャッターが強い南風でガタピシと音を立てるのが怖いのか、2階のオトーサンの仕事部屋まで上がってきて足下のフローリングに寝そべっている。
オトーサンはフローリングでは些か寝心地が悪かろうと大きめのタオルケットを折りたたみラテを退かせフローリングに敷き「ここで寝な」と言うが頑固者の娘はわざわざタオルケットを外してやはりフローリングに腹ばいになる(笑)。

実はその日の午前中、オトーサンは歯医者に行ったついでにコンビニで自分の昼食と台風に備えた夜の食材などを仕入れていた。したがってちょっと遅めの昼直をとろうと階下に降りるとラテもいそいそとついてくる。
オトーサンはキッチンにある小さなテレビをONにし、台風関連のニュースを見ながら簡単な食事をしたが、その間ラテは食べ物を欲しがるわけでもなくリビングの端に体を伸ばして横になっているが雨音が激しいし相変わらず窓のシャッターが奇妙な音を立てるので落ち着かず、眠れないようである。

テレビのニュースによれば台風は静岡付近に上陸したとのことで続々と被害の様子が映し出される。
台風の雨風が一段と強くなったのは午後3時くらいだろうか…。これぞ台風直撃だといわんばかりの雨と風が猛威をふるい出すがとにかくオトーサンは家の中でじっとしているしかない。しかし心配なのは女房である。
新宿に勤務先のある女房が帰宅するであろうその時間帯にまさしく台風の猛威はピークになるという予報だから、少しでも早く帰るよう祈るしかない。

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※通常の雨の日、ラテはよく寝るがさすがに台風のときは寝られなかったらしい


オトーサンはいつものようにコンピュータの前に陣取ってはかどらない仕事に向かいながらTwitterなどで台風情報を集めたが突風で一瞬家が微妙に揺れるようになってくる。
先ほどテレビのニュースで見た道路標識が倒れたり、倒れた樹木がタクシーのボディを直撃したり、あるいは商店のガラスに何かがぶつかったのだろうか、一見丈夫そうなガラスが割れ落ちたりする映像がフラッシュパックしていまにも家の一部が吹き飛ぶような錯覚に陥る。窓ガラスには文字通りたたき付けるような雨といった具合で一時は恐怖を感じた…。

夕方5時になり女房から「これから帰る」と電話があったが実にタイミングの悪い決断である…(笑)。
すでに新幹線などはもとよりだが私鉄各社も運休を発表し始めたときであり、会社を出たところで電車にいつ乗れるか、いつ帰れるのかは分からない。一瞬あの3月11日を思い出す。
オトーサンは女房に、なにか食事をするなりして会社に戻った方がよいとメールを送る。ラテの散歩も心配だけど女房も帰宅困難者になっては大変だと心配の種が増えた。
何しろ電車はいつ運転開始するかは分からないわけで、続けて女房から来たメールによれば皆考えることは同じなのだろう…時間を潰そうと喫茶店を探したが満員らしい。
結局念のため食事をしてから一端会社に戻るという返事が来たのでまずは一安心。後はいつ台風が過ぎ去るかだ…。
なにしろ朝の散歩から12時間近く経過している間、自宅でオシッコをしないし勿論朝ウンチもしていない。そんな影響からか隣にいるラテが「ぷうっ」と小さなおならをする(笑)。やっぱり我慢している感じ…。
しかしこの状況では出たくとも出られない。TVのニュースによれば後2時間程度で雨は止むだろうとのことなのでそれまで我慢してもらうしかない。無論オシッコシートはいつもの所に敷いてあるが相変わらずそれを使う気配はない。

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※散歩途中でこうした樹木が倒れている場所が数カ所あった(上)。また企業の研修施設のフェンスが崩れ落ちている(下)


結局19時になると確かに雨はほとんど止んで風も弱くなったが、念のためと後30分待ち19時半にラテを連れて自宅を出た。
遊歩道をはじめ、あちらこちらに枝が折れた木々が散乱しているだけでなく壊れた傘が置き去りに放置されているのがあぶない。
それに大企業の研修施設のフェンスが何か当たったのだろうか、一部無残に崩れ落ちている場面にも出くわした。やはり侮れない台風だったのである。
幸いラテはウンチもオシッコも無事に済ませて凱旋したが、その夜はやはり日中に熟睡できなかったからだろうかよく眠っていたようだ。

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員