ラテ飼育格闘日記(207)
常々愛犬ラテがどれほどオトーサンを大切に、あるいは重要に思っているかを知りたいと考えている。この四年間ほぼ毎日ラテの世話をしているわけだが、この娘はまことに外面がよく、他の飼い主さんたちの膝に前足を乗せて立ち、口元を舐めたりと大変愛想が良い。しかし相変わらずオトーサンに対してそうした行為はしてくれない...。
11月12日はラテと出会った記念日である。1996年のこの日、オトーサンは女房と一緒に横浜市都筑区にある動物病院に出かけたのだった。そこで月1回定例の里親会が開催されることを知り、実際に適当なワンコがいるかどうかを確かめ、縁があったら飼い犬を紹介してもらうためであった。
そうした経緯についてはこの日記の最初の頃に詳しく書いたが、当初我々が頭に描いていたワンコはキャバリエだったりしたのだから雑種のラテを引き取ることになったのは正しく巡り合わせ...縁があったというしかない。

※この小さな頭で彼女は何を考えているのだろうか...
ラテは当時生後6ヶ月ほどと推定される雌のワンコだった。たまたまオトーサンが頼まれてリードを保持することになったが彼女はこの場がどのような場所なのか、何のために多くの人たちが集まっているのかを本能的に知っているように思えるほど良い子だった。
約2時間の間、他のワンコはかけずり回ったり吠えたり、そして中には床にオシッコをしてしまうワンコもいたがラテはその間一言も吠えず、オトーサンのかぶっていたキャップをカミカミして唾液だらけにしてくれた。そして初対面のオトーサンが口に手を入れても体を触っても唸ったり咬んだりしなかった。
翌月引っ越しを済ませた我が家に避妊手術も済ませ元気になったラテが車で運ばれてきた。どうやら車に酔ったらしいが見かけは元気いっぱいだったからオトーサンは早速最初の散歩に連れ出した...。
ともかく散歩がオトーサンとのコミュニケーションを図る一番の良い機会だという予備知識を得ていたから当初は朝昼晩と1日に3回の散歩をこなしたものである...。
なにしろワンコのリードを持ったのはまったくの初めてだったから正直大変だった。しかし散歩ではオトーサンの左右に付いて歩くこと、オトーサンより前にあるいは遅れてリードを引っ張ると歩きにくくなることを始め、オトーサンの歩き方や歩幅などを覚えるのに役に立った。さらに拾い食いしようとした場合にリードを引くことに注意をはらったことなどなど、ラテはなにをしたら叱られるのかを学習していったはずだ。

※ラテと散歩で通る道筋にはまさしく秋一色という美しい場所も多い
ラテが生後3ヶ月ほどのときに保護され、我が家に来る3ヶ月ほどの間はボランティアの方の家で先住犬や猫たちと暮らしていたというが、オトーサンたちの所に連れてこられて多分に心細かったに違いない。それにオトーサンはしばらくの間、ラテを良い子に育てようとトレーニングなどの本を読みあさり、そこに書かれているあれこれを鵜呑みにして厳しい対応をしていたから、ラテもオトーサンを怖い飼い主だと思ってしまったのかも知れない。
そもそもラテは飼い主の我々と始終ベタベタするという関係は好まない「寂しがり屋の1人好き」といったワンコのように思える。
そうした性格もあってか、家の中でまとわりついたり、一緒に寝たりするということはなくいわゆる手のかからない聞き分けの良いワンコに育ったと思っている。しかしオトーサンとしてはもう少し甘えて欲しいと思うわけだ(笑)。

※お気に入りのマッサージチェアに...それもこちらに背を向けて寝ているラテ。なにか拗ねているのか(笑)
女房に対して、あるいはラテが好きな友達ワンコの飼い主さんたち、そして子供たちには喜びを体全体で表して膝の上に乗ったりハグしたり、そしてチューを迫ったりするラテだがオトーサンに対してはまずそうした態度をとってくれないのである。
近づくと緊張をほぐすためかアクビを繰り返したり、時には顔を背けたりする...。
そんなとき「おい、毎日誰がお前の世話をしているんだ!」と恩着せがましいことを言ってみたくなるオトーサンだが、ラテはオトーサンの言うことはきちんと聞くが足下に寄ってきて寝そべったり体を寄せてきたりはまったくしてくれない。ましてやオトーサンの口の中にアイスクリームでも入っていればともかく、積極的にラテがオトーサンの口元を舐めにくるということもない...。やはり少々寂しいではないか...。ま、贅沢な悩みなのだが。ただしオトーサンにとっての救いは嫌われてはいないと思われることだ(笑)。
別の言葉でいうなら、ラテにとってオトーサンは必要な人間なのだ(笑)。まあ自分で言うのも変だが、必要とされるということは相手がワンコでも生き甲斐を感じるものだ(爆)。
この事を体験するにはラテとしばらく離れるとよく分かる...。
オトーサンが外出するのは日々の買い物程度なのが普通で、朝出かけて夕刻に戻ってくる...というケースはあまりない。したがって文字通りラテとはべったりなのだ。だから有り難みが分からないのかも知れない。
これまでにも機会は少ないがオトーサンが泊まり込みで留守をして戻ったときのラテの態度は忘れられない。
オトーサンが大げさではないかと思うほどの喜びよう...歓迎ぶりを見せてくれるからだ。これがあの毎日ブスッとした顔でオトーサンと付き合っているラテなのかと思うほど口を開け、両目を輝かせ、耳を倒し、尻尾などお尻ごと振って飛びついてくる。時には眼鏡ごと唾液に包まれて視界が消えてしまうほどのペロペロ責めに合うこともあったがそういえば最近は遠出しないのでそうした機会はなかったのである。
しかし先日の日曜日、チャンスが訪れた(?)。
オトーサンは朝の散歩を終え、朝食後すぐに出かけた。帰宅は午後4時半頃を目指して帰路につき途中携帯のメールで女房へ予定通り帰ると知らせたがその返事は「駅前のコーヒーショップでラテと待っているから」というものだった。
無論オトーサンに異存があるはずもなくラテがどんな反応をするかを楽しみにしながら電車の乗り換えを済ませ後3駅というところまで来たとき...電車が止まってしまったのである。
アナウンスに寄れば人身事故だというからしばらく時間はかかるに違いないとその旨をメールしたが、結局20分ほど遅れて待ち合わせ場所に着くことに...。
コーヒーショップのテラスの脇には階段があり、オトーサンは駅の改札を出てその階段を上がって左に回り込むとラテの姿が見えるはずだった。
オトーサンはiPhone 4にインストールしたばかりの「バウリンガル for iPhone」を起動し、ラテが叫ぶであろう声の翻訳をしようと準備を整えて女房とラテが待っている席を目指した。ちなみに「バウリンガル」とは犬の吠え声を音声分析して我々に分かるよう日本語に翻訳してくれるシステムだが今般そのiPhone版がリリースされたのだ。したがってラテがオトーサンの姿を見たとき、どんなことを思うかを知る絶好の機会である。

※「バウリンガル for iPhone」使用中の様子
ラテの姿は印象的だった...というより期待以上だった。最初オトーサンを発見した瞬間、すでに周りは薄暗かったこともあり確認するタイムラグがあったがオトーサンに間違いないと分かると太いからだをピョンピョンし「ウォオオーン」を繰り返しながら飛びついてくれた。嗚呼、嫌われてないという確信(笑)。まさしくオトーサン至福の瞬間であった!
後で女房に聞いたところでは階段に人の足音がする度にラテは姿勢を正してお座りをしながら確認していたという。そしてオトーサンでないとまた床に伏せるということを繰り返していたようだ。まあまあ何とも可愛いではないか...。
そう、「バウリンガル for iPhone」の翻訳だが「これって、ワタシへのごほうび?でしょう?」という結果だった。

※「バウリンガル」によればオトーサンが帰ってきたのはラテにとって嬉しいご褒美だったようである(笑)
オトーサンと半日ぶりに会って喜ぶ際の言いぐさとしては一見マッチングしていないようにも思うが「褒美」を受けることは間違いなく喜ばしく嬉しい出来事に違いない。あえて意訳するなら良い子にして待っていたからオトーサンに会えたのだ...という解釈にもとれる。
無論「バウリンガル for iPhone」が文字通りラテの気持ちを正しく翻訳したかについては誰も分からないわけだがこの一件は日常ラテのオトーサンに対する態度が冷たいと感じていただけに我が娘の思いを推し量るヒントになるような気がしているオトーサンなのである。
11月12日はラテと出会った記念日である。1996年のこの日、オトーサンは女房と一緒に横浜市都筑区にある動物病院に出かけたのだった。そこで月1回定例の里親会が開催されることを知り、実際に適当なワンコがいるかどうかを確かめ、縁があったら飼い犬を紹介してもらうためであった。
そうした経緯についてはこの日記の最初の頃に詳しく書いたが、当初我々が頭に描いていたワンコはキャバリエだったりしたのだから雑種のラテを引き取ることになったのは正しく巡り合わせ...縁があったというしかない。

※この小さな頭で彼女は何を考えているのだろうか...
ラテは当時生後6ヶ月ほどと推定される雌のワンコだった。たまたまオトーサンが頼まれてリードを保持することになったが彼女はこの場がどのような場所なのか、何のために多くの人たちが集まっているのかを本能的に知っているように思えるほど良い子だった。
約2時間の間、他のワンコはかけずり回ったり吠えたり、そして中には床にオシッコをしてしまうワンコもいたがラテはその間一言も吠えず、オトーサンのかぶっていたキャップをカミカミして唾液だらけにしてくれた。そして初対面のオトーサンが口に手を入れても体を触っても唸ったり咬んだりしなかった。
翌月引っ越しを済ませた我が家に避妊手術も済ませ元気になったラテが車で運ばれてきた。どうやら車に酔ったらしいが見かけは元気いっぱいだったからオトーサンは早速最初の散歩に連れ出した...。
ともかく散歩がオトーサンとのコミュニケーションを図る一番の良い機会だという予備知識を得ていたから当初は朝昼晩と1日に3回の散歩をこなしたものである...。
なにしろワンコのリードを持ったのはまったくの初めてだったから正直大変だった。しかし散歩ではオトーサンの左右に付いて歩くこと、オトーサンより前にあるいは遅れてリードを引っ張ると歩きにくくなることを始め、オトーサンの歩き方や歩幅などを覚えるのに役に立った。さらに拾い食いしようとした場合にリードを引くことに注意をはらったことなどなど、ラテはなにをしたら叱られるのかを学習していったはずだ。

※ラテと散歩で通る道筋にはまさしく秋一色という美しい場所も多い
ラテが生後3ヶ月ほどのときに保護され、我が家に来る3ヶ月ほどの間はボランティアの方の家で先住犬や猫たちと暮らしていたというが、オトーサンたちの所に連れてこられて多分に心細かったに違いない。それにオトーサンはしばらくの間、ラテを良い子に育てようとトレーニングなどの本を読みあさり、そこに書かれているあれこれを鵜呑みにして厳しい対応をしていたから、ラテもオトーサンを怖い飼い主だと思ってしまったのかも知れない。
そもそもラテは飼い主の我々と始終ベタベタするという関係は好まない「寂しがり屋の1人好き」といったワンコのように思える。
そうした性格もあってか、家の中でまとわりついたり、一緒に寝たりするということはなくいわゆる手のかからない聞き分けの良いワンコに育ったと思っている。しかしオトーサンとしてはもう少し甘えて欲しいと思うわけだ(笑)。

※お気に入りのマッサージチェアに...それもこちらに背を向けて寝ているラテ。なにか拗ねているのか(笑)
女房に対して、あるいはラテが好きな友達ワンコの飼い主さんたち、そして子供たちには喜びを体全体で表して膝の上に乗ったりハグしたり、そしてチューを迫ったりするラテだがオトーサンに対してはまずそうした態度をとってくれないのである。
近づくと緊張をほぐすためかアクビを繰り返したり、時には顔を背けたりする...。
そんなとき「おい、毎日誰がお前の世話をしているんだ!」と恩着せがましいことを言ってみたくなるオトーサンだが、ラテはオトーサンの言うことはきちんと聞くが足下に寄ってきて寝そべったり体を寄せてきたりはまったくしてくれない。ましてやオトーサンの口の中にアイスクリームでも入っていればともかく、積極的にラテがオトーサンの口元を舐めにくるということもない...。やはり少々寂しいではないか...。ま、贅沢な悩みなのだが。ただしオトーサンにとっての救いは嫌われてはいないと思われることだ(笑)。
別の言葉でいうなら、ラテにとってオトーサンは必要な人間なのだ(笑)。まあ自分で言うのも変だが、必要とされるということは相手がワンコでも生き甲斐を感じるものだ(爆)。
この事を体験するにはラテとしばらく離れるとよく分かる...。
オトーサンが外出するのは日々の買い物程度なのが普通で、朝出かけて夕刻に戻ってくる...というケースはあまりない。したがって文字通りラテとはべったりなのだ。だから有り難みが分からないのかも知れない。
これまでにも機会は少ないがオトーサンが泊まり込みで留守をして戻ったときのラテの態度は忘れられない。
オトーサンが大げさではないかと思うほどの喜びよう...歓迎ぶりを見せてくれるからだ。これがあの毎日ブスッとした顔でオトーサンと付き合っているラテなのかと思うほど口を開け、両目を輝かせ、耳を倒し、尻尾などお尻ごと振って飛びついてくる。時には眼鏡ごと唾液に包まれて視界が消えてしまうほどのペロペロ責めに合うこともあったがそういえば最近は遠出しないのでそうした機会はなかったのである。
しかし先日の日曜日、チャンスが訪れた(?)。
オトーサンは朝の散歩を終え、朝食後すぐに出かけた。帰宅は午後4時半頃を目指して帰路につき途中携帯のメールで女房へ予定通り帰ると知らせたがその返事は「駅前のコーヒーショップでラテと待っているから」というものだった。
無論オトーサンに異存があるはずもなくラテがどんな反応をするかを楽しみにしながら電車の乗り換えを済ませ後3駅というところまで来たとき...電車が止まってしまったのである。
アナウンスに寄れば人身事故だというからしばらく時間はかかるに違いないとその旨をメールしたが、結局20分ほど遅れて待ち合わせ場所に着くことに...。
コーヒーショップのテラスの脇には階段があり、オトーサンは駅の改札を出てその階段を上がって左に回り込むとラテの姿が見えるはずだった。
オトーサンはiPhone 4にインストールしたばかりの「バウリンガル for iPhone」を起動し、ラテが叫ぶであろう声の翻訳をしようと準備を整えて女房とラテが待っている席を目指した。ちなみに「バウリンガル」とは犬の吠え声を音声分析して我々に分かるよう日本語に翻訳してくれるシステムだが今般そのiPhone版がリリースされたのだ。したがってラテがオトーサンの姿を見たとき、どんなことを思うかを知る絶好の機会である。

※「バウリンガル for iPhone」使用中の様子
ラテの姿は印象的だった...というより期待以上だった。最初オトーサンを発見した瞬間、すでに周りは薄暗かったこともあり確認するタイムラグがあったがオトーサンに間違いないと分かると太いからだをピョンピョンし「ウォオオーン」を繰り返しながら飛びついてくれた。嗚呼、嫌われてないという確信(笑)。まさしくオトーサン至福の瞬間であった!
後で女房に聞いたところでは階段に人の足音がする度にラテは姿勢を正してお座りをしながら確認していたという。そしてオトーサンでないとまた床に伏せるということを繰り返していたようだ。まあまあ何とも可愛いではないか...。
そう、「バウリンガル for iPhone」の翻訳だが「これって、ワタシへのごほうび?でしょう?」という結果だった。

※「バウリンガル」によればオトーサンが帰ってきたのはラテにとって嬉しいご褒美だったようである(笑)
オトーサンと半日ぶりに会って喜ぶ際の言いぐさとしては一見マッチングしていないようにも思うが「褒美」を受けることは間違いなく喜ばしく嬉しい出来事に違いない。あえて意訳するなら良い子にして待っていたからオトーサンに会えたのだ...という解釈にもとれる。
無論「バウリンガル for iPhone」が文字通りラテの気持ちを正しく翻訳したかについては誰も分からないわけだがこの一件は日常ラテのオトーサンに対する態度が冷たいと感じていただけに我が娘の思いを推し量るヒントになるような気がしているオトーサンなのである。
- 関連記事